昨日12/21に、磐城共立病院と東北大学大学院との間で、連携講座の協定が締結されました。目的はズバリ、共立病院への医師招聘です。
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<連携講座の内容>
・分野:消化器地域医療医学講座として、内科学・外科学・予防医学の3分野
・教員:客員教授及び客員准教授
・学生:医科学専攻博士課程(4年)の学生
・設置場所:いわき市立総合磐城共立病院
・入学日:平成25年4月1日
・受け入れ:教授等及び学生は、共立病院に勤務を予定

現時点では、具体的な教員名や医学生の人数等の詳細は未定となっています。
私見ですが、講座開設にともなってやって来る教授陣と医学生の両方を、共立病院に取り込もうということだと思います。また、医学部生の研修期間終了後に、共立病院に就職してもらおうという意図を感じます。おそらく教員は東北大学からの招聘、学生も東北大学大学院に在籍している医学部生が対象になろうかと思います。 課題は、大学医局の中でも医師数は減少傾向にあり、外に回せる人数自体が少ないこと、また入学までの日程があまりに短く、さらに東北大学と共立病院との精神的距離(過去のいきさつ等)・物理的距離(直通の常磐線、常磐道なし)から、本当にいわきに「医師招聘」という、協定締結の目的が達成できるのかという一点です。

いわき市への医師招聘は、喫緊かつ最大の課題です。現病院でも医師の定足数を満たすことができず、常勤医師がいない診療科が複数存在し、片肺状態で飛行しているようなものです。また今年度の14名の臨床研修医募集に対し、数名のみ確定しているような状況です。何故学生が応募してこないのか、医師の退職が続くのか、本質的な問題点の明示、解決策の提示がなく、枝葉の施策が先行しているように見えます。私なら行動経済学等の考え方で対応していきます。

病院経営の最大の肝は、医師の質と量です。そしてそれを束ねる組織と病院経営幹部の資質です。現状ベースで新病院建設すれば、魂が入らない抜け殻を作ることなり、将来的な運営負担が市民にのしかかってくることになります。今回の協定締結はアドバルーンを打ち上げただけであり医師招聘できたわけではありません。PDCAをこの数ヶ月でどうまわしていくのか。市の取り組みを応援したい気持ちですし、進捗を注視していきたいと思います。
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