吉田みきと ほぼ毎日ブログ

「死して不朽の見込みあらばいつでも死ぬべし。 生きて大業の見込みあらばいつでも生くべし。」 吉田松陰・高杉晋作語録   「金もいらぬ、名誉もいらぬ、命もいらぬ人は始末に困るが、そのような人でなければ天下の偉業は成し遂げられない。」 西郷隆盛・山岡鉄舟語録

2013年03月

都市再生街区基本調査

実際の土地と、登記所に備え置かれている公図との間には差があります。地域によってはその差が大きいところもあり、公図そのものが信頼できない場所もあります(そもそも法務局の謄本そのものに公信力はなく、公示力しかないというのが判例・通説です)。その差を調査するために、国土調査(これによって作成されるのが、いわゆる法17条地図)と都市再生街区基本調査が行なわれています。
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後者は全国の人口集中地区において、登記所の公図が示す土地の位置と、実際の土地の位置とのずれの程度について調査・測量を実施するものです。そして、平成16~18年度に国が実施した成果を国土交通省WEBサイト「都市再生街区成果の提供サービス」で公表しています。 この調査の結果、5割を超える公図について、1メートル以上の大きなずれがあることが判明しているそうです。下記リンクで、公図と実際のズレがあるかどうか確認できます。国土交通省土地・水資源局国土調査課が、3年間で299億円を集中投資し、調査した結果だけあって、きちんと公開されています。
http://gaikuchosa.mlit.go.jp/gaiku/system/map.html

試しにいわき市平愛谷町地区で検索してみると、過半の公図にズレがあることが確認できました。逆に言えば公図と実際にズレがない区域もそれなりにあるわけで、公図に対して一定の信頼性を付与したことになります。
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こちらが都市再生街区基本調査の補助点です。ぜひご自宅の近くで探してみて下さい。私も自宅周辺の路上にも多数発見できました。街区基準点については、不動産登記の際の測量にも活用することができるとのこと。 測量の手続きの最初は、どの基準点(鋲)から測るか?です。鋲が近くにあれば測量の精度があがりますし、かかる時間の短縮が期待できます。鋲は多ければ多いほど、土地家屋調査士さん(ひいては一般市民)には助かるはずです。

東京や東日本は比較的、公図と実際との差が少ないといわれていますが、それでも過半の地区に差があることが判明しています。土地取引においては、面積確定がまず一番に重要になります。その基本情報を提供する測量は、きわめて優先度が高く、(あまり一般に知られていない)国土交通省の都市再生街区基本調査はその基礎を提供しているという点で、もっと高く評価されてしかるべきだと思います。
 
注意して丹念に探してみると道路上には、いくつもの鋲があることが発見できます(写真は東京都豊島区の例)。先人の知恵、積み重ねを感じとることができます。 
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防災立国

また三橋貴明氏の著書です。著者の主張は、防災立国、すなわち大規模災害に備えたインフラ整備投資を行なうことで、デフレ脱却、GDP増加を目指そうというものです。その理由は、
<必要性>
①日本は地震に関して、地球全体の陸地面積の1%に満たないにも関わらず、全世界の地震の20%が集中しており、防災の重要性は他の国と比較にならないくらい優先度が高い。地震の活動期に入ったとの見方も多い。
②高速道路、橋梁の多くが1960年代に建設され、耐用年数50年を迎えつつある。延命するにしろ、掛け替えるにしろ、更新投資が必要である。
③災害時に、代替ルートがあるのが望ましく、一つの幹線(鉄道・道路)だけでなく網の目の幹線が良い。
<有用性>
①インフラ整備の投資効果は約3倍。100兆円を投資した場合、333兆円のGDP増加効果を見込める
②地方の建設業者が生き延びることは、災害時の緊急対応に有用である

これらは、「朽ちるインフラ 根本祐二著」をレビューした内容と基本的に同一で、私も賛同するところです。
http://www.mikito.biz/archives/21911242.html
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国土交通省のコストベネフィット分析(B/C:ビーバイシー)についての記述は、初でした。これは、インフラ整備の優先度を検討する上で、作ったときの便益(ベネフィット)と、作るための費用(コスト)を見比べる手法です。通常1.0-3.0くらいの計算結果が求められ、数値の高い方から優先して事業を進めるべきとなるわけです。

問題は、その分子である便益に、走行時間短縮、走行経費減少、交通事故減少の3つしかないことです(例:道路・街路整備事業)。本当に驚いたのですが、国交省の費用便益分析マニュアルにも、そう書いてありました。
http://www.mlit.go.jp/road/ir/hyouka/plcy/kijun/bin-ekiH20_11.pdf
本当にびっくりです。そこには上記、防災の視点は全くなく、バックアップルート(道路・」鉄道)があることによる安全性の確保ということはまったく考慮にないわけです。経済性の観点からも、走行快適性や道路到着時間が読めることによる生産性の向上や、産業が集積し発展していく視点はまったくない訳です。

確かに後者について、数値化するのが簡単でないことは理解します。しかしながら後者のほうがより重要であり、インパクトが大きいのも事実。後者の便益をモデル化して計算することを得意とする会社もあります。ぜひ情緒的な議論にとどまらず、メリットを把握した上で、インフラ投資をすべき/すべきでない、という意思決定をしていきたいと思います。

主張は、文中には、ただの一度も「安倍政権」「アベノミクス」という言葉は出てきませんが、明らかに現政権の政策に賛同している立場です。何か多大な支援でもしてもらっているのか?と疑ってしまうほど、手放しで後押ししているように見えます。

それにしても、この方は本当に筆が早い。1ヶ月1冊くらいのペースで出版されているのではないでしょうか。なぜ自分がこの方の著書を購入してしまうのか考えてみました。
1. 主張がシンプル。したがって、前著と一貫しているので、ラクに早く読める。
2. 文章が平易。口語調、かつ断定型なので、読みやすい
3. データ、事実、理論に基づく主張なので、情緒的な主張や、言葉遊びでない

それぞれ、反論もあろうかとおもいます。しかしながらそれを踏まえたとしても、魅力的です。
1. 毎回、似たようなことを主張。グラフや分析も使い回し。
2. 例外や他の主張をあえて無視しているので、誤解を招く場合があるでしょう。
3. データを読むのが苦手な方にとっては、何をいっているか理解できない

著者にまだお目にかかったことはないですが、同じ方の著書を続けて読むと、考え方に共通のところが複数見えて嬉しくなりますね。 

ネスカフェバリスタ、がやってきた

ネスカフェバリスタのお試しキャンペーンに応募したら、当選しました。それで本体とお試しのネスカフェゴールドブレンドが我が家にやってきました。見た目は非常にカッコ良いです。のっぺりとしたデザインがクール&ファニーといった感じ。応募したきっかけは、知人の「インスタントとは思えない泡立ち、味わい!」との口コミです。
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早速、何度かのゆすぎをした後に、本番のコーヒーを抽出。うーん、評判通り、泡立ちかたは本格的です!凄い!どこに出しても恥ずかしくないと思います。ボタンひとつでここまでできるなんて、街角のCafeの存在感やいかに?とも思います。

ただ私のコーヒーの楽しみ方とは路線が違うなあ、と感じたのも事実。私は見た目、味よりも、香り重視(少数派かもしれませんが)なので、正直、その点では物足りないなあとの感想です。粉から直接抽出したレギュラーコーヒーと、抽出した旨み成分を濃縮し、フリーズドドライ製法で固形化した、インスタントコーヒーとでは、かかったプロセスの分だけ、香りの減衰があっても無理からぬことです。

同じ1杯20円なら、淹れるのが面倒でもブルックスの方が好みです。
http://www.brooks.co.jp/lp/otm_h.php?b=40501&lid=000091&cmpid=li000102

せっかく本体をいただいたので、泡立ち機能(これは秀逸!なかなかマネできないと思います)をどうにか活用できないか?と考えています。

 

お金という人生の呪縛について

私が大好きなマネックスの松本社長の著書です。この方ほど、楽しく、忙しく、働いている方も珍しいのではないかと思います。大学卒業と同時に、米国で就職、30才でゼネラルパートナー(共同経営者)の地位を投げ打って、マネックス証券を起業、上場させています。

良くも悪くも、自称マーケットオタク。通貨という仕組みや資本市場が、資源を効率的に配分し分業を最適化する現状で最も良いシステム、との信奉者です。これだけ聞くとお金の亡者のようですが、タイトルのとおり、お金の呪縛から逃れると、面白いし、いろいろなことができるようになるよ、というアドバイスです。
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 著者の原体験として、大学3年生のとき、裕福なうちの親友のお母さんから、ひょんなことからアメリカ行きを進められ、航空券をプレゼントされたことが「メジャーエヴォリューション」になったそうです。当時30万円はした航空券を出してもらったときに、お金の呪縛からとき離れたと感じたそうです。ちょっと説明が必要です。当時、お金もないし、きらびやかな人脈があるわけでなく、フツーに国内就職し人並みに稼げればよいかと思っていたそうです。ところがこれがきっかけで「人は、自分が持っているものを伸ばせばいい、人脈のある人、お金がある人、知恵を出す人、それぞれが集まって分業すればいいんだ」と気づいたそうです。まるで、デヴィッド・リカードの貿易論・比較経済学そのもののようですが、大学3年生でそれに気付けたことが人生を変えたのでしょう。

マネックスの採用条件は、人と人とのコミュニケーションが取れること、そして絶対にウソをつかないこと、だそうです。人は信頼され、適度な負荷がかかったとき、信じられないパフォーマンスを出せます。マネックスの少人数体制だからこそできることがたくさんあります。多忙な中、筆が速い松本社長に脱帽です!

働き方のノウハウ等は、人それぞれ。自分のスタイルがあるので、松本氏と同じ道でなくともいいでしょう。ただ、人生を一生懸命生きて、楽しんで、そしてマネックスの活動を通じて顧客の役に立つという姿勢は、ぜひ真似たいと思います。

三猿文庫

「三猿文庫」をご存じでしょうか。三猿文庫とは、いわきの郷土資料だけでなく、いわき地方の新聞類、全国の近代雑誌創刊号、文学集等を収集したもので、故諸橋元三郎氏が私財で収集し、いわきにおける図書館として昭和中期に開館していたものです(利用者は少なかったようですが)。3万点もの個人蔵書は、日本有数だそうです。元三郞氏は文庫名の意味について、「見ざる、聞かざる、言わざる」の三猿の教えを逆説的にとらえ、大いに見聞を広め、知識を涵養すべきとの哲理であると言っていたそうです。蔵書は蔵※2 に保存されていたため、火災による焼失から免れることができたそうです。現在は孫にあたる諸橋鑑一郎様の寄贈により、草野心平記念館によって蔵書整理、目録作成がなされ、いわき総合図書館に保管されています。

当時諸橋元三郞氏は、釜屋※1を運営して大きな財をなした一方、演劇や音楽会開催時には多額を寄付をする等、いわきの文化パトロンとしての役割を果たされていたとのこと。郷土史家の出版活動を支援し「磐城文化史」「磐城史料図版修正附磐城史概論」「福島県政治史」「綱要石城郡町村史」など数多くの著作の出版に援助と支援を惜しみませんでした。かように篤志・見識・資力を兼ね備えた人物でした。ルネサンス期のイタリア・フィレンツェにおけるメディチ家のように、裕福なパトロンがいる時代には、大きな文化が花開くということを歴史が証明してくれています。一方、こういった人物がいなくなると、文化としては寂しくなります。

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上は昭和20-30年前後にいわきにおいて出版されていた、雑誌・文学集のリストです。これらをせっせと買い集めた元三郞氏は、いわき文化のまさしくパトロンであったことでしょう。

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(三猿文庫にて、諸橋元三郞氏と郷土史家の諸根樟一氏)

※1:釜屋
 江戸時代、元禄13年(1700)創業、平藩御用商人であった初代諸橋久太郎によって創業。その後、鍋・釜などのカナモノ類の販売を行い、次々と事業を拡大。「釜屋諸橋久太郎商店」「諸橋合名会社」「諸橋金物株式会社」から、平成3年に建設資材卸会社「諸橋」と名称を変えて営業。平成14年2月(2002)に自己破産。
屋号が諸橋久太郎であったため、初代から5代目まで、5人の諸橋久太郎氏がいました。最も有名なのは、商店を切り盛りした後に、平市長(3期12年)、貴族院議員を務めた5代目の諸橋久太郎氏(諸橋守次(もりじ))。諸橋元三郎氏の実兄です。

※2:蔵・建物
釜屋はいわき市平五丁目で木造の店舗で営業していましたが、明治39年(1906)に平の大火が発生し、店舗や居宅を焼失。これを教訓に、明治41年に耐震耐火を基本に土蔵造の店舗と袖蔵が建築されました。重厚な蔵造りの店舗は総ケヤキ造りで、店舗脇にある蔵の材料は、イギリス製赤レンガが使用されたそうです。その後、大正初期に両建造物が洋風の石張り建造物でつながれました。
一方、店蔵裏の木造の家屋が居住用施設として建てられ、昭和2(1927)年には、更にその奥に数奇屋造りの居宅が建てられました。その庭の一画に地元の自然石を収集し、元六園と呼んでいました。その後も増改築を繰り返していったようです。
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KURA BAR1平成元(1989)年の火災により店蔵裏の木造家屋が焼失。早朝の火災発生は、死者3 名、負傷者2 名を出しました。その後、平成14(2002)年の会社倒産により、土地・建物は破産管財人の管理となります。

そしてこの倒産の2年後、いわき市の有力者が、歴史的建造物保存の観点から、同土地・建物を購入。現在は、本体を壊さずに内部を改装した上で、店蔵は「SARON de 蔵」という複合施設に生まれ変わり、また袖蔵はバー「KURA BAR」、両蔵をつなぐ石張り建築部分には焙煎喫茶「香楽(からく)」が営業しています。


なお、奥の居宅などの建物はマンション建設のために取り壊されてしまったそうです。
 
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若き日の諸橋元三郞氏。ちょっとイイ男だったのですね。

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崖っぷち女子大生あおい、チョコレート会社で会計を学ぶ

「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」、略称「もしドラ」がミリオンセラーになってから、ライトノベル風の経営学紹介本がひとつのジャンルを築いたと感じるのは、私だけでしょうか。この本もその類いの入門書なのだろうなと、チョコレートの表紙のおもしろさに釣られて購入しました。

タイトルと表紙とは、およそ似つかわしくない、バリバリ原価計算とはなんぞや!の本でした。入門のふりしていますが、間違いなく工場会計担当者と会計士にしか理解できない内容です。著者が、製造工場の原価計算・会計監査で経験した現場で、見聞きしたことをぜひ紹介したかったんだろうなあ、と推測します。確かに現場にいなければわからない内容が詰め込まれていて、臨場感あふれています。私も思わずぐいぐい引き込まれて、あっという間に読み切ってしまいました。

ただ、この本は工場管理会計担当者及び若い会計士という極めてニッチなマーケットを対象にしているといわざるを得ない。それ以外の方には、文章は平易ですが、内容は深いので、読み解くのに時間がかかるのではないでしょうか。それって、もはやライトノベルではないような・・・
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最後に、著者から読者に対して、問題が出題されています。それまでの章を理解し、ちょっと頭をひねれば回答できるのですが、どの程度の方が正答できるか興味があります(なお、私は自己申告で7割くらいは当てられましたが、残り3割は気づきが足りませんでした)。管理会計の限界と利用方法について、新たな引き出しをひとつ増やすことができました。
 

復興特別法人税

復興特別法人税が、始まっています。3月決算の会社であれば、平成25年3月末の決算から、通常の法人税に加えて、さらに追加的に10%の復興特別法人税が賦課されます。結論からいえば、すでに決まっていた法人税率の減税が相殺されてしまい、現行30%→28.05%(△2%の影響)の、非常にインパクトの欠けるものとなってしまいました。
税率変更2
従来の法人税率30%は、法人住民税、事業税と相まって、日本の実効税率(利益に対して納める税金)が40%を超えていました。これでは日系企業が他の国の同業他社と同じ土俵で戦えない、すなわち同じ利益水準を達成しても、納税によって企業に残る利益(これが次の研究開発投資の資力となる)が少なくなってしまうからです。例えばシンガポールや香港の法人税率は20%なので、雑駁にいえば同じ企業活動をしても、40%の納税義務を負う日本企業との間には、手元に残る現金に大きく差がついてしまうということです。これについて、10年以上の議論をし(放置し?)やっと税率が軽減されました。すなわち、国内企業に国際競争力を持たせるため、法人税率が30%→25%に改正されたのです。

しかしながら、一昨年の大震災発生。その復旧の財源確保のために、追加的に10%の復興特別法人税が賦課されることになってしまいました。そのため結果として、実効税率は38%程度になり、減税効果は2%にしかすぎなくなってしまったのです。これで本来の減税の目的である、日本企業の国際競争力強化にどれほど貢献するでしょうか。

(参考)実効税率の計算方法
法定
実効税率
法人税率×{1× (1+復興特別法人税率)+住民税率}+事業税率+
事業税標準税率×地方法人特別税の税率
1+事業税率+事業税標準税率×地方法人特別税の税率

最近、話題になっているパナソニックショック(松下電器の不振)も、サムスンやLGとのデジタル家電争いで疲弊してしまった点が上げられると思います。法人税による企業内部留保額の小ささが遠因でないこと、法人税率の対応の遅さが致命的でないことを祈ります・・・


医者に殺されない47の心得

TVで紹介されていた本です。書店でも平積みになっているようなので、ご覧になった方も多いのではないでしょうか。 著者は「抗がん剤は効かない」「がん検診は百害あって一利なし」「がんと闘うな」と、一貫して、現在臨床で行なわれているがん治療に批判的な放射線科の医師です。その活動が認められて、第60回菊池寛賞を受賞しました。
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 著者の主張は、基本的に次のとおりです。
・病院は、患者が望む意思よりも、既存の治療方法を優先しがち。
・日本は欧米よりも、必要以上に薬を服用しすぎ(副作用に無頓着)。
・抗ガン剤でガンは治らない
・本物のガンなら、初期ガンでも早期に全身転移するので、手術も効果的でない
・検診で見つかるガンの多くは、がんもどきであって、手術で取り除こうが取り除くまいが寿命に関係ない。ただ手術成功例としてカウントされるのみ。等等
 
アメリカで国立癌研所長が、抗がん剤が治療に効かないことを議会で証言したそうです。今まで自覚症状もなく元気に活躍していた人が、検診でがんと診断され、「治療に専念する」といって、数か月で亡くなってしまう悲劇が繰り返されています。がんで死んだのではなく医者がすすめる「がんの治療」によって死亡したともとれる事例です。
 
著者の結論・推奨は、がんと宣告されたらがんによる痛み等はモルヒネ等で緩和し、外科手術に頼らず、心穏やかに残りの人生を楽しむということ。私の家族もこうありたいと考え、以前家族で話し合って、延命治療を拒否する署名をそれぞれしたことがあります。しかし、いざ現実に医師から、健康な状態(にみえた)の自分・家族が、がん宣告されたら、どれくらい動揺するか想像もできません。永遠の命はありえず、がんも心臓発作も限りある命が燃え尽きるための手段なのかもしれませんが、そのときに、自分が諸行無常の境地でいられるかどうか。

第4回いわきサンシャインマラソンに伴う経済波及効果は、6億1,500万円

第4回いわきサンシャインマラソンに伴う経済波及効果を、6億1,500万円と推計しました。これは長野マラソン大会が同規模であること(どちらも参加者9,000人弱)、継続した大会であること(いわき4回、長野12回)、市の人口規模が同程度であること(いわき33万人、長野38万人)、地方都市であること(どちらも首都圏でない)、から、同大会をベンチマークとして、私的なざっくり推計を行なったものです。本大会の運営費が8,400万円であるということと比較すれば、非常に大きな投資効果を得たといえるでしょう。
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経済波及効果のうち、市外参加者によるものが370百万円と、市内参加者の102百万円を3倍以上、大きく上回ります。これは市外参加者が落とす単価(宿泊費・交通費を中心に)が、市内参加者に比べて非常に大きいことが主たる要因です。いわきサンシャインマラソンが、いわき市民のいわき市民によるいわき市民のための大会であることは、十分理解しているつもりですが、あえて経済波及効果の面だけに着目すれば、市外ランナーをターゲットとして誘客すべきということになります。この層は宿泊のついでに、温泉やアクアマリンパーク等に立ち寄り周遊する可能性があります。

参考までに他大会の出場者数、経済波及効果を掲げておきます。東京マラソンの運営費が巨額の19億円といわれていますが、その経済効果240億円であるなら、道路閉鎖によるマイナスの効果等があるとしてもぜひ開催すべきという判断になるのかと思います。
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(出典:長野経済研究所をもとに作成)

経済波及効果の増加を求めるならば、キードライバーは、参加者数、なかでも市外からの参加者数であることが分かりました。またもうひとつのドライバーは客単価、すなわち来て下さった方に、どう楽しんでいってもらうかです。

市外からの参加者数増加策ですが、まず市外参加者がどういう要因でISMに参加する意思決定をしたのか把握することが重要と思います。前回でも書きましたが、関東からの参加者の多くが、東京マラソンの外れ組であること、そしてわざわざ関東から来て頂くからにはそれなりにマラソン愛好家である可能性が高いです。また復興途上のいわきを応援したいという層もいらっしゃいます。幸いなことに、ランナーの多くが参考にしている「RunNet」の口コミサイトのランキングで、ISMは上位(今日現在、東京マラソンを押さえて、堂々の全国第3位!)に位置しており、これを維持できれば、関東からの集客は比較的難しくないと思います。ヤラセやサクラはだめですが、ぜひ第4回ISMに参加された方の積極的な評価をお願いしたいと思います。
RunNet

それと客単価向上について。いわき市内を周遊し、できればもう1泊するような取組みが欲しい。RunNetの口コミをざっと閲覧する限り、「いわきを応援するために参加した」「来てくれてありがとう、との沿道からの声援が嬉しい」とのコメントが多数見られます。これらの暖かい声に応えるべく、コンタクト時(申込時においては、ネット申込画面、受渡し時においてはフェイスtoフェイスで、資料送付時には封筒内の資料で)に、いわきの魅力を伝えられる体系的なモノが欲しいですね(今回頂いた資料も内容がバラバラで、店舗側の売らんかな、の意図を感じるパンフがあった)。もっともこれは実行委員会というよりも、いわきの商業者の課題ですね。

ランナー増加のためには,、ネックもあります。例えば以下のような場面で運営が困難になるケースが想定されます。一方、ISMも第4回となり、運営ノウハウも集積してきたでしょうから、きっと克服できるでしょう。
・スタート地点である陸上競技場のキャパシティ(RunNetの口コミで、スタート地点での運営に多くのランナーの不満が集中)
・大動脈である鹿島街道の封鎖時間が長くなること等による、警備体制の強化必要
・各種備品の予備の準備が必要(今回も支給されるべき貴重品袋が品切れになってランナーから不満発生、またゴール後の無料カジキ丼が品切れになったり、カニ汁の調理が間に合わない事態発生)

サンシャインマラソン実行委員会は解散せず、通年活動になるそうです(今日現在、市役所5階に同看板設置中)。来年はさらに、期待できると思います。


<試算の前提・留意事項>
公的な団体等から委託を受けて試算したものではなく、手元にある公表データだけで、以下の仮定や条件の下で私的な計算を行なったものです。引用は自由ですが「一定の前提に基づく、吉田実貴人による推計」である旨を記載ください。
・総支出額の推計にあたり、参加ランナー及び同行者の消費支出額、開催に要した大会運営費、その他イベントでの消費額を推計の対象としました。
・エントリー受付者8,896人のうち、実際に現地で参加した割合を90%とし、推計対象人数としました。
・同行者人数は、ランナー1人り当たり0.5人と仮定しました。
・市内からの参加者は日帰り、市外からの参加者は宿泊するものと仮定しました。
・平均消費額は、長野経済研究所発表の2012.7.2プレスリリース(以下、長野経済研究所といいます)を参考に、以下のテーブルを用いました。 
単価
・大会運営に関わる歳出として、いわきサンシャインマラソン実行委員会の決算報告を基に、81百万円を大会運営費として推計対象に加えました。
・その他支出として、ゴール会場である小名浜マリンパーク会場で消費された金額を4百万円(20店舗×20万円/店の売上増)と見積もりました。
・以上の金額を合計し、総支出額(直接効果)としました。
・間接効果としては、直接効果により需要が増加した産業部門が、ほかの産業部門から原材料を購入することで生産を誘発する一次生産誘発額と、一次生産誘発額までの過程で生まれた雇用者所得の一部が、家計消費等に回ることで生じる需要と生産への波及効果である二次生産誘発額が考えられます。本来は、いわき市の産業連関表を用いてきちんと計算すべきですが、簡易的に長野経済研究所プレスリリースの直接効果と経済波及効果との割合である0.61を、直接効果に対して間接効果が発生する割合として用いました。 

<サンシャインマラソンの参加者属性分析は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/23495678.html

PM2.5意見書提出

本日が2月議会の最終日。22日間の会期の最後に、各種意見書等の採決が行われました。そのひとつが日本政府に対し、中国政府のPM2.5問題への対応を求めることです。私は同意見書案の提出者として、議場で採決を求める発言を行いました。
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これは、地方自治法第99条に基づいて、国等の機関に対し、議会が対応を求めることです。その実効性については、前回書きました。それはともかく、地方はこのような意見を持っていると記録に残すことに一定の意味があるのであろうと思います。
http://www.mikito.biz/archives/20688642.html

第99条  普通地方公共団体の議会は、当該普通地方公共団体の公益に関する事件につき意見書を国会又は関係行政庁に提出することができる。
意見書案第1号

 

サンシャインマラソン 大会結果分析

先月2/10に、いわきサンシャインマラソン(以下、ISM)が開催されました。私もフルマラソン完走させていただき、非常にランナー、市民、市のムードづくりに貢献した素晴らしい大会だったと感じました。
http://www.mikito.biz/archives/23383050.html

周辺の方の声もおおむね良好です。ただ気になっていたのは、感覚的・散文的なご意見ばかりで、具体的にどう効果があったのか説明されたことがありません。そこで私なりにエントリーベースでの参加者数と収支報告を用いて、きちんとした結果分析をしたいと思います。
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まず、エントリー数8,896名のうち、42.195kmのフルマラソン参加者は、64%の5,724名でした。完走率は90%、東京マラソン2013の完走率が96.5%であることと比較すればかなり低いですが、それは一般人が多いことの証左でもありますので、ご愛敬でしょう。また10km、5km、2kmの短いコース設定の参加者数が少ないのは、そもそもの募集人数が少なかった(それぞれ1,200人、500人、700人)という原因があります。

地域別


次に参加者の地域別内訳です。左図は参加者がどの地域から参加しているかを表しています。いわき市民が44%、いわき市以外の福島県民が15%、関東からが27%です。市民マラソンといっても、いわき市民は半分に満たないですね。これは、ISMが、東京マラソンとほぼ同時期に募集・開催されること、及びタイムが日本陸連の公式大会として認定されることに無関係ではないと思います。

まず前者ですが、日本最大のマラソン大会である東京マラソンは3.6万人(いわき市総人口の1/10ですね・・・)を超える出場者数です。また人気であるためエントリーは抽選で行なわれ、倍率は約10.3倍です。すなわちマラソン愛好家30.3万人が、まず東京マラソンに申込みを行ない、10人中9人の、26.7万人が外れることになるわけです。外れた関東ランナーの一部がその受け皿として同時期に開催される、ISMに流れるという構図です。実際、東京マラソンの参加可否の決定と同時に、ISM申込みが急増したとのこと。日本陸連の公式タイムとなることも、マラソン愛好家にとっては魅力となるそうです。すなわち一定の好タイムを出すと、一般の市民ランナーには参加資格がない大会にも出場可能となるそうです。
 男女比
参考までに、男女比も載せておきます。男子76%に対し、女子24%。東京マラソン2013の男女比が男子78.9%、女子21.1%であることを踏まえれば、そう大きな差はないことがわかりました。




次に大会収支について見ていきます。まず確認ですが、大会の運営主体は「いわきサンシャインマラソン実行委員会」で、任意団体です。事務局は市役所の商工観光部にあるので、市が直接運営しているように見えますが、お財布は完全に別になっています。

収入まず収入の部。全収入81百万円のうち、市内企業からの協賛金が47%、ランナーからのエントリーフィーが40%を占めています。意外かもしれませんが、いわき市の一般会計から支出される、いわゆる補助金はたった10百万円、12%に過ぎません。ここからも市民による手弁当の大会であることがわかります。特別協賛していただいたアルパイン様、クリナップ様、マルト様、東邦銀行様、その他協賛会社様、本当にありがとうございます。なおフルマラソンのエントリーフィーは、5,000円/人(チャリティは8,000円/人)。東京マラソンの1万円、京都マラソンの1.2万円に比べれば、比較的リーズナブルといえるでしょう。




sishutu次に支出の部。
大会運営費が過半の65%を占めています。これには大会の安全管理や、選手のためのサポート等の各種費用が含まれます。全経費は84百万円。ランナー1人あたり9,455円かかっていることになります。これは東京マラソンの大会運営費約19億円で1人あたり5万3000円の経費がかかっていることを考えれば、非常に効果的な運営をしていることがわかります(地域性もありますが)。2012年の京都マラソンでは運営費が収入を大幅に上回り2億円超の赤字になり、京都市が全額かぶったため、大問題になりました。ISMでは今のところ、そのようなことは起きにくい状態にあります。

その要因はやはりボランティアスタッフ(市役所職員も多数)のサポートによるところが大きいと思います。安全に関わる警備等は外注するするとしても、給水所や受付等で、多数の見知ったお顔のボランティアスタッフをお見かけしました。本当にありがとうございました。

当初は、ISMがいわき市全体に対して貢献した経済効果について分析するつもりでしたが、今日はその前段階で力尽きましたので、経済効果分析は次回にしたいと思います。 

<サンシャインマラソンの経済波及効果は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/24802043.html

 

道標プロジェクト 進捗報告

前回の議会で私が提案させていただいた1. 看板プロジェクト、2. 銅像(モニュメント)プロジェクトのうち、まず前者を先行して進めています。
http://www.mikito.biz/archives/20938584.html
①地図・古地図板②由来等の紹介板③道標、標柱の3種類を想定しており、まずはコスト負担の軽い③道標、標柱から進めていこうとするものです。

まずは、議論のタタキ台となる道標の現物サンプルを1本、試作することになりました。これは、まず地域の方に現物サンプルをそれぞれの目で実際に見てもらって、地域でどんなものを作りたいかのアイデア出しとイメージ作り(大きさ、デザイン、色、内容等)に役立ててほしいという目的感です。大国魂神社 宮司の山名氏のご協力をいただき、文字の書入れがなされました。山名氏はいわき平城史跡公園の会をまとめられている方で、いわきの歴史の造詣が深く、また達筆でもあり、予想以上に良いものが出来上がりました。感謝、感謝です。

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墨汁は粘度の高い特殊なものです。一気に書き上げます。

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道標の原材料である木材は、一般に流通している集成材です。買ってきたままでは使えず、手でカンナかけをする必要があるのですが、直接材料費は4,000円/本程度と、安価なところが最大の利点です。耐久性を上げるにはニス塗りや、トップカバーする等が考えられますが、今後皆様の知恵をいただきながら、修正して良いものにしていってもらえればと思います。

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統計学が最強の学問である 西内啓著

「私はこれからの10年で最もセクシーな職業は、統計学だろうって言い続けてるんだ」 I keep saying the sexy job in the next 10 years will be statisticians. とGoogleのチーフエコノミスト、ハル・ヴァリアン博士は、2009年に論文誌で語ったそうです。なぜ統計学が最強の学問なのか?それは、どんな権威や理論も吹き飛ばして、最善最速の解を導き出すツールとなり得るからです。そしてそれは特定の分野でなく、どんな分野にでも応用可能だからです。
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その例として、あの「マネーボール」(貧乏球団がデータ分析を重視し、プレーオフで優勝する映画)におけるセイバーメトリクスや疫学が上げられています。望むと望まざるとに関わらず、統計リテラシーがあれば、自分の経験と勘以上の判断根拠となり、強力な営業支援ツールになる可能性さえあるわけです。

統計学者でなく統計実務に携わっている著者(元大学病院勤務)だからこその視点もちりばめられています。巨額投資が必要な(最近、流行の)ビッグデータ処理をしなくても、適切なサンプリング調査で十分な解が得られる方法・ヒントも書いてあります。

ビジネスにおけるデータ分析において重要なのは、果たしてその解析はかけたコスト以上の利益を自社にもたらす判断を与えてくれるのか?です。そのためには、解析が具体的アクションをとれるように、以下の3つを満たす必要があります。
1.何かの要因が変化すれば利益が上がるのか?
2.そうした変化を起こすような行動は可能なのか?
3.変化を起こす行動が可能だとして、そのコストは利益を上回るのか?
ビッグデータを用いて役に立たない膨大な分析やグラフを作るのは意味がありません。それでは「だから、それがどうした」といわれるのがオチです。しかし「必要十分なデータ」をもとに「適切な比較」を行なえば、次のアクションをどうするかの、強力な判断・説得ツールとなりえます。それは何もビジネスに限らず、個人の意思決定にも十分使えると思います。

統計学は帰納法(個別の事例を集めて一般的な法則を導き出そうという方法)、経済学は演繹法(ある事実や仮定に基づいて、論理的推論により結論を導き出そうという方法)です。計量経済学は、ある仮定を置き、演繹的にデータを集め、その仮定を検証していきます。その意味で理論と実証をつなぐ分野であり、データの整備とITの発展で、私としては今後ますます「使える」ものになってくると確信しました。

日本全体で、ビジネス・政治・社会等に関する意思決定が、KKD(経験と勘と度胸)とその場の空気・(不毛な)議論のみで、繰り広げられている面があることを否定できません。ライフネット生命保険の出口治明社長も、数字・ファクト・ロジックで考えて議論を進めるべきとおっしゃっています。
http://careerhack.en-japan.com/report/detail/69
よりよい日本を作るためにも、科学的根拠に基づく実践(Evidence based Practice)が重要であることを再認識しました。


おまけ
<次の食べ物を禁止すべきかどうか考えてみましょう>
・心筋梗塞で死亡した日本人の95%以上が、生前この食べ物を食べていた
・強盗や殺人などの凶悪犯の70%以上が、犯行前24時間以内にこの食べ物を口にしている
・江戸時代以降日本で起こった暴動のほとんどは、この食べ物が原因である

この食べ物とは「ごはん」です。一面だけの単純集計だけ見れば「ごはんを食べることを禁止する」なんて結論づけられかねませんね。統計には仮定が重要です。数字や解析結果をどう読み解くかのリテラシーが必要ですね。自分に言い聞かせたいと思います。



 

若葉台と草木台 市街化調整区域

いわき市の若葉台地区は約200世帯、草木台地区は551世帯が暮らす、いわき市でも比較的大きなニュータウンです。その若葉台と草木台が市街化調整区域(市街化を抑制すべき地域、以下「調整区域」といいます)に分類されていることをご存知でしょうか。

<草木台の鳥瞰図>
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市街化を抑制すべき地域ですから、建物の新築・改築等において、すべて市町村の建築主事の許可が必要になります。なぜ、すでに地区のほとんどが宅地化されているニュータウンが、新築や建替え等に不便な調整区域なのでしょうか。

いずれの団地も開発前は山林だったわけで、当時は当然、調整区域 でした。その後、民間業者の開発(若葉台は東急建設、草木台は四倉自工)によって、宅地化され、良好な住宅団地となりました。通常であれば、この開発過程において、開発許可の許可を取り、漸次、都市計画審議会において区域の見直し(調整区域から市街化区域への線引き)がなされるはずでした。

しかしながら、国交省の運用指針(省内のルール)に、一定の規模がないと市街化区域への変更を認めないという目安があり、それに基づけばいずれの団地も若干、それを下回ったため(草木台は47ha)、今でも市街化区域になっていないのです。現実として宅地化済みなのに、転用を認めないルール。まったくナンセンスです。なぜなら、市街化区域への編入は3者両得だからです。
1. 建築業者: 新築や建て替えの手続きが簡素化され、工期が短縮できる
2. 宅地所有者:売買がしやすくなり、土地の価値が上がる
3. いわき市:都市計画税の課税対象になり、税収があがる。土地の価値上昇にともない、固定資産税の上昇も見込める
ぜひ、運用を改め、上記2ニュータウンの市街化区域編入を働きかけていきたいと思います。

<国土交通省 都市計画運用指針>
 既成市街地と連続しない新市街地は、1つの独立した市街地を形成するに十分な規模の区域とし、その規模はおおむね50ha以上であり、周辺における農業等の土地利用に支障のない区域とするべきである。

ふるさと納税

ふるさと納税とは、納税者が任意の地方自治体に寄付した金額が税額控除※1 される税制上の制度です。寄付額の2千円を超える額を控除できる、個人住民税の寄附制度です。これにより勤務地の東京から、生まれ育った故郷いわき市に対して貢献することができることになりました。

※1 税額控除は、課税所得金額に税率を乗じて算出した所得税額から、一定の金額を控除できることです。要は、支払税額そのものを減らすことができるので、納税者にとっては非常にメリットがあります。
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ふるさと納税の実績は、以下のとおり。
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ふるさと納税とは別に、いわき市でも「寄附」を受け付しており、平成23年3月11日の東日本大震災発生以降、全国の方々からたくさんのご寄附をいただいております。寄付額の推移は、以下の通り。

平成22年度 81件  18,548千円
平成23年度 129件 244,623千円
平成24年 117件 59,501千

やはり平成23年度の寄付金額が突出しています。大震災直後の全国各地からの応援を感じます。インターネット納付が可能になり、利用しやすくなったということもあります。一方、災害から日数が経過し、寄付の熱気が冷めつつあるのが、寄付額の推移から読み取れます。

賛成討論

定例議会の総務常任委員会で、はじめて「賛成討論」という発言をしました。現在、議会では平成25年度予算の承認手続の真っ最中です。議会における討論とは、(いわゆる一般的な意味ではなく)表決を要する議題について、その表決の前に、議員が賛成又は反対の意見を、公式の場で表明することです。
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議事手続における討論は、案件に対する賛成・反対の意見表明の手続から始まります。(反対意見があれば)議決の前に、まず反対の立場の議員から反対討論がなされ、次に賛成の立場の議員から賛成討論がなされます。今回、私は議案に賛成の立場だったので、賛成討論を行いました。

はじめても賛成討論なので、どうなるか気をもみましたが、結果は起立採決により多数決で常任委員会での議案が可決されました。当方の主張が認められた形になりましたので、ほっとしました。議会特有の手続は、一般人に理解しにくい部分が多いと感じています。それをどう理解し咀嚼して、有権者に伝えていくかが 求められていると、改めて感じました。

たばこ税 税率変更

市たばこ税の税率が、いつのまにか変更になっていました。市の増収割合は13%です。
現在、通常のたばこ税は1本当たり12.2円。つまり1箱20本入りで、244円(410円のたばこの約60%が税金)です。ただ市町村の取り分は、そのうち1本4.6円だけです。
http://www.mikito.biz/archives/20980150.html 

図: 1箱410円のたばこの内訳
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(鹿児島県HPより)

たばこ税の総額、1本当たり12.2円は変わらないのですが、県と市の取り分が、そっと変更されていました。平成25年4月1日以後、市の取り分が5.2円/本に増えます(同額の県の取り分が減ります)。市の予算としては純増なので、うれしいことのように見えます。これは法人実効税率の引き下げと課税ベースの拡大により、都道府県が増収、市町村が減収となることに伴う調整措置です。すなわち県たばこ税から市町村たばこ税への税源移譲です。よって「行って来い」で相殺されるとのこと。

しかしこのような改正が、地方の相談なく総務省を起点とした国の税制改正で、全国の基礎自治体の収支の大影響を与えていることに危惧を感じます。よく「3割自治」が話題になりますが、自治体の収入そのものが、自らコントロールできないというのは、自治体経営の自主性を著しく削いでしまうことになりはしないでしょうか。

木地処さとう 伝統こけし製作工房

伝統こけし製作工房 木地処さとう様を訪問しました。こちらでは伝統こけしだけでなく、創作こけし(現代風にアレンジされたもの)も製作されています。また最近人気なのが、塗りなしの真っ白なこけしだそうで、顧客が自らオリジナルな絵を描いて楽しむのだそうです。全国のこけし製作会社が廃業していくなか、どのように活路を見いだしているのか、お話を伺ってきました。
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製作所はいわき市平字塩にあり、6号国道から少し入ったところにありました。家業として佐藤誠孝様が2代目、美貴子様が奥様、英之様が3代目、祐介様が4代目にあたるそうです。震災後は、一時期群馬県赤城山の中腹に移転されていましたが、やはりいわきの地で営業していこうと決意され、戻ってこられたそうです。
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こけし製作の技量に関しては各種賞を受賞され、折り紙付きです(下は経済産業大臣賞)。しかし技量と、売上は連動するものではありません。同業の伝統こけし屋さんが年を追うごとに廃業していき、いまでは全国あわせても300軒あるかないか、だそうです。生活必需品ではありませんし、一家にいくつも必要なものではありません。戦前はこけしが子どものおもちゃとして定番だったのかもしれませんが、バービーちゃん・リカちゃん人形が出てきてしまった現代では、これで遊ぶのにはちょっと無理がありそうです。
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そこで考えたのが、こけしケンダマ、こけしえじこ、こけしだるま等です。どれも個性的・魅力的なのですが、私が注目したのは、「こけし印鑑」です!小さいこけしに、印鑑が付いているんです。とても愛らしく、ご自宅用、プレゼント用にオススメです。
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私も、携帯用こけし印鑑をひとつ購入させていただきました。選んだ材料は楓、使えば使うほど風味が出てくるそうです。材質は10種類くらいあり、注文の際に選べます。手彫り&手塗りなので、納期は約3週間とのこと。
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キャップを開けると、格納されている、かわいらしいミニこけしが出てきます。
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ミニこけしの身長は、約6cm。ミニこけしのデザインは、7種類あるので、注文の際に選べます。 
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印影の書体も選べます。直径は約11mmなので、認印等として使うのが良いかもしれません。
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キャップの頭にかわいらしい顔が見えますが、これは玉(直径6-7mm)になっていて、指でくるくる回せるようになっています。これって今まで見たことない!
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まちがいなく世界にひとつしかない、オリジナルのこけし印鑑!いわき名産といって過言ではありません。さあ、あなたも注文したくなってきませんか?ご注文はネットからできますよ。
http://www.kijidaruma.com/

 

平第三中学校 卒業式

平第三中学校の卒業式に出席しました。下村博文文部科学大臣、安倍昭恵様(安倍首相奥様)が、昨年末に訪問された学校です。市からは吉田浩教育長らに来賓としてお越しいただきました(私もです)。袴姿の伊藤孝俊校長から、ひとりひとりに卒業証書が手渡されました。
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本校は199名の卒業生の約2割、37名が双葉郡を中心とする転入生徒です。校長室においてあった、生徒ひとりひとりが書いた卒業文集をひととおり読ませて頂きました。転入生も含めて2年前の惨事から、15才の生徒がそれぞれ懸命に、かつ笑顔で学校生活を送れたことがよくわかりました。既存の生徒と転入生徒では、生まれた環境も、現在住んでいる環境もおそらく大きく違うと思いますが、一緒に勉強し、ともに集団生活をすることで、共同体意識が醸成されるのでしょう。子どもの適応能力の高さのなせるわざでしょうか。
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卒業生代表、竹森大和君の答辞が、どのあいさつよりも素晴らしかったです。手作りの答辞の内容は、まずみんなで取り組んだ合唱コンクールや、修学旅行、生徒会イベント等を振り返り、何を感じ取ったか、何を学んだかを述べました。次に受験勉強の大変さと、友人・先生・両親等とのかかわりと感謝を伝えました。最後に在校生へのアドバイスとして、小さくても自分たちでできることを、ちょっとずつやっていくことで、いろいろなものが得られる、というようなことをいいました。抑揚があり、感情がこもった答辞は、出席者全員の心を捉えたと思います。終わりの方は、自ら涙声になってしまい、多数の同級生も涙を止められませんでした。保護者それぞれも、感無量だったと思います。
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校歌斉唱は、卒業生・在校生・先生・来賓全員で合唱しました。私が同校を卒業して30年近く経ちますが校歌は同じ、全く問題なく歌えたことに、自分でも驚きました。
廊下には、安倍昭恵様のメッセージが掲示されていました。ひとこと「夢」とあります。生徒ひとりひとりが、それぞれにとっての夢を持って生きていってほしいというメッセージでしょうか。
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私の在校当時とほとんど変わっていない外観です(私の所属していた柔道部のプレハブ部室は撤去されていましたが)。一方、各学校でもはや風景の一部となってしまった、表土入りの「フレコンバッグ」は、校庭の隅に置かれていました。これがある限り、問題が解決してないことを再認識させられます。
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おまけ:壇上には、校長先生、来賓、卒業生代表等等、10名近くが登壇されました。お辞儀・礼をした総回数は29回。それに加えて卒業証書を授与する際の199回を加えると228回になります。仮にそれに対して同数のお辞儀を出席者全員(卒業生199、在校生463、教職員51、来賓20)をしたとすると、733人×228回=167,124回。仮にそれぞれ2秒かかったとすると、、、92時間相当になります。本当に、礼節を重んじる国だなあと、ぼーっと考えていました・・・
 

地名の変化にみる、いわきの近代化

いわき市は炭鉱の発展を契機に明治時代以来、大きな発展とそれに関わって幾たびもの合併を繰り返してきました。hyousi-212x300これに伴い、身近な存在である「地名」は、これまでいくたびも改称や消失、新設が行われてきました。その過程をつぶさに紹介したのが本書です。

下の図は、昭和35年ごろの平市街図です。ちょうど国道6号線の主要部分が開通したことだと思います。町名ごとに色分けされているので、とても見やすい。当時の市街区域が一目でわかります。私の生家(北白土)は、図の右下あたり、田んぼのど真ん中、地名もまだなかったころです。

今はない、城東の平発電所が見えます(常磐興産の施設です。平のまちなかで火力発電が行なわれていたかと思うと、誇らしいですね)。市役所は、現在の文化センターの場所にありました。公会堂が、大黒屋の場所にありました。まだ平商と平工がそれぞれ、現市役所・アリオスの場所にありました。まだ旧新川が緑地帯として埋め立てられていませんでした。 平まちなかの、移り変わり等がよくわかる資料で、とても興味深いです。
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小名浜_昭和33年
小名浜の古地図もありました。アクアマリンの場所は小名浜海水浴場だったんですね。埋め立てて国際港にしました。その昔はここで鯨が上がった時期もあったのでしょうね。

小名浜港の水深は、現在14m。相当、重機で掘り下げたことが推測されます。当時の肝いりプロジェクトだったのでしょうね。

 

「健診」と「検診」の違い

「健診」と「検診」の違いってご存知でしょうか。市議会でこれに関する質問・答弁があったので、ちょっとまとめてみました。

「健診」とは、健康診断のことです。大まかな健康状態を調べるもので、検査項目は、身長・体重・視力・聴力・血圧など短時間で比較的簡単にできるものです。健康状態全体を確認をするためのものであり、特定の病気を発見していく目的ではありません。予防医学には一次予防(病気の発生そのものを予防)といわれます。ちなみに人間ドックもこの健診に含まれます。健康保険の対象ではありません。

「検診」は、特定の病気を早期に発見し、治療することを目的としています。予防医学の二次予防です。例えば、「がん検診」などが、検診の代表例として挙げられます。がん検診するか否かについては個人の自由であり、強制ではありません。CTなどの医療機器を使った精密検査も行うため、普段なかなか知ることのできない体の細部までを詳しくチェックする事ができ、病気の早期発見に役立ちます。

いわき市では、まず健康診断の受診率を上げることを目標としています。ちょっと古いですが平成21年度に健診に相当する基本健康診査と、胃、肺、大腸、子宮、乳の5つのがん検診が行われています。いわき市は長年にわたって受診率の低い状態が続いており、同年の基本健康診査受診率は26.6%と全国平均の42.6%の約6割に留まりました。国が死亡率減少効果があるとして目標にしている30%には遠く及びませんでした。 またがん検診の受診率もそれぞれ、12%、21%、12%、13%、9%と、やはり全国平均を大きく下回っています。(出典:厚生労働省 平成21年地域保健医療基礎統計 都道府県-指定都市-中核市別にみた健康診査-健康教育等)。
 
健診受診率の低さを反映するかのように、いわき市のがん、心疾患、脳血管疾患の死亡率は県全体の死亡率を上回っているといわれています(未確認)。ちなみに福島県人の平均寿命は男78.84才(44位/47県)、女は86.05才(38位/47県)と短いです。生活習慣病で亡くなる人を減らし、健康で元気に働き、リタイア後も幸せな余生とするためにも、もっと多くの方に定期的に健診を受けてもらいたいと思います。それが結果的に総医療費の削減にもつながるでしょう。 



プロ野球オールスターゲーム2013

プロ野球オールスターゲームが、2013年7月22日にいわき市グリーンスタジアムで開催されます。~ 野球の力でふくしまの復興を ~をテーマに、今回生まれるであろう新たな「絆」を全国の皆様と結び合い、福島県の一体的な復興へのエネルギーとしていきたい、というものです。

プロ野球オールスターゲーム2013 inいわき実行委員会事務局もできたとのこと。本当にあるのかどうか、確かめてきました。・・・いつのまにか、市役所8階にできていました。
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レトロなパンフレットが完成していました。モチーフは、ユニフォーム姿から想像すると、おそらく常磐炭礦・オール常磐野球部と思われます。常磐炭礦・オール常磐野球部は、もともと常磐炭鉱のチームでしたが、経営悪化に合わせて解散しました。その後ハワイアンセンター構想とともに再結成し、昭和41年夏には6度目の後楽園に出て2勝し、ベスト8に輝いたそうです。同年の1月に常磐ハワイアンセンターがオープンし、後楽園の応援スタンドにはフラガールたちが立って、応援を繰り広げたとのこと。翌年の昭和45年、通算7度目の後楽園出場を果たしましたが、翌46年に炭礦が閉山。ヤマの野球部は、姿を消しました。その「復活」と「復興」を重ね合わせているのでしょうか。
http://goo.gl/4R5Ko
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賛助会員【サポーター】を募集しています!会費(1口:30,000円)を振り込むと、のぼり・卓上ミニのぼり・ステッカーなどのPRグッズがもらえるとのこと(下記写真が卓上ミニのぼり)、ちょっと金額が張りますが、寄付と思って応募してみてはいかがでしょうか。
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桜色のほうき星

東日本大震災チャリティコンサート「追悼、私たちは忘れない」が、アリオス小劇場で開催されました。初めて小劇場に入ったのですが、コンパクトで客席と舞台が近く、臨場感あふれるとても良いものと思いました。市税投入で運営されている施設ですので、ぜひ市民のためになる催しを、稼働率高く、運営してほしいものです。

演奏されたのは、鎮魂の曲、元気づける曲を織り交ぜて、大阪・福岡・いわきのメンバーがそれぞれ披露しました。特に良かったのは、もくまさあき氏の口笛演奏でした。全米の口笛選手権で2位になったこともあるそうで、目の前の口笛が本当の楽器のようでした。坂本九の「上を向いて歩こう」を、観客・演奏者が一緒に口笛を吹き、合唱し、一体感のある舞台でした。
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外の中央公園には、鎮魂の灯籠が「3.11 祈」の形で置かれていました。非常に幻想的な雰囲気です。亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。
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いわき追悼の祈りと復興の誓い2013

「3.11いわき追悼の祈りと復興の誓い2013」が、アリオス大ホールで開催されました。ご遺族の方を中心に招待され、亡くなられた方のご冥福をお祈りしました。壇上正面に大きなひな菊で作られた祭壇が設けられ、市長による式辞・遺族代表及び議長による追悼の辞の後、遺族の方々を筆頭に献花が行なわれました。
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壇上一対の供花は安倍総理から、祭壇の白菊は長崎県島原市長からの寄贈とのこと。20数年前の平成3年、雲仙普賢岳の火砕流では、50人以上の方が亡くなり、その後の農業復興に甚大な被害をもたらしました。その後、土石流のあった跡地は白菊栽培の農地として復活、「復興のあかし」として、その農地で育った白菊で作ったひな壇を、今回いわき市に寄贈されたそうです。
 
私はそのメッセージには、いわきの復興を願う真の暖かい心(我々島原も復興できたのだから、いわきも必ずできるよ・・・という応援)がこもっている!と感じました。人口5万人を切る、決して大きい自治体ではありません。それにもかかわらず無償寄贈して下さった(住宅支援のような国が作ったメニューは支出自治体に国から後で交付税という形で補助が出ますが、こういう自主的な援助に国からの交付金は出ません)ことに、単なる金銭援助や儀礼挨拶でない、深い思いを感じました。そしてその花言葉・深いメッセージに、思わず涙が出ました。これからの復興事業は、改めていわき市民だけのためでないことを思います。
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最後に湯本高校吹奏楽部による、演奏が行なわれました。演奏局は、ケールのAir、ファンファーレはやぶさ、ふるさとです。ふるさとは、部員生が楽器を置いて、歌唱での演奏でした。会場の厳粛な雰囲気に合った素晴らしい演奏、歌唱でした。

昨年の会は、大ホールの1,2,3階まで埋め尽くすような入りだったそうですが、今回は1.2階で対応できたようです。年とともに参加人数も減少していくのは自明ですが、亡くなられた方のご冥福祈願はずっと続きます。 

いわき金杯争奪戦GⅢ最終日

いわき金杯争奪戦GⅢ最終日(^^)たいら競輪の今年最大の開催です。GⅢというのはグレード3の略で、賞金が高く、レベルが高い順にグレード1.2.3、そして特別競走、一般競争となります。GⅢ以上のレースは、非常に限定的なので、いわきで開催できるのは年に1.2回のみ。人気・実力のある選手が集まるので、それを一目見ようと、たくさんの競輪ファンが集まりました。

通常開催では1-2千人の場内観客数が、ざっとメノコで5-7千人くらいは入っていたででしょうか。
http://www.mikito.biz/archives/19356654.html
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五階にある特別観覧席(指定席)は完売でした!特観席の追加料金は、2,000円です(通常開催時は1,000円)が、競輪ファンにとっては選手の競争姿が見やすい、かつ車券も買いやすいので特観席購入は早い者勝ちです。

時間が限られていましたが、3Rと4Rだけ参加しました。それぞれ福島県出身の坂口卓士選手と古川功二選手を頭に、2車単で流してみました。結果は、それぞれ神奈川ライン、関西ラインの厚い壁に阻まれてしまいました。残念!
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良かったのは、実物ローラーでの速度計測イベントでした。固定ギアなのでペダルが重いこと!手ではとても回せないです。またピスト車なので足を自由に止めることもできない、固定ローラー台でなければ立ちゴケ確実でした。ちなみに、本気でローラーを踏ませて頂いたところ、私の最高速度65km/hでした。もっともプロは90出せるそうです。
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アリーナには、クレープ、ホットドッグ等の移動販売屋台が10店舗近く出店していました。お祭り気分で、なんだか楽しくなってきますね。今日は市内各地で、さまざまなイベントが企画されているようです。どんなイベントにせよ、人出があるというのは嬉しいですね。オカネを使うかどうかは別として、自宅に引きこもらず外に出て、人が集うというのは、それだけで人のパワーが波及し、スパイラル状にパワーが上昇していくのでしょう。
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千の凧に乗って 薄磯海岸

薄磯海岸で、「千の凧に乗って」というイベントが開催されました。震災からの復興を願って、千個のダイヤ凧を上げよう、というものです。埼玉南東ロータリークラブ、ごち会、振興局、地元の方々のご協力、ボランティアの方々等で運営されておられました。

海岸ぺりで、こどもたちがそれぞれオリジナルのペインティングしたダイヤ凧を上げていました。平地よりも海岸は海風が強いため、凧が勢いよく上がっていました。人が集まるって、心が温まっていいなあ、としみじみ思いました。運営スタッフの方々に感謝です。
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わざわざ埼玉から大凧も運搬・準備され、こちらは熟練の大人で上げていました。
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薄磯地区は120名余りの津波の直接犠牲者を出し、いわき市全体の犠牲者の1/3を占めています。今でも海岸には慰霊卒塔婆が立っており、生花が供えられています。謹んでご冥福をお祈りします。
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イベント運営に当たられておられた方々は、昨年10月の、「ガレキに花を咲かせましょうプロジェクト」の際にお見かけした方々でした。薄磯地区を元気づけよう!と活動されている方々です。
http://www.mikito.biz/archives/19455624.html
5か月前に自分で手植えしたパンジーは、今でも花を咲かせていました!ちょっと嬉しかったです。
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道の駅よつくら港 キッズランド

道の駅よつくら港に子ども向けの屋内遊び場「キッズランド」に行ってきました。資材置き場に使用していた大型テントを再利用した期間限定施設とのことです。NPOよつくらぶにより運営され、現場では地元の高校生ボランティアが、幼児との遊びを手伝っていました。 
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資材置き場だけあって、室内は広いです。50m×25m、高さ5mはあるでしょうか。親子連れが室内遊具遊びを楽しんでいました。
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 遊具はボールプール、トランポリン、幼児向けのジャングルジムなどが置かれていました。大人向けのマッサージチェアも1台置かれていました。
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料金無料、利用対象者は3歳~12歳です。道の駅よつくら港の定休日である、第3火曜日以外は、年中無休でオープンしているそうです。道の駅よつくらに行く際に、ちょっと立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
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テント内には、復興に向けての寄せ書きがたくさん展示されていました。

春休み米国訪問プログラム2013 激励会

磐城高校の百年記念館で、春休み米国訪問プログラム2013の激励会が開催されました。これは磐高生3名を春休み期間中にイエール大学に派遣し、同時にホームステイ体験をしてもらおう、というものです。スカイププロジェクト※1 が生徒、父兄に好評のため、実際に話しているイエール大学生本人に会ってもらおうという、スカイプの続編です。

※1: 昨年11月から、磐城高校とイエール大学とをスカイプでつなぎ、毎朝磐城高校生とイエール大学生に、1時間会話をしてもらうプロジェクトを始めています。
http://www.mikito.biz/archives/20559115.html
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■ 内容: 地元の超進学校であるホーレス・マン・スクール(Horace Mann School)※2 在校生の家にホームステイをして、一緒に学校に通い、学校生活、家庭生活を通し異文化を体験し国際的な視野を身につける。Yale大学との意見交換プログラムやホーレス・マン・スクールでのプレゼンテーションを通して、震災体験やすでに2年間が経過する震災後の現状を発信し、共有する。さらに、ホームステイや学生たちとの交流を通じて、希望のある将来を自分の力で実現することを実際に見て、体験する。

■ 参加者: 福島県立磐城高等学校 3名、宮城県立気仙沼高等学校 2名、岩手県立高田高等学校 1名

※2: 1887年創立で本年で126周年の伝統ある幼稚園から高校までを擁する共学の私立学校。生徒はニューヨーク市近郊、コネティカット州、ニュージャージー州から通学。全米でトップランクの進学校でハーバード、プリンストン、イエールなどの有名大学に多くの卒業生を送る。http://www.horacemann.org/

校長の星先生から激励のお言葉をいただき、生徒それぞれから抱負等を話してもらいました。スカイププロジェクトと同様、生徒の視野が広がって、いわきから海外へ羽ばたくような人材に育ってもらいたいと思います。そして社会人になってからもこの経験が生きて、いわきに郷土愛を持つような大人になって欲しいと思います。
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その後、実務的な説明会を、ご父兄、NPO様、磐城高校の四家先生(英語担当)と私とでしっかりやりました。
私も引率者のひとりとして、自費参加する予定です。ぜひいわきとイエール大学、地元進学校として有名なホーレス・マン・スクール高校とのパイプとなれるよう、ネットワークを作ってきたいと思っています。また生徒が成長する姿を見るのが楽しみです!
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 福島民友(2013.3.11)に激励会の記事が掲載されました。
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ひと目でわかる日韓併合時代の真実

日本統治時代の朝鮮半島で撮影した写真史料を満載したビジュアル解説本です。本書には、ほぼ全ページにわたって当時の写真、文献、地図などの史料が掲載されています。

多くの日本人が信じこまされている「日本は朝鮮半島を植民地にして搾取した」という一部の主張に対して、「論より証拠」を示しています。記事や投稿は、個人の意見が入りますが、写真は嘘をつきません。「正しい歴史認識」は、ここに示されています。日韓の歴史観を語る上で、必ず見ておかねばならないものと断言できます。
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日本は朝鮮半島の全土に鉄道網を敷設し、豪壮な学校や病院を建設し、疫病を撲滅しました。子供たちに教育を施し、李王朝時代の前近代的な刑罰、裁判制度を改めました。任意で実施された、創始改姓や志願兵の募集に殺到する韓国人が多数いた事を示す資料や写真が紹介されています。それまで李氏朝鮮の支配下で賤民として扱われてきた韓国人舞踊家の崔承喜が、帝国劇場で1週間公演し、世界デビューしたことも写真付きで紹介されています。

ある意味、当時の日本は自国よりも朝鮮半島の方を優遇したのではないかと思わせる写真、証拠が多数あります。下の写真は京城郵便局です。東京駅丸の内口にある、東京郵便局の本局(先日、鳩山元総務大臣の鶴の一声で、JPタワーの一部として無残な保存がされましたね・・・)と比べれば、明らかに京城郵便局の方に注力していたことがわかります。
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次は、1925年に竣工した京城駅です。旧東京駅以上に立派な建物のたぼに莫大なインフラ整備が行なわれています。その他、京城(現在のソウル)帝国大学は、大阪帝国大学や名古屋帝国大学より先に設立され、その勇壮なデザインに驚かされます。上下水道を整備したり、未開拓地を莫大な予算を投じて開拓し、耕地面積を倍近くに増やしたり、緑化運動に励んでハゲ山をなくしたり、植樹して公園を造ったり、世界最大級の窒素肥料工場を建設したり、など、日本政府が朝鮮半島に、気が遠くなるほどの貢献をしてきたことが、写真と当時の新聞記事のコピーからよくわかります。日本が朝鮮半島に残した資産は、現在の物価指数で約14兆円だそうです。
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R0017444左図の鉄道、赤線、青線の鉄道すべて!が日本統治下のインフラ投資で整備されました。1920年に英国人のイザベラ・バードが「30年前の朝鮮」という本で、当時の朝鮮には鉄道どころか主要道路もなく、不潔な狭い道路だけだったと記しているそうです。1905-1945年の40年の間で、日本がいちからこれだけの資産を朝鮮半島に残してきたことは驚嘆の一言です。



別件ですが、現在の東海道新幹線の名前は、「こだま」「ひかり」の次は、「のぞみ」でしたね。私は当時、ひかりより早いのはこの世に存在しないので、何となく語感のよい「のぞみ」にしたと思っていました。実は、「ひかり」も「のぞみ」も、当時、釜山京城間の特急の名称だったということを初めて知りました。ということは、東海道リニア新幹線完成のあかつきには、リニアの名称「あかつき」になるのでしょうね。
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個人所得税の確定申告

今年も個人所得税の申告時期が近づいてきました!私も会計士として、決算のお手伝い等のいろいろ事務作業が重なる繁忙時期です。いわき市での確定申告書の作成会場は、昨年同様、イオンいわき店(旧いわきサティ)の2階。開設時間は9:00-16:00です。ここの良いところは、作成と提出が同じ場所でできることです(税務署へ直接行かれても、こちらのような丁寧な指導はしていだけません・・・)!

例年ですと、書類チェックに時間がかかり、30-60分待つこともあったようですので、時間に余裕をもって行かれると良いと思います。
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いよいよ韓国経済が崩壊するこれだけの理由 三橋貴明著

「漢江の奇跡」「グローバル化に成功したサムスンに学べ!」を主張される方も多い中、これを完膚なきまで論破している本です。前著「完全にヤバイ!韓国経済」の続編ですが、三橋氏得意の一次データを独自加工した分析は、説得力があります。内容としては、ウォン安政策で極まる歪んだ輸出依存体質、失敗続きの国家プロジェクト、国を捨てて海外逃亡する愛国者、韓国の文化はパクリとコピーだらけ等、小気味よくばっさばっさ切り捨てています。
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私は、韓国経済というかサムスン、現代、ポスコ等の財閥の、ウォン安を利用した輸出ドライブをかけたグローバル化は認めつつも、逆にウォン安により庶民生活は大変だろうと予測していたのですが、それを実証していただけました。

その代表例が、サムスンの収益構造分析です。売上ベースでは、海外と韓国国内との割合は、それぞれ78%、22%となっています。それに対して、営業利益べースでは、海外と韓国国内との割合は、逆転しそれぞれ13%、87%となっています。驚愕の結果ですよ、これ。この数字の意味するところは、サムスンが韓国国内市場を独占することで、高価格で製品を自国民に売り大きな利益を得た上で、市場規模が大きい海外へは薄利多売し、マーケットシェアだけを追求しているわけです。確かに、利益最大化のための国内独占企業の戦略としては、教科書的に正しいです。また生産原価低減の法則を生かし、低廉な追加コストで大量生産すれば、圧倒的に安い価格で売ることも可能です。経営学のお手本です。私見ですが、複数のMBAホルダーが経営戦略に参画していると見ています。

しかし、国を代表する企業がとるべき行動としては、批判されるべきでしょう。自国民から利益を搾取して儲け、海外でマーケットシェアをとり、世界一になったからといって何が残るでしょうか。株式会社なので、利益を最大化し投資家に報いるのは当然ですが、その投資家自体、韓国国内にいないわけです(サムスンの株主の過半は、海外投資家)。稼得利益はめぐりめぐって海外投資家に還元され、国内に残らないわけです。
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こうなった遠因は、1997年からのIMF管理による財閥の巨大化にあるわけですが、韓国国内市場が小さく、株主資本主義によるグローバル市場での競争(同品質をより安くしかし、従業員の給与水準は下がる)に突き進み、輸出入依存度がそれぞれ50%、47%と非常に歪んだ状況にあります。ちなみに日本の輸出入依存度は、それぞれ13%、14%です。EUに組み込まれ、陸続きで輸出入できるドイツの輸出依存度でさえ、34%です。極端な政策による輸出依存体質は、政策による修正が効かなく、為替のふれ如何によっては経済全体が左右される、非常に危うい状態です。

オバマ大統領は、「米韓FTAでアメリカの雇用が7万人増える」と宣言したそうです。その意味は韓国から7万人の雇用を奪うということです。ある意味、経済植民地といっても過言ではないかもしれません。日本は韓国の轍を踏むことなくグローバル市場でなく、恩恵が国民全体に行きわたる内需拡大による企業成長によりデフレを脱却すべきであるというのが著者の見解です。私も同意見です。私は会計士として日本企業の海外進出のサポートをするためにシンガポールに3年間駐在し、オープンマーケット下でどれほど消費者がメリットを享受できるかを全面的に体感しました。一方、自国マーケットを持たない自国産業の脆弱性も見てきました。企業の海外進出、海外への販路拡大を目指すのはいいが、自国を顧みず自国のマーケットを枯らしていくのは、自国産業の破滅の道です。

ちなみに著者はTPP反対派です。なぜなら、日本はそもそも国際交渉が不得手であるので、国際機関に提訴し開国を求めるTPPの趣旨に合わないからです。したがって、相手国に法的に経済開国させる仕組みであるTPPを利用する具体的なメリットが少なく、逆に将来的なリスクが目立つからです。メリットはともかく、この将来的なリスクに注目したいです。日本の国内市場は成熟しているといわれますが、裕福な(一人あたりのGDPが3万ドル)国民が1億人もいて、かつ老人を中心として貯蓄世帯を持つ市場は、世界中でどこにもありません。相手国から見たら、垂涎の潜在市場です。これをみすみすノーガードで明渡すツールのひとつがTPPです。

例えば軽自動車規格。これはダイハツ、スズキ等が国内市場を寡占していますが(外国に存在しない日本独自の税制なので当たり前)、これもTPPのISD条項等で、国内税制度が国際賠償訴訟の対象になる可能性があります。同様に独自の発展を遂げた医療制度や、法律制度、会計制度等のサービス業も同様で、海外投資家にとって参入障壁、不利な市場と見なされた場合、国際賠償訴訟の対象になる可能性があります。それを受け付けるのは、、世界銀行の傘下にある国際投資紛争解決センターです。ちなみに世界銀行は、アメリカ合衆国ワシントンDCにあり、日本人が過去に総裁の職についたことはありません。繰り返しますが、日本の第1次産業、第2次産業、第3次産業それぞれのマーケットを明渡すツールがTPPです。国会答弁でもあったとおり、国際間の条約(TPPもこれです)は、国内法に優先します。いくら日本独自の税制や法律を作っても、TPP違反のものは無効にされるおそれがあります。

どうもTPP推進派の方は、「TPP交渉に参加しなければ乗り遅れる」、「グローバル化に逆行する」「自由貿易であるべきだ」「縮小していく国内市場には限界が来るから、海外に販路拡大すべきだ」等の、ムードに流された主張が多いような気がします。TPP加盟によって、どの国に何をどれだけ売ろうとしているのか、まず試算すべきです。これが上記のようなリスクを上回るようなら、ぜひ前向きに進めるべきでしょう。また米国USTRに対抗できるようなロビー活動や提訴活動の役割を通産省が担うか、新たに別の組織が必要か、同時並行で作業すべきです。

すでに日本は十分、自由貿易の国として国際的に認知されています。国際社会の要請は受入れますが、慌てる必要はありません。幕末の日米修好通商条約を締結したときの、開国ありきのムードに酷似してきていると感じるのは私だけでしょうか。その条約改正にどれだけ労力を費やしたか、日本史は教えてくれます。 TPPの実務的な内容、米韓FTAのおける韓国の現状、NAFTAにおけるメキシコの現状を把握せず、言葉の語感や世論のムードだけで、TPP賛成・反対を論じるのは、とても恥ずかしいことです。我々自ら選挙で代表を選び、国の舵取りをお任せしていますし、外交は政府の専決事項です。政府しか知り得ない情報もあるので、政府の総合的な英断を期待しています。

会計士CPEがヤバイ

CPEとは、公認会計士としての能力の維持・向上を図るために日本公認会計士協会が実施する「継続的専門研修制度」です。平成14年4月からは、すべての公認会計士が「継続的専門研修」を履修し、年間40単位以上の単位を履修することが義務付けられています。研修内容は、集合研修(協会主催、会員事務所主催、他団体主催でも可)もしくは自己学習(CPE指定記事、専門書の読書、集合研修CD-ROM、協会eラーニングなど)です。
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ざっくりいって1年間の間に40時間の会計の実務の勉強を行い、年度末に会計士協会に電子申告しなければなりません。CPE義務不履行の場合の措置・懲戒処分があるため、かなり深刻なんです。通常の監査法人、大手会計事務所に所属していれば、各種の社内外研修をすることによって、余裕を持ってこれをクリアできます。しかし私のような兼業会計士にとって、会計専門に勉強する時間を作るのが大変なので、これはけっこう高いハードルなんです。

締切は3月末。議会会期中は日中まったく時間がとれないので、最後の2週間でつめこみ勉強をするしかなさそうです・・・とほほ。
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発掘捏造 毎日新聞旧石器遺跡取材班著

日本だけでなく全世界を驚愕させた「F」こと、藤村新一・東北旧石器文化研究所副理事長による2000年の旧石器発掘捏造事件。日本の前期旧石器時代に道具を使える人類が存在したかどうか、という日本史の教科書をも書き換えてしまった事件です。

当時の藤村氏は、ぞくぞくと石器を発見し「世紀の発見」「神の手」と呼ばれ、地層が読める発掘のプロとして歴史学者やマスコミからあがめられていました。とにかく、藤村氏は複数の発掘現場で誰も発見していない石器を、いとも簡単に見つけてしまう。当時から、彼だけ発見出来るのは怪しい、石器があるのに周辺からその破片が出てこないのはおかしい等の指摘はあったそうですが、圧倒的に少数派。石器というモノがある以上、異論をはさんではいけない空気があったようです(「せっかく歴史を書き換えるような待望の石器が出たのにそれを覆すなんて、日本の考古学者としてあるべきでない」等の影の声が聞こえてくるわけです)。
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捏造のにおいを感じた毎日新聞記者による執念と極秘取材、息詰まる張り込み現場、そして決定的スクープビデオと写真。寝る前にこの本を読み始めたのがいけなかった・・・つい朝がた3時まで、一気に読破していましました。それにしても、どうして当時、藤村氏だけ石器を発見できる異常性に口を挟まずあがめ奉ったのか、そして一転、捏造が判明すると(昨日まであがめていた)全員が寄ってたかって社会的に抹殺する、日本人の体質を垣間見たような気がします。

きちんとした検証、すなわち1. 出土品を直接科学的に分析する、2. 出土品が発掘された地層を分析する、3. 石器や土器の型式から年代を割り出す、この3つの方法を組み合わせて第三者検証すべきなのに、当たり屋、神の手、地層を読めるプロ、等の権威・オーソリティを信用し、性善説に立ち、またこうあってほしい、こんな石器が出て欲しいという空気で、当時の考古学者の多くが藤村氏を支持していました。これはまさに「失敗の本質」http://www.mikito.biz/archives/20737667.html
と同じ、日本人の悪い点の象徴です。F氏を責めるだけでなく、当時無批判にあがめ奉った自分たちこそ、大いに反省すべきだと思います。

おまけ:きちんとした調査・研究もなされないまま発掘調査という名で消滅している日本の歴史遺産がたくさんあるということも、初めて知りました。(平城京の長屋王邸宅跡の例が記載されています。1200年も保存してきた同地が「奈良そごう」に開発され、結局11年で閉店してしまった等) 

R0017451R0017450藤村氏が「埋めている」証拠写真。早朝、まだだれも発掘現場に来ていない時間帯に、ひとりで登場。ポケットから、自分のコレクションの石器をいくつか取り出し、発掘作業中のサイトに埋めました。この決定的瞬間を、取材班は、ライブでビデオ撮影、カメラ撮影に成功。わずか1分30秒の出来事です。

このスクープがなかったら、今でもこの捏造が事実となり、日本史の教科書に「神の手」の業績が記載されていたことでしょうね。
 

代表質問

今日から、2月定例議会の代表質問が始まりました。代表質問とは、会派代表者が本会議で、市長に対して行う質問のことです。代表質問は、年に1回、2月の定例議会のみで行なわれるもので、市政全般について会派代表者が市長のお考えを質すということになっています。

一問一答形式でないので(参考までに、一般質問は一問一答形式)、質問と答弁の応酬は2回のみ。まず質問者が40分の持ち時間で質問をし、それに対し市長及び各部長が回答します。それに対する再質問は10分以内、2回まで可能です。

本日、登壇したのは3人。10:00am開始で、1人目が終了したのが12:30am。2人目が終了したのが15:40pm、3人目が終了したのは19:20pm。質問者間の休憩はあるものの、質問-回答-再質問-回答まで、約2時間半から3時間近くかかります。その間、決められた席でじっと回答を聞き、忘れないように必要箇所をメモします。
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市政全般に関する質問&回答なので、市全体で何が課題になっているか、そしてそのためにどの部局がどんな活動をしているかがよく分ります。ときどきお尻が痛くなるときもありますが、そこはじっと我慢。貴重な情報をいただける絶好の機会だと思って、貪欲に勉強していきます。



 

除染土 運び先なし

除染作業で発生する「土」の運び先が決まりません。記事によれば、行き先がない土が置かれている箇所は、県内で5000カ所近くになるとのことです。記事中のグラフをよく見ると、昨年10月から、住宅・事業所における汚染土の箇所数が激増しています。これは、学校・幼稚園などが比較的早くから、除染作業が進んだのに対して、住宅等は昨年秋から除染が本格化したことが理由として考えられます。

肌感覚として、県内で行き先がない汚染土が置かれているのが5000カ所というには、少なすぎる感じがします。平成25年度の除染費用は、平成24年度に比べて4割も増加する予定です。それだけ今後さらに汚染土も発生するわけで、加速度的に箇所数が増えることが容易に予想されます。

解決先は、中間貯蔵施設を整備することに尽きます。国が本来やるべきですが、ちんたらしてやってくれないということであれば、基礎自治体自らがなんとかするしかない。すなわち地区内で、仮置き場を確保し保存していくことです。一定の覆土を前提として、堤防等の公共土木工事に使用していくのもありかと思います。どの程度の覆土かにもよるのでしょうが、覆土で空間放射線量が低下し、また超長期的には半減期を迎えるということもあり、代替案として、後者が現実的かもしれません。
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出典:福島民友(2013.3.3)
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出典:福島民報(2013.3.3)

櫻井よしこさんとの勉強会

保守論客のひとり、櫻井よしこさんが昨日3/3にいわきに来られました!いわきJCI様主催で20人ちょっとでの少人数の勉強会、同僚の小野議員にお誘いで参加させて頂きました。桜井氏は、明確に改憲賛成、核武装や兵役制度も国を守る目的から前向きな立場を取られておられる方です。右傾化している方かと思っておりましたが、直接お会いして、常に国のあるべき姿を論理的に思考される方と分りました。

冒頭、過去の成功体験にとらわれず、未来志向でモノを考えるべき。復興事業は単なる復旧で終わらせては、大震災で犠牲となった数万人の方に申し訳ない。犠牲の上に将来はあるのだから、これをチャンスと捉え、将来に役立てるべきと話されました。
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また「仮の町構想」に関する参考事例として、チェルノブイリ原発事故におけるスラブチッチというウクライナの街を挙げられていました。帰還困難地域住民に対し、国策で緑あふれるニュータウンを新規宅地造成し、多人数家庭には一戸建てを、少人数家庭には低層マンションを無料で贈与し、定住促進したそうです。また対象者には全員、被ばく手帳を交付し、治験データの収集に協力いただくとともに医療費を無料にしているとのこと。今では、このキレイに整備された町は人気で、他からわざわざ移り住む方も出てきているそうです(なお、日本でも広島・長崎で被爆者のうち、20万人近い方は被爆手帳を交付され、その後の検診・医療費は無料となる一方、疫学的な医療情報を提供を提供し、長崎大学を中心として医療の研究・治験に役だったそうです)。

いわき市は、相双地区に対し分散型での受け入れを提案していますが、これとは逆のいわゆるニュータウンで閉じられた集積型です。これを行った場合、既存住民との住民サービスに格差が発生し、それが原因で近隣住民として溶け込めなくなる恐れがあります。すなわち、既存のいわき市民は一律8万円(12万円)の精神賠償で終わってしまうのに対し、かたや数千万円もする住宅を無償提供されるのは、不平等ではないかということです。

私はこの点について、桜井氏に直接質問・確認させていただきました。桜井氏いわく、帰還困難住民が家屋敷・思い出等を失っているのは事実だし、千年に一度の災害であることを考えれば、待遇格差が当然発生してしかるべきとのこと。いつまでもだらだらと、精神的賠償を毎月10万円を与え続け、自立へのインセンティブを失わせ、公助への依存度をさらに高めてはいけない。国の責任で立派な家・屋敷を無償提供し、自立を促すことが重要で、それがかえって国の補償金額としても低額ですむであろうとの、ご見識でした。
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 「原発を忌避するのではなく、二度と事故を起こさないようにする姿勢こそ必要」
 「放射線には幅広い意見があるが、政治家は事実を見るべきだ。人類が持つ科学的事実は広島、長崎、チェルノブイリの疫学データしかない。国連科学委員会や国際放射線防護委員会は100mSV以下の影響に有意性はないと結論付けている」等、科学的な理詰めで解を求めようとする姿勢に、誠実さを感じました。

また出生率が高い、長野県下條村の例も引き合いに出されていました。若いカップルが、いいね!といってくれる環境を作ることが、町がいきいきとしていくポイントなのだそうです。単なる財政政策やスローガンに終わらない、子育て支援の風土を醸成していくことです。

怖い方かと勝手に想像していたのですが、とても気さくな方で、あっという間に時間が過ぎてしまいました。たくさんのヒントをいただいたので、あとはそれを我々がどう実行するか!です。いつもの新人議員3名で出席しましたが、宿題をたくさん出されましたので、一つずつやっていきたいと思います。
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いわき 歴史春秋社

いわきの写真集かと思い、ラトブのヤマニ書房で手にとりましたが、さにあらず。現代から太古にいたる、各時代のハイライトを切り取って要約した資料集でした。ふんだんに写真を使っているので、小難しいことが(少しだけ)わかりやすくなっています。産業や経済の発達で栄えた中近世、じゃんがらや獅子舞にみるいわきの祈り、文学や美術にかいま見る豊かな文化、そして現代の情緒あふれる風景。今まで知らなかったいわき、そして懐かしいいわきの姿が、写真付きの解説でまとめられています。

われわれ現代の生活は、過去の先人達の歴史の上に成り立っています。いわきにどんな人物がいて、尽力されたか知らないという態度は望まれることではないと思います。(私も含めて)歴史家でない一般人は、このような形で、過去の郷土史に触れる形が、接触点としてはいいのではないかと思っています。一方、小中高生に対する郷土教育はまだ、接触点として「小難しい」面があるので、別のアプローチが必要だと思います。
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特に良かったのは、文学の地の章といわきの人々の章でした。前者は、内藤風虎、内藤ろはん、野口雨情、吉野せい、草野心平等の文学活動が、1ぺージずつ、写真付きで紹介されています。後者は、白井遠平、星一、小野晋平等の実業家・政治家の活動が、えこひいきなく半ぺージずつ、写真付きで紹介されています。これまでこういった方々を紹介するとなると、大上段に膨大な資料を見せられ、いったい何をされた方なのかわからないということが多々見られた中、限られた紙面できちんと業績をサマリーした紹介に好感を覚えました。

ホットヨガ LAVA

「スタンフォードの自分を変える教室」マクゴニカル先生
http://www.mikito.biz/archives/24011691.html
のオススメのヨガをやりに、ホットヨガスタジオLAVAに行きました。ホットヨガは、筋肉が柔らかくなる室温を38~39℃、そして湿度を60~65%の条件下でヨガを行います。 
人間の筋肉が最も柔らかくなるという温度、かつ汗をかくのに適度な湿度のため、ヨガポーズがやりやすく、利点は、何といっても短時間で大量に汗をかけること!現代社会では、エアコン等の普及によりなかなか汗をかけない生活を送っています。人間の能力として自然に備わっている新陳代謝の不足により、体の老廃物が蓄積されているのです。
 
汗は汚い・臭いというイメージがありますが、体の老廃物を出して体をキレイにそして疲れを癒すための体の作用という面もあると思います。しばらく不健康な生活が続いたので、体調管理のために汗をかきにやってきました。 
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事前にレッスンを℡予約した上で、スタジオ受付します。
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一週間のスケジュールが、30分単位で決まっています。1コースの基本時間は60分ですが、コースによっては45分・90分のコースもあります。
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スタジオは2つ。いずれもファンヒーターと加湿器により、適当な室温・湿度に保たれます。半袖半ズボン(お好みでヨガウェア)でやりますが、途中から汗がしたたり落ちてきます。最後には汗がだらだらになるので、ハンドタオルは必須です。1リットルのミネラルウォーターを60分で飲みきって、のどの渇きがちょうど良いです。
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パウダールームでシャワーを軽く浴びて、レッスン終了。1リットルのお水を飲みきりますが、レッスン前よりレッスン後のほうがやや体重が減ります。ということは1リットル以上の汗をレッスン中にかいている計算になります。もっと通いやすい場所に、ホットヨガの施設ができればいいなあと思う今日この頃です。
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県産食材、震災前の半分

福島県内の小中学校で提供されている給食の、県産食材使用率(県内自給率)が著しく低下しています。県産食材使用率は、おおむね35%前後で推移していましたが、2012年度は18.3%と、ほぼ半減してしまったそうです。

代表的な食材である「米」についていうと、今までは基本的に全量、県内産を使用していましたが、昨年は5割を切ったそうです。その背景には、内部被ばくを心配する保護者の存在があるようです。米は全量全袋を対象に、ベクレル検査をし、検査限界値内であることを確認した上で使用しています。しかしそうであっても、他県産食材使用を希望する保護者がいるのも事実です。

県としては、そうした保護者を対象に食材の放射性物質検査の現場等をみてもらうよう、予算措置をとり、保護者の理解を得たいとしています。確かにそうした継続した取り組みは必要かと思います。私見ですが、放射性物質検査をしていない福島の近隣他県産の米よりも、検査済みかつ空間放射線量がそもそも低い会津産のお米のほうが信頼性は高いのではないかと思っています。ちなみにうちでは、市内の知人から検査済みの自家消費米(ミルキークイーン)を分けてもらって頂いています。
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 出典:福島民友(2013.2.25)
 
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いわき市の求人バブル 求人倍率4.3倍

いわき市の建設作業員の需給バランスが崩れています。具体的には、福島第一の事故対応の作業員、市内各地の除染作業員、復興事業建設の作業員が不足が、各所で見られるようになってきました。昨年からその兆しは肌感覚であったのですが、ついに市内建設業の求人倍率が、4.3倍であることが発表されました。完全な需要過多の状態です。

今でも金曜日の夕方をピークとする、平の中心街を目指す車両による渋滞はすごいものがあります。代行も深夜23時を超えるとなかなかつかまえるのが難しかったりするので、市内の景気はそれなりに良いのかもしれません。

一方、市内事務系の求人倍率は、0.47倍と低迷を続けています。 市内の景気過熱、消費過熱の原因は建設業主体であって、市内全体の産業に波及しているとは、とてもいえない状態です。復興事業期間であるここ3年間のうちに、建設・除染業だけでなく、それを起爆剤として他の2次産業、3次産業に結び付けていく方策を打っていかなければなりません。付加価値を高めること、端的にいえばビジネスがやりやすい環境を整えていくことです。インフラ整備を行うにしても、単に設備を作るというよりも、民間にとって使い勝手のよい役に立つものを作っていく必要があります。そしてそれらを使ったビジネスを生み出す風土を醸成していくことです。

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出典:福島民報(2013.2.26)より

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吉田みきと プロフィール

ふるさとの福島県いわき市で、市議会議員として活動しています。いわき市は、震災後、複層的な問題が山積しています。公認会計士・一般社団法人日本アンガーマネジメント協会 認定 アンガーマネジメントファリシテーターとしてのキャリアを生かし、フレッシュな視点で問題点を洗い出し、解決策を提案していきます。

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  • 令和2年7月議会 一般質問④(骨髄バンクドナー)
  • 令和2年7月議会 一般質問③(いわきの先人たちの顕彰)
  • 令和2年7月議会 一般質問②(仮称)磐城平城・城跡公園
  • 令和2年7月議会 一般質問①(いわき七浜海道)
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