吉田みきと ほぼ毎日ブログ

「死して不朽の見込みあらばいつでも死ぬべし。 生きて大業の見込みあらばいつでも生くべし。」 吉田松陰・高杉晋作語録   「金もいらぬ、名誉もいらぬ、命もいらぬ人は始末に困るが、そのような人でなければ天下の偉業は成し遂げられない。」 西郷隆盛・山岡鉄舟語録

2014年09月

チャイルドハウスふくまる

よつくら道の駅そばの「チャイルドハウスふくまる」にも立寄りました。この施設は吉川晃司氏と元BOØWYのギタリスト・布袋寅泰氏のCOMPLEXが震災支援のためにチャリティコンサートを開いたその収益の一部をいわき市に寄付し、その基金をもとにNPO法人よつくらぶが、建設したものです。震災孤児・遺児および福島の子ども達の交流の場、心のケアの場としての役割を果たすそうです。運営は、NPO法人ふくしま震災孤児・遺児をみまもる会が行なっています。

開所の際には、キャロライン・ケネディ駐日大使が訪問され、自らの本を直筆サイン入りで寄贈されました。こちらが、その貴重な原本。

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本の内容は、ケネディ氏が幼少時代に感じて育ったことが、英語のポエムで書かれてます。

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英語自体はやさしい単語で綴られているので、中学2-3年生以降であれば読めるかも。この施設のメインターゲットである未就学児童~小学校低学年には、ちょっと難しいかも。

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小泉進次郎氏 YEG東北ブロック大会@いわきで講演

小泉進次郎氏が、YEGの東北ブロック大会@いわきで講演。内閣府大臣政務官兼復興大臣政務官の立場で、地方のまちづくりのあり方について、徳島県神山町のサテライトオフィスや福島県立ふたば未来学園の取組み等を紹介。ポイントは、民間の活動を阻害しないようにするため、既存のルールを突破していくこと。

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YEG東北ブロック大会の参加・登録数は史上最大の1300人。ほとんどが市外からの参加です。

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フジテレビ系のTV局が取材に来て、講演後のインタビュー収録をしていきました。質問に的確に答える姿は、従来の古典的な政治家とは違う匂いを感じました。

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記念艦 三笠 日本海海戦の旗艦

横須賀にある、戦艦三笠を見てきました。日露戦争では連合艦隊旗艦を務め、連合艦隊司令長官の東郷平八郎大将らが座乗し指揮しました。現在は、神奈川県横須賀市の三笠公園に記念艦として保存されています。

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こちらが日露戦争の英雄、東郷平八郎。日露戦争で無敵といわれたロシアのバルチック艦隊を破った当時、先進国の仲間入りをしようとしていた日本はこの勝利に沸き立った。自国に戻れたロシア艦は1割にも満たなかったらしい。東郷率いる連合艦隊は敵前で大回転を見せ、有利な陣形を生み出した。この大回転はトーゴーターンと呼ばれ世界に称賛された。
後年、東郷は横須賀の造船所を作った小栗上野介忠順の功績に感謝して、子孫を遺族を自宅に招いたそうです。日露戦争の勝因の第一歩は小栗上野介が横須賀に造船所を造ったことです。小栗は維新後、逆賊として河原で斬首されましたが、国内での造船という先見性を持った構想が日本の近代化にとって正しかった。

<ヴェルニー公園と小栗上野介忠順は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/38926432.html 

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皇国興廃在此所一戦、「皇国の興廃此の一戦に在り、各員一層奮励努力せよ」。有名な言葉です。

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Z旗(ゼット旗)とは、黄・青・赤・黒の四色で染められた信号旗です。本来は、 「タグボート(曳船)がほしい」 という万国共通の意味があるそうです。しかし、Zがアルファベットの最後の文字であることから、この戦いに敗れれば後がないという意味で、海戦の時に用いられることとなりました。日本海海戦のときに、この旗艦三笠がZ旗を掲げて、「皇国の興廃此の一戦に在り、各員一層奮励努力せよ」。との東郷平八郎の号令を全軍に伝えて、大勝利したことから、「Z旗を掲げる」という慣用語ができ、大成功を記する旗印となったそうです。
 
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ここが東郷平八郎が指揮をとった艦橋の司令所。あまりの海の近さに驚きます。海戦時にこのような開放感のある場所に指揮官らがいるのは、かなり危険だったのではないでしょうか。

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連合艦隊参謀・秋山真之の立ち位置はこちら。東郷平八郎のすぐ隣です。爆音が鳴り響く海戦時に、この集音器に向かって大声で各部署に指令を出していたのでしょう。
 
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操舵室。
 
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士官の個室。
 
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東郷平八郎自筆の書。昔の方は字が上手。
 
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士官の個室。西洋式のバスタブや、洋式トイレが備え付けられていました。
 
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士官でない一般兵は、ハンモックで寝ていました。寝心地は良くないでしょうね。
 
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士官の会議室。こういうところで作戦会議をしたんですね。
 
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ワシントン軍縮条約によって三笠は廃艦が決定し、解体される予定でした。しかし保存運動が起き、条約に基づき現役に復帰できない状態にすることを条件に保存されることが特別に認められます。船体の外周部に大量の砂が投入されるとともに、下甲板にコンクリートが注入されました。したがって船とはいっても、海に浮かんでおらず、完全に固定されてしまっています。現在の三笠の砲塔、煙突、マストなどは、戦後に作成されたレプリカだそうですが、日本海海戦を通じて、先人の歴史の上に、我々現代人の生活は成り立っていると、改めて体感させてくれる施設となっています。
 
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福島の桃ジュース 福島桃の恵み

阿武隈高原サービスエリアでみつけたジュース。桃果汁100%は珍しい。桃そのものの甘さで後味もさっぱりしていてとても美味しかった。いうなれば、桃を丸かじりして桃汁がお皿にこぼれた、その桃汁を飲んだ時の味です。甘すぎずサラサラさっぱりしていてほどよい酸味。桃ジュースというと、不二屋ネクターを思い出しますが、手を加えずに桃を絞って飲んでる感じです。
 
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販売車はJA伊達みらい農業協同組合とのこと。桃ジュース「福島桃の恵み」。これは、正直言ってうまい。贈答用にもつかえそう。 

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いわき近代医学の事始め展 奥羽出張病院

「いわき近代医学の事始め展」が、いわき市暮らしの伝承郷で開催されていて、江戸時代に西洋医学がどのようにいわきに伝えられたかを紹介されています。
 
1868年幕末の戊辰戦争でいわきは、新政府軍と奥羽越列藩同盟に加わっていた藩の間で激しい戦いが繰り広げられ、戦死者、負傷者が多数出ました。新政府軍が設置した救護所、すなわち野戦病院が奥羽出張病院です。奥羽出張病院は約4カ月間だけ期間限定で開設された西洋医学の先駆けの施設です。医者が足りず、地域から集めて近代医学の教育をしながら手術と手当てに当たった点、地元住民の医療行為も担っていた点が特徴とのこと。

開設者は、政府軍の軍医と病院管理者としていわきに来た阿波藩医の関寛斎ですが、医師が不足していたため、笠間藩藩医草野得柄(とくへい)と弟万吉らが、地元医師として協力しました。なお、笠間藩は、奥羽越列藩同盟の平藩と違って、新政府側でした。

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笠間藩藩医草野得柄と弟万吉らの草野家に伝わる医者の教育のために取り寄せたとされる医学書が展示されていました。よくみると「重訂 解体新書」とあります。教科書にも掲載されている解体新書の改訂版です。オランダ語の解剖学書ターヘル・アナトミアからの邦訳書である解体新書は、日本の医学史上画期的な本ではありましたが、初めての西洋語からの翻訳という性質上、誤訳も多かった。その後蘭学・蘭語研究が進んだこともあって、改訂版が出されたわけです。その現物が、いわきの笠間藩藩医が所有し、西洋医学を勉強していたということがわかりました。

その他、草野家に伝えられている貴重な医学書には以下のものがあるそうです。
・増補重訂内科撰要
・遠西医方名物考補遺
・新訂増補和蘭薬鏡
・和蘭内景医範提網
・遠西医範
・舎密開宗
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実際に戊辰戦争で使われた砲弾。それぞれ南白土や長橋で出土した現物です。砲弾の中には火薬が詰められており着弾する前に空中で爆発し、炸裂した砲弾の鉄片が敵兵を傷つけたそうです。

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関寛斉による「奥羽出張病院日記」という、戦中の手記が残されていて、当時の様子が記録されているそうです。

1868年5月 上野戦争で彰義隊が壊滅、江戸平定
6月 陸前浜街道方面の平定開始。派遣された兵は6,000名以上で、薩摩藩、鳥取藩、津藩、長州藩が主力。
6/13 品川発
6/16 新政府軍が平潟着。
6/17 平潟に病院開設
7/1 新政府軍の平城の攻略が始まり、激戦となる
7/13 平城は落城。新政府軍はその後三春へ向けて行軍。
7/27 戦闘もなく三春に入城。さらに相馬、浪江、黒木、駒ヶ嶺などで戦闘

戦傷者数300名弱に対し、銃砲傷が8割、一方、刀傷は1割に満たなかったそうです。また、負傷者に対する死者の割合は、銃砲傷が原因死は1割を超えているのに対し、刀傷の原因死はほとんどいなかったそうです。これは戊辰戦争が、刀ではなく銃砲で行なわれいたということでしょう。

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注)上記写真は、すべて暮らしの伝承郷の小野館長の許可を得て撮影しています。
 

いわき市の都市計画区域・市街化区域・用途地域

いわき市の総面積は、123,135ha(1,200㎢といったほうがわかりやすいかも)、香川県1,800㎢に肉薄する面積です。その内訳は、都市計画区域外:85,518ha(69.5%)、都市計画区域:37,617ha(30.5%)。さらに都市計画区域の内訳は、市街化調整区域:27,569ha(73.3%)、市街化区域:10,048ha(26.7%)。市街化区域とは、すでに市街地を形成している区域および概ね10年以内に優先的、計画的に市街化を図るエリアです。その市街化区域は、市域の1/10にも満たない。ちなみに市街化調整区域は、市街化を抑制する(家をたててはいけない)区域です。

市街化区域には、必ず11の用途地域のいずれかが定められており、市内で多いのが第一種住宅地域。意外に多いのが、工業専用地域で、市街化区域の約2割を占めています。逆に、商業地域・近隣商業地域は、市街化区域のたった5%。

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上記区分を、住居系・商業系・工業系の大区分で分けると、以下のようなグラフになります。住居系が広いのはわかるけれど、意外なのは工業系が3割以上もあること。下記のような大規模な工業団地があることがその理由でしょう。
・小名浜臨海工業団地 工業専用地域 386ha
・いわき好間中核工業団地 工業専用地域 324ha 

いわき市の製造品出荷額は、約9,700億円(平成22年ベース)で、福島県全体の約2割を占めており、東北ナンバー1の製造品出荷額を誇る工業都市となっています。 これは常磐自動車道や重要港湾小名浜港など交通体系の整備とともに、昭和40年代に産炭地域から工業都市への転換がうまくいき、工業団地に工場ができた結果です。さてこの先、どこを目指していくか。
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公立病院の建替よりも、市内の人材育成へ投資を

1. はじめに
8/9.8/10の2日間にわたって「いわきの医療・まちづくり公開シンポジウム」を開催致しました。そこでは、現場の医療関係者の懸命の努力によって、地域医療がぎりぎりのところで支えられているということが明らかになりました。医療をより良くするためには、何よりも医療スタッフのマンパワーが必要。公立の磐城総合共立病院の建替えというハコモノ建設に400億円近い金額を出すよりも、現場の医療スタッフをより充実させるため、市内の人材育成への投資をして頂きたい。
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2. いわき市立総合磐城共立病院について
市内には、いわき市が直接経営する病床数717床の総合磐城共立病院(以下、共立病院)という一番大きい病院があります。震災後の福島県地域医療復興事業補助金が、ここの建物の建替えに使えそうだということで、建替え問題が急浮上しました。
建替えの問題点
共立病院の建替えには300億円を超える莫大な費用がかかるとともに、将来世代の負担が発生します。市民ひとりあたり、大人も子供も赤ちゃんも、約10万円の借金を背負うことになります。建替えにあたっては以下の問題点が指摘されています。
追加土地取得や物価スライド条項(契約後の建設物価の変動によって自動的に契約金額が増える仕組み)等によって、今後さらに総工費は膨らみ、青天井となる可能性がある。
建設業界が活況を呈しているこの時期に、公立病院建設という公共工事を実施するメリットはない。
市民にとって、病床数で市内第1位(磐城総合共立病院)と第2位(労災病院)の病院が同時期に建替えをするメリットはない。
外側が新しくなっても、中身は一緒。
新病院開院後の医師不足・医師招聘の目処は立っていない。病院を建て直したら、医師が招聘しやすくなるというのは幻想に過ぎない。
現在の敷地面積では、研究施設や介護施設、教育施設等の将来の用途拡張性がない。
現病院を稼働させながら敷地内での建設工事には、駐車場・騒音・粉じん等の問題がある。
経営形態の問題点
これまでの市立病院経営で、過去10年間累計で約200億円の医業損失が発生し、一般会計からの他会計繰入(市のお財布からの赤字補填)でしのいできました。これは医療の専門性や機動的でない施策、非弾力的な人材待遇等の観点から、市による直接的な病院経営が効果的ではなかったために起こりました。新病院の収支見通しにおいても毎年、20億円から30億円の経常的な医業損失が見込まれています。国の財政状態を鑑みれば、総務省からの地方交付税措置も永続的とは考えられません。
ここから導き出されることは市の直接経営は持続的ではなく、単なる建物の建て替えに留まらず、病院経営そのものを見直さなければ、医療の改善という根本的な解決につながらないということです。仮に市による病院経営をやめて、独立行政法人化もしくは民間委譲等に経営手法を変えたとき、2次・3次医療圏の病床数で圧倒的な地域一番店で、市民からの抜群の認知度・ブランド力を持つ優位性が強みとなって、病院経営だけでなく医療スタッフにとっては魅力的な勤務先となり、市民にとっては医療サービスの質・量の向上につながる可能性があります。

3. 市内の医療人材育成を
共立病院の建替えに貴重な税金を投入するよりも、市内の医療人材の育成に力を入れるべく、以下3つの政策提言をします。
看護師等養成校の定員増
現在、看護師の数が足りないため、医療現場は多忙となっています。その要因のひとつは、市内の看護師養成校の入学枠が少ないために人材供給量が限られていることです。現在、市内には3校の看護師・准看護師養成校がありますが、その入学定員合計は165名です。一方、入学希望者数は過去5年間の平均で約340名です。すなわち170名以上が看護師になりたくても入口でお断りされているわけです。入学定員を増やし、市内医療機関に勤めていただくことが看護師不足解消への一歩となるため、既存の看護師等養成校の定員増を図っていくべきです。

上級学校への進学の受け皿
看護師・准看護師養成校の卒業生は、必ずしも市内医療機関に就職していません。一定数が卒業後、さらなる上級資格を目指して市外へ進学しています。その数は、平成23年で31名、平成24年31名、平成25年で39名です。准看護師学校においては、4割近くの卒業生が市外に進学していっています。彼ら彼女らの受け皿になるためには、市内に上級の学校、例えば准看護師から看護師になるための学校、もしくは4年制の看護大学・学部の設置をすべきです。

学生を支援する基金の創設
学費の問題から、私立の医学系学部進学をあきらめる高校生は少なくありません。平成25年度のいわき市内高校生の医学部進学者は16名ですが、うち私立医科大学への進学者はたった2名です。国立医学部の学費が6年間で約350万円に対し、私立医学部の学費は2000万円から3000万円と言われております。その高額の学費に対して二の足を踏んでいるわけです。結果としていわき市から医学部に進学する人材が少ないという事実を生み、医師不足に手をこまねいている現状を引き起こしています。
それなら学費を官民が支援して、市内から自前で医療人材育成をすれば良い。人への投資は必ず、市の財産となります。自主的に市へ貢献したくなるような詳細な制度設計は別途するとして、医療への道を目指す医大生・看護学生への奨学資金貸与、支払免除の基金を創設したいと考えています。

4. さいごに
一時的な復興財源が措置されているため、市内では「復興」という美名のもとにハード面の建設・整備が着々と進められています。市内には3,000戸を超える災害・復興公営住宅(家賃が安い公営の賃貸マンション)や30kmにも及ぶ防潮堤(万里の長城を彷彿とさせるコンクリート塀)が建設されます。一方、ソフト面、人材育成という点ではどうでしょうか。東京大学医科学研究所の上昌広教授によれば、これまでの福島県の教育に対する投資は、残念ながら最低ランクだそうです。私は、日本の将来は人づくりにかかっていると思います。まさに「まちづくりは人づくり」。人への投資が長期的なまちの財産となり、その魅力的なまちに若者が住みたくなる、そんな好サイクルを築いていきたいと思っています。

本郷学園 本郷祭

私立大学上位校への進学実績の大躍進中の、本郷学園の学園祭、本郷祭に行ってきました。今年のテーマは「つぶやくな、叫ぼじゃねえか!」。巣鴨駅から徒歩数分の立地は抜群。地元民がメインで、子連れが多いです。 
<本郷学園 オープンスクールは、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/39376271.html

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本郷といえば、ラグビー!サッカー!ですが、それ以外のスポーツも盛んです。学生のほとんどはなんらかの運動部に所属しているそうです。

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屋外では他校からの招待試合がサッカー・ラグビーともに行なわれていました。それにしても体がでかい。本郷の高校3年生と中学1年生では、おとなとこどもの違いくらいあります。それだけ中高6年間で心身共に成長するということでしょう。

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中庭ではテントでの食べ物屋台が出店、すべて学生が運営・調理・販売しています。その種類が尋常でない。焼きそばから始まって、焼鳥、ホットケーキ、パウンドケーキ、綿あめ、たこ焼き、タコス、クレープ、ポテトフライ、ホットドック、かき氷等、とても食べきれない種類。

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男子校なので当たり前なのですが、全員男が顔をつきあわせて、たこ焼きを調理する姿はほほえましい。おそらく学生のほとんどが調理などしたことがない(はず)。こんな作業を通じて友情を深め合ったりするんでしょう。

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本郷らしくない?鉄道研究会もちゃんとありました。運動だけが本郷じゃない。マンガ好きやオタクもいます。そういえば、こち亀の作者の秋本治先生も本郷高校出身です。

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弱いつながり 検索ワードを探す旅 東浩紀著

先日、旧警戒区域に行ってみっぺツアーにお声がけいただいた、東浩紀氏の新著です。ネット漬けと思っていた氏が、意外や意外、「SNSやネットは、友達や同僚など強いつながりを、より強くするメディア」と断言し、ネットから遮断し旅に出るススメをしています。以前の著書と同様、難解な言葉がならんでいますが、挑発的な本です。
 
<旧警戒区域に行ってみっぺツアー ゲンロン・ふたば商工株式会社ジョイント開催は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/39441989.html

私たちは考え方も欲望も今いる環境に規定され、ネットの検索ワードさえもグーグルに予測されている。それでも、たった一度の人生をかけがえないものにしたいならば、環境を意図的に変え、グーグルに与えられた検索ワードを裏切っていくしかない。それを可能にするのが身体の移動であり、旅であり、弱いつながりなのだ――。人生に自由と強度を与える「偶然性」と「ノイズ」へ向かう道筋を示す。

はじめに――強いネットと弱いリアル
旅に出る 台湾/インド
観光客になる 福島
モノに触れる アウシュヴィッツ
欲望を作る チェルノブイリ
憐れみを感じる 韓国
コピーを怖れない バンコク
老いに抵抗する 東京
ボーナストラック 観光客の五つの心得
おわりに――旅とイメージ
 
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スマホやPCをいじっていても、自分の興味のある情報だけしか目の前に出てこない。なぜならGoogleが改良されてばされるほど、人生に「意外性のある出くわし」がなくなってしまう。Googleの検索は自分の過去の検索の延長でしか候補を表示しない。グーグルに従っていたら、世界は一歩も広がらない。それを打破するためには、(=Googleの予想を裏切るには)、自分の中に新しい欲望(検索ワード)を作るしかない。そのワードを作る方法が、身体を移動させること=「旅」という主張です。ネットをたまには捨てて、旅に出よう。

もうちょっと補足すると、旅先で出会うべきは新しい「欲望」なのだそうです。海外旅行時に、意図的に自分の環境を変えて、考えること、思い付くこと、人間として欲望することを勧めている。そこから出てくるものは、決して予想されるもの、予定調和的なものではなく、あたらしい場所、あたらしい時間、あたらしい言葉。ネットやSNSの呪縛から離れ、日常の人間関係から自らを解き放ち、そこで見たモノや経験から、やがて新しいものが生まれるてくるかもしれない。

著者の主張は、世界はどんどん均質化・フラット化している。そしてインターネットは飛躍的に進化して世界を覆う。となれば世界が均質化し、Googleで検索されることを前提に、行動すべきではないかとの主張。ネットでは決して得ることのできない「弱い絆」を紡ごう、という難しい言いまわしをしていますが、要は環境が人を変える、だからその環境を意図的・強制的に変えるのが旅だ、と解釈しました。

高松丸亀町のまちづくり戦略 都市をコンパクトに縮めなければ、街の機能を維持出来ないことは歴然

高松丸亀町 まちづくり戦略の資料を精読しました。高松丸亀町商店街振興組合が作成したものです。いわきと酷似した過去の状況、クリアな現状分析は非常に参考になります。

<高松丸亀町まちづくり戦略の報告書は、コチラ>
報告書の主張はきわめてシンプルです。新しい都市を造るには莫大なインフラ整備費用がかかります。したがって郊外開発を進めれば進めるだけ、財政は悪化していきます。中心地の敷地面積あたりの固定資産税は周辺の4.2倍とれるが、維持費は逆に郊外部の方が6倍以上の経費がかかります。今後の総人口減少、とりわけ地方の人口減少、国の財政事情の悪化等を考慮すれば、都市をコンパクトに縮めなければ、街の機能を維持出来ないことは必然といえるでしょう。

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現在の中心市街地の商店街の凋落の原因を、郊外型ショッピングセンターのオーバーストアの主要因を求める見方もあります。しかし、以下のことを考慮すると、諸悪の根源が郊外大型店のみにあるのではなく、中心街活性化を阻害しているのは商店主(地権者)自身ではないか。

1. 郊外規制をしても中心部が再生することはあり得ない
頑張らない中心部商店街は郊外規制に胡座をかくだけで、彼らは何もしない。
 
2. 自由競争(消費者の選択肢)を阻害するだけである
県の住民意識調査で、6割の消費者が郊外大型店に満足している。

3. 現在の商店街店主の問題点
・営業時間が短い
・シャッターが降りた商店が放置されている
・買い物をするための、駐車場代がかかる
・休憩する場所も、トイレもない

郊外型大型店は地域に税金を落とさず、地域の経済循環の貢献度は低い。一方、消費者は大型店を圧倒的に支持している。郊外店が売上を伸ばし、商店街が売り上げを失った最大の理由は、消費者が欲しいと思ってる商品が並んでいないということ。本来商店がその魅力を失ったら単なる集客イベントで一時しのぎするのではなく、本格的な次の一手を打たなければならない。すなわち、①業種転換、②新たな商品開発、③廃業等です。高松丸亀町商店街は、①②③の組み合わせを選択しました。 

高松丸亀町の事例から学べること、5点。
1. 失敗例から学ぶ。
ダメになってしまった街の例は、街がどんどん拡散している役所の郊外開発しているところ。立地変動に敏感な商売人はすぐに街を捨て去る。これは一商売人の判断としては正しい。商売人が逃げ出さなくてもいい街をいかに造るか?失敗例には実に沢山の学ぶべき点がある

2. 中心市街地活性化は、単に商店街再生であってはならない。頑張らない中心部商店街は郊外規制に胡座をかくだけで、彼らは何もしない。

3. 合意形成のノウハウ、全員での議論はしない。丸亀町は「議論」をしなかった。
100名を超える地権者を集めて議論してしまうと100年経ってもまとまらない。町から信任を受けた極少人数と専門家チームで計画を作り、丁寧に説明してきただけ。

4. ローカリズムの克服。触媒(専門家)・接着剤(地元)の必要性
外部人材によるイベントの企画・運営のお手伝いはウエルカムだが、財産権に手を触れる話になると、ハレーションを起こしてしまう。地元(地権者)の中でキーマンを育成することが必須。

5. 自分たちのビジョンありき。まちづくり会社はごれを具現化させる道具に過ぎない。
民間主導。お役所は総花の計画しか作れない。いくら国策とはいえ、集中投資なんて出来ないし、やると市長は選挙に落ちる。だから、まず民がやる。そして頑張る民を、役所が支える構図が最も合理的な「まちづくり」の手法。前例主義にこだわらない。
 

NUS MBA Information Session, Tokyo

NUS MBA Information Sessionが、東京新宿のヒルトンホテルで開催されました。会議室には、MBAコースに興味を持つ社会人が数十人来ていました。2時間近くのセッションでしたが、熱心にNUSの担当者Ms. Chua Nab Szeから話を聞いていました。もちろん、最初から最後まで英語。プレゼンに力が入っているのがわかるのですが、どこまで日本人候補者に伝わったか・・・

私がNUS EMBAに通学していたときは、日本人は私だけでした。現在MBAコース定員100名のうち、日本人は14名在籍し、在籍人数はインドに次ぐ第2グループだそうです。アジアのMBA人気は本当のようです。「アジアでMBA――もっと気軽に、もっと成長できる場所へ」という書籍も出ていて、以前よりももっとMBA留学の裾野が広がっていると実感しました。

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なつかしのNUSマーク。

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セミナー終了後の夜は、NUSのOBが集まり、新宿の高層ビルで交流しました。金融・行政・テクノロジー・学者・政治とさまざまな道に進んでいても、ベースが一緒だと会話のペースも早まり、楽しい夜でした。

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cafe & tarts CONNEXION(コネッション) コーヒーハンターのコーヒーが飲める店

内郷にあるCafe&tartes CONNEXION(コネッション)。店の名前の由来は、フランス語で「つながる」の意味で、「美味しさと美味しさ、人と人、様々なつながりを大切にしたい」という想いが込められています。川島良彰氏プロデュースのMiCafeto(ミカフェート)のコーヒーとタルトが味わえるお店です。

川島良彰氏といえば、世界に名をとどろかしているコーヒーハンター。川島氏が最高を追究した、「Grand Cru Cafe」が飲めます。これはJALのファーストクラスで提供されるコーヒー。その他にもJALビジネスクラスで提供される「Premier Cru Cafe」、普及版の「COFFEE HUNTERS」ブランドが飲めます。

<私はコーヒーで世界を変えることにした。 川島良彰著は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/37621588.html

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広い窓が開放的な店内にはコーヒーの芳醇な香りとタルトの甘く香ばしい香り、悠久の時を重ねた木の香りが広がります。「本物にこだわった空間で美味しいひとときを楽しんでいただきたい」という想いが伝わってきます。

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バリスタが注文ごとに一杯一杯、ドリップしてくれます。

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注文ごとに目の前で一杯一杯、丁寧に豆を引きます。

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コーヒーを淹れる温度は、厳密に84℃とのこと。これはなかなかご家庭ではできない技です。1杯専用のドリップもあり、注いでいるときの光の演出が美しい。

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3日かけて作るタルトも有名とのこと。

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タルト、コーヒーはテイクアウトが可能です。店頭のショーケースには沢山の種類のタルトが並んでいました。果物のタルトはどれも載っている具が巨大。ぜいたくに素材を使っています。
 
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ミカフェートのコーヒー豆は、専用のしゃれたペッボトルに詰められています(グランクリュは、ガラス製のシャンパンボトル)。店で挽いてもらって帰るときも、このボトルに詰められます。コーヒー好きの方へのプレゼント用にもってこいかもしれません。少なくとも私なら、もらって嬉しい。

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オーロ遊び展 田口安男氏の作品「白いトルソ」

オーロ遊び展を見てきました。場所は、泉町のアートスペース泉です。オーロとはイタリア語で金のことで、金箔の技法を駆使、取り入れた作家らが絵画だけでなく多様なジャンルの作品を展示しています。

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アートスペース泉様の、開廊7周年記念展だそうです。金地背景テンペラ画の第一人者、田口安男氏の作品「白いトルソ」が展示されています。氏は、日本に磨き上げられた金箔を使った絵、すなわち「黄金背景」の処方を詳細で具体的な図版とともに紹介した初めての画家です。東京芸大名誉教授であるとともに、かつての、いわき市立美術館の館長を務めたこともある方です。

その白いトルソはこちらの作品。
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田口氏から指導を受けた画家、彫刻家、工芸家、書家と多様なジャンルの42人による作品約50点が展示されています。
 
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アートスペース泉の屋外には、彫刻展示もあります。ひとつ4.5トンだそうです。画廊としての展示物ですから、販売も可能とのこと。この作品が置ける広いお庭をお持ちの家限定となりそうですが。

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築土構木の思想 土木で日本を建てなおす 藤井聡著

「土木」という言葉はいったい何か。これは中国の古典「築土構木」(ちくどこうぼく)が由来です。中国の古典「淮南子(えなんじ)」の中の「劣悪な環境で暮らす困り果てた民を目にした聖人が、彼らを済うために、土を積み(築土)、木を組み(構木)、暮らしの環境を整える事業を行なった。結果、民は安寧の内に暮らすことができるようになった」ところから、土木という言葉が生まれたそうです。

ですから、築土構木=土木という行い自体には、、本来は人々の安寧を慮る人々、すなわち聖人や君子が行なう「利他行」そのものだと暗示されているわけです。土木に対する英語(Civil Engineering)もふるっています。Civilization=「文明」を作る工学という意味で、非常に高邁が産業なんですね。それにもかかわらず、土木業にたいして巷では、自分のことばかり考える利己的な商売人達や、利権に目がくらんだ政治屋達が行なう浅ましき行為が跋扈している業界とみなされている(実際、本当かどうかは別として)のは残念です。

現在の日本は、被災地の復興、老朽化した道路・トンネルなどインフラの補修、台風や大雨の被害対策、2020年東京オリンピック開催等等、予定されている土木・建築工事が目白押し。一方、建設業界はバブル後の公共工事削減により人員を減らし続けたため、若手の参入が激減し人手不足に陥っています。

<NHKスペシャル 調査報告 日本のインフラが危ないは、こちら>
http://www.mikito.biz/archives/30434113.html

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著者の主張は、「公共事業不要論」は間違っている。 日本には土木事業が足りない。景気に左右されずに国土強靭化(レジリエンス)、すなわち1. 耐ショック性、2. 回復力、3. 致命傷を受けないことを目標に、継続して公共事業としての土木に注力すべきとの考え方、土木による日本再建論者です。

共著者のひとりの言葉。「カネよりも命が大切だ」なんてことまでは申しませんけれども、少なくとも、「カネも大事だけれど、命のほうも大事じゃないのか」と言いたい。なんとか「リスク分散」と「経済効率の追求」の折り合いをつけて、「経済効率の追求」はほどほどにして、安全性、国土強靭化をやってほしい。そういう政策転換を望んでいるところです。なるほど。

 

ブックオフ 蔵書341冊が1万6千円で引取

デスクワークが続いて煮詰まったので、体を動かすことにしました。手始めは、事務所の片付け。なんといってもため込んだ蔵書の整理です。読みおわった本は何かの機会に読み返すかもしれないと思い、取っておくのですが、やはりほとんどの本を読み返す機会などなく、単に積み上がっていって、3年間。段ボールで8箱分です。

これをブックオフへ買取依頼。事務所とブックオフを2回往復、341冊を持ち込んだところ、買取金額が16,505円。1冊当たり50円弱、、、明細を見ると1冊あたり5円の買取も多い。どんな知の塊も、中古マーケットに乗せるとこうなる。逆に言えば中古マーケットでいくらの値がつこうとも、莫大な知的財産価値を持つ本もあるということ、だと思う。
 
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ふるきゃらMUSICAL ドリーム工場

東日本大震災をテーマにしたミュージカル、「ふるきゃらMUSICAL ドリーム工場」を、ちょっとだけ観てきました。

ミュージカル「ドリーム工場~東北のプレタポルテ~」
会場:いわきアリオス中劇場
主催:フージャースコーポレーション
後援:いわき市・いわき市教育委員会
料金:3,000円
話の内容:
大震災で被害を受けた町工場を復興させていく物語です。東北の縫製工場が舞台です。震災の被害から一歩一歩、希望に向かってのたゆまぬ努力を重ねてゆきます。社長自らがミシンを錆びさせないように洗ったりして工場を復興させようと頑張ります。それをだんだん周りのみんなも助けるようになり、でも経営は厳しい状況を余儀なくされる、という話です。

びっくりしたのが、生オペラさながら(3名だけですが)、生のトロンボーン、ドラムス、キーボードが右手に控えていて、舞台の進行にあわせて生演奏していたこと。これはスゴイ。

https://www.youtube.com/watch?v=UIzHNTjCy2M

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何と言っても不思議なのは、主催がフージャースコーポレーションという、マンション企画・販売会社であることです。これまでいわきで販売実績は、ゼロ。この秋に、「デュオヒルズいわきザ・レジデンス」という、平字堂根町の竹林病院跡地で、はじめてのマンション分譲を予定しています。その会社が、なぜミュージカルを提供?

その答えは、復興交付金を活用した国の「優良建築物等整備事業」の制度を活用し、市復興優良建築物等整備事業の補助を得たことにあるようです。すなわち、いわき市が事業者に一定の(有形無形の)地域貢献を求めていると推測されます。
http://www.city.iwaki.fukushima.jp/machi/seibi/5244/018642.html

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福島縣立磐城中学校 校歌 第二章が削除

福島縣立磐城中学校の校歌は、西村岸太郎校長の発案で明治44年、制定されました。作歌は、福島縣師範学校 国漢科担当教諭の西村岸太郎氏。それに西村校長がみずから加筆修正したそうです。校長自ら作るのは珍しいと思います。作曲は福島師範学校の音楽担当教諭の渡邊貞夫氏でした。

<第一章>
峰は秀づ、赤井嶽、水は清し、夏井川 (みねはひいづ、あかいだけ、みずはきよし、なついがわ)
こゝ磐陽の、學び舎に、あゝ樂し、吾等友がら (ここばんようの、まなびやに、ああたのし、われらともがら)

<第二章>
あやに畏し、天皇の、勅捧げつ、山行かば、 (あやにかしこし、すめらぎの、みことささげつ、やまゆかば)
草むす屍、海ゆかば、水つく屍、ゆめ忘れめや (くさむすかばね、うみゆかば、みずつくかばね、ゆめわすれめや)

<第三章>
眞鐵や溶けん、夏の日も、膚や裂けん、冬の夜も (まがねやとけん、なつのひも、はだえやさけん、ふゆのよも)
自覺の眼、生くる時、本職勵みて、吾等撓まじ (じかくのまなこ、いくるとき、つとめはげみて、われらたゆまじ)

<第四章>
鍛へや腕、この山に、濯げや心、この水に (きたえやかいな、このやまに、すすげやこころ、このみずに)
理想の空は、高くとも、北斗は明し、希望の光。 (りそうのそらは、たかくとも、ほくとはあかし、きぼうのひかり)

太平洋戦争後、第二章は削除され、現在の磐城高校の校歌は、第三章、第四章がそれぞれ繰り上がっています。第二章の意味するところは、一旦天皇のお召しがあれば、いつでも戦場に赴いて死のう、という内容でしたので、戦後にそっと削除されたのだと推測します。 
 
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玄玄天に行ってみました

「玄玄天」=「げんげんてん」と読みます。この言葉は、いわき市出身の蛙の詩人・草野心平の詩集「幻影」の中に掲載されている詩だそうです。いわき平駅周辺、4か所で展示される芸術祭で、全国から28名のアーティストの作品を展示されています。
 
行ったのは、本町通り平二町目にある洋品店、もりたか屋さん。普通に正面入り口からも入れるのですが、ラトブ側からも入れます。その秘密めいた上層階への階段を上ると。。。まさにシュールな空間。駅徒歩3分の場所とは思えない、なんというかいちばん近いのは「昭和のお化け屋敷」のイメージです。何か背後から不思議な声がかかりそうなスペースでした。

そんな場所感覚、時間間隔をなくしそうな不思議なスペースに、アートが展示されていました。これはアンモナイト?をほうふつとさせる布の展示。
 
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こちらは写真の暗室のモチーフ?かな。印画紙を発色させるためのバットが異常にでかい。ヒラメが養殖できそうな水槽くらい。

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ピンク街にありそうな電飾も。怪しい部屋になっています。

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藤城光さんの作品を発見。知り合いの名前を見つけると何かうれしくなる。

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公共工事設計労務単価 急上昇

公共工事設計労務単価が、震災後、急上昇しています。国土交通省の調べによれば、全国全職種平均で、16,190円だそうですが、建設需要がひっ迫している被災三県では17,671円(円/1日8時間当たり)。驚きなのは、平成24年との比較では、全国ベースで23%、被災三県では31.2%!も増加していることです。グラフで見ると、異常なジャンプアップが手に取るようにわかります。人件費の激増ということが、あらためてデータでも裏付けられました。これは平均ですから、局地的には5割とか、それ増加している職種・地域もあるのではないでしょうか。
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出所:国土交通省「公共工事設計労務単価」
http://www.mlit.go.jp/common/000993051.pdf

震災前は、ほとんど労務単価の動きはなかったわけですから、建設業界のパラダイムシフトといっても良いかもしれません。もともと建設業就業者は、55歳以上が3割以上、その中でも60歳以上が約2割といわれています。29歳以下が1割ちょっと、若年者の割合が低く、建設業界は高齢労働者に支えられてきました。その高齢労働者が老齢化し減少しいっていますので、ますます需要に対して、供給が細っていくわけです。若年入職者の確保が課題ですが、職場環境の改善は一日にしてできるわけではないので、妙案はなさそうです。
 

平成26年9月議会 一般質問しました(防潮堤をサイクリングロード・遊歩道にしたい)

一般質問 
7番 吉田実貴人
3. 防潮堤をサイクリングロードにする提言
http://www.mikito.biz/archives/36255981.html  
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黒字:吉田の発言・質問、青字:執行部からの答弁  動画:http://youtu.be/caaenocK5rU

現在、いわき市の海岸線沿いに防潮堤の建設が進められております。高さは水面から7.2mであり、住宅地からだけでなく、海岸線沿いの道路からも海が見えなくなってしまうという危惧が寄せられております。
 
(1)  これまでの取組みについて
ア    市内のサイクリングロードの整備状況
まずこれまでの市内のサイクリングロードの整備状況を伺います。

(土木部長答弁)市内のサイクリングロード、いわゆる自転車道路網の整備状況につきましては、既存の幹線道路や河川堤防などを有効に活用した自転車整備網の構築を目指して、平成10年度にいわき市自転車道路網整備計画を策定しております。その中で重点路線に位置づけられた新川・夏井川ルートや海岸線ルートなどの8ルートの自転車道路網のうち、新川・夏井川ルートにつきましては主に二級河川新川や夏井川の堤防を利用して、両岸の延長約28kmの整備を平成22年度までに行なったところでございます。
 
イ    サイクリングロードの整備目的
その整備目的を伺います。
 
(土木部長答弁)自転車道路網の整備目的といたしましては、自転車の利用を促進することにより、自動車の利用を促進することにより、自動車交通の減少が図られ、交通渋滞の緩和に寄与するとともに、自然環境への負荷が小さいまちづくり、いわゆる自然共生社会の形成に役立つこと、更には、自転車を活用しながら健康の増進を図ることや、最近増加しているサイクルスポーツ愛好者に活動の場を提供することなどでございます。
 
ウ    現在の維持費用
サイクリングロードに対する現在の維持費用を伺います。
 
(土木部長答弁)自転車道路の維持管理につきましては、新川・夏井川ルートの場合、既存の道路や河川堤防を活用していることなどから、それぞれの施設管理者によって維持管理が行なわれているほか、河川愛護団体等の有志の方々によりましても、除草やゴミ拾い等のボランティア活動を通した維持管理への協力を頂いている状況にあります。
 
サイクリングロードに対して、特段の維持費用がかけられていないということがわかりました。ぜひ現在の夏井川・新川サイクリングロードを実際に歩いてみていただきたい。途中でとぎれている箇所もありますし、路面の陥没や起伏によりつまづきやすくなっている箇所があります。健康の増進やサイクルスポーツ提供等の整備目的の効果が半減しています。きちんとした予算をとり維持整備していただきたく、要望したいと思います。
 
エ    今後の整備計画
ぜひ防潮堤を市民が海を見ながらてくてく散歩できる遊歩道、海をみながらぶらぶら自転車で走れるサイクリングロードとして整備していただきたく、今後の整備計画を伺います。
 
(市長答弁)今後のサイクリングロードの整備計画につきましては、残る7ルートのうち、本市の魅力ある沿岸域を活用した海岸線ルートの実現に向け、新たな防潮堤や防災緑地の整備を進めている、国・県の関係機関と協議を進めて参りたいと考えております。また整備計画の立案に際しましては、歩行者や自転車利用者の安全性を確保した上で、既存道路から防潮堤への円滑な乗り入れが可能となるよう、スロープを設置するなど、沿岸域に立地する観光施設等を結びながらより魅力あるルートとなるよう取り組んで参ります。
 
当初、防潮堤の利活用について通告しておりましたが、ただいまの今後の整備計画の答弁に内容が含まれておりましたので、質問は割愛いたします。
 
自転車が利用できるためには、どうしても既存道路から防潮堤へスロープが必要ですし、できれば複数のトイレや駐車場があると、市内遠方からもしくは市外の方にも使いやすくなり、海を見て楽しむ機会も増えるのではないかと思います。いわき市の防潮堤は30km近くに及び実現すれば全国屈指のサイクリングロードになり、復興の大きな起爆剤になります。美しいいわきの七浜をみながらサイクリングということで、市民のなかにはすでに(仮称)「いわき七浜サイクリングロード」と名付けている方もいらっしゃるそうです。
 
また11月2日にツールドいわきという自転車イベントが開催されます。募集は800名でアクアマリンパークがスタート、ゴール地点で120km 60km 30kmのコースをファンライドします。私も自転車に乗りますが、いわきには自転車好きは相当数いらっしゃると実感しています。そういった市民のためにも、ぜひ意を持って取り組んでいただければと思い、私の質問を終了します。ご静聴、大変ありがとうございました。
 
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平成26年9月議会 一般質問しました(市の人財への研修投資)

一般質問 
いわき市議会議員
7番 吉田実貴人
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黒字:吉田の発言・質問、青字:執行部からの答弁  動画:http://youtu.be/caaenocK5rU
市職員研修は、職員の基礎的能力維持と、さらなる能力開発を行なうため複数の研修メニューが用意されておりますが、震災後、業務が繁忙となり研修が後まわしになってきたということがあります。
 
(1)  過去の研修実施回数について
ア    職員研修実施回数の推移
まず職員研修実施回数の過去5年間の推移を伺います。
 
(総務部長答弁)職員研修につきましては、各職階に必要とされる基本的な知識を習得するために実施する「基本研修」や専門的・実践的な知識を習得するために実施する「特別研修」の他、先進的でより高度な知識や技術等を習得するために研修専門機関や先進自治体等へ派遣する「派遣研修」により構成されております。これら職員研修全体におけます過去5年間の修了者数につきまして、延べ人数で申し上げますと、平成21年度は112課程2,412人、平成22年度は126課程2,762人、平成23年度は23課程1,169人、平成24年度は96課程2,482人、平成25年度は104課程2,723人となっております。
 
やはり、震災直後の平成23年度には研修回数が激減し、その後回復基調にあることがわかりました。
 
イ    派遣研修実施回数の推移
職員研修の多くは市庁舎内での座学ですが、派遣研修は、主に市外に出て、外部講師等から研修を受けるものであります。市内に閉じこもるだけでなく、井の中の蛙とならぬよう、市外からの視点を持つことは極めて重要と考えます。そこで派遣研修実施回数の過去5年間の推移を伺います。
 
(総務部長答弁)「派遣研修」は高度化・複雑化する行財政運営に的確に対応できる職員の育成を図るため、外部の研修専門機関等へ職員を派遣し研修するものであり、過去5年間の派遣者数につきまして、延べ人数で申し上げますと、平成21年度は79課程116人、平成22年度は84課程123人、平成23年度は13課程17人、平成24年度は51課程76人、平成25年度は57課程82人となっております。
 
ウ    国内行政実務調査研修への派遣者数の推移
派遣研修の中でも国内行政実務調査は、他の先進自治体へ派遣され先方の職員として、他自治体の先進業務を学んでくるものです。同じ地方公務員であっても他の自治体との違いを体感することは、いわき市の業務をしていく上で極めて有用だと思います。国内行政実務調査研修への派遣者数の過去5年間の推移を伺います。
 
(総務部長答弁)国内行政実務調査研修は、派遣研修の一環として、本市以外の公共団体等に職員を派遣し、市の行政課題の解決やプロジェクトの推進等に資するため、調査研究を行なわせるもので、過去5年間の派遣者数につきましては、平成21年度は14件26人、平成22年度は15件25人、平成23年度は1件1人、平成24年度は17件25人、平成25年度は15件29人となっております。
 
(2)  今後の研修への取組みについて
ア    今後の人材育成の方針
市職員の離職率は民間企業に比べて極めて低く、多くの職員は定年まで市のために調べ、考え、施策を実行しています。優秀な職員人材を揃えることは、これすなわち、人づくりはまちづくり、いわき市民全体の利益となります。特に離職率が低いということは、研修投資が全くムダになりません。若いときに受けた研修がその後の市役所人生にずっと役立たせることができ、極めて有効です。ぜひ若い市職員ほど、積極的に外部に出し研修していただき、市の財産すべく、今後の人材育成の方針を伺います。
 
(市長答弁)職員研修は、市民全体の奉仕者としてふさわしい品位と識見を備えた有能な職員を養成し、市政の円滑な運営に資することを目的としており、本市では「いわき市人材育成基本方針」に基づき、毎年度、職員研修計画を定め、体系的かつ効果的な実施に努めているところであります。なかでも「国内行政実務調査研修」は、本市以外の先進的な公共団体等に職員を派遣し、特定の政策課題等について調査及び研究を行なわせることにより、これまでも、職員の視野の拡大や能力の開発に資するとともに、併せて、行政施策の推進にも大いに寄与してきたところであり、実効性のある大変重要な研修であると認識しております。このようなことから、現在、震災からの復興期にはありますが、今年度は派遣する職員枠を増やすなど、その充実に努めてきたところであります。
今後につきましても、本市の復興や将来のまちづくりを担える人材の育成に向け、時代の要請に応じた職員の能力開発・向上が可能となるよう、不断に研修体系や研修手法を見直しながら、職員研修全般にわたり、その内容の充実・強化に努めて参りたいと考えております。
 
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平成26年9月議会 一般質問しました(地域医療の改善の提案)

一般質問 
7番 吉田実貴人
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黒字:吉田の発言・質問、青字:執行部からの答弁 
動画:http://youtu.be/caaenocK5rU
 
いわき市議会清政会の吉田みきとです。先日2014.8/9.8/10の2日間にわたって「いわきの医療・まちづくり公開シンポジウム」を開催致しました。一般市民だけでなく、市職員、医療関係者の方々にも多数、足をお運びいただき、誠にありがとうございました。そこで、医療関係者の懸命の努力によって、いまのいわきの医療がぎりぎりのところで支えられているということを、あらためて認識しました。市民を代表して、医療関係者各位に対して感謝申し上げたいと思います。また講演者だけでなく市内外から30名もの方に、貴重な提言をいただきご寄稿集としてまとめましたので、ご関心のある方は私までご一報いただければと思います。では以下、通告順にしたがって一般質問を行います。
  
いわき市で経営している磐城共立病院は、現在建物の建替えが検討されております。建替えにあたっては莫大な費用がかかるとともに、多額の税金投入、多額の市債発行という将来世代の負担が発生することから、極めて慎重な判断が求められます。先日の医療シンポジウムにおいても、震災後の浜通りの医療を支援して下さっている東京大学の上昌広教授が、明確に「いわきの医療をよくするためには、人材育成が第一で、300億円もかけて磐城共立病院を建て替えてはならない。極めて反対です」と主張されておられます。
 
(1)  勤務医師数不足の現状について
ア    共立病院の勤務医師数の推移
地域医療は、医師と看護師が主要な役割を担っています。そこで磐城共立病院に所属する常勤医師数の推移をお伺いします。
 
(共立病院事務局長答弁)共立病院における各年度4月1日現在の常勤医師数につきましては、平成17年度141名、18年度141名、19年度130名、20年度121名、21年度119名、22年度112名、23年度111名、24年度110名、25年度114名、26年度114名となっております。
 
10年前には140人以上所属していた勤務医が、30名近く流出していることがわかりました。これはこれまでの医師確保・医師招聘の施策が結果として効果的に機能してこなかったことを示していると思います。
 
イ    医療行為過失時の担当医師の責任免除の仕組み
医師流出の遠因のひとつとなっていると考えられるのが2004年に起きた、福島県立大野病院産科医逮捕事件です。かいつまんでお話しすると、出産時の医療行為により妊婦が死亡し、産婦人科医個人が責任を追及された事件です。注目されたのは警察の取り調べにより、医師に手錠がかけられたことです。医師個人の刑事責任は問われなかったものの、病院・地方自治体が、医師を守る姿勢に欠けたことが、今日まで医療関係者のみならず、医療法務を学ぶ医学生に深く語り継がれております。これが、福島県・産婦人科・勤務医に対するスティグマ、汚名となっているところがあります。私は、地方自治体がそのスティグマを払拭するような姿勢を、医学界・医学生に対して積極的に見せることこそ必要なのではないかと思います。そこで、医療行為過失時に医師個人が刑事責任に問われないよう医師を守る仕組みが共立病院にあるのか伺います。
 
(病院事業管理者答弁)当院では、標準的な診療ガイドラインに基づき、適切な医療行為を提供するとともに、医療安全管理指針等に従って医療事故の防止に努めているところであります。しかしながら、医療行為においては、常に事故の発生する可能性があることから、そのリスクについて、事前に患者及び家族に説明し納得をいただいたうえで、医療行為を実施しているところであります。
また医療事故が発生した場合は、患者及び医療安全管理委員会において事故原因を精査し、情報を共有することで再発防止を図っているところであります。なお、医療行為に関連して患者が予期せず死亡した場合、医療事故の原因究明と再発防止のため、第三者機関への届出と院内調査をすべての医療機関に義務づけた「地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律」が公布され、現在、国において来年10月の運用開始に向けた届出基準等の指針が検討されておりますことから、その内容について注視して参りたいと考えております。
 
医師を守るというポリシーを明確にもって進めて頂きたいと思います。
 
ウ    医療行為過失時の法務対策
医療行為には、患者の体への侵襲、すなわち一定のリスクが必ず伴います。医療事故は確率として必然的に起こりえます。医師を守るため、医療行為過失時に医師個人に対して損害賠償請求された場合など、何か共立病院として対策等に取り組んでいるのか伺います。
 
(病院事業管理者答弁)当院が実施した医療行為に過失が生じたことによっって、患者の身体に障害等を発生させてしまった場合においては、担当医師個人のみの責任とすることなく、病院全体として、その責任を負う必要があるものと考えております。このような場合においては、担当医師はもとより、病院長や上席医師が一体となって患者や家族の皆様に対し、誠意をもって十分な説明や謝罪を行なうほか、与えた損害の賠償についても適切に対応しているところであります。
 
ぜひいわき市は医師や看護師の職業をリスペクトし大事にする自治体だということをアピールできるよう、意を持って取り組んで頂きたいと思います。
 
(2)  建て替えにあたっての課題について
磐城共立病院の建替えは、市議会において全体の予算承認はまだなされていないものの、現在、いわき市と大成建設との間で工事契約の交渉中と伺っております。
 
ア    本体工事費の物価スライド変動の見込み
工事契約には、物価スライド条項が盛り込まれる予定です。これは、契約金額にかかわらず、その後の建設物価が高騰した場合においては、その割合に応じて自動的にオートマチックに契約金額が増加するというものであります。そこで、本体工事費の物価スライド変動の見込みを伺います。
 
(共立病院事務局長答弁)先の震災以降、各地で復旧・復興事業が進められる中、建築資材や労務費が著しく高騰しており、当面は、こうした傾向が続くものと見込まれます。
 
物価スライド条項によって、場合によっては工事費が青天井に膨らむ可能性があります。現在、頂いている資料によれば、現段階での総工費は343億円ですが、さらなる建設物価の高騰は市民負担の増加をもたらします。仮に1割増えれば30億円、2割増えれば60億円です。平成30年度前後には、労災病院の建替えも見込まれており、建設需要の逼迫は明らかであります。
 
イ    病院債の発行見込み金額
次に、病院建設にあたって、物価スライドによる事業費変動を踏まえた病院事業債の発行見込み金額を伺います。
 
(共立病院事務局長答弁)病院事業債の発行見込金額につきましては、物価スライド等による事業費の変更や各種補助金等の状況により、変動することとなります。
 
物価スライド前の段階で、270億円。ざっくりいって市民一人あたま約10万円弱の負担です。あなたもあなたもあなたも、そしてあなたの子どもも、孫もそれぞれ10万円の借金をすることになります。本当に市民は自分のこととして納得しているのでしょうか。
 
ウ    工事期間中の外来用駐車場の数
工事期間中は、現在の駐車場が建設予定地もしくは工事車両向け用地となり、原則として外来用の駐車場がなくなります。そこで工事期間中の外来用駐車場の数を伺います。
 
(共立病院事務局長答弁)事業者からの提案によりますと、工事期間中の各年度末における敷地内駐車可能台数につきましては、今年度末で約90台、平成27年度末及び平成28年度末で約110台、平成29年度末で約270台とされており、工事の進捗にあわせて順次増加し、最終的には約1,120台分が確保できる見通しとなっております。この間、病院利用者には、ご不便をお掛けしますが、近傍地に病院利用者専用の臨時駐車場を確保し、病院との間でシャトルバスによる運行を図るなどの対応を図って参りたいと考えております。
 
ご回答のとおり、現在約540台ある敷地内駐車場が激減し、数分の一の規模になります。現在でも駐車場待ちが発生している外来が、さらに通院が著しく不便になります。
 
エ    近隣の臨時駐車場からピストン輸送による所要時間
駐車場不足解消のために、工事期間中は敷地外の離れた場所に、臨時駐車場を用意し、病院との間にバスで外来患者をピストン輸送する計画と伺っております。そこで臨時駐車場からバスによるピストン輸送による所要時間の見込みを伺います。
 
(共立病院事務局長答弁)現在、臨時駐車場と病院間を結ぶシャトルバスの詳細な運行方針について検討を行なっているところではありますが、現時点におきましては、シャトルバスによる移動時間が片道約5分、乗降時間を含めると、片道約15分程度を見込んでおります。
 
通院には当該所要時間の純粋な増加のみならず、乗り降りに要する体力等も必要になります。雨や雪等の悪天候の際には通院困難となることも想定されます。
 
オ    工事騒音と粉じんの影響
工事期間中は、杭やパイルの打ち込み音、工事車両の出入りによる粉じんが発生します。これらは入院患者にとって、良いはずはなく明らかに入院環境の悪化となります。そこで、入院患者への影響を伺います。
 
(共立病院事務局長答弁)工事に伴い、一定程度の騒音や粉じんが生じますが、その影響を可能な限り低減するため、万全の対策を講じて参る考えであります。事業者からの提案によりますと、工事の実施にあたりましては、騒音対策として国土交通省認定の低騒音・低振動型機械の採用や建設機械稼働時に騒音発生源となる動力装置部分の周辺等への防音シートの設置により、騒音の低減を図るとともに工事中の騒音・震動を常時モニタリングし、一定レベルを超えた騒音等が発生した場合には、直ちに工事を中止し、是正を図るなどの措置を講じるとされております。また、工事車両の粉じん対策につきましても、ハイウォッシャーによるタイヤ洗浄や場内散水などの措置を講じるとされております。
 
入院中の患者は一日中、ベッドで寝ています。敷地内を工事車両が走り回る病院よりも、静かな病院で安静にしたいという患者も多いのではないでしょうか。
 
カ    建替期間中の病院経営の経営見込み
建替え期間中は、外来用駐車場の減少に伴う外来患者の減少、入院環境の悪化に伴う入院患者の減少が起きます。現病院の医業収益から医業費用を差し引いた医業損失は、過去10年間累計で約200億円でありますが、平成26年度から平成28年度までの病院事業会計の収支見通しをお示しください。
 
(共立病院事務局長答弁)当院におきましては、今年度の診療報酬改定を踏まえ、諸般の影響を的確に見極めながら、現行の中期経営計画のローリングにより、今年度中に、平成28年度までを計画期間とする新たな中期経営計画を策定することとしており、その中で収支見通しを予定しているため、現段階で示すことは困難であります。
 
工事契約締結が迫っているこの時期に、市民の代表である議会において、経営の見通しをお示しいただけなかったことは残念です。ただ経営の収支予測がない中でのプロジェクトを進めることについて違和感を感じます。
 
キ    医療機器のリース契約
いただいている資料によれば、基本計画で48億円を予定していた医療機器の金額が、23億円に減額になっています。医療機器の一部をリース契約とした考え方について、伺います。
 
(共立病院事務局長答弁)医療機器をリースすることにより、将来の医療技術の高度化を見据えた経済耐用年数に応じ、リース期間を設定して最新鋭の機器の活用が可能となることから、現時点において、一部の医療機器の調達方法として想定しているところであります。
 
一般的に医療機器の購入にあたっては、複数のメーカーから相見積もりを入手し、一定の値引きを引き出すことができますが、リース契約においてはそのような値引きが期待しにくくなり、結果として総コストの増加を招きます。またイニシャルだけでなくランニングコストも含めた、ライフサイクルコストの観点が必要と考えます。
 
ク    追加的な費用について
追加土地買収費やシステム投資予算が、343億円に含まれておりません。今後さらなる隣地を購入していくときに、さらに青天井で事業費が拡大するおそれがあります。別途対応としている用地取得費やシステム調達について、どの程度の事業費なのか伺います。
 
(共立病院事務局長答弁)用地取得にあたりましては、土地の有効性を吟味すると友に、補償物件について個別に調査し、用地交渉の推移も見極めながら、その都度対応を検討していくこととしておりますことから、現時点において、具体的な事業費を申し上げることは困難であります。また医療情報システムのうち、既に導入済みの電子カルテシステム等については、昨年度に更新したことから、新病院への移設により対応することとしております。
 
その都度対応を検討していくとのことですが、病院完成までいくらかかるかの追加コストが不明というご回答をいただき、大変驚きました。
 
ケ    病院運営スタッフについて
現在の磐城共立病院には、病院事業管理者を筆頭に、市の行政職員、勤務医114名、そして看護師620名他が所属しております。これらのスタッフは、市職員という身分保障も含めて全員新病院に移行するという考えでよいかお示し下さい。
 
(共立病院事務局長答弁)現在当院で採用している医療スタッフにつきましては、基本的に全員、新病院に移行いたします。
 
経営形態・医療スタッフ・職員ともそのまま、横スライドするということは、外側の建物は新しくなっても、中身は一緒ということがわかりました。では新病院開院後の収支見通しの中で、医師数をどのように見込んでいるのか、伺います。
 
(共立病院事務局長答弁)新病院開院後の収支見通しにおける医師数につきましては、10人程度増加したものと仮定し、試算しております
 
医師10名増の仮定とのことですが、その医師の招聘に向け、今後どのような取組みを行なっていくのか、伺います。
 
(共立病院事務局長答弁)医師招聘につきましては、これまで、連携大学院の開設や、寄附講座からの派遣により、常勤医師の確保に努めるとともに、新病院建設に係る情報等を発信しながら関連大学医局等への働きかけを行なったきたところであります。今後におきましても、臨床研修医を含めた常勤医師や診療応援医師の確保に向け、私や病院長が先頭に立つことはもとより、市長とも適切な役割分担を図りながら、さまざまな機会をとらえ、国・県、さらには、東北大学や福島県立医科大学を初めとする関連大学の医局や、関東方面の大学医局等に対する働きかけを行なうほか、臨床研修病院として医学生への情報発信に努めて参ります。
 
ご回答は前の議会での答弁の一緒で、「国・県・関連先と緊密に連携をとって進めていく」という他者依存的で非常にジェネラルな回答です。現実としてそのようなことはこれまでもやってきたことで、その結果が10年間で30名の医師流出を招きました。現在、共立病院においては常勤医が不在の診療科が6科あると伺っております。小手先の対応では解決に至らず、新病院開院時にやはり医師が不足しているという状態を強く危惧するものであります。
 
コ    デザインビルド事業者選定委員会の役割
当初公募は、複数会社の提案により、競争原理が働き、よりよい提案内容を見込んでいましたが、大成建設1社のみの応募となり非常に残念であります。そこでデザインビルド事業者選定委員会の役割が重要になってきますが、あらためて同委員会の役割をお示し下さい。
 
(共立病院事務局長答弁)新病院デザインビルド事業者選定委員会につきましては、新病院建設に係るデザインビルド事業者を公募型プロポーザルにより、厳正かつ公平に選定するため設置したものであります。これまで、同委員会においては、公募型プロポーザルの募集要項の作成をはじめ、参加表明者に係る資格審査を行なう第一次審査及び技術提案内容の審査を行なう第二次審査を通じ、最優秀提案者を選定し、あわせて、審査における講評や附帯意見などを取りまとめた審査結果報告書を作成し、病院事業管理者に報告していただいたところであります。
 
デザインビルド委員会の残念な点は、議論が市民に非公開であったことです。公開プレゼンテーション時においても、市民からの質問の機会は設けられませんでした。
 
サ    将来の用途拡張性
現在の共立病院の敷地は約7haです。いわき市が保有する21世紀の森公園の29haや金成公園の60haから比べると敷地狭小であります。市民が新病院に期待するところは、建物自体が新しくなるだけでなく、将来的な、敷地内の研究機関や、老齢者向け居住施設、介護施設等の併設があります。看護学院の敷地内建設など、将来の用途拡張性についてお示し下さい。
 
(共立病院事務局長答弁)現時点におきましては、新病院本体の拡張スペース以外の新たな用途拡張は想定しておりません。
 
せっかくの数十年に一度の新病院計画において、大規模な国の研究機関の併設等将来の用途拡張性をお考えになっていないことは残念であります。
 
シ    公共事業の景気変動調整機能について
市民から徴収した税金の使い道、すなわち財政には、資源配分機能、所得の再配分機能、経済の安定化機能の3つの役割があります。このうち経済の安定化させるための公共事業の景気変動調整について伺います。
 
(財政部長答弁)公共事業につきましては、市民生活に不可欠な社会資本を整備し、魅力あります地域社会の形成を図ることを目的としておりまして、さらに、不況時においては経済対策の一環として、公共事業を拡大することが景気を刺激する施策の一つと考えられております。
 
地方自治体は、不況時に公共事業を実施することで経済の安定化を図ることができます。市民病院建設も公共事業です。なぜ建設業界が活況を呈しているこのタイミングで、この場所に建替えなのでしょうか。市民に対してこれまで直接、丁寧な説明がなされたことがありません。平成30年を目標にお隣の労災病院の建替えが計画されています。病床数717床の磐城共立病院と、病床数406床の労災病院、すなわち地域1番店と2番店が同時に、工事に入ることで市民にとってのメリットがあるのでしょうか。震災後、建設費が高騰している状況で建替えを決断するのは市民の税金の有効な使い方といえるのでしょうか。数年前の現病院建物の耐震化工事の支出3億円はどのような効果があったのでしょうか。これまでのいわき市による経営は、過去10年間累計で約200億円の医業損失を発生させてきました。新病院の収支見通しにおいても毎年、20億円から30億円の経常的な医業純損失が見込まれています。その経営を今後もずっと何十年も続けるのでしょうか。新病院建設のために市民ひとりひとりに約10万円の借金を背負わせて市民病院を作るという、市民との合意形成は、まだまだなされていないと思います。ぜひ市民への丁寧な説明と合意形成の場を設けて頂くことを要望して、次の質問に移ります。
 
(3)  入札不調時の対応、ここでは契約締結不調時の対応について
現在、優先交渉権者に指定された大成建設との間で、契約内容の交渉中と伺っております。その意味で詳細は予断できない状況にあり、工事金額や工事期間について流動的だという認識であります。
 
ア    県補助金受給のための充足要件(完成期限)
今回建替えにあたって、福島県地域医療復興事業補助金78億円を受給する前提の計画と伺っておりますが、同補助金の期限的な要件について伺います。
 
(病院事業管理者答弁)福島県地域医療復興事業補助金につきましては、福島県浜通り医療復興計画・第2次の位置づけに基づき、交付することとされております。同計画につきましては、当面、平成27年度までを計画期間としておりますが、地域の医療需要の変化が見込まれることから、こうした状況の変化を踏まえ、柔軟に対応を図ることとされておるところであります。
 
イ    充足要件を満たさない場合の対応
同補助金の期限的な要件を満たさない場合の対応について伺います。
 
(共立病院事務局長答弁)福島県地域医療復興事業補助金の前提となります福島県医療復興計画の計画期間の延長に向けましては、これまでも、市長を先頭に、国・県に対し、働きかけを行なってきたところであります。今後におきましても、様々な機会を捉えて、要望活動を行なうなど、同補助金の確実な確保に向け、積極的に取り組んで参りたいと考えております。
 
補助金を受給できなかった場合は、単純に市が単費、すなわち市の負担、ひいては市民の負担となる可能性がないわけではないと理解しました。
 
(4)  医師・看護師不足に対する対策の道筋について
ア    手厚い看護体勢の有用性
東京大学医科学研究所の児玉有子看護師と森田知宏医師の調査によりますと、病院内に教育レベルの高い看護師が多いほど、外科患者の死亡率が低いと報告されています。このような医療スタッフの充実による手厚い看護体勢の有用性について、どのようにお考えか伺います。
 
(保健福祉部長答弁)看護師の配置数を増やすなど、手厚い看護体制を整えることは、きめ細やかな看護や、医療安全管理などの面において看護の質の向上につながり、患者サービスの向上が図られることから、有用性は高いものと考えております。
 
病院の患者満足度が高い筆頭に、東京築地の聖路加国際病院が上げられます。アンケートによれば9割を超える患者が「満足」しているそうです。聖路加国際病院は病床数520に対して、看護師数700名を配置しており、このことが非常に高い患者満足度につながっています。もちろん聖路加国際病院は私立の病院であり、共立病院のように一般会計からの税金投入等はなされておりません。病院の収入の多くは、全国一律の診療報酬単価で定められており、すべての病院経営に公平です。ぜひ経営改善し、市民の医療の質と量の向上につなげていただきたいと思います。
 
イ    既存看護学校の定員増の支援の見込み
現在、医療現場の看護師の数が足りていません。福島労災病院でも数十人単位で、看護師が不足しています。そのせいで医療現場の看護師は多忙となり、その献身的な姿には頭が下がります。その要因のひとつは市内の看護師養成校の入学枠の少なさです。現在、市内には3校の看護師・准看護師養成校がありますが、その入学定員合計は165名です。一方、入学希望者数は過去5年間の平均で約340名です。すなわち170名以上が看護師になりたくても入口でお断りされているわけです。入学定員を増やし、市内医療機関に勤めていただくことが看護師不足解消への一歩となります。そこで既存看護学校の定員増の支援の見込みを伺います。
 
(保健福祉部長答弁)看護学校の定員増につきましては、現時点において、具体的な情報はありませんが、今後、そのような考えが示された場合には、卒業生の就職状況や、地元への定着状況を勘案したうえで、支援の必要性について判断して参りたいと考えております。
 
ウ    看護大学の新設への支援の見込み
実は、市内の看護師・准看護師養成校の卒業生は、必ずしも市内医療機関に就職していません。すなわち一定数が卒業後、さらなる上級資格を目指して市外へ進学しています。その数は、平成23年で31名、平成24年31名、平成25年で39名です。彼ら彼女らの受け皿になるためには、市内に上級の学校、例えば准看護師から看護師になるための学校、もしくは4年制の看護大学・学部の設置があります。いわき市としてそのような上級の学校設置への支援の考えを伺います。
 
(保健福祉部長答弁)看護大学又は看護学部等の新設につきましては、現時点において、具体的な情報はありませんが、今後、そのような考えなどが示された場合には、本市の看護学校から看護大学等への進学の状況や、卒業生の地元への定着状況を勘案したうえで、支援必要性について判断して参りたいと考えております。
 
エ    私立医大への指定校推薦枠確保の活動
前述のシンポジウムでは、医療人材の「借り物競走」をやめ、市内で自らが医療人材を育てる長期的な取組みが、時間はかかるものの地域医療をよくするために必須だという話がでました。教育に対する投資が、市の財産になります。平成25年度の市内高校生の医科大学への進学者数は、15名です。その中では福島県立医大への進学者数は12人で突出しています。多い理由のひとつは、地域枠という県内高校生が有利な入試条件で受験できる制度のためであります。類似の制度として私立医大の指定校推薦枠という、推薦入学の方法の一つがあります。具体的には東京女子医科大学や北里大学等が実施しています。市内から医大への進学者数を増やすための私立医大への指定校、いわき市推薦枠確保する考えはあるか伺います。
 
(保健福祉部長答弁)医師の地元定着を目指して私立の医科大学又は大学医学部に、一定の入学枠を設定していただく指定校推薦枠(自治体枠)の確保につきましては、事業の具体的な内容が明確でないことから、事例の有無等について調査をして参りたいと考えております。
 
オ    私立医大生・看護学生への奨学資金貸与、支払免除の基金創設
平成24年度入試において、実は磐城高校もある私立医大の指定校枠を持っていたそうですが、昨年度は進学者がいませんでした。すなわち入学枠があるにもかかわらず、使わなかったということです。もったいない。理由は、医学部の学費が高額なためです。各高校からの回答によれば、平成25年度の市内高校生の私立医科大学への進学者は、たった2名です。国立医学部の学費が6年間で約350万円に対し、私立医学部の学費は2000万円から3000万円といわれております。その高額の学費に対して二の足を踏んでいるわけです。結果としていわき市から医学部に進学する人材が少ないという事実を生み、医師不足に手をこまねいている現状を引き起こしています。
それでは学費を市が支援して、医療人材育成をしたらいかがでしょうか。実際に埼玉県深谷市や、栃木県・新潟県等の複数の地方自治体が、医学部6年間学費ゼロの奨学金制度を実施しているそうです。東京大学医科学研究所の上昌広教授によれば、福島県の教育に対する投資は最低ランクだそうです。人への投資は必ず、市の財産となります。日本の将来は、人づくりにかかっています。自主的に市へ貢献したくなるような詳細な制度設計は別途するとして、医大生・看護学生への奨学資金貸与、支払免除の基金創設について、お考えを伺います。
 
(保健福祉部長答弁)私立の医科大学又は大学医学部の学生に対する就学支援につきましては、本市においては、市立病院医師修学資金貸与、福島県においては、地域医療医師確保修学資金貸与等を行ない、一定の条件を満たすことにより返還を免除するなど、それぞれ医師の地元定着を図るための施策を講じております。また、看護学生に対する修学支援につきましては、磐城共立看護学院修学資金貸付制度を設けているところであります。このうち、市立病院医師修学資金貸与につきましては、制度を開始した平成19年度以降5名の医師確保につながっており、一定の成果を挙げているところです。
お質しの支払免除を含む学費の貸与のための基金創設につきましては、現行制度との整合性並びに医学生及び看護学生以外の学生に対する支援との公平性の観点から課題が多いものと考えており、当面、これまでの修学資金貸与の実績や福島県立医科大学における地域枠により入学された学生の卒業後の地元への定着状況等を見極めて参りたいと考えております。
 
ご答弁の医学生に対する奨学金は毎月20万円程度のもので、学費2000万円、3000万円から比べると、桁が違います。いわきの医療をよりよくするためには、医療人材の育成が必要です。共立病院の建替えに対して400億円近い金額を出すなら、同時に、人材への投資、すなわち医療系教育機関の拡充や、私立医大生・看護学生への奨学資金貸与、支払免除の基金創設のような、より効果的な施策を検討下さるよう要望します。
 
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注)上記記載内容は、当方のメモをもとに作成したものです。正式な議事録は、いわき市議会HPの議事録検索システムから入手下さい。 

医療にたかるな 村上智彦著

北海道の地域医療に注力し、破綻した夕張市の市民病院を再生させた医師による著書です。刺激的なタイトルで、帯には、「過剰医療がこの国を食い物にしている。闘う医師が怒りの告発!」とあります。怒りの対象は行政・市民・マスコミ、さらには身内の医療関係者にも及びます。それらに共通するのは、これまでの仕組みに依存してしまい現実を直視しない、「善意だが無能な人々」です。

善意を持っている人の考え方が正しいとは限らない、むしろ間違っていることが少なくない。「地獄への道は善意で敷き詰められている(The road to hell is paved with good intentions)」、結果として善意によって、誰かをむしろ悪い方向に導いてしまうということわざがあるそうです。「わかりやすい悪」よりも「善意の間違い」のほうがはるかに恐ろしく、危険だ。

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財政破綻し、医者が大挙逃げ出した夕張にわざわざ赴いてきた奇特な著者。その医療活動を通じてわかったことは、夕張を破綻に導いたのが「たかり体質」だということ。もちろん、夕張を破綻に追い込んだのは、甘い需要予測での「ハコモノ行政」を推進に失敗したこと。だけどその本質は、「その行政に無関心だった」夕張市民にある。破綻に導いた市長や役人を「加害者」として糾弾し、「破綻に追い込まれた夕張市民」を一方的に被害者に仕立てて同情を煽る、産炭地域に蔓延する「たかり体質」だ。そしてそんな小さな正義を応援しようとするマスコミの姿勢は、醜い。

ヴェルニー公園と小栗上野介忠順

横須賀にあるヴェルニー公園は、対岸にフランス人技師ヴェルニーが建設に貢献した横須賀製鉄所跡地が望める、フランス庭園様式を取り入れた公園です。広場を中心にフランス式花壇や噴水、洋風あずまやなどが設けられ、フランスの品種を中心としたバラが植えられています。海沿いにはボードウォークがあり、潮風の中で散歩を楽しめます。

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横須賀本港を一望でき、係留されている艦船を見ることができます。公園から見て、右手に米海軍基地、左手に海上自衛隊地方総監部が望めます。米軍基地方面には潜水艦2隻が見えました。

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ヴェルニー胸像のお隣に当時の勘定奉行、小栗上野介忠順の胸像があります。小栗は井伊直弼に才能を見出され,安政7年(1860)に日米修好通商条約の批准交換使節の一員としてアメリカに渡ります。その時にワシントンの海軍造船所を見学し、米国の圧倒的な軍事力を目の当たりにします。そこで小栗は自国での造船事業の必要性を痛感し、日本の軍事力強化のために製鉄所建設の準備をします。自国だけでは、オカネもなければ技術もなく建設実現は到底不可能であるため、フランスをパートナーに選びます。フランスに日本の生糸輸出を独占させる代わりにその利益を担保に金を借り受け、造船・鉄工技術を輸入しました。
 
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造船所建設のために招聘された技師が、フランソワ・レオンス・ヴェルニーというわけです。ヴェルニーは日本各地を測量し、地形や水深がフランスのツーロン港と似ていることから、建設の場所を横須賀に決めます。小栗はヴェルニーと相談しながら「横須賀製鉄所起立原案」を作成し、漁村に過ぎなかった横須賀が急速な発展を始めます。横須賀製鉄所の完成を待たずに幕府は滅びましたが、製鉄所は新政府に引き継がれて横須賀造船所となりました。

造船や修理のために船を停泊させる設備をドライドックといいます。上野介が計画したドライドックは、2ヘクタールに及びます。これが現在の横須賀米軍基地内で、米海軍ならびに海上自衛隊の艦艇修理に使用されている6基のドライドックの原形で、今なお現役で使われているそうです。最大の6号ドックは大和型戦艦の建造ならびに修理・改造を行うことを目的として、昭和15年(1940年)に完成したドックで、現在は主として米海軍空母の修理などに使用されているそうです。

大政奉還の翌年の慶応4年(1868)、江戸幕府最後の将軍、徳川慶喜は恭順を決めていたにもかかわらず、その意見に真っ向から反対し主戦論を唱えたのが、小栗上野介忠順。結局、危険人物として全ての役職を免ぜられ、領国の上野国権田村に隠遁させられました。その後、新政府になっても危険人物と目され、小栗は捕らえられ、河原で斬首されました。一説によると、明治政府の近代化政策は、所詮、小栗忠順のアイデアのコピー、模倣に過ぎなかった。だからこそそれを知る証人たる小栗は、謀殺されなければなかった。考えてみれば、外国の軍事力に屈しないために、日本軍の近代化をはかり、製鉄所の建設や海軍・陸軍力を強化するアイデアは、既に小栗が先鞭をつけていたものです。明治政府が実行したことは、すでに小栗忠順が手をつけていたもののの再現だけという見方もできます。

実際に、小栗が作った横須賀の造船所によって、自国で造船することができる国力がつきました。「葛城」「高雄」「橋立」など多くの軍艦が横須賀造船所で造られたそうです。これら横須賀で作られた軍艦が日清・日露の両戦争の勝利に大きく貢献しました。先見の明があり、日本の近代化に大きく貢献した上野介は、幕臣のうちでも非常に優れた人物であったがゆえに、明治政府によって意図的に消されたとしか思えません。われわれ現代人の生活は、先人達の歴史や歩みに上に立っていると思います。先人達に感謝するだけでなく、次の将来人材を育成する上でも、小栗上野介忠順のような人物は、もっと評価していかなければならないと思います。
 
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靴磨き@新橋第一ホテル

新橋第一ホテルでセミナーがあったのですが、早く到着してしまい、時間があまったので、靴磨きをしてもらうことにしました。ホテル1Fロビー奥に、手作り靴販売&靴磨きサービスのお店、「靴みがき本舗 Kamioka」があります。

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基本サービスが1000円~。2000円のコースがスタンダードということらしいので、それを選択。イケメンのお兄さんが、クリーニングとシューシャインを、左右合わせて約15-20分でやってくれます。

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さすがプロの技。光の輝きが違いました。でも普段は自分でお手入れが基本かなあ、と改めて思いました。

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カロム MADE IN IWAKI 小学生と一緒に遊んでみました。

カロム、というおはじきゲームをはじめてやりました。このゲームは、ビリヤードに似た盤上ゲームで、2人ずつペアになり四角い盤の上に並んだ偏平な円筒形の玉(パック)を特定のエリアからパックと同形の自身の玉(ストライカー)を手の指で弾き、自身のストライカーに記されているのと同色のパックに当て、四隅のコーナーにある穴(ポケット)にパックを全部入れ、最後にジャックを入れるのを競うゲームです。

よくみると、ボードはなんと「MADE IN IWAKI」。いわき産です。おどろき。なんでも東日本大震災で被害を受けたいわき市に、鎌倉市内に絵本カフェを開く絵本作家中川ひろたかさんがカロムを作らないかと呼びかけたことから、いわき市でカロムを作ることになったそうです。その縁で、昨年全国大会が、いわき市で開かれたこともあったそうです。

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さっそく、小学生と一緒に遊んでみました。要は変形、おはじき。基本ルールは簡単だけれど、試合となれば駆け引きをするため意外に奥が深いです。ビギナーズラックの言葉通り、はじいた玉が良いところにいって初勝利!何だかわからないまま、楽しい時間を過ごしました。乗せられた感もあるのですが、ゲーム時間も数分と手軽で、どこでも子どもでも老人でも遊べるので、小学校や老人ホームなどにあると楽しいかも。カロム MADE IN IWAKI、ささやかなブームの予感があります。
 
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ニューオリンズジャズフェスティバル in いわき

ニューオリンズジャズフェスティバル in いわきが、アリオス中劇場で開催されました。ジャズはあまり詳しくないのですが、知人から誘われて見に行きました。結論は、、、、とても楽しかった!席は最後方だったのですが、最前列に近いほうの観客はノリノリでした。いわきに、ジャズファンって結構いらっしゃるんですね。文化度の幅広さを改めて感じました。このような、イベントが開かれるいわきという地が、精神的に豊かになっていると思います。

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それにしてもアリオス中劇場は素晴らしい。単に照明や音響設備というハードだけでなく、なんというか醸し出す雰囲気が良い。

<いわき芸術文化交流館アリオス 長期的展望>
http://www.mikito.biz/archives/34463001.html

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いろいろなステージ、インスツルメントあり、ボーカルの熱唱あり。あまり曲はわからないのですが、いろいろ工夫されたステージでした。

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今回が第2回目開催とのことですが、ぜひ来年もやってほしいです。

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桜丘会館 登録文化財

桜が丘高校の敷地内に磐女のランドマークともいうべき、図書館兼同窓会館の「桜丘会館」があります。この建物は2013年に国の登録文化財に登録されたそうです。素晴らしい。

桜丘会館は、皇紀2600年並びに創立25周年記念事業として、昭和13年に建られました。丸窓や欠円アーチの縦長窓などが、建設当時を忍ばせます。確かに建築様式は素晴らしいのですが、過去の大規模修繕で外壁の大部分が奇妙なピンク色のペンキが塗られていて、ちょっと威厳がありません。残念。

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入口近くのプレートには、確かに皇紀2600年事業であることが記されています。近々、登録文化財の登録プレートを設置するそうです。先人達の歴史の上に、現代人の生活があります。高校生がそれを感じられるようなプレートをぜひ設置して欲しいと思います。

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旧校名福島県立磐城女子高等学校、通称は「磐女(ばんじょ)」が、2001年から県立磐城桜が丘高等学校へ名称変更になり、男女共学高校となりました。もうそれから13年も経っているんですね。磐高が男子校、磐女が
女子校だった時代は、干支がひとまわりも違う昔日のことです。でも高校を男子校で過ごした私にとっては、磐女は何か特別な存在です。いまでも訪問する際に、胸がキュンっとなります。

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中之作古民家プロジェクト 直してみんか

NPO中之作プロジェクトの建築家、豊田設計事務所 代表の豊田善幸さんを訪ねました。かつてはカツオ、サンマ漁で栄えた漁港のあるまち、いわき市中之作・江名地区。古くは江戸時代に、磐城平藩の貿易港でもありました。そこでは築200年、廻船問屋・つくり酒蔵を営んでいたという古民家の修復作業の音頭を取った方です。自転車が趣味ということもあり、「ぶらチャリ」(ぶらぶら目的なく自転車で散策すること)を提唱されています。

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こちらが、築200年の廻船問屋・つくり酒蔵。

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改修後は、清航館と名付けられました。字も素材も、背景もすべて直接の知人から調達できたそうです。字体も素材もデザインも、素晴らしいと思います。

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古民家入口正面から入ったところのメインダイニング。天井が高い!よく見ると、細部の意匠デザインが凝っているのがわかります。

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古民家には建物だけでなく、アンティークな小物も並べられています。もともとここに保存されていたモノもあるし、あえて外部調達して揃えたモノもあるとのこと。

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2階への階段が、カラクリになっています。段それぞれに引き出しがついている。しかも幅が異常に狭い。現在の建築基準法では、階段(避難路)として認められないことは必至。その特異性もまた、この建物の魅力の一つです。

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2階からメインダイニングを覗きました。今風に言えば吹き抜けのホールになっています。

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2階の窓からは、中之作港が一望できます。ここから見る日の出はキレイなんだろうなあ。また昔日は、ここから港に帰ってくる漁船や回船を見たりしたのでしょうか。ひがなここで、海風に吹かれながら、のんびり昼寝したら気持ちよさそうです。夜は帳の中で、お酒を飲むのも楽しそうです。

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実は、この建物の改装はまだ進行中。昔の工法と手作業こだわって、改装を進めており、ゆっくり時間をかけて少しずつ建物が進化していく過程が見れます。

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細かいところですが、柱に象眼(木材などの表面に模様を彫り、そのくぼみに金・銀・貝など他の材料をはめ込むこと)が施されていました。材料は貝だと思うのですが、柱一面にその加工がなされており、江戸時代に膨大な工数がかけられていた、すなわち、贅沢がなされていたという証です。

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入口の土間。何の変哲もない土間ですが、ガラス戸がはめられるだけで、いきなり現在風になるんですね。建築家の豊田さんだからこそできる、デザインです。

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中之作港の様子。中之作港は、震災前はカツオ漁で賑わっていましたが、漁を自粛していました(現在は一部復活)。波が静かな港を見ていると、心が落ち着く。一方、台風の時など、ちょっと怖い気がする。こちらに住んでいる方々にとっては、日常なのでしょうが、高波や波浪などの自然現象と一体になって暮らしているんでしょうね。

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反省しない。樋渡啓祐著

沸騰!図書館に次ぐ、武雄市の樋渡市長の著書です。講演DVD付。2時間くらいで読んでしまいました。7割くらい既知の内容だったのですが、さらに新たなキーワードを考案していらっしゃいました。今回は「すぐやる、攻める、そして組む」です。普段から「スピードが第一」と主張されているキーワードの発展系なのですが、具体的に、
・CCC TSUTAYA書店 × 公共図書館 = 武雄市図書館
・無印良品 × 公共ネット販売 = JAPAN SG
・花まる学習会 × 公教育 = 武雄市教育改革 のようにイメージできるから、このサブタイトルにはなるほど、です。

<沸騰!図書館は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/38410663.html

<世界最先端のリーダーシップ ~沸騰!武雄市図書館の事例から~は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/38410743.html

そして、樋渡市長の定型フレーズ「TTP(徹底的にパクル)」。さらには「完成力より修正力(間違ったら、すぐ軌道修正する)」。成功した武雄市図書館や楼門市場、花まる学習会との提携など、華やかな話題ばかり注目されますが、それまでの死屍累々たる失敗プロジェクトもあえて、公開しています。
・職員が市民を訪問する「動く市役所」は、利用者10人未満で中止
・子育て掲示板も利用者が少なく、中止
・アイスクリーム開発も失敗
・議場の勉強室貸出も利用者少なく、中止
・ベンチャー企業向けの100億円ファンド構想は、議会の反対で中止
・電子図書館MY図書館は、完全に失敗

公務員は無謬性神話がまだあるという人は多い。しかし樋渡市長いわく、「失敗は変革の必要経費」「反省しないし、分析もしない」という。それはうまくいっていない部分を嘆くより、うまくいっている部分を伸ばした方がいいということ。失敗を反省しない=短所を嘆かない=過去は死体。だそうです。

また「自分が欲しいサービスを作る」(これはスティーブ・ジョブズの受け売り)。まだDVDは見ていませんが、楽しめそうです。

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吉田みきと プロフィール

ふるさとの福島県いわき市で、市議会議員として活動しています。いわき市は、震災後、複層的な問題が山積しています。公認会計士・一般社団法人日本アンガーマネジメント協会 認定 アンガーマネジメントファリシテーターとしてのキャリアを生かし、フレッシュな視点で問題点を洗い出し、解決策を提案していきます。

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