メーカー希望小売価格は、723万円。現在は補助金が最大で約200万円適用できるため、実質的に500万円弱で購入することができるそうです。ただ、問題が2点。
1. 納期
注文が殺到しているため、現在の見通しでは3年以上の納車待ちになるらしい。
2. 水素ステーション
現時点では、市内に水素ステーションがなく、一番近くても栃木県だそうです。いくら600kmを超える航続距離があるといっても、チャージするために栃木までいくのは、現実的でない。
以上の理由から、いわきでMIRAIが走っている姿をみるのは、しばらく先になりそうです。
イグニッションをオンにすると、水素がが反応しはじめます。といってもエンジン音がないため、ほとんど車内は無音でした。拍子抜けしましたが、画像表示はほとんどプリウスらのハイブリッド車と変わりません。
どういうわけか、ピンクのクラウンも展示されていました。今年からクラウンの60周年を記念しこれまでのイメージを覆したいという豊田社長の思いから、実現したものだそうです。イメージは、ドラえもんの「どこでもドア」カラ-。現在は販売中止になっていますが、フルオプション装備がついていて、価格は600万円!だそうです。うーん、値段はともかく、これを運転する自分の姿が想像できない・・・
記念式典の講演では、トヨタ・ホンダ・日産3社から、それぞれバッテリーの開発担当者、最新のリチウムイオンバッテリーの技術的仕組みや、今後の技術の進化の方向性等を話して頂けました。ライバル会社の、それも一線級の開発者が同じ舞台に立って、自社の技術プレゼンをするなんて、通常ではありえないシチュエーションです。それもこれも、今回のいわきバッテリーバレー推進機構の理事長である、東洋システム様が、会のアレンジをなさったからです。東洋システム様は、生粋のいわき生まれのベンチャーで、蓄電池の安全性評価装置では、世界有数の企業です。その取引先がトヨタ・ホンダ・日産様等であることから、今回の講演が実現しました。
バッテリーを含む技術の進化は、日進月歩ということを改めて感じました。トヨタの技術の方がおっしゃっていましたが、非常に高い長期的な目標であっても、それを「超」現実的な目標に落とし込んでいき、必死で取り組むことにより、ほとんどの目標は達成してきたし、これからもそうするとのこと。まだ見ぬ将来の技術開発とは、経営と本質的に同じアプローチなんだなあと感じました。