吉田みきと ほぼ毎日ブログ

「死して不朽の見込みあらばいつでも死ぬべし。 生きて大業の見込みあらばいつでも生くべし。」 吉田松陰・高杉晋作語録   「金もいらぬ、名誉もいらぬ、命もいらぬ人は始末に困るが、そのような人でなければ天下の偉業は成し遂げられない。」 西郷隆盛・山岡鉄舟語録

2015年07月

大衆食堂 大盛屋

いわき市平堂ノ前にある、大盛屋さん。6号一般国道、トヨタカローラいわきの裏手にあり、かなりマイナーな場所です。いわきにはジャンボメニューがあるので、名前からしてここもそうでは・・・と思いましたが、普通でした!「冷やし中華」と「やっています!」の看板が店の前に出ています。
 
店内は昭和レトロの食堂です。店の外観は、バラックみたいです。店長の大内さんの話によれば、創業55年とのこと。店名は当時の平市長 諸橋久太郎氏に命名いただいた由緒正しき名前だそうです。小名浜のソウルフードがチーナン食堂なら、平のそれは大盛屋かも(いや、それはない)?
 
<行列のできる店 チーナン食堂@小名浜>
 http://www.mikito.biz/archives/44146240.html
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 メニューは、中華系ならなんでも、牛丼・カツ丼・ざるソバもあり、何でも屋さんです。

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テーブル席が数席と、奥に小上がり席の小さなお店です。この小上がりが掘りごたつになっていて、いかにも昭和の香りがします。というか生活臭かも。

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よくこんなに小さい厨房で、多彩なメニューが調理できるなあと思います。
 
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注文したのは、看板メニューのひとつでもあり、いわきのソウルフードでもある「冷やし中華」。当然ですが、マヨネーズ&和辛子付です。とにかく具だくさん。麺が見えないほど、具満載でした。味はまあ普通かもしれませんが、こんな店が50年以上営業継続していることに、驚かされます。
 
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就学援助費 いわき市全体の1割が受給中

いわき市では、子どもを公立小中学校へ就学させるのに経済的理由でお困りの方に、費用の一部を援助する就学援助制度があります。対象者は、市立小中学校に在籍する児童生徒の保護者の方で、次のいずれかに該当する方です(申請主義です)。
平成26年度の実績では、市内の小中学生2,522人の保護者に対して約2億円が支出されました。小学生一人当たり約6.3万円、中学生一人当たり年間10.1万円です。

・母子・父子家庭及び障害者で、市民税が非課税の方
・天災等により、市民税・個人事業税・固定資産税のいずれかが減免された方
・国民年金の掛金の減免、国民健康保険の減免又は徴収の猶予が認められた方
・児童扶養手当を受けている方
・世帯更正貸付補助金の貸付決定を受けた方
・失業対策事業適格者手帳を有する日雇労働者又は職業安定所登録日雇労働者の方
・その他特別な理由で、経済的にお困りの方 など

ざっくりいえば、生活保護を受けていないけれども、相当経済的に厳しい家庭です。このような家庭では、学用品等をふんだんに買い与えることができない状態であると推測できます。

そのような家庭にたいして、学用品費・通学用品費・校外活動費・新入学児童生徒学用品費・修学旅行費・通学費・学校給食費・医療費等の一部を援助しています。援助を受けている方は、平成26年度で2,522人ですから、生活保護を受けている237人を加えると、いわき市児童・生徒数28,044人に対し、約10%になります。減少傾向にはあるものの、1割ものこどもが経済的に厳しい環境下で育てられていることに改めて驚きました(なお、全国的に就学援助制度の申請は年々増加していて、平成24年は16%(平成7年は6%)。小中学生の6人に1人が活用しているそうです)。
 
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親の年収と子どもの学力の関係は、全体として正比例の関係にあることは、すでに大規模調査で明らかになっています。資本主義・自由主義の世界においては、個々の自由な活動の結果、こどもの教育に力を入れるも入れないも自由です。塾に通う費用がじわりと家計を圧迫している家庭もあるでしょう。学用品もふんだんに使えないような状態では、塾に行って学力を伸ばしたい子どもがいても(おそらく)親が塾に通わせることができない状況の家庭も多かろうと推測されます。塾に通わせられない低所得世帯も増えており、経済状況による「通塾格差」は開きつつあるという報告もあります。

全国的には、生活困窮者世帯の中学生を対象に、通塾援助する仕組みを取り入れている自治体があります。そのような家庭の保護者に、単に金銭支給するのではなく、こどもに勉強する機会を設けてあげるべきではないか。

 

喫茶&軽食 キャロット

市役所近く、平字童子町にある喫茶&軽食 キャロットさん。市役所職員もよく利用するお店です。

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独立した建物の内装は、昔ながらの喫茶店です。

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基本はコーヒー店ですが、昼時はランチを注文する方がほとんどです。日替わり定食880円。本日はサーモンの香草焼き定食。味噌汁の出汁がよくきいていておいしかったです。

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小名浜市民会館の雨漏り 既存インフラの統廃合の検討

小名浜市民会館は、1960年にオープンした小名浜地区にある多目的ホールです。大ホールは座席数1,000席もあり、大きなコンサートや講演会も可能です。現在は、指定管理者による管理運営が行われていて、常磐開発株式会社・常光サービス株式会社・トーホク装美株式会社の3社JVの共同企業体が運営を行っています。

今回はじめて入る機会がありましたが、築55年は「伊達」じゃなかった。 
 
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1フロアだけで1,000席は圧巻です。いわき市で一番大きいアリオスでさえ、大ホールの1Fだけなら900席弱です(全体では1,700席)から、その大きさがわかります。

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ただすべての椅子が使えるわけではなく、損耗により使用不可な椅子がそこここに散見されます。椅子自体が古いので、補修しようにも当時の部材が必ずしも入手できないのでしょう。修理代金の手間もばかにならないはず。

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また天井からの雨漏りも発生していました。雨の日には舞台にバケツをおいて対応しているそうです。また壁伝いに水がしみ出してくることもあるそうです。このまま放置しておけば、加速度的に建物の躯体自体に悪影響が出てきそうです。

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廊下の塗装の剥げが、かなり目立ちます。建物内部の塗装自体は、寿命に影響がないとはいえ、見た目が悪いと、管理上よくないことは、割れ窓理論で明らかになっているところです。

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それであっても、高稼働率を維持しているのが驚き。大ホールは、小中学校の定期演奏会やその練習、そして地域の健康診断の会場等として利用されていることが多い。また会議室や日本間も、地域の趣味サークルの活動の場として、固定的な利用団体があるようで、地域に愛され、利用されていることがわかりました。

築55年を経過し、この施設の延命にも限界が見えてきているのは明らかです。一方、人口減少下では、いままで整備してきたインフラ設備を、同じ規模・量で維持できなくなる可能性が高い。維持管理費や、利用方法、利用頻度を考えて、インフラの統廃合、ダウンサイジング、多目的化、簡素化等の方法を、(ちいさな地域単位でなく)市全体・広域な見方で考えていかなくてはなりません。

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小学生による起業プログラム ジュニアエコノミーカレッジinいわき

いわき商工会議所青年部主催、小学生による起業プログラム、ジュニアエコノミーカレッジinいわきが、生涯学習プラザで開催されました。今年で第5回を迎え、過去最高の16チーム80名の参加です。今年も、一コマ、講師を務めさせていただきました。

<昨年のジュニアエコノミーカレッジは、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/41726197.html
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市内の小学校5.6年生を対象に公募するのですが、アンケートによると、参加の動機は「学校の先生のすすめがあったから」「友達の誘いがあったから」が多かったようです。また昨年参加し楽しかったので、今年も引き続き参加という子もいて、こういった声がでるのは、運営側のひとりとして嬉しいです。

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旧古河庭園 陸奥宗光のバラ園

旧古河庭園は、東京都北区にある都立庭園です。明治期には元勲である外務大臣 陸奥宗光の邸宅でしたが、その後、古河財閥の所有となりました。洋館は、巨匠ジョサイア・コンドルにより設計されました。ジョサイア・コンドルといえば、三菱一号館・三菱二号館・三菱三号館・旧岩崎邸庭園洋館・三菱開東閣等を設計した、三菱グループと関わりの深い建築家です。

一時は、古河家の迎賓館として使用されましたが、財産税の物納で国有財産になりました。その後東京都に無償で貸し出され、都立公園として開園。その後修復され、現在の姿になっています。

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洋館南側の洋風庭園は、テラスが階段状に連なるイタリア式庭園と、平面的で幾何学的に構成されるフランス式庭園のコンビです。植えられている多数のバラ花壇は正しく左右対称形になっています。数百種類のバラの種があり、「プリンセス・マサコ」という名前も発見。
 
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洋館は、人数限定で。1日3回、時間を決めて行われているガイドツアーに参加すると見学可能でしたが、超人気のため今回は断念。その代わりに、洋館1階の喫茶室でお茶をしました。テラス席中央に陣取れば、目の前は、洋風庭園の借景がひとりじめ!バラ園を望みながら贅沢にお茶を飲むことができました。陸奥宗光もこんな風景で休日を過ごしていたのでしょう。
 
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ギネス世界記録達成!と思ったら、残念無念。

ギネス世界記録に挑戦!米国からお呼びしたギネス記録審判員の立会いの下、小川郷駅での1000人による腕組み乾杯の記録更新を狙いました。一ヶ月以上前から準備された実行委員の方々、そして炎天下の中、2時間以上も立ち続けた参加者の方々、お疲れ様でした!

会場になった小川郷駅横の広場には、1000人以上が集結(私の登録番号は1026番)、スタッフや見学者も含めたら1,500人くらいは会場にいたのではないでしょうか。早い方は朝9:00amから並んで、ギネス記録の当事者となるべく、お越しになっていたとのこと。

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ギネス記録に挑戦の登録料として、100円を募金してコップをもらいます。このコップにフェイジョア茶を注ぎ、1000人の参加者が「同時に」腕組みをしつつ、乾杯して飲み干すというギネス記録。これまで数百人単位では記録があるそうですが、1000人を超えるのはこれがはじめてなので、成功すればギネス記録に正式認定されます。折しも小川郷駅開設100周年記念にあたる今年に、ギネス記録ができれば花を添えることができます。

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アメリカからギネス審判員を(有償で)招へいし、ギネス記録を正式に承認してもらいます。そのために、全員がそろっているか、ゼッケンに欠番がないかどうかを全員がそろったところで、ひとりひとりチェックします。これに時間がかかった。炎天下、審判員が1000人分をチェックするのに、数十分かかります。炎天下のため、暑さでダウンする参加者も発生してしまい、再度整列のし直し等があって、1時間近く棒立ちの状態が続き、参加者に疲れが見えてきたため、リハーサルを飛ばし、いきなり「乾杯本番」をやりました。

1000人同時に腕組みして、乾杯!大成功!!!

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乾杯が終わったので、会場に残ってその他のイベントに参加する方、帰宅する方等、三々五々、1000人が散っていきました。その後、審判団で協議した結果、腕組みをしないで、乾杯しちゃった人がいることがわかり、ギネス記録更新ならず、残念無念!という結果になってしまいました。

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小川郷駅には100周年記念事業の一貫として、元駅長室に駅ゆかりの展示がされていました。昔は平駅(いまのいわき駅)と小川郷駅とで、磐越東線の折り返し運転の列車が運行されていたんですね。

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かつての小川郷駅は、「石炭」と「頁岩」の積み出し駅として、繁栄した時期がありました。駅ホーム横の線路上に、線路直結の頁岩積込場(建物)が築造されていました。ここは現在、取り壊されて、住宅地に変わっています。

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頁岩は、八茎鉱山近くで掘り出したものを、ケーブルカーで小川郷までダイレクトに搬送していました。このケーブルや鉄塔はすべて取り払われてしまい、今日その痕跡を見つけることは難しいです。

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かつて、石炭と頁岩という鉱業で栄えた小川郷駅。1998年に無人駅となってからは、その面影はありませんが、地元の人達の心の中には、しっかりと昔日の姿は残っているのでしょう。
 

いわきヘアメイクアカデミー ビューティフェスティバル

いわきヘアメイクアカデミーのビューティフェスティバル2015が、学園内で開催されました。訪問した方は、無料でネイル、メイク、ヘアセット体験ができます。地元の市民が列をなして来訪したので、午前中で整理券が終了する人気でした。私は、見てるだけでしたが。

<いわきヘアメイクアカデミーは、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/37304847.html
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会場の学園ビルは、学生による手作り感で満載の飾り付けです。黒板に描いた絵も、遊び心と絵心を感じます。

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出し物の目玉はなんといっても、学生による無料でネイル、メイク、ヘアセット体験です。おそろいの赤のオリジナルポロシャツを身につけた学生がずらりと並んで、市民に無料で施術をします。きれいなお姉さん、イケメンのお兄さん方ばかりなので、場が華やぎます。ぱっと見ですが、ネイル体験、メイク・ヘアセットともに、女子小学生が母親に連れられて施術してもらっている姿が多かった。やはりオシャレに目覚めて、本格的なものを見てみたい!という動機で訪れているのかもしれません。プロ用の高価な材料を使っての施術なので、学生による仕上がりもプロ並みといってもいいと思います。

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市民に接する学生も本気です。原則、お客1人に対し学生1人で対応しますが、メイクやヘアセットだとお客1人に対して学生2-3人で同時に作業することもあり、まるでお姫様状態。15分程度の施術で、フツーの女子が、きらきら女子に変身してしまいました。きれいなお姉さん方に施術してもらって、キレイになった女の子は、ますますオシャレに傾倒してしまうかも。一方、それはそれで、世の中が明るくなっていいかもね。

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いわきPIT(いわきピット) オープニングコンサート

いわき市平のイトーヨーカドー隣り(いわき市平祢宜町5-13)に、いわきPITが落成し、関係者によるオープニングイベント&コンサートが回されました。いわきPITとは、東日本大震災からの復興をエンターテインメントから後押しする、一般社団法人チームスマイルが運営するイベント会場のひとつです。PITはPower Into Tohokuの略称で、東北にパワーを注入したい!という思いのネーミングです。

運営主体は、エンタテインメント業界のキープレーヤーの「ぴあ」です。エンタテインメントによって、被災地の方々に勇気や元気を届ける力があるはずだ、そう信じた有志によって、自然発生的に生まれたボランティア活動に賛同する企業やエンターテイナー個人らの協力を得て、一般社団法人チームスマイルが運営されています。

チャリティコンサートの開催や復興支援イベントなど様々な支援活動は、一過性の単発のイベントに終わらせず、「継続性」が大事です。そのために、活動拠点の確保と、その開設と運営をまかなうための経済性の担保が必須となります。これら二つを解決するべく、東北三県(福島、宮城、岩手)と東京に、その活動拠点となるシアターを開設すること、それが、この「PIT」です。

以下、4つのPITを回線で接続することにより、リアルタイムで相互に映像・音楽等をやりとりすることができ、エンターテイメントだけでなく、会議やイベント等に使うことが想定されています。

豊洲PIT(東京都江東区 開業時期2014年10月、収容人数約3,100名)
いわきPIT(福島県いわき市 開業時期2015年7月、収容人数約200名)
仙台PIT(宮城県仙台市 開業時期2016年春予定、収容人数約1,200名)
釜石PIT(岩手県釜石市 開業時期2016年春予定、収容人数約150名)
 
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ぴあ代表の矢内廣氏による、オープニングの挨拶がありました。氏は、いわき市四倉出身で、チケットぴあを創業された方です。現在も上場企業となったぴあの筆頭株主であり、また一般社団法人チームスマイルの代表でもあります。この方の、人的・資金的支援がなければ実現しえなかった。特にこれまで数十年もエンターテインメント業界で培ってきた、アーティストとの人的ネットワークは超パワフルです。チームスマイルの役員そして、共感して下さっているアーティストのリストは、いわゆる大物俳優、アーティスト、文化人等がずらりと並んでおり、圧巻です。このような活動をしていただいていることに、厚く感謝します。
 
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オープニングコンサートとして、最初に演奏された方は、ピアニストの熊本マリさんと、チェリストの溝口肇さんの共演。溝口さんは、『世界の車窓から』のテーマ曲を作曲した方です。

ピアニストの熊本マリさんが弾いたのは、会場に設置された豊間中の奇跡のピアノです。音質が柔らかくて弾きやすいと、絶賛されていました。これを補修し、調律し、維持してきた、調律士の遠藤洋さんも嬉しかったと思います。

<豊間中の奇跡のピアノは、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/43550589.html
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舞台を早変わりして、長唄も披露されました。

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作曲家小六禮次郎さんと女優の倍賞千恵子さんご夫婦による、熱唱。

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プリンセス・プリンセスの岸谷香 / 渡辺敦子さんが、サプライズ登場。翌日開催予定のこけら落しコンサートを前倒しして、岸谷香さん(奥居香さん)が「ジュリアン」を熱唱しました。

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ボーカリストのSalyu(サリュウ)さんもサプライズ登場。

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大きな期待とともに、このPITをどのように活用していくかが課題です。いうなれば、いわきPITは「ただのハコ」。このハコを、地元のアイデアでどのように使っていくか、発信していくか。「ただのハコ」が若い世代が新しいことを想像できる「基地」となれるかどうかは、発想力と行動力が試されていくのだと思います。

卑怯者の島 小林よしのり著 お試し読み

「ゴーマニズム宣言」「戦争論」で有名な、右より系漫画家 小林よしのり氏の新著です。新著の発刊にあたり、無料のお試し版の100ページあまりの小冊子が、書店で無料配布されていました。小林よしのり氏のマンガを全て読破したわけではありませんが、氏の非常に詳しい歴史観と、「かなり右より」の主張には、国を愛するという点で賛同する部分と、戦争を論理的に考えるという点で違和感の両方がありました。

マンガの舞台はパラオ・ペリリュー島を想定した南の島。南太平洋最大の激戦地のひとつです。数年前にパラオには休暇で行ったことがありますが、とても美しい環礁に囲まれた天国のような島です。その太陽と青い海にかこまれたペリリュー島で激戦が始まろうとは、当事者でも信じがたかったに違いない。

圧倒的な兵力差から玉砕戦になり、それに臨む日本兵を主人公に、壮絶な戦闘シーンと極限の人間ドラマです。戦争ドラマにありがちな「反戦平和」や「お涙頂戴」などのお約束をすべて排除し、戦争のリアルだけを追及したストーリー漫画。これが序章というのですから、本編はどれほどなんだろう?と購入意欲をかき立てられました。無料版を制作するのに相当な広告費がかかっているとは推測しますが、新たな読書の獲得という点では、このような、(かなり)本編を入れ込んだお試し版は、難しい内容の本にはフィットしています。
 
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主人公は「俺は、撃たれたふりをして後退し、塹壕の中に隠れていた!」。そして塹壕から戦場をのぞき見ると、そこから覗く光景は一度怯んだ者には耐えがたい熱情に支配されていた・・・(詳しくは、マンガの中の圧倒的な迫力の絵を参照)。読後には、実際に戦争に行ってきたかのような幻覚を覚え、猛烈な疲労感、脱力感に襲われました。
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いわき市の人口推移 実質的に転出超過数全国ワーストワンか?

いわき市の推計人口統計の結果によれば、直近(平成27年4月1日)の人口は、324,370人で、人口ピーク時(平成10年4月1日)の360,661人から約1割減少しています。

<いわき市の人口は、コチラ>
http://u111u.info/mInC

この減少の要因は、グラフ化してみると、臨時・一時的な要因によるものではなく、いわゆる「社会減」であることがわかります。東日本大震災による影響もありますが、大きくへこんだのは平成24年の8,400人減少だけで、平成25年からは、震災前と変わらず、毎年2,000人前後の減少傾向が続いています。

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ところで、2015年7月に、MUFGリサーチ&コンサルティングから、大都市圏における地方創生というタイトルで、全国市町村の転出超過数ランキングが発表になっています。それによると、平成25年のワーストワンが横須賀市で△1,772人の転出超過、平成26年が北九州市の△2,483人の転出超過となっています。その点、いわき市が、平成25年が△383人の転出超過、平成26年が49人の転入超過となっています。

安心かというと、ちょっと待って。いわき市の人口減少数で見ると、平成25年△1,997人、平成26年 △1,523人で、上記ランキングにあてはめると、平成25年が横須賀市の転出超過数をを抜き、全国ワーストワンの人口減少、平成26年もワーストスリーに値する人口減少となっています。定義も調査時点も異なっているので、そのままの比較はできないものの、もとからいたいわき市民の人口という観点からは、人口減が著しいと結論づけて間違いなさそうです。

もちろんいわき市には、2万4千人といわれる双葉8町村をはじめとする長期避難者がおり、加えて6,000人といわれる原発作業従事者が起居しているといわれています。その方々を加えれば、統計上の数値は生活人口は増加という見方もできるのでしょうが、もとからのいわき市民に限っていえば、流出は止まっていません。

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<出典>
MUFGリサーチ&コンサルティング「大都市圏における地方創生」
http://u111u.info/mIjg
 
横須賀市はそれに危機感をもって、結婚、子育て世代の転入を促進するための施策を体系的に強化する方針が打ち出されました。そして具体的な取り組みとして、小児医療では医療費の拡充、中心市街地における固定資産税の減免や容積率の緩和などによる再開発促進、最低敷地面積要件の緩和や高度地区の廃止などによる民間建設投資の促進、市の生活の場としての魅力に対する認知度と評価を高めるため、市外の駅や住宅展示場でのキャンペーン、企業へのセールス活動など市外居住者へのプロモーション活動を積極的に展開しているそうです。
 
<横須賀市長の吉田雄人氏は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/38877704.html

取り組みの効果は徐々に出始めていて、平成26年1年間の転出超過数は899人と前年と比較して半減し、順位もワースト1位から17位にまで改善しています。「住むまち」としての側面をより重視し、子育て支援を中心とした生活の場としての魅力を高めるとともに、転入の受け皿となる適切な住宅供給を促進する。出生率を改善するという観点からも、こうした「住むまち」としての環境の充実と、それへの住民の認知と評価を高める取り組みが重要。こういった良い事例はTTP(徹底的にぱくる)し、エッセンスを導入すべきです。

天政 いわき青のり麺

いわき青のり麺は、いわき平の永嶋製麺が作る麺。「いわき市に新しい名物を」ということで平飲食業会麺部会が数年前に開発した商品だそうです。国産小麦と地元の塩、県産の高級アオサ(あおのり)が原料です。ほんのりとした青のりの香りと確りとしたコシが特徴です。アオサ(青のり)には、沢山のミネラルが含まれています。

あおさ・青のりは、正式には「ヒトエグサ」というらしい。「ひとえ草」には40%以上の食物繊維、牛乳の約8倍のカルシウム、ほうれん草の2倍のビタミンAと葉酸が含まれています。さらに、野菜ではほとんど抽出できにくいビタミンB12が他の海藻より多く含まれているそうです。

いわき青のり麺は、スカイストアや、ら・ら・ミュウの銘品プラザなどで購入できるそうです。1袋200gで270円前後とのこと。
 
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これを天ざる1,100円でお店で提供しているのが、市役所前の「天政」さんです。磯の香り、青のりの風味がさっぱりとしていて美味しかったです。

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中央卸売市場の料理教室

いわき市の中央卸売市場では、2月に1回くらいのペースで料理教室を開催しており、20年以上も継続しているそうです。目的は、生鮮食料品の知識や調理方法についての認識を深めてもらうことと、中央市場で取り扱う旬の野菜や新鮮な魚介類を素材にした家庭料理を知ってもらうことです。主催はいわき市中央卸売市場協会ですが、本日はお魚がテーマでしたので、いわき魚類様がお手伝いに来ていました。水産7社、青果5社、花き2社の協力を得ての運営です。

本日の講師は、民間の栄養士の先生。魚のスズキをテーマに、「スズキのアクアパッツア」「スズキのチーズ焼き」「スズキの野菜あんかけ」の3つのメニューを作ります。参加者は、男性も含めて36名(調理台6セット×1チーム6人)。年齢層は50-60才代が多いように見受けられました。

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市場関係者の協力が得やすい時間帯(平日の13:00-15:00開催)のため、無理なく20年も継続できていることがポイントかもしれません。通常、市場は早朝(もしくは深夜)に始まり、荷動きは午前中早い時間帯に終了してしまいます。市場関係者はお昼に退社するのが通常のスケジュールであるところ、数時間延長してご協力いただくことができる時間帯だからです。一方、平日日中に参加できる方は、現役世代でなくリタイヤされた層、もしくは専業主婦に限られてしまうのが残念でもあります。

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家事を担当される主婦であっても、あらためて新しいメニューを覚えたい等の動機で参加される方もいらっしゃるとのこと。こういった層が「魚食」「食育」普及の草の根運動になるのだと思います。

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調理終了後には、参加者メンバー全員で試食(というか昼食)をします。これが楽しみの方もいらっしゃるはず。

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午後の中央卸売市場は、閑散としています。

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夏井川の鮎の友釣り 河口閉塞の影響

小川地区の夏井川でアユの友釣りを見物。川縁にある小川公民館で開催された議会報告会の帰路に立ち寄りました。絶好の釣り日よりで、見える範囲だけでも10名近い釣り人が川に入って友釣りをしていました。日差しは強いですが、冷たい川に入っての釣りは気持ちよさそうでした。今年は雨が少ないようで、例年よりも水深が10cm以上低いとのこと。

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水深が浅いと、鮎の成長のもとであるエサ、水苔も少なくなってしまうので、魚体がやや小さめになるそうです。天然で遡上してくる鮎は20cm以上になりますが、毎年放流している鮎の大きさは15cm-18cmくらいです。

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夏井川は河口閉塞(かこうへいそく)といって、河口部分が流出土砂で埋没したり、波風の影響によって砂洲が発達し、河口を塞ぐ状態が続いています。その影響で、天然で遡上するはずの魚(鮎を含む)が、川に入ることができなくなってしまい、川全体の魚影が少なくなっています。河口閉塞が生じると河川水位が上昇し、住宅や農耕地へ浸水し被害をもたらすします。そのため福島県いわき建設事務所が、閉塞時にバックホー等の重機を使って人工開削を行っています。しかし、開削が行われたとしても水位低下に至らない場合や、開削後数日で閉塞が生じてしまう場合があるそうです。原因はたくさんあるのでしょうが、夏井海岸環境整備事業として整備された緩傾斜堤、離岸堤4基、突堤4基からなる新舞子ビーチの影響ではないかといわれています。どうも沖に設置したテトラポットが良くないようなのです。もしこれが主要因なら、早急に対策をとらなければなりません。

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1日遊漁券は1,500円(年間パスポートは6,500円)、トモのアユも1匹500円で現地販売していました。

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国府田農場の歴史DVD ライスキング国府田敬三郎氏 世界ではじめて飛行機で水田の種まきを行い、国宝ローズを栽培

いわき市出身の偉人のひとり、「ライスキング」と称された国府田敬三郎氏のDVDを拝見しました。国府田農場の歴史というDVDです。国府田 敬三郎(こうだけいざぶろう)氏は、福島県いわき市小川町出身で、アメリカの大規模米作の農場経営者です。アメリカ合衆国カリフォルニア州で、大農方式による同地の気候に合った良質なカリフォルニア米「国宝ローズ」の大量生産に成功し、「ライス・キング」と呼ばれました。ちなみに、国府田氏の実家である、小川の国府田米店はいまでも親族により営業が続いています。

このDVDは2部構成になっていて、第1部は国府田敬三郎の歩みを多数の写真のスライドショーとともに、キャプションで紹介しています。第2部は、世界ではじめて飛行機で水田の種まきを行った当時のKODA FARM(国府田ファーム)の米作の一年を紹介しています。とても貴重な写真がふんだんに使われて、ぜひ機会があれば図書館等に収蔵して欲しいと思いました。
 
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国府田氏の少年時代は、「米国富豪伝」というロックフェラーやカーネギーなどの成功列伝を綴った本を読んで、アメリカへの憧れを抱くようになります。いったんは、福島県師範学校に進み、教師となりましたが、退職して渡米。1920年にまずはじめに1,800エーカーの土地を借り、米作を始めます。世界ではじめて飛行機で水田の種まきを行うといった斬新な方法を試みて、10,000エーカー規模の米作を行う大農園を経営するにようになりました。
 
しかし、1941年の真珠湾攻撃に端を発した太平洋戦争の開戦に伴い、資産のほとんどを失います。すなわち日系人のコロラド州のアマチ収容所という強制収容所に入れられてしまいます。身柄を拘束されてしまったため、農場の顧問弁護士だったアメリカ人に全てを委託が、終戦後に土地の2/3が無断で売却されていたことが発覚。

それを乗り越えて新たに土地で農園を再開。それまでの品種に改良を加え、日本の米とほぼ変わりの無い「国宝ローズ」の大量生産に成功します。発売後は現地の日本人・日系人から絶大な支持を得るに至り、現在でも代表的なカリフォルニア米の一つとなっています。いわゆるカリフォルニア米を立ち上げたわけで、世界にとっては素晴らしい偉業だという一方、カリフォルニア米の開発成功さえなかったら、コメはずっと日本国内のものでグローバル化しなかったはずで、コメの輸入自由化の問題は起きなかったともいえるわけです。なお、現在でもKODA FARM(国府田ファーム)は孫であるRoss氏が受け継ぎ、国宝ローズを栽培しています。

<KODA FARM(国府田ファーム)は、コチラ> 
http://www.kodafarms.com/
 
米作以外の面でも、戦前から日本人移民達にとっての悩みの種だった「外国人土地法」を撤廃させるべく、帰化権獲得同盟を結成して全米的な運動を展開します。そしてついに1952年にカリフォルニア州最高裁において「外国人土地法は違憲」との判決がでます。日系一世の帰化を認めさせるためのロビー活動への支援や、日本から農村部の青年達のカリフォルニア州への受け入れ事業に、尽力します。東京銀行(現在の三菱東京UFJ銀行)がカリフォルニア支店を設立できたのも、日系人達がスムーズに融資を受けられるようにと活動した国府田氏の影響です。死後には、日本政府から勲三等を授与されており、まさにいわきの郷土の偉人と呼ぶにふさわしい方です。

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このような国府田敬三郎氏の、波瀾万丈の人生及びカリフォルニア米の開発成功のストーリーを映画化しようとする動きがあるそうです。いわきの郷土の偉人が映画化に、(微力ながら)ぜひ協力させていただきたいと思います。

島田市の廃校利活用 山村都市交流センターささま

静岡県島田市で、過疎化により用途廃止になった小学校が宿泊施設に転用され、利活用されています。全国で廃校が増加している中で、それをどう大きな地域資源としてとらえ、地域ぐるみで取り組んでいくことかは、どの地方都市でも共通する課題です。いわきにおいても田人地区、三和地区でも複数の小中学校校舎が廃校になりましたが、まだ活用方法が決まっていません。

<田人二小の閉校は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/35989695.html

島田市に合併される前の静岡県旧川根町は昭和30年代には800人を超えた人口ですが、現在は460人あまり、高齢化率は50%を超えているそうです。平成18年度末には笠間小が全校生徒9人、笠間中が11人になってしまい、廃校にならないような工夫と、廃校になったらどのように活用していくかを同時進行で検討し、結果として廃校が決定になりました。そして旧笹間小学校を改修し、平成19年3月に川根町青少年自然の家として、年間運営予算20百万円で再スタートしました。学校を宿泊施設に改修するコストとして、農水省の農山漁村活性化プロジェクト支援交付金事業の補助金を受け、約100百万円が投じられました。その後、川根町は島田市に合併され、平成21年4月に宿泊施設「山村都市交流センターささま」として再出発しました。1年間は島田市の直営でしたが、平成22年4月より、指定管理者「企業組合くれば」による管理運営となっています。

なお、企業組合とは、個人4人以上が組合員となって資本と労働を持ち寄り、会社と同じように法人格を有する組織です。若干の税制上の優遇措置があり、また最低資本金制度の縛りもなく、株式会社などと同じく営利を追求でき、その利益を組合員に配分することができる仕組みです。
 
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ここでは、山あいの豊かな自然を生かしてさまざまな生活体験学習やスポーツ・文化などの活動ができます。例えば、山間部ならではの川遊び、山遊びです。具体的には、竹細工づくり、竹飯づくり、ほたる観賞会、川遊び、やまめのつかみ取り、肝だめし、バーベキュー、流しソーメン、そば打ち 等です。どれもまちなかの子ども達には経験することができない、貴重な体験になると思います。また主催イベントとして、国際陶芸フェスティバル、ふるさとまつり、ほたるの里まつり、夏まつり 等をやっているそうです。

また地元自治会にも施設を開放し、普段は打ち合わせの会議室や、地元バンドの練習場所として、夏には、「ささま夏まつり」の会場として使用されています。

利用料金は、8人部屋で3,150円。一人あたり400円弱という超格安。小中学生の利用においては、さらにその半額だそうです。フルサイズの体育館や、夜間照明もある広い校庭、いくら音を出しても問題ない音楽室、自炊室等の施設を利用した、集団スポーツの合宿練習等にぴったりだと思います。現在は、旅行代理店を通じた予約やPRは行っておらず、利用者の口コミと、新聞記事の紹介、センターのブログ・ホームページを見た方からの予約でやっています。利用者の3割は島田市内、3割は島田以外の静岡県内、残りは焼津や関東近県からの利用だそうです。

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校舎は、鉄筋コンクリート造 2階建で、体育館、音楽室、多目的広場(夜間照明施設も!)もあります。校舎の2階には、洋室(定員8名)7室、和室(定員6名)2室があり、最大80名が宿泊可能です。教室は、2つに区切られて洋室・和室となっています(各部屋エアコン完備)。理科室は、自炊用の調理室に改造されています。その他に、男女浴室、食堂、研修室、会議室、和室(大)がありました。

洋室には木製の二段ベッドが4つ並べられていました。シーツは別途310円で貸出し。

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和室(大)には、畳が敷き詰められていますが、小学校時代の黒板がそのまま残されています。和室で大部屋ならば、夜の枕投げ!でしょうか。この黒板を使って研修もしてみたい。

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フルサイズの体育館は、廃校になったものとは思えないくらい手入れが行き届いていました。バレー、バスケ、バドミントン等、何でもできそうです。

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旧音楽室は別棟になっているので、どれほどの大音量を出しても、宿泊者・近所迷惑にならないのがいい。一番の利用者は、近隣の住民がメンバーとなっている「オヤジバンド」だそうです。

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自炊室は、食材を持ち込んで調理する部屋です。食事は自炊が基本です。調理器具や食器は自由に使えるので、引率するお母さん達が腕によりをかけて準備することが多いようです。事前に注文すれば、地元の方々が調理された食事提供も可能です。

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旧職員室は事務室として使用されています。訪問当日は、経理の監査中でしたので、書類・文書が山積みでした。
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最寄り駅の島田駅から、自動車で1時間の場所にあるこの笹間地区は、都心の光害とは無縁の地域。澄み切った空気は夜空を満点の星空にすることでしょう。小学校の備品であったであろう望遠鏡がここで大活躍しそうです。

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廊下は小学校のときの雰囲気そのまま。

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小学校の校歌、校旗は当時のまま、保管されています。この施設が利用されてきた歴史的経緯を知ることができるので、こういったものをきちんと保管・展示していくことは、利用者にとっても地元にとっても大事なことだと思います。

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小学校校舎から宿泊施設への転用経費1億円は、農林水産省補助事業である、山村振興等農林漁業特別対策事業から充てられました。

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現在は、島田市の教育委員会が所管し、企業組合くればが、指定管理者制度により運営を受託しています。企業組合くればは正社員3名、嘱託4名、登録制の臨時スタッフが18名で、年間運営費1,800万円で運営しています。ほとんごが地元の方で、地元貢献としておこづかい程度の収入で、建物維持管理・清掃をやっているようです。年間の利用者は1万人を超え、宿泊者数も3,000名以上で、そこからの利用料収入は400-500万円程度。その差額1,300-1,400万円を、島田市が指定管理フィーとして、企業組合くればに支出しています。支出理由は、社会教育施設としてこどもたちの健全育成を図るとともに、観光交流施設として市外からの入込客数を増加させることです。

こういった施設の整備目的として、しばしばいわれるのが、「地元雇用の創出」。しかし運営費を見る限り、大きな報酬を支出できるわけではないので、これはあたらないと思います。それよりも、この施設の運営により年間1万人の入込み客数が増加したといわれており、それに対応するために、当該地域へインフラ投資がなされるということのほうが地域にとって直接的なメリットになるのではないでしょうか。具体的は、そのような市外からの入込み客数を確保するための、道路の整備です。島田市の中心部から県道で笹間地区まで来ましたが、その間2カ所で県道の道路補修工事が進行中でした。道路工事は優先順位で着手されますので、もしセンターがなかりせば、このような補修工事がどうなったかはわかりません。

廃校校舎の転用改築に1億円を投じ、さらに毎年1千万円以上の運営費を公費から支出することについて、きちんとした理由が必要です。第一に、社会教育施設としてこどもたちの健全育成を図るのか、それとの第二に観光交流施設として市外からの入込客数を増加させるのか。両にらみだとは思いますが、まずは市内のまちなかに住むこども達に、山間部ならではの川遊び、山遊びができる、まちなかの子ども達には経験することができない、貴重な体験をする社会教育施設としてのありかたなのではないかと感じました。それが面白いということが実感でき、教育旅行としての商品として熟成されてから、市外の方の観光客の入込み客受入という流れがよいのではないか。いわき市においても、過疎地の廃校利活用の方法のひとつとして参考になりました。

世界の書籍展が、スゴイ@いわき産業創造館

世界の書籍展が、スゴイ。創価学会の主催ですが、その展示内容に圧倒されました。貴重本だけでなく、ベートーベン直筆の楽譜、ナイチンゲールやガンジー、アンネ・フランク、リンカーン、アインシュタイン直筆の手紙が見れます。

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最後のコーナーに、池田○作氏の直筆原稿の展示があったのは主催者サイドの意向ですからご愛敬です。7/20まで、ラトブ6階のいわき産業創造館で無料開催しています。善は急げ。

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静岡県島田市のJosei Gikai? Rock you! 一日議員が議会運営

静岡県島田市では、「女性議会」なるものをやっているらしい。一般市民女性から8人の一日議員を公募し、本会議場で、本会議スタイルで、質問・要望等を実際に行います。執行部答弁の事前作成準備も、本会議スタイルと同じ。傍聴・インターネット中継も、本会議と同じです。

昨年から、男女共同参画啓発事業の一環として行っているとのこと。公募された一日女性議員が、家庭・職場・育児など日頃から抱いている市政に対する質問や意見、提案などを発言し、市長や幹部職員が答弁します。持ち時間は各20分間。

日時:平成27年7月30日(木曜日)午前9時から
会場:島田市議会本会議場

その募集ポスターが、これ。 標語が「Rock you!」。ロックミュージックにかけて、若い女性を取り込みたいという意図が感じられますが、議会のイメージとかけ離れていて、面白い。rockには、 揺れ動く、振動する、感動的だ、格好いいなどの意味がありますので、それなりに意味のあるキャッチコピーだと思いました。
 
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このポスターが市内の駅、公共施設に貼られていました。すでに応募の8名の枠は決定し、事前打合せ会が行われ、くじ引きにより発言順位が決まったそうです。一日議員とはいっても一般市民ですから、議場のルール等の事前レクチャーが必要です。議会事務局職員から議場での説明を受け、当日自分の座る席や発言の方法等を教えてもらいます。また市の執行部担当課との打合せも必要です。質問は言いっ放しではなく、市からきちんとした回答をもらうために、答弁担当課と質問内容について打合せが必要です。こういった活動を通じて、議会活動・政治活動が市民の目に触れる機会が増え、政治と市民が一緒になって、市政をよりよくしていく活動ができればよいのではないかと思います。

 

増養殖研究所/国立研究開発法人水産総合研究センター 鰻の完全養殖

鰻の完全養殖の成功した、増養殖研究所/国立研究開発法人水産総合研究センターを見学しました。鰻の産卵の生態系は不明な部分が多かったのですが、かなりの部分が解明されつつあります。その一つが産卵。これまでは産卵がどこでどのようにされるか、不明だったものが、ここ数年でほぼ特定できたそうです。

国内で流通している鰻の99%が養殖。天然モノは1%に達していません。そしてその養殖のためには、「天然の」シラスウナギが必要なのです。日本ではニホンウナギの数が著しく減っており、2014年には、国際自然保護連合(IUCN)はニホンウナギを「絶滅する危険性が高い絶滅危惧種」に指定し、レッドリストとしました。

このままでは、ニホンウナギの漁が世界的に禁止されてしまうかもしれません。漁を継続するには、絶滅しないとという証拠・エビデンスが必要です。そのために養殖を天然シラスに頼らない「鰻の完全養殖」が求められています。すなわち、人口的な産卵と、卵からシラスまでに育てあげる新技術の確立です(シラスまで育てば、後はこれまでやってきた養鰻経営で成魚まで育てられる)。

シラスの人口産卵・育成ができたのは、ごく最近のことです。
1999年 人工的に産卵させた卵から、シラスの変体前であるレセプトセファルスまで成長に成功
2002年 産卵後250日、53mmまで成長に成功
2009年 シラス成熟に成功
2010年 人口的に産卵・ふ化・生長させた成魚どおしによる、産卵・ふ化に成功

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鰻は1匹で数十万の卵を産卵します。人口的な産卵と、卵からシラスまでに育てあげる新技術の確立したといっても、そのうちシラスまで育つのは、たった数パーセントです。国を挙げて、その率を上げるべくさまざまな実験を繰り返しています。

天然モノであろうと、完全養殖ものであろうと、遺伝的にはまったく変わりがないものの、その後の育ち方に違いがあったりして、まだまだ鰻の成育には調べるべき点がたくさん残っているそうです。写真上は、人口的に産卵させた卵をふ化し、シラスまで育てている部屋です。明るい部屋が苦手なので、普段は暗くし、エサをあげるときだけ、深海の光に近い青色のライトを点けます。

この部屋だけで、9つの20㍑水槽×1000匹/1水槽=9,000匹を飼育しています。しかし約半年でシラスまで育つのは約5%だそうなので、この部屋の飼育で450匹がシラスとして生き残り、巣立つことになります。これだけ手間暇をかけて、半年で450匹。この研究所で、膨大なコストと時間を考えたら、この450匹に数百万円かかっていても不思議ではありません。仮に天然シラスをつかまえるコストが500円/匹として、450匹でも総コスト約22万円。並大抵のことでは、天然シラスをつかまえるコストに完全養殖のコスト近づけることはできないでしょう。そうであっても、絶滅危惧種であるウナギの世界初の完全養殖を成功させ、事業化することには非常に大きな意義があると思います。

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鰻の稚魚、一匹一匹に微少なタグが埋め込まれており、ウナギに端末を近づければ、どの成魚の掛け合わせで生まれたか、生年月日等が一瞬でわかるようになっています。これにより、発育が良い/悪い、環境条件の良い/悪いの比較研究が可能となるとのこと。

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めずらしい「ブチ」模様の鰻がいました。天然でも1万匹に1匹くらいの割合で発生するそうです。そのような種と通常種の発育の違い等も調べていました。

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シラスまで育てば、後はすでに確立されている養鰻のノウハウが使えます。養鰻を効率的に行うには、早期に成魚にすることが必須ですが、そのために必要なのが温かい水だそうです。できれば淡水で25-30度。通常の水ではそこまで暖まっていないので、ビニールハウスにし、さらに加温することが多いようです。この加温に要するコストも、経営上の大きな課題です。どうしても温暖な地域のほうが、競争力を持つことから、養鰻経営は九州地方に軍配があがります。現在では、南鹿児島と宮崎で、全国の養鰻出荷の5割を超えているそうです。

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人工的にホルモンを与え、出産を促している最中のメスのウナギを見せて頂きました。正直、産卵直前かどうかも、(雄か雌かさえも)、素人目には全くわかりませんでした・・・ごめんなさい。ただ、鰻の完全養殖の意義と、その可能性は理解しました。日本は魚の養殖に関する研究は、世界一進んでいると思います。オンリーワンになるためにも、ぜひさらにその道を突き進んで欲しいと思いました。

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小名浜の名店 うろこいち 大衆食堂以上、観光食堂以下

「うろこいち」は、旧小名浜魚市場の目の前にあるお食事処&海鮮お土産の店です。創業当初は、魚市場での仲買業を生業としていたようですが、平成になってからはお食事処、魚介類販売をしています。小名浜の魚料理で、うろこいちの名前が出てこないことはありえないくらい超有名店です。ちょうどお店の裏手が、小名浜のソウルフード、チーナン食堂になっています。

<行列のできる店 チーナン食堂@小名浜は、コチラ>
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超有名店ですが、海鮮定食・丼ものの価格帯は、大衆食堂以上、観光食堂以下です。観光客となじみの地元客が入り交じる、ハイブリッドな店です。新鮮な魚介を使った料理は、刺身から煮魚、焼き魚まで豊富な種類があります。昼からビールを注文するお客もちらほら。

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お刺身定食1,500円。刺身7点盛り、カツオの煮浸し、カニ汁、イカの塩辛、漬け物。ご飯のお代わりは無料です。刺身も良いですが、このカニ汁と、イカの塩辛が絶品。これだけでもぜひ注文する価値がある。なお、エビの刺身は卵付のメスで、何かお得な感じがしました。

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食堂の隣りは、海鮮お土産屋さんです。一次加工されたお土産が並びます。東日本大震災以前は、地物の魚介類がメインでしたが、震災後はそれ以外がメインになっているようです。

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それでも回遊魚のカツヲのタタキ、刺身がサクで販売されていました。1サク1,250円。

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幼児教育の経済学 社会的流動性と社会的包容力

著者のヘックマンは、2000年に労働経済学の計量経済学的な分析を精緻化したことでノーベル賞を受賞している方です。その著者が就学前教育の効果が非常に高いことを実証的に明らかにしています。40年以上にわたって実施した入学前の教育の効果を追跡調査した分析の結果、わかったことは、
●5歳までの教育は、学力だけでなく健康にも影響する
●6歳時点の親の所得で、学力に差がついている
●ふれあいが足りないと子の脳は萎縮する
というもの。感覚的には妥当かもしれませんが、それを第三者的に実証分析したことに意義があると思います。

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 なぜ幼少期に積極的に教育すべきなのか?幼少期に適切な働きかけがないと、どうなるのか?早い時期からの教育で、人生がどう変わるのか?これまで、これらの疑問は個々人の感覚や経験に左右されており、平均的な像が描けていませんでした。著者は、幼少時教育の効果を2つに分けています。

・認知能力:いわゆる学力(算数・国語等)
・非認知能力:やる気・忍耐力・協調性等 
 
幼少時教育は前者が捉えられがちだけれども、実は、非認知能力を向上させることこそが、子供の人生を豊かにすると結論づけています。親の子に対するリアクションや、生活環境等が非認知能力の育成を左右します。同時に、認知能力を高める学習を通じて、やる気や忍耐力等の非認知能力の向上につながることも認めています。自制力が高かった子どもと低かった子どもでは、大人になってからの健康度や経済力にどの程度影響があったかを30年間追跡調査した結果が明らかになっています。

・自制力が高かった子どもは大人になっても、健康度が高かった
・自制力が高かった子どもは、30年後の社会的地位・所得・財務計画性が高かった

これらはアメリカで1960年代に実施された「ペリー就学前プロジェクト」で、現実に比較調査されています。このペリー就学前プロジェクトとは、経済的に恵まれない3-4才のアフリカ系アメリカ人の子ども達を対象に、毎日平日の午前中は学校で教育を施し、週に一度午後に先生が家庭訪問して指導にあたるというものです。この就学前教育は2年間続けられ、その終了後、この実験の被験者となった子ども達と、就学前教育を受けなかった同じような経済的境遇にある子ども達との間で、その後の経済状況や生活の質にどのような違いが起きるのかについて、約40年間にわたって追跡調査をしたという壮大な社会実験です。その結果は・・・
・10才の時点では、就学前教育を受けたグループと、そうでないグループとの間には、IQ(認知能力)の差は見られませんでした。
・40才の時点では、就学前教育を受けたグループは、そうでないグループに比べて、高校卒業率や持ち家率、平均所得が高く、また婚外子を持つ比率や生活保護受給率、逮捕者率が低い
という、驚愕の結果が得られたのです。

就学前教育をやったほうがよいかどうかという議論に対しては、「やったほうが良い」のは当たり前で、大事なのはそのコストに見合う効果が得られるのかという点です。その点でこのペリー就学前プロジェクトについては、就学前教育のコストに対する効果として所得や労働生産性の向上、生活保護費の削減等と定義して、その全体の投資収益率を15-17%としています。驚きの高リターンです。ひとことでいえば、就学前教育はコストパフォーマンスが著しく高い社会投資ということです。

著者が求めるところは、こどもが豊かに(精神的にも肉体的にも金銭面でも)生活していくためには、認知能力・非認知能力いずれもが一定の水準に達していることのほうが望ましい結果を得やすくなる。そして認知能力・非認知能力を高めるのには、一定のコストがかかるが、幼少時のほうが青年時よりも少ないコストで、効果を上がることができるというものです。

これは「こどもの貧困」対策を考える上で、有用なヒントともなります。貧困に対処し社会的流動性を促進(貧困層から中間層への自発的移動)するために、所得の再分配を求める声があります。再分配はある程度社会の不公平を減じることができるものの、それ自体が社会的流動性や社会的包容力(社会的に弱い立場にある人々を排除・孤立させるのではなく、共に支え合って生活していこうという考え方)を向上させません。一方、事前分配(恵まれない子どもの幼少期の生活を改善すること)は、社会的包容力を育成すると同時に、経済効率や労働力の生産性を高める上で、単純な再配分よりもはるかに効果的です。事前分配は公平であり、経済的に効率が良いと、結論づけています。 
 

鯖江市 市民が主役の市民主役条例

福井県鯖江市では、自分たちのまちは自分たちがつくるという市民主役のまちづくりが進められています。その市民と市が共に汗を流すという意志と、それを実現するために市の施策の基本となる事項を定めたのが「市民主役条例」です。リンカーン大統領のゲティスバーグ演説風(「人民の人民による人民のための政治」)にいえば、市民の市民による市民のための「市民主役条例」です。

そして具体的な発現が「提案型市民主役化事業制度」です。条例をベースに、市民が自ら、市民主体であるべき市民サービスを提案しています。これは、市が行っている公共的な事業の中から、市民活動団体、地域のまちづくり組織、事業者等を対象に、公共的な事業を委託・民営化する提案を募るものです。

これにより、これまでなかった市民主役の事業が創出できます。同時に公共サービスの更なる充実とスリムで効率的なサービスが実現できます。その副次的効果として、市民の市政への主体的な参画の実現と市民主役意識の醸成を図ることができるというものです。いわゆる「新しい公共」です。
 
これまで提案型市民主役制度で市から募集された実績数は、5年間で435事業(累計)です。それに対して市民から提案・応募があったのが165事業(累計)、最終的に採用されたのが140事業(累計)です。平成27年度でいえば、総事業費27百万円分の事業が、公から民へ移管されたことになります。

「民間でできることは民間で」というフレーズは、しばしば耳にしますが、実際にそれが実現できているところは少ない。それが毎年、30件以上も公から民へ移管し続けていることに驚きです。

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この市民主役条例の「キモ」は、その定義にあります。以下、参考までに条例そのものを載せますが、条文のほとんどの主語が「わたしたち」になっています。そしてそのわたしたちとは、市民(と市)であるとしています。あくまで市民が主語・主体になっていることが特徴です。通常の条例では市が主語となるはずであり、普通ではありえない。市民主体であることの決意のあらわれと理解しました。

<参考>鯖江市民主役条例 平成22年3月26日制定

(前文)
鯖江の地には、先人の礎のもと育み築かれた歴史、伝統、文化、産業、そして豊かな自然とすばらしい環境があります。地域社会の在り方や生活のスタイルが多様化する中、これらの貴重な宝を受け継ぎ、更に新たな価値を加えることで、住みたい、住んでよかつたと思える鯖江を創造し、子や孫たちに手渡していかなければなりません。わたしたち(市民および市をいう。以下同じ。)は、市民一人ひとりの前向きな小さな声を集め建設的な大きな声とすることにより、思いを一つにし、ふるさとの再生に向けて喜びや痛みを共有、共感できるまちづくりを目指していきます。ここに市民の参加と協働で、未来への夢と希望が広がる鯖江をつくるために、この条例を制定します。
 
(目的)
第1条 この条例は、市民が市政に主体的な参加を果たし、未来に夢と希望の持てる鯖江の実現に向け、市民と市が共に汗を流すという意志と、それを実現するために市の施策の基本となる事項を定めることにより、自分たちのまちは自分たちがつくるという市民主役のまちづくりを進めることを目的とします。
(基本理念)
第2条 わたしたちは、まちづくりの主役は市民であるという思いを共有し、責任と自覚を持つて積極的にまちづくりを進めます。
2 わたしたちは、まちづくりの基本は人づくりであることを踏まえ、それぞれの経験と知識をいかし、共に学び、教え合います。
3 わたしたちは、自らが暮らすまちのまちづくり活動に興味、関心を持ち、交流や情報交換を進めることで、お互いに理解を深め、協力し合います。
4 市は、協働のパートナーとしてまちづくりに参加する市民の気持ちに寄り添い、その意思を尊重するとともに、自主自立を基本とした行政運営を進めます。
(ふるさと学習)
第3条 わたしたちは、ふるさとを愛する心を育むとともに、先人から受け継いだ郷土の歴史、伝統、文化、産業、自然、環境等を、自ら進んで学ぶふるさと学習を進めることにより、家庭、地域、学校が連携しながら、子どもも大人も一緒に人づくりに努めます。
(鯖江ブランド創造)
第4条 わたしたちは、ふるさと学習で学んだ成果を基に、これらをふるさとの宝として更に磨きをかけることにより、自信と誇りの持てる鯖江ブランドをつくり出し、鯖江らしさを全国に発信するとともに、市民主役のまちづくりにいかすよう努めます。
(ふるさと産業)
第5条 わたしたちは、地元で作られた農林商工業の産品を、業種や産業を越えて鯖江ブランドとして磨き上げ、競争力と発信力のあるふるさと産業をつくり出し、活性化するよう努めます。
(地産地消)
第6条 わたしたちは、魅力あるふるさとの産品を率先して流通を図り、利活用することで、産業全体の地産地消を進め、ふるさと産業の活性化やまちの活力を産み出す運動に取り組むよう努めます。
(地域づくり)
第7条 市民は、市民主役のまちづくりの基盤である地域の個性をいかすとともに、世代、性別等を越えたさまざまな立場の人々が助け合い支え合いながら、継続して活動していくことのできる自主自立の地域づくりに努めます。
(ボランティア、市民活動)
第8条 市民は、まちづくりの主役として光り輝きながら、さまざまな地域課題に対応するボランティアや市民活動に積極的に参加するよう努めます。
(情報の集約、発信)
第9条 わたしたちは、市民主役のまちづくり施策を効果的に進めるため、ふるさと産業、地域づくり、ボランティア、市民活動等それぞれの分野で情報を集約し、広く発信していくための仕組みづくりや拠点づくりに努めます。
(市民と行政の情報共有)
第10条 市は、積極的な情報公開や情報提供の運用を進めるとともに、パブリックコメント、審議会、タウンミーティング、ワークショップ等を通じ、市民との間で情報の共有化、活用を図るよう努めます。
(市民参画)
第11条 わたしたちは、市民自らが誇りややりがいを持つて、市政や地域経営に直接携わることができるような仕組みづくりを進めることで、まちづくりの計画からその実施、評価までの各段階に応じ、継続した市民参画を実現するよう努めます。
(条例の自己点検、見直し)
第12条 わたしたちは、市民の意識や社会の変化に応じて、自主的にこの条例の自己点検や見直しを行うよう努めます。
附 則
この条例は、平成22年4月1日から施行する。 

東洋文庫 秘密の収蔵

東洋文庫は、東京都文京区にある東洋学の専門図書館・研究所です。創設は、三菱財閥の第3代総帥 岩崎久弥。当時、中華民国の総統府顧問を務めていたジョージ・アーネスト・モリソンが、中国に関する欧文文献を膨大のコレクション(いわゆる、モリソン文庫)していました。それを久弥が一括して購入。久弥はモリソン文庫に加えてさらに和書・漢籍をはじめとする東洋諸言語文献を収集、東洋全域を網羅的に扱うコレクションにしました。その後も、貴重な文献が売り出されると、三菱の資金力とネットワークを使って続々と東洋文庫に収集されていきました。

圧巻なのは、2階に設置されている開架式書庫です。ホンモノの収蔵品が圧倒的な迫力で展示・収蔵されています。その展示方法とライティングがあまりに美しい。ここまで書籍を美しく魅せることができるものか。当時、モリソンが自ら収集したのものを眺め愛でていた姿が、想像できます。

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特に、地図のコレクションは質・量ともに素晴らしい。これだけの種類の世界地図を一堂に見たのは初めてです。初期の想像で描いたと思われるあやふやな地図から、現代とほぼ同じものまで、進化の過程が見て取れます。行ったこともない土地の地図を描いた絵師の想像力と、構想力に脱帽です。

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これは南総里見八犬伝の写本。江戸時代にはこんなマンガ(?)が娯楽だったのでしょう。実は、(絵と技術の進歩はありますが)本質は、現代とあまり変わらないような気がします。

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建物の小さな扉をくぐり、裏手に回ると緑の回廊にでます。緑と石畳、現代オブジェの取り合わせが美しい。いったい、どれくらいの金額を投じて作られたのか、見当も付きません。本当に、民間の力だけでこんなものができるのか。

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そして一番奥には、秘密のフレンチレストラン。文京区民の中でも、ほとんど知られていないはず。そもそも東洋文庫自体が、名前といい建物の荘厳さからいい、入るのに非常に敷居が高いです。実際には、入館料さえ支払えば(小学生無料)、どなたでも入れるのですが、何か、教養や地位がない人は寄せ付けないムード満点です。良い雰囲気を維持するために、あえてそうしているのかもしれませんし、東洋文庫の持つ歴史やスタンスが醸し出しているものかもしれません。

<東洋文庫 秘密のレストラン オリエント・カフェは、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/48608029.html
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小名浜地区結婚合理化委員会 公民館での挙式

小名浜公民館では、昭和30-40年代に、結婚式が行われていたらしい。その遺構が「小名浜地区結婚合理化委員会」のシールが貼られたパイプ椅子。一説によると、会費1万円の挙式できたとのこと。築53年目の公民館建物はいろんな歴史を見てきたんでしょうね。

アリオスの前身の平市民会館も、一時期は平地区内で一番立派な式場だった時期もあるそうです。玄関脇にあった立派な金屏風が置かれた大会議室で挙式したらしい。神殿や写真室もあったとのこと。
 
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普段は訪れない小名浜公民館ですが、小名浜地区の議会報告会ではじめてホールの中に入りました。市内13箇所で開かれている報告会ひとつです。出席議員6名、市民からの出席者19名。

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シャルマン 鯖江のメガネ工場

株式会社シャルマンは、福井県鯖江市のメガネ製造・販売会社です。設立は1968年、メガネ工場は分業が多く、零細企業が多いなか、商品企画・デザイン・製造・販売を一貫して行い、問屋を通さず小売店へ直販し、売上高200億円を超える起業です。この鯖江が創業地かつマザー工場ですが、早くから中国の東莞市とアモイ市に工場進出しています。

実質的な創業者で、代表取締役会長 の堀川 馨氏からお話を伺いました。世界6拠点で20名を超えるデザイナーを配置し、各国の消費者の好みに合わせて、商品企画をするんだそうです。
 
もともとは堀川 馨氏の兄が、メガネの「蝶番」部分だけを作る零細メガネメーカーだったそうです。それがメタルフレームのブームから、フレーム全体を作ることに挑戦し、一部品メーカーから、総合メガネ製造業にシフトしていったそう。
 
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2010年、エクセレンスチタンの開発に成功し、微細レーザによる接合技術を完成させたことにより、眼鏡フレームの「ラインアート シャルマン」という、大ヒット商品を世に生み出しました。それぞれ5年、8年という気の遠くなるような開発期間に脱帽です。
・東北大学金属材料研究所との8年に渡る共同研究の成果として「エクセレンスチタン」を開発
・大阪大学接合科学研究所とふくい産業支援センター、共同で5年をかけ、最先端の光加工技術(レーザ微細接合)を開発

「それは、頬をすりぬけてゆく、そよ風のように やさしく、あなたをつつみ込みます。これまでにない奇跡の掛け心地を実現した」、というのがラインアート シャルマンの売りです。独創的なラインを描くデザインは、ユニークで美しいだけでなく、独自のしなやかなフィット感を生み出し、掛けていることを忘れてしまうような軽い掛け心地ということで、海外の有名ブランドフレームを差し置いて、この鯖江のハウスブランドが国内で大ヒット中なんです。

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眼鏡フレーム製造の技術を生かし、産学連携で医療機器業界に参入し、脳外科用手術器具であるマイクロ剪刀で2014年度グッドデザイン賞を受賞し、その切れ味は外科医達を唸らせたそうです。切れ味が求められるはさみの先端以外は、すべてチタン製。チタンはサビない、軽量、非磁性、生物学的安全性などの優れた特徴を有しています。その取り組みに大きな関心と期待を寄せる安倍首相がシャルマンの工場を視察訪問されたとのこと。
http://bit.ly/1TiHduv
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安倍首相が視察された(であろう)本社工場をご案内いただきました。メガネは丁寧に作ると、150-200工程を経て完成するそうです。型抜き・プレス・曲げ加工・溶接・研磨・検査等、フレームに関する工程は、シャルマンの工場内で一貫生産するそうです。

製造機械自体はほとんどが市販製ですから、同じものを作ることはできるかもしれません。しかし、それを直す治具や、一貫生産技術の組み合わせにノウハウがあり、他社はなかなか追随できないそうです。

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立ち仕事の工場勤務にもかかわらず、女性が多い。男女比は半々くらいでした。シャルマンさんでは、トヨタの生産方式を取り入れており、カイゼン提案、多能工システム、小ロット生産等の各所にトヨタの匂いがします。(当然かもしれませんが)、同一職種での仕事内容に男女差は見受けられず、各人の技術分野・習熟度レベルが一覧で貼り出されておりました。おそらくこれが作業技術力、ひいては給与テーブルに反映されてくるのだと思います。人間は本能として少しでも成長し、それを褒められたいという一面があります。それを可視化して、モチベーションにつなげているのだと推察しました。

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シフト表も一目瞭然。これを見る限り、各人によって勤務時間帯だけでなく、絶対的な勤務時間にも差があるようで、出勤時間が遅かったり、退勤時間が早かったりと、柔軟なタイムシフトを受入れているようです。家事もこなす女性にとっては、非常にありがたいのではないでしょうか。

<鯖江市 日本一の子育てしやすいまちの秘密>
http://www.mikito.biz/archives/44686175.html
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線路沿いの自転車歩行者専用道路

内郷駅東側の常磐線線路沿いに、素晴らしい「自転車歩行者専用道路」があります。ここの路面・舗装状態は素晴らしく良く、いわきの自転車乗りで知らない人はいないでしょう。一直線で信号がないこの自転車道は、利用者全員が、その延伸を望んでいるはずです。

この線路沿いの土地は、元は内郷駅がつづら駅と呼ばれていた頃、国鉄の操車場でした。当時は平駅の貨物の取扱いのために、平~つづら駅間に、貨車を整理するための広大な操車場が必要でした。その後、時代が移り変わり、貨車の需要が減少し、またダイヤに見直し等により、操車場は不要になりました。その多くは、国鉄清算事業団を通じて、民間へ売却となり、現在の保健福祉センターや、雇用促進住宅の敷地となっています。そして、この線路沿いの土地は、いわゆるその「おまけ」、余った部分です。

それが現在は市道となり、自転車歩行者専用道路という、長ったらしい名前が付けられているというわけです。

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それにしても、自転車歩行者専用道路というには、日本語的に何かおかしい気がします。何の専用道路?自転車?歩行者?いったいどちら?

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空中の標識はさらに不可解。自転車マークと、自転車禁止マークが、仲良く同居。この標識で、正確にその意味を理解できる市民はどれくらいいるのでしょうか・・・

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一直線で信号がない、この自転車道の終点には、写真のようなゲートがあり、自動車が進入できないようになっています。こういう道路網が、市内に張り巡らせられれば、化石エネルギーを消耗しなくても、人々の高速移動が可能になり、活動範囲も広がるのですが。

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鯖江市 日本一の子育てしやすいまちの秘密

鯖江市の牧野市長から、直接、日本一の子育てしやすいまちの秘密を伺いました。

福井といえば、共働き率が日本一で女性の就労率が高いことで有名です。2005年は出生率が沖縄県に次いで全国2位となりました。「日本一、女性の労働力化が進む県」、福井の女性は働き者で、さらに全国平均より多くの子供を産んでいるという、少子化対策、新産業育成に四苦八苦する日本各地のお手本のような都市です。2011年に法政大学が算出した都道府県の幸福度ランキングでは福井が全国1位になりました。昨今の日本政府は、「女性に働いて欲しい、かつ子供も産んで欲しい」という立場です。「福井モデルこそ少子化を救う!」「少子化対策の希望の星」ともいえる状況です。

その背景としては、福井県では繊維業やメガネ製造・漆器製造業が盛んで、女性も立派な労働力とみなされているということがあります。メガネの国内生産シェアは90%以上、越前漆器の製造も有名です。それに三世代同居の世帯が多く、孫の面倒は祖父母がみてくれるので、母親は安心して働ける環境にあります。もちろん3人目以降の子供については、子供が3歳になるまでの保育料、一時預かりや病児デイケアの利用料金が原則無料となるなどの行政の育児支援も充実しています。子育ての負担と喜びを家族や地域で分かち合い、家庭や経済の好循環につながっています。
 
<日本一子育てしやすいまち 鯖江市の市役所の工夫は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/44624414.html 
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ただ手放しでは賞賛できない面もあります。鯖江は、江戸時代からそれほど肥沃な土地というわけではなく、一家総出で働いてきたこと、高度成長期にあってもメガネ製造は家内制手工業的な小規模工場で、(女性を含む)一家総出で土日まで長時間勤務してきたということが、現在の女性の勤労習慣・勤労に対する意識につながっているとのこと。企業側でも、女性を貴重な労働力として確保するために、育児をしながらも働けるような職場環境をつくることに尽力し、例えば大きな織物会社の中には、単独あるいは共同で保育所を運営しているところもあったらしい。

福井県では、女性の労働力がはじめから世帯収入として期待されています。半数以上の母親が働いている状況が、専業主婦は働いていないと周りから遊んでいると見られがちです。専業主婦でいると福井では生きにくいという、古いムラ社会的価値観を形成している面もあるようです。
 
女性が専業主婦として家庭でゆっくり家事するなんて許されない、子供を出産したらすぐ職場復帰してもらう。母親は、三世代同居して両親には気を遣う。福井の女性の家事時間は、特段減少しているわけではないという調査もあり、福井の女性は忍耐強いと思います。上記の幸福度ランキングでは1位かもしれませんが、そう手放しで、福井モデルが全国どこでも通用するかどうかは懐疑的です。

ただ事実として、「社会が子育てに参加する」という風土があることは事実。女性の就労率が高いことも事実。そして出生率が上昇していることも事実。そこに正の相関関係が見いだせるのであれば、出生率向上・人口増加のための施策として、「福井モデル」は大いに参考になるはずです。

 

日本一子育てしやすいまち 鯖江市の市役所の工夫 

福井県の鯖江市役所を訪問しました。鯖江市は、2011年国勢調査の集計結果によると、福井県の共働き率は56.8%で、1995年調査から4調査連続で全国1位となりました。1世帯当たり所得も日本一だそうです。女性の就労率が高いとともに、女性労働のうち正規の職員、従業員の割合が多い(70.5%)のも特徴です。一方、出生率も全国上位で、人口が増加している数少ない地方都市になっています。市民参加型の市政のさまざまなアイデアが実行されていて、正直、うらやましいと思いました。
http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/syosai/35001.html

市役所1階にある児童福祉課の横には、10畳ほどの「きっずるーむ」が設置されていました。児童福祉課は、母子手帳の交付等、出産に関連する手続きや、子育てに関する手続きをする部門です。赤ちゃんや小さい子連れの母親が多く来庁されるところです。多くの市役所で、赤ちゃんを抱っこしながら、また小さい子の手をつないだまま、窓口で相談・申請している姿を見かけます。そのようなお母さんが、子どもを、児童福祉課の窓口から自分の目線が届く「きっずるーむ」内で遊ばせておきながら、手続等を済ませられる仕組みは、なるほどと思いました。

<鯖江市 日本一の子育てしやすいまちの秘密は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/44686175.html
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きっずるーむ内には、絵本や、赤ちゃん用の簡易サークルが設置されていて、少しの間なら自由に遊ばせられるようになっていました。子どもを他人に預ける託児所ではなく、あくまでも親の目の届く遊び場というのがポイントです。

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総合窓口の雰囲気、すなわち、パステル調の色調、やさしい字体、生け花(市職員が自主的にいけているとのこと)、は、病院・介護施設・銀行等を連想させます。市役所建物自体は、築50年を超える老朽建物ですが、耐震化工事を機に、内装も一変させたそうです。古い建物なので天井高は低いですが、工夫次第で圧迫感はかなり軽減されていたと思います。

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子育てしやすいということは、副次的にさまざまな良い影響があります。
・子育てしやすい→共働きしやすい→1世帯あたりの所得向上→教育費にオカネがかけられる→子どもの学力向上
・共働きしやすい→祖父母に子どもを預ける→祖父母はぼけない・体力向上→健康年齢の延長
・祖父母に子どもを預ける→大きい家が普通となる→物理的・精神的に豊かな生活の実現
http://bit.ly/1Ti5EZ4
http://bit.ly/1fj64ji

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よくよく見れば児童福祉課窓口には、でかでかと耐震工事補強のための筋交いがあり、見た目だけでなく業務上も差し障りがありそうですが、その一方、カウンターの横には、来庁者(その多くは若いお母さん方)のための、ベビーベッドが設置されていました。日本一子育てしやすいまちというのは、建物等のハードの整備や(金銭的な)支援制度の充実だけでなく、このようなソフト・アイデア・気配り等の積み重ねなのではないかと思いました。

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いわき市初の議会報告会

いわき市初の「議会報告会」が開催されました。議員が(議場を出て、公式に)直接、市民に審議内容を説明するのははじめてです。今日は平地区の文化センターでしたが、これから2週間かけて市内13会場で開かれます。議員が交代で司会・説明等を分担しますので私の出番は、今週末7/11.12です。
http://www.city.iwaki.fukushima.jp/gikai/2671/020894.html

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会場となった文化センター大会議室。100名以上収容できる会議室ですが、出席されているのは、どうも関係者が多いように見受けられました。本当の意味での市民参加は、まだ道半ばといったところでしょうか。

司会の進行により、班長の議員からこの議会報告会開催の背景等の説明があり、議会の仕組みについて簡単な説明があったあと、直近の2つの定例議会の審議項目・内容について、常任委員会ごとに4人の議員から説明がありました。

最後20分間は、市民からの質疑応答の時間。特定の地域の課題、健康保険税の税率変更、放射線提言の課題等、質問者は5名程度でしたが、内容は多彩でした。開始は18:30で、終了が20:00過ぎ。

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配付資料は、「議会報告会」のタイトルが入ったA4両面74ページに及ぶ説明資料と、A4 1枚のアンケート用紙です。議案を正確に説明しようとすると、どうしても資料が多めになってしまいます。わかりやすさと、正確さのバランスをとるような資料作りが今後、課題になると思います。

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出光美術館 田能村竹田

東京有楽町の出光美術館で、田能村竹田の展示がやっています。いわゆる出光コレクションです。田能村竹田(たのむらちくでん)の作品は、国内外を通じて屈指の存在だそうで、重要文化財「梅花書屋図 (ばいかしょおくず)」を含んでいます。今年2015年は、ちょうど没後180年にあたり、18年ぶりのコレクションの公開とのこと。

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出光美術館は、地下鉄「日比谷」駅直結という好立地です。スポンサーである出光興産株式会社のビルの9階に入居しています。出光といえば、創業者の出光佐三が興した会社、「海賊と呼ばれた男」で一躍、有名になりました。国を思い、従業員を思い、消費者のために全身全霊で一生を駆け抜け、日本の石油・エネルギーのピンチを切り抜けた、偉人です。

<海賊と呼ばれた男 本屋大賞は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/27665170.html
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そんな出光佐三が、どんな思いで、この田能村竹田のコレクションを始めようと思ったのか。答えはありませんが、先人の業績に思いを馳せながら、美術を通じて、先人とつながっているような感覚を覚えました。

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外堀の高層ビルから眺める東京の夕暮れ

法政大学市ヶ谷キャンパスの新校舎、ボアソナードタワーに行く機会がありました。2000年に竣工した建物で、千代田区富士見一帯の中で一番高い建物です。名称は法政大学の祖であり、同大学の前身である「東京法学校」の教頭として就任したボアソナード(Gustave Emile Boissonade de Fontarabie)から。
 
付近一帯には高層ビルがないので、360度のパノラマビューです。天気が良ければ、新宿・丸の内・汐留の超高層ビル群や、横浜ランドマークタワー・富士山・房総半島の山々・筑波山が見えるらしい。
 

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訪問したのが夕方~夜だったので、夕暮れの風景の変化をドラスティックに感じました。次々とオフィス・マンションにライトが点灯していく様子は、都市が生活・仕事の拠点となっていること、そしてそれぞれ個人の生活の集合が都市なんだということを改めて感じます。

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すっかり夜になりました。曇天の都市の風景は、何か怪しかった。

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アパホテル 利益を生み出す逆張りの成功哲学

APAホテル金沢中央へ宿泊する機会がありました。APAホテルの起業地は、この金沢。金沢だけでも4軒のAPAホテルがあるという充実ぶりです。ところで「APA」アパの意味を知っている人は少ないと思います。

Always Pleasant Amenityの頭文字です。意味は、「いつも気持ちの良い環境」だそうです。別の意味として「JAPAN」の真ん中の3文字。APAが日本の中心としてがんばっていこう、という意味も込められているとのこと。アパの語感が、「あっぱっぱ」を連想させるほどポップなイメージですが、実は遠大な意味があったのですね。

APAの広告では奥様、元谷芙美子(もとたにふみこ)氏が有名ですが、実は、投資計画や銀行交渉等はご主人の元谷外志雄(としお)氏が、いわゆるやり手なんですね。投資計画・実行のご主人と、ホテルのオペレーション・広告塔の夫人の役割分断。夫人ばかり露出していたので不思議に思っていましたが、合点がいきました。

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そうはいっても、起業からの道のりには、さまざまな山があります。特にご夫婦で役職をやる限り、それ以外の役員との確執は相当なものがあると思います。そんな社内クーデターの話など、赤裸々に語れるのは懐が深いと思いました。特に建築・不動産業界は、オープンにできる話と永久に話せない話があります。

それらを乗り越えて今がある。2002年頃の金融庁発の不動産業界に対する貸金の総量規制、2006年頃のNY発の金融機関を襲ったリーマンショックが、日本中の、そして地方の一企業の運命も翻弄します。それを偶然か、未必か、(おそらくどちらも正解でしょう)回避した、APAの経営者には、「リサーチ能力」と「カン」と、そして一番重要な「運」を感じざるを得ません。

私も不動産評価のエキスパートとして、都市ホテル・リゾートホテルの評価に少なからず携わってきましたが、APAの躍進には、非常な違和感を感じていました。あまりにうまく行きすぎていたからです。この本を通読して、成功要因を改めて整理できて良かった。

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今や、全国に2万室を超えるビジネスホテル等を運営するホテル業界のリーディングカンパニーです。ある意味、(東横インやスマイルホテル等とともに)日本のビジネスホテルオペレーションを変えたと言って良いかもしれません。

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APAホテルといえば、都心のビジネスホテルにもかかわらず、天然温泉の展望露天風呂があることです!この金沢中央ホテルにも、展望露天風呂がありました。泉質はちょっと塩っ辛くて、少し茶色の色でした。

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建物の年季は入っていますが、展望風呂はそのまま。金沢市内を一望できる露天風呂は気持ち良い。このコンセプトは、金沢に限らず、全国で受入れられると思います。こんなビジネスホテルに宿泊できる出張者はうらやましい。

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風評被害の社会心理 ―風評被害の実態とそのメカニズム― 関谷直也著

東京大学大学院 人文社会系研究科 社会情報学専門分野の関谷直也氏による、「風評被害の社会心理」の定義によれば、「風評被害とは、ある事件・事故・環境汚染・災害が大々的に報道されることによって、本来『安全』とされる食品・商品・土地を人々が危険視し、消費や観光をやめることによって引き起こされる経済的被害」です。そこに書かれている「風評被害」の発生メカニズムの分析が、現状に即していて極めて的確だと感じました。
 
1. 「人々は安全か危険かの判断がつかない」「人々の悪評」と市場関係者・流通業者が想定した時点で、取引拒否・価格下落という経済的被害となる。
 
2. 「人々は安全か危険かの判断つかない」「人々の悪評」という経済的被害を、政治家・事業関係者、科学者・評論家、市場関係者が考え、発信した時点で風評被害となる。風評被害とは、人々の心理・消費行動を想像することによる被害である。
 
3. ①経済的被害、②事業関係者・科学者・評論家・市場関係者の認識・発信、③街頭インタビューの「人々の悪評」などが報道され、社会的に認知された風評被害となる。
 
4. 報道量の増大に伴い、多くの人々が危険視による忌避する消費行動をとる。事業関係者・市場関係者・流通業者の「想像上の人々の心理・消費行動」が実態に近づき、風評被害が実体化する。
 
風評被害を論じるときに、ごっちゃにせず、1-4のどの段階のことをいっているか明確にした上で議論した方が良い。このメカニズムの中で、重要だと思う点は、3-4にかけての報道の内容と報道量です。報道機関(公共放送も含めて)には、一般大衆が欲する情報の内容と情報量を提供するインセンティブがあります。それは報道機関が忖度して形づくられるもの。理想的には、報道量が少ない段階で流通業者・関係者が過剰なネガティブ反応をすることを防ぐことが風評被害防止の一策でしょう。

しかしすでに4の段階まで来てしまっ、多大な報道量によって生じる風評被害を払拭をするには、広告代理店に多額のオカネを渡して「風評被害払拭!」の大々的なTVCM、ポスター等の媒体キャンペーン張っていくのは、その効果は限定的かもしれません。それよりも、流通業者・関係者の全体的な反応をポジティブ変えていくための教育・啓蒙活動であってほしい。
 

おのざき 回転寿司@ラトブ

駅ビルラトブの1Fにテナント入居している、おのざきでランチしました。ここははいわき市の魚屋さん「おのざき」の直営の寿司屋です。直営ということで、魚市場から新鮮な寿司ネタを、安い価格でというのがウチです。ただ、いわき沖の沿岸漁業は、依然として試験操業段階のため、地元の魚がほとんど流通していません。なので、新鮮な地元産のネタはなし。便利な立地ということもあり、食べそびれた遅いランチ等に利用させてもらっています。

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店内はいたって普通の回転寿司店舗です。単品での注文もできるし、セットものもあります。他の回転寿司でもいえますが、ほとんど皿がまわっていない。

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昨今の回転寿司は均一料金でなく、皿の色で値段を分けているのが主流。

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724円で9貫のにぎりセットは、ウニ、いくらなどが入っており、とてもお得。味噌汁とサラダも180円でオーダーできます。味は、まあ、価格相応。高級でかつ美味というのもありですが、気軽に寿司でお腹を満たすという目的には、ぴったりのような気がします。

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セント・アンドリュース 秋山真邦著

セント・アンドリュース・ゴルフクラブ会員の著者による、セント・アンドリュースの紹介でした。知人から頂いたのですが、同コースの紹介の形をとった作者のゴルフ経歴書ともいえるかもしれません。お金と時間があればセントアンドリュースへ行きたくなるでしょう。

著書を通じて、セント・アンドリュースの閉鎖性・インナーサークルへの優遇等を感じます。インナーサークルのメンバーとして認められると、ぐっと有利なポジションを与えられる。やはり、島国共通の事象なんでしょうか。

やや著者のゴルフ歴披露に偏っている面がありますが、それはさておきセントアンドリュースの内側に切り込んだ本として、意義があると思います。ゴルフ発祥の地ではありますが、幻想ではなくリアルなゴルフ場。そこには、何か特殊・特別なものがあるわけではなく、過去の伝統を守り続けている、人間くさい活動そのものがあるということです。改めて、マスコミ報道等の2次情報、3次情報の怪しさ、いかがわしさに思いを馳せてしまいました。

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吉田みきと プロフィール

ふるさとの福島県いわき市で、市議会議員として活動しています。いわき市は、震災後、複層的な問題が山積しています。公認会計士・一般社団法人日本アンガーマネジメント協会 認定 アンガーマネジメントファリシテーターとしてのキャリアを生かし、フレッシュな視点で問題点を洗い出し、解決策を提案していきます。

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