先日、10/30にいわきワシントンホテル椿山荘で開催された、猪瀬直樹氏のセミナーで紹介された著書をamazonで注文しておきました。週末に届きましたので、早速、3冊まとめて読破しました。
・昭和16年夏の敗戦
太平洋戦争の実際の敗戦は、昭和20年です。昭和16年の敗戦とはどういうことかというと、総力戦研究所という政府機関に、各省庁や民間企業から30台の優秀な人達(Best&Brightest)が30人ほど集められて模擬内閣を作りました。総理大臣を含めて、大蔵大臣も決めて、海軍大臣や陸軍大臣も決めてという具合に役割分担して、昭和16年の夏、つまり真珠湾攻撃で太平洋戦争がはじまる数ヶ月前の時期に、今後に想定される米国との戦争のシミュレーションをしたのです。
1年ごとに命題を作って、仮説を立てて検証していく。その結果、最初は勝つけれども、3年か4年経ったら日本は負ける。制海権と制空権を失い、本土が大空襲を受け、ソビエトが参戦して終わり、というところまで予測し、その報告書を提出しました。そして現実の太平洋戦争は、原子力爆弾の登場以外は、ほとんど彼らのシミュレーション通りに推移しました。
だから、本当は日本は昭和16年に時点で負けるとわかっていました。それでも戦争に突入しました。模擬内閣では陸軍も海軍もみんな手持ちのデータ(それぞれの出身母体からこっそり)を出し合って、真剣に議論しました。実際の近衛文麿内閣は、昭和16年の夏に模擬内閣の出した結論を知りつつも、秋になっても結論を出せませんでした。
あの戦争は、勝利という結論を見据えて米国と開戦したのではなく、結論を出せず、外部環境・内部環境に追い詰められてはじめてしまった戦争です。
この流れは、今の日本に置き換えることもできると思います。TPP加盟・賦課方式の年金・消費税・中間貯蔵施設・議員の定数是正等、結論を出せず、ますます不利になるとしても、(外部環境・内部環境に)追い詰められるまで時間を先延ばししているように見えるのは、私だけでしょうか。
・言葉の力
作家という立場もあるのでしょうが、言葉の力を、猪瀬氏はとても重要視しています。10/30のセミナーでもそうでしたが、平板で空疎な言葉を使わない、結論から入るというスタイルを貫いています。
・決断する力
12個のツイッター名言集が収録されていますが、秀逸です。セミナーで話されていたネタの多くがこちらの著作からのものでした。
3冊も一気に読むと、著者に洗脳された気分です。歴史から学び、言葉の力を大事にし、決断する力を持つ副知事がいる県民(都民)は、恵まれていると感じました。
・昭和16年夏の敗戦
太平洋戦争の実際の敗戦は、昭和20年です。昭和16年の敗戦とはどういうことかというと、総力戦研究所という政府機関に、各省庁や民間企業から30台の優秀な人達(Best&Brightest)が30人ほど集められて模擬内閣を作りました。総理大臣を含めて、大蔵大臣も決めて、海軍大臣や陸軍大臣も決めてという具合に役割分担して、昭和16年の夏、つまり真珠湾攻撃で太平洋戦争がはじまる数ヶ月前の時期に、今後に想定される米国との戦争のシミュレーションをしたのです。
1年ごとに命題を作って、仮説を立てて検証していく。その結果、最初は勝つけれども、3年か4年経ったら日本は負ける。制海権と制空権を失い、本土が大空襲を受け、ソビエトが参戦して終わり、というところまで予測し、その報告書を提出しました。そして現実の太平洋戦争は、原子力爆弾の登場以外は、ほとんど彼らのシミュレーション通りに推移しました。
だから、本当は日本は昭和16年に時点で負けるとわかっていました。それでも戦争に突入しました。模擬内閣では陸軍も海軍もみんな手持ちのデータ(それぞれの出身母体からこっそり)を出し合って、真剣に議論しました。実際の近衛文麿内閣は、昭和16年の夏に模擬内閣の出した結論を知りつつも、秋になっても結論を出せませんでした。
あの戦争は、勝利という結論を見据えて米国と開戦したのではなく、結論を出せず、外部環境・内部環境に追い詰められてはじめてしまった戦争です。
この流れは、今の日本に置き換えることもできると思います。TPP加盟・賦課方式の年金・消費税・中間貯蔵施設・議員の定数是正等、結論を出せず、ますます不利になるとしても、(外部環境・内部環境に)追い詰められるまで時間を先延ばししているように見えるのは、私だけでしょうか。
・言葉の力
作家という立場もあるのでしょうが、言葉の力を、猪瀬氏はとても重要視しています。10/30のセミナーでもそうでしたが、平板で空疎な言葉を使わない、結論から入るというスタイルを貫いています。
・決断する力
12個のツイッター名言集が収録されていますが、秀逸です。セミナーで話されていたネタの多くがこちらの著作からのものでした。
3冊も一気に読むと、著者に洗脳された気分です。歴史から学び、言葉の力を大事にし、決断する力を持つ副知事がいる県民(都民)は、恵まれていると感じました。