吉田みきと ほぼ毎日ブログ

「死して不朽の見込みあらばいつでも死ぬべし。 生きて大業の見込みあらばいつでも生くべし。」 吉田松陰・高杉晋作語録   「金もいらぬ、名誉もいらぬ、命もいらぬ人は始末に困るが、そのような人でなければ天下の偉業は成し遂げられない。」 西郷隆盛・山岡鉄舟語録

エシレバターの店 エシレ・メゾン デュ ブール@丸の内

三ツ星レストランやヨーロッパのロイヤルファミリーにも愛されるフランス産発酵バター「エシレ」。そのエシレ・バターと、エシレ・バターを100%使った、オリジナル・レシピによるできたてのお菓子、パンを販売する、世界初のエシレ専門店。が、丸の内ブリックスクエアにある「エシレ・メゾン デュ ブール」。

11

エシレバターを100%使用した、クロワッサンは1個380円。マドレーヌ1個300円、フィナンシェ1個300円。それでも、クロワッサンは売り切れ直前、ラスト1個をぎりぎりで購入できました。

56

エシレをはじめとするフランスの発酵バターはクリームを乳酸発酵させてから作るバターで、ヨーグルトのような軽い酸味があり香り高い。遠心分離機がなかった時代、牛乳から生クリームを分離するのに2〜3日かかったため、この間に自然に生クリームが発酵して発酵バターができたらしい。現在では乳酸菌を加えて発酵させ、発酵バターを作る製法だそうです。
 
35

エシレバターのブランドを使えるのは、エシレ酪農共同組合の工房から半径30km以内の酪農家の牛乳だけ。 一頭あたりの最低限の放牧地の面積が決められるなど、乳牛の育成にも細かな約束事を守っています。これが高品質の証となり、価格で勝負することのない、独自の地位を築いています。

06

お店がある丸の内ブリックスクエアは、元の三菱一号館。一丁倫敦と呼ばれたこのビルは岩崎弥太郎がいちから作り上げた街の一角にあります。現在は、三菱一号館は復元され博物館になっています。同時に高層の丸の内ブリックスクエアというオフィスビルが建てられ、丸の内中通りのベストポジションになっていることは偶然ではない。
 
43

デュオヒルズいわき ザ・レジデンス モデルルーム 「公的機関」「文化施設」「医療機関」「買い物」の集積

「デュオヒルズいわきザ・レジデンス」のモデルルームを見学してきました。同マンションの開発者・売主は、フージャースコーポレーション。「いわき」駅より徒歩9分のいわき市初免震構造、いわき市復興優良建築物等整備事業の住戸122戸です。コミュニティルーム1戸、ゲストルーム1戸、キッズルーム1戸と共用施設も充実しております。
 
10

建物内には、防災備蓄倉庫が設置され災害時には一時避難施設として利用することになっています。これに優良建築物等整備事業制度要網に基づき復興交付金という補助金が支出されており、プロジェクト開発費の一部に充当されています。その意味ではオトクなマンションということがいえるでしょう。

一方、いわき市復興交付金事業計画に位置付けられているため、被災された方が優先的に入居することになっていて、一般の方の申込み優先順位は劣後するので要注意。

22

1F・2Fには医療施設・クリニックは入居予定。特定の医療機関名は未定とのことですが、専有床での分譲を予定しているそうです。平のまちに住む方が、「公的機関」「文化施設」「医療機関」「買い物」「遊興」等が徒歩圏でできるような、コンパクトな街を目指すべき。まさに平のまちなか居住のコンセプトに合致するマンションです。

・公的機関:市役所・合同庁舎・法務局
・文化施設:総合図書館・アリオス
・医療機関:市内クリニック多数
・買い物:マルト・サティ・イトーヨーカドー・ラトブ
・遊興施設:田町の飲み屋街・映画館
 
現在は上記の施設が有機的に結合していませんが、これらの施設を結ぶようなミニバスが定期的に運行できれば、自家用車の所有は不要になります。老後だけでなく若夫婦も十分、徒歩圏で楽しめる(いざとなればJR.や高速バスもある)まちになるのではないでしょうか。
 
41

都内のマンションのような狭さは感じません。大家族でなければ、この広さで十分かも。

32

いまどきのキッチン。

44

購入層は、市内で意識の高い富裕層が予想されますが、両親からの補助があれば一般のサラリーマンでも無理がない価格設定だと思います。新しい住民がまちなかに増えることを、心から歓迎します。

19

防災備蓄倉庫に当初用意されるのは、このような防災用具。見たこともないようなグッズもありました。当然ですが、将来発生する用具の更新費用は、それぞの所有者の管理費からまかなわれていきます。

16


スパリゾートハワイアンズ 常磐ハワイアンセンターは元炭鉱住宅跡地

スパリゾートハワイアンズ(以下、常磐ハワイアンセンター)の敷地は、もともと何であったかご存じの方は少ないのではないでしょうか。結論からいうと、常磐HCは、巨大な元炭鉱住宅跡地に建設されました。常磐HCの開発・所有・経営は、すべて常磐興産株式会社です。磐城炭礦と入山採炭が合併してできた常磐炭礦株式会社は、いわき市・北茨城市一帯の炭鉱を経営する巨大な炭鉱会社でした。

エネルギー産業転換により、昭和40年代に炭鉱はすべて閉山になりますが、従業員雇用維持のための起死回生の策として、1966年に常磐HCが開業します(このへんは、映画フラガールが詳しい)。その用地として提供されたのが、閉山後の炭鉱作業場であり、炭鉱夫の住む炭鉱住宅跡地(いわゆる炭住)です。現在の地図と重ね合わせてみると、常磐HCの敷地のほとんどが、炭住敷地と重なり合っています。現在の家族連れで楽しめるアメニティ施設が、つい50年前までは劣悪な労働環境下で起居していた炭鉱夫の住処であったことは感慨深いです。

01

建設中の常磐HC。建築後約50年経過するこの建物の躯体は、震災後も補修を経てそのまま使用されています。鉄骨は錆に弱いとされていますが、高温多湿の館内でよく使用に耐えているなあと思います。

50

常磐炭鉱坑道内の写真。坑道の線路からも温泉が噴き出しているのがわかります。温泉をくみ出さないと坑道が水没してしまうので、その温泉汲み上げコストが高いもの常磐炭鉱の経営が苦しくなった一端です。当時石炭1トンを掘り出すのに、40トンの温泉をくみ出す必要があったそうです。そのお邪魔ものだった温水が、現在のハワイアンズの経営の屋台骨を支えるとは当時、誰も思わなかったでしょう。

45

開業当時の常磐HCの園内。滑り台は直線(直滑降)でした。大プール中央には橋がかけられ、中央にはステージがありました。現在はいずれも改修され、当時の面影はありませんが、基本的な作りはそのままで50年間色あせずに親しまれています。

38

開業当時のフラダンスショー。現在よりもより、トロピカル、エキゾチックな衣装です。舞台には砂が敷かれていて、現在のようなモダンなショーではありませんでした。これは好みが分かれるところですね。

56

注)写真は、スパリゾートハワイアンズ内に掲示されていたものです。
 

亀田京橋クリニック 人間ドック

亀田総合病院が、東京に開設したサテライトクリニック「亀田京橋クリニック」で人間ドックを受診しました。ビジネス街の中心地ともいえる京橋に地下鉄駅に直結したオフィスビル、東京スクエアガーデン4Fにあります。4F全体が医療フロアになっています。亀田総合病院の充実した医療施設は有名ですが、「東京でも亀田クオリティ」をキャッチコピーに、女性に優しいクリニックを目指しているそうです(院長は、女性医師)。

<亀田総合病院は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/39106883.html
14

絨毯と花柄のファブリックソファ。まるでホテルのようなラグジュアリーな雰囲気。曲線を多用する内装は、亀田総合病院のテイストを感じます。ただ都心のオフィスビル内にあるだけあって、空間的広がりを感じることはできないし、太陽光、そして当たり前ですが海が見えない・・・、鴨川市の亀田総合病院本院をイメージしてくるとちょっとがっかりかもしれません。

33

京橋駅直結はとても便利。東京スクエアガーデンは、2013年3月に竣工、地上24階、地下4階のオフィスビルです。亀田京橋クリニックは、企業の健康診断・特定健診を中心に、人間ドック、そして東京在住の富裕外国人をターゲットに経営していくようです(もちろん一般の保険外来もやっています。専門外来は、亀田の部長クラスの専門医が対応)。パンフレットやホームページは、日本語だけでなく英語・中国語対応。

28

病院経営の観点からは、全国一律の保険診療点数にもとづく医療行為だけをしていたのでは、他社との差別化が図れず、(亀田のような)地価が高い・優秀な医療スタッフ・高いホスピタリティの維持には高い人件費がかかる等の戦術は、逆に経営的には不利に働きます。だからこそ保険診療点数外の分野、例えば、人間ドックや任意の検査・差額ベッド等に力を入れるというのは自然な経営判断だと思います。

25

実際、人間ドックを受診してみての感想。
<ポジティブな意見>
・ホテルのようなラグジュアリーな雰囲気、癒やされる
・受診人数が限定されているので混み合わない
・医師・看護師が丁寧に対応、説明してくれる

<ネガティブな意見>
・受診コストが比較的高額
・都心立地ということから、スペース的な余裕はない
・ラグジュアリーというほどのサービス水準かどうかは個人差がある

個人的には納得のサービスでした。人間ドックの基本コースに加えて、胃カメラ・大腸内視鏡検査を追加。まる一日絶食の後、下剤を服用してから、胃カメラ・大腸内視鏡検査。以前、胃カメラを飲んで辛い経験があったので、鼻からの経鼻胃カメラを希望していたのですが、医師からの勧めもあり通常の胃カメラになりました。経鼻だとチューブが細いため、画像の精度が落ちるのと、生検(胃の一部の組織を採取して、病理に回して詳細検査すること)に難があるとのこと。丁寧な説明に納得して経鼻から経口胃カメラに変更。

胃カメラ・大腸内視鏡検査を同時にやるのですが、経口麻酔もあり思ったより楽でした。もちろん楽しい経験ではないけれど、ぼーっとしている間にやられてしまった!という感じ。実際、検査後非常に眠くなり、30分ほど爆睡してしまいました。

21

検査後はお待ちかねのお食事。人間ドックのセット料金に含まれています。東京スクエアガーデン地下のデンマーク料理のカフェで、消化のよいミートボール&サラダ&パン。食後は、血液検査の結果を医師から聞いて、食事や生活習慣等の相談をしました。生検の結果は10日前後で送られてくるそうです。

23


ビスポークテーラー水野洋服店

お城山にある、ビスポークテーラー水野洋服店にお邪魔しました。何とも味わいのある外観。職人だったご主人がお亡くなりになって、廃業してしばらく経つそうですが、店構えは当時の風格を想起させます。

39

当時の看板、「TAILOR MIZUNO」。おそらく当時、モダンだったのでしょう。

57

洋服・スーツの仕立てに使っていたミシンは今でも動くそうです。これを使いこなせる職人がどれだけいるかはあわかりませんが・・・

41

アイロン、とてつもなく重いです。今の電化製品のアイロンの3-4倍はある、鉄の塊です。これを使ってアイロンをかけていたら30分で手があがらなくなりそう。

38

仕立て屋として、県が技能認定をしていて、「一級技能士」を名乗ることが許されています。今でも厚生労働省管轄で技能検定に合格した人に与えられる国家資格ですが、あまり見かけませんね。

49

当時はお店同士で、それぞれの電話番号の入った前掛け(今のチラシ、販促ツールのようなものか?)等を交換していたようです。平地区の電話番号が3桁!古きよき時代。

05


スーパーマルト 買い物難民向けのテレビスーパーマーケット

スーパーマルトは、いわき市を中心に、お客様第一主義をモットー、生鮮食料品店を30店舗以上を展開している企業です。東日本大震災次の発災直後から店舗を営業し、市民に食料品を供給し続けたことで、大きな感謝を得ている会社です。

旧本社は震災で甚大な被害を受け、系列のくすりのマルトとともに勿来窪田の新社屋が建設されています。こちらにお邪魔させていただいた際、新たな取組み、ネットスーパーを見せて頂きました。これは単なる販売量を拡大を目的としたネットスーパーではありません。市内の仮設住宅に住んでいる長期避難者・ITリテラシーを持っていない買い物難民向けの生鮮食料品供給ツールでした。

34

現在、二つの仮設住宅の集会所向けに、「テレビスーパーマーケット」が提供されています。

・仮設住宅の集会所に双方向のWebカメラ会議システムとFAXを、マルトが提供
・仮設住宅住民に集まってもらう
・マルトの社員が毎週午前中に訪問し、マルトの本日のチラシを配布
・欲しい注文をフェイスtoフェイスで聞き、注文書を代理記入
・随時、本部とWebカメラで商品等の説明を受ける
・集会所から本部へ注文書をFAX
・本部のスタッフが注文書を入力
・本部から商品の発注指示があり、当日午後に集会所へ商品が届けられる

この特徴は、自家用車を持っておらず、インターネットやFAX等のITリテラシーがない買い物難民でも生鮮食料品の購入ができることです。さらに対面での商品相談もできることから、仮設住宅に引きこもりがちな老夫婦を、集会所に引っ張り出し、近隣住民との会話させることも大きな成果だと思います。収益ベースにはとても乗らない事業であっても、着々と地域貢献として活動する、地元密着型企業の強みとポリシーを感じました。

21
 
28

 注)上記写真はマルト様の承諾を得て撮影しております。

チャイルドハウスふくまる

よつくら道の駅そばの「チャイルドハウスふくまる」にも立寄りました。この施設は吉川晃司氏と元BOØWYのギタリスト・布袋寅泰氏のCOMPLEXが震災支援のためにチャリティコンサートを開いたその収益の一部をいわき市に寄付し、その基金をもとにNPO法人よつくらぶが、建設したものです。震災孤児・遺児および福島の子ども達の交流の場、心のケアの場としての役割を果たすそうです。運営は、NPO法人ふくしま震災孤児・遺児をみまもる会が行なっています。

開所の際には、キャロライン・ケネディ駐日大使が訪問され、自らの本を直筆サイン入りで寄贈されました。こちらが、その貴重な原本。

44

本の内容は、ケネディ氏が幼少時代に感じて育ったことが、英語のポエムで書かれてます。

53

英語自体はやさしい単語で綴られているので、中学2-3年生以降であれば読めるかも。この施設のメインターゲットである未就学児童~小学校低学年には、ちょっと難しいかも。

09

50

22

38

32



 

小泉進次郎氏 YEG東北ブロック大会@いわきで講演

小泉進次郎氏が、YEGの東北ブロック大会@いわきで講演。内閣府大臣政務官兼復興大臣政務官の立場で、地方のまちづくりのあり方について、徳島県神山町のサテライトオフィスや福島県立ふたば未来学園の取組み等を紹介。ポイントは、民間の活動を阻害しないようにするため、既存のルールを突破していくこと。

04

YEG東北ブロック大会の参加・登録数は史上最大の1300人。ほとんどが市外からの参加です。

22

フジテレビ系のTV局が取材に来て、講演後のインタビュー収録をしていきました。質問に的確に答える姿は、従来の古典的な政治家とは違う匂いを感じました。

01



記念艦 三笠 日本海海戦の旗艦

横須賀にある、戦艦三笠を見てきました。日露戦争では連合艦隊旗艦を務め、連合艦隊司令長官の東郷平八郎大将らが座乗し指揮しました。現在は、神奈川県横須賀市の三笠公園に記念艦として保存されています。

58

こちらが日露戦争の英雄、東郷平八郎。日露戦争で無敵といわれたロシアのバルチック艦隊を破った当時、先進国の仲間入りをしようとしていた日本はこの勝利に沸き立った。自国に戻れたロシア艦は1割にも満たなかったらしい。東郷率いる連合艦隊は敵前で大回転を見せ、有利な陣形を生み出した。この大回転はトーゴーターンと呼ばれ世界に称賛された。
後年、東郷は横須賀の造船所を作った小栗上野介忠順の功績に感謝して、子孫を遺族を自宅に招いたそうです。日露戦争の勝因の第一歩は小栗上野介が横須賀に造船所を造ったことです。小栗は維新後、逆賊として河原で斬首されましたが、国内での造船という先見性を持った構想が日本の近代化にとって正しかった。

<ヴェルニー公園と小栗上野介忠順は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/38926432.html 

42

皇国興廃在此所一戦、「皇国の興廃此の一戦に在り、各員一層奮励努力せよ」。有名な言葉です。

50

Z旗(ゼット旗)とは、黄・青・赤・黒の四色で染められた信号旗です。本来は、 「タグボート(曳船)がほしい」 という万国共通の意味があるそうです。しかし、Zがアルファベットの最後の文字であることから、この戦いに敗れれば後がないという意味で、海戦の時に用いられることとなりました。日本海海戦のときに、この旗艦三笠がZ旗を掲げて、「皇国の興廃此の一戦に在り、各員一層奮励努力せよ」。との東郷平八郎の号令を全軍に伝えて、大勝利したことから、「Z旗を掲げる」という慣用語ができ、大成功を記する旗印となったそうです。
 
55

ここが東郷平八郎が指揮をとった艦橋の司令所。あまりの海の近さに驚きます。海戦時にこのような開放感のある場所に指揮官らがいるのは、かなり危険だったのではないでしょうか。

11

連合艦隊参謀・秋山真之の立ち位置はこちら。東郷平八郎のすぐ隣です。爆音が鳴り響く海戦時に、この集音器に向かって大声で各部署に指令を出していたのでしょう。
 
31

操舵室。
 
45

士官の個室。
 
35

東郷平八郎自筆の書。昔の方は字が上手。
 
42

士官の個室。西洋式のバスタブや、洋式トイレが備え付けられていました。
 
10

士官でない一般兵は、ハンモックで寝ていました。寝心地は良くないでしょうね。
 
30

士官の会議室。こういうところで作戦会議をしたんですね。
 
50

ワシントン軍縮条約によって三笠は廃艦が決定し、解体される予定でした。しかし保存運動が起き、条約に基づき現役に復帰できない状態にすることを条件に保存されることが特別に認められます。船体の外周部に大量の砂が投入されるとともに、下甲板にコンクリートが注入されました。したがって船とはいっても、海に浮かんでおらず、完全に固定されてしまっています。現在の三笠の砲塔、煙突、マストなどは、戦後に作成されたレプリカだそうですが、日本海海戦を通じて、先人の歴史の上に、我々現代人の生活は成り立っていると、改めて体感させてくれる施設となっています。
 
41

福島の桃ジュース 福島桃の恵み

阿武隈高原サービスエリアでみつけたジュース。桃果汁100%は珍しい。桃そのものの甘さで後味もさっぱりしていてとても美味しかった。いうなれば、桃を丸かじりして桃汁がお皿にこぼれた、その桃汁を飲んだ時の味です。甘すぎずサラサラさっぱりしていてほどよい酸味。桃ジュースというと、不二屋ネクターを思い出しますが、手を加えずに桃を絞って飲んでる感じです。
 
38

販売車はJA伊達みらい農業協同組合とのこと。桃ジュース「福島桃の恵み」。これは、正直言ってうまい。贈答用にもつかえそう。 

50

いわき近代医学の事始め展 奥羽出張病院

「いわき近代医学の事始め展」が、いわき市暮らしの伝承郷で開催されていて、江戸時代に西洋医学がどのようにいわきに伝えられたかを紹介されています。
 
1868年幕末の戊辰戦争でいわきは、新政府軍と奥羽越列藩同盟に加わっていた藩の間で激しい戦いが繰り広げられ、戦死者、負傷者が多数出ました。新政府軍が設置した救護所、すなわち野戦病院が奥羽出張病院です。奥羽出張病院は約4カ月間だけ期間限定で開設された西洋医学の先駆けの施設です。医者が足りず、地域から集めて近代医学の教育をしながら手術と手当てに当たった点、地元住民の医療行為も担っていた点が特徴とのこと。

開設者は、政府軍の軍医と病院管理者としていわきに来た阿波藩医の関寛斎ですが、医師が不足していたため、笠間藩藩医草野得柄(とくへい)と弟万吉らが、地元医師として協力しました。なお、笠間藩は、奥羽越列藩同盟の平藩と違って、新政府側でした。

28

笠間藩藩医草野得柄と弟万吉らの草野家に伝わる医者の教育のために取り寄せたとされる医学書が展示されていました。よくみると「重訂 解体新書」とあります。教科書にも掲載されている解体新書の改訂版です。オランダ語の解剖学書ターヘル・アナトミアからの邦訳書である解体新書は、日本の医学史上画期的な本ではありましたが、初めての西洋語からの翻訳という性質上、誤訳も多かった。その後蘭学・蘭語研究が進んだこともあって、改訂版が出されたわけです。その現物が、いわきの笠間藩藩医が所有し、西洋医学を勉強していたということがわかりました。

その他、草野家に伝えられている貴重な医学書には以下のものがあるそうです。
・増補重訂内科撰要
・遠西医方名物考補遺
・新訂増補和蘭薬鏡
・和蘭内景医範提網
・遠西医範
・舎密開宗
48

実際に戊辰戦争で使われた砲弾。それぞれ南白土や長橋で出土した現物です。砲弾の中には火薬が詰められており着弾する前に空中で爆発し、炸裂した砲弾の鉄片が敵兵を傷つけたそうです。

37

関寛斉による「奥羽出張病院日記」という、戦中の手記が残されていて、当時の様子が記録されているそうです。

1868年5月 上野戦争で彰義隊が壊滅、江戸平定
6月 陸前浜街道方面の平定開始。派遣された兵は6,000名以上で、薩摩藩、鳥取藩、津藩、長州藩が主力。
6/13 品川発
6/16 新政府軍が平潟着。
6/17 平潟に病院開設
7/1 新政府軍の平城の攻略が始まり、激戦となる
7/13 平城は落城。新政府軍はその後三春へ向けて行軍。
7/27 戦闘もなく三春に入城。さらに相馬、浪江、黒木、駒ヶ嶺などで戦闘

戦傷者数300名弱に対し、銃砲傷が8割、一方、刀傷は1割に満たなかったそうです。また、負傷者に対する死者の割合は、銃砲傷が原因死は1割を超えているのに対し、刀傷の原因死はほとんどいなかったそうです。これは戊辰戦争が、刀ではなく銃砲で行なわれいたということでしょう。

03

注)上記写真は、すべて暮らしの伝承郷の小野館長の許可を得て撮影しています。
 

いわき市の都市計画区域・市街化区域・用途地域

いわき市の総面積は、123,135ha(1,200㎢といったほうがわかりやすいかも)、香川県1,800㎢に肉薄する面積です。その内訳は、都市計画区域外:85,518ha(69.5%)、都市計画区域:37,617ha(30.5%)。さらに都市計画区域の内訳は、市街化調整区域:27,569ha(73.3%)、市街化区域:10,048ha(26.7%)。市街化区域とは、すでに市街地を形成している区域および概ね10年以内に優先的、計画的に市街化を図るエリアです。その市街化区域は、市域の1/10にも満たない。ちなみに市街化調整区域は、市街化を抑制する(家をたててはいけない)区域です。

市街化区域には、必ず11の用途地域のいずれかが定められており、市内で多いのが第一種住宅地域。意外に多いのが、工業専用地域で、市街化区域の約2割を占めています。逆に、商業地域・近隣商業地域は、市街化区域のたった5%。

2

上記区分を、住居系・商業系・工業系の大区分で分けると、以下のようなグラフになります。住居系が広いのはわかるけれど、意外なのは工業系が3割以上もあること。下記のような大規模な工業団地があることがその理由でしょう。
・小名浜臨海工業団地 工業専用地域 386ha
・いわき好間中核工業団地 工業専用地域 324ha 

いわき市の製造品出荷額は、約9,700億円(平成22年ベース)で、福島県全体の約2割を占めており、東北ナンバー1の製造品出荷額を誇る工業都市となっています。 これは常磐自動車道や重要港湾小名浜港など交通体系の整備とともに、昭和40年代に産炭地域から工業都市への転換がうまくいき、工業団地に工場ができた結果です。さてこの先、どこを目指していくか。
1


公立病院の建替よりも、市内の人材育成へ投資を

1. はじめに
8/9.8/10の2日間にわたって「いわきの医療・まちづくり公開シンポジウム」を開催致しました。そこでは、現場の医療関係者の懸命の努力によって、地域医療がぎりぎりのところで支えられているということが明らかになりました。医療をより良くするためには、何よりも医療スタッフのマンパワーが必要。公立の磐城総合共立病院の建替えというハコモノ建設に400億円近い金額を出すよりも、現場の医療スタッフをより充実させるため、市内の人材育成への投資をして頂きたい。
IMG_7825

2. いわき市立総合磐城共立病院について
市内には、いわき市が直接経営する病床数717床の総合磐城共立病院(以下、共立病院)という一番大きい病院があります。震災後の福島県地域医療復興事業補助金が、ここの建物の建替えに使えそうだということで、建替え問題が急浮上しました。
建替えの問題点
共立病院の建替えには300億円を超える莫大な費用がかかるとともに、将来世代の負担が発生します。市民ひとりあたり、大人も子供も赤ちゃんも、約10万円の借金を背負うことになります。建替えにあたっては以下の問題点が指摘されています。
追加土地取得や物価スライド条項(契約後の建設物価の変動によって自動的に契約金額が増える仕組み)等によって、今後さらに総工費は膨らみ、青天井となる可能性がある。
建設業界が活況を呈しているこの時期に、公立病院建設という公共工事を実施するメリットはない。
市民にとって、病床数で市内第1位(磐城総合共立病院)と第2位(労災病院)の病院が同時期に建替えをするメリットはない。
外側が新しくなっても、中身は一緒。
新病院開院後の医師不足・医師招聘の目処は立っていない。病院を建て直したら、医師が招聘しやすくなるというのは幻想に過ぎない。
現在の敷地面積では、研究施設や介護施設、教育施設等の将来の用途拡張性がない。
現病院を稼働させながら敷地内での建設工事には、駐車場・騒音・粉じん等の問題がある。
経営形態の問題点
これまでの市立病院経営で、過去10年間累計で約200億円の医業損失が発生し、一般会計からの他会計繰入(市のお財布からの赤字補填)でしのいできました。これは医療の専門性や機動的でない施策、非弾力的な人材待遇等の観点から、市による直接的な病院経営が効果的ではなかったために起こりました。新病院の収支見通しにおいても毎年、20億円から30億円の経常的な医業損失が見込まれています。国の財政状態を鑑みれば、総務省からの地方交付税措置も永続的とは考えられません。
ここから導き出されることは市の直接経営は持続的ではなく、単なる建物の建て替えに留まらず、病院経営そのものを見直さなければ、医療の改善という根本的な解決につながらないということです。仮に市による病院経営をやめて、独立行政法人化もしくは民間委譲等に経営手法を変えたとき、2次・3次医療圏の病床数で圧倒的な地域一番店で、市民からの抜群の認知度・ブランド力を持つ優位性が強みとなって、病院経営だけでなく医療スタッフにとっては魅力的な勤務先となり、市民にとっては医療サービスの質・量の向上につながる可能性があります。

3. 市内の医療人材育成を
共立病院の建替えに貴重な税金を投入するよりも、市内の医療人材の育成に力を入れるべく、以下3つの政策提言をします。
看護師等養成校の定員増
現在、看護師の数が足りないため、医療現場は多忙となっています。その要因のひとつは、市内の看護師養成校の入学枠が少ないために人材供給量が限られていることです。現在、市内には3校の看護師・准看護師養成校がありますが、その入学定員合計は165名です。一方、入学希望者数は過去5年間の平均で約340名です。すなわち170名以上が看護師になりたくても入口でお断りされているわけです。入学定員を増やし、市内医療機関に勤めていただくことが看護師不足解消への一歩となるため、既存の看護師等養成校の定員増を図っていくべきです。

上級学校への進学の受け皿
看護師・准看護師養成校の卒業生は、必ずしも市内医療機関に就職していません。一定数が卒業後、さらなる上級資格を目指して市外へ進学しています。その数は、平成23年で31名、平成24年31名、平成25年で39名です。准看護師学校においては、4割近くの卒業生が市外に進学していっています。彼ら彼女らの受け皿になるためには、市内に上級の学校、例えば准看護師から看護師になるための学校、もしくは4年制の看護大学・学部の設置をすべきです。

学生を支援する基金の創設
学費の問題から、私立の医学系学部進学をあきらめる高校生は少なくありません。平成25年度のいわき市内高校生の医学部進学者は16名ですが、うち私立医科大学への進学者はたった2名です。国立医学部の学費が6年間で約350万円に対し、私立医学部の学費は2000万円から3000万円と言われております。その高額の学費に対して二の足を踏んでいるわけです。結果としていわき市から医学部に進学する人材が少ないという事実を生み、医師不足に手をこまねいている現状を引き起こしています。
それなら学費を官民が支援して、市内から自前で医療人材育成をすれば良い。人への投資は必ず、市の財産となります。自主的に市へ貢献したくなるような詳細な制度設計は別途するとして、医療への道を目指す医大生・看護学生への奨学資金貸与、支払免除の基金を創設したいと考えています。

4. さいごに
一時的な復興財源が措置されているため、市内では「復興」という美名のもとにハード面の建設・整備が着々と進められています。市内には3,000戸を超える災害・復興公営住宅(家賃が安い公営の賃貸マンション)や30kmにも及ぶ防潮堤(万里の長城を彷彿とさせるコンクリート塀)が建設されます。一方、ソフト面、人材育成という点ではどうでしょうか。東京大学医科学研究所の上昌広教授によれば、これまでの福島県の教育に対する投資は、残念ながら最低ランクだそうです。私は、日本の将来は人づくりにかかっていると思います。まさに「まちづくりは人づくり」。人への投資が長期的なまちの財産となり、その魅力的なまちに若者が住みたくなる、そんな好サイクルを築いていきたいと思っています。

本郷学園 本郷祭

私立大学上位校への進学実績の大躍進中の、本郷学園の学園祭、本郷祭に行ってきました。今年のテーマは「つぶやくな、叫ぼじゃねえか!」。巣鴨駅から徒歩数分の立地は抜群。地元民がメインで、子連れが多いです。 
<本郷学園 オープンスクールは、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/39376271.html

32

本郷といえば、ラグビー!サッカー!ですが、それ以外のスポーツも盛んです。学生のほとんどはなんらかの運動部に所属しているそうです。

30

屋外では他校からの招待試合がサッカー・ラグビーともに行なわれていました。それにしても体がでかい。本郷の高校3年生と中学1年生では、おとなとこどもの違いくらいあります。それだけ中高6年間で心身共に成長するということでしょう。

26

中庭ではテントでの食べ物屋台が出店、すべて学生が運営・調理・販売しています。その種類が尋常でない。焼きそばから始まって、焼鳥、ホットケーキ、パウンドケーキ、綿あめ、たこ焼き、タコス、クレープ、ポテトフライ、ホットドック、かき氷等、とても食べきれない種類。

21

男子校なので当たり前なのですが、全員男が顔をつきあわせて、たこ焼きを調理する姿はほほえましい。おそらく学生のほとんどが調理などしたことがない(はず)。こんな作業を通じて友情を深め合ったりするんでしょう。

06

本郷らしくない?鉄道研究会もちゃんとありました。運動だけが本郷じゃない。マンガ好きやオタクもいます。そういえば、こち亀の作者の秋本治先生も本郷高校出身です。

42

35
 
 

弱いつながり 検索ワードを探す旅 東浩紀著

先日、旧警戒区域に行ってみっぺツアーにお声がけいただいた、東浩紀氏の新著です。ネット漬けと思っていた氏が、意外や意外、「SNSやネットは、友達や同僚など強いつながりを、より強くするメディア」と断言し、ネットから遮断し旅に出るススメをしています。以前の著書と同様、難解な言葉がならんでいますが、挑発的な本です。
 
<旧警戒区域に行ってみっぺツアー ゲンロン・ふたば商工株式会社ジョイント開催は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/39441989.html

私たちは考え方も欲望も今いる環境に規定され、ネットの検索ワードさえもグーグルに予測されている。それでも、たった一度の人生をかけがえないものにしたいならば、環境を意図的に変え、グーグルに与えられた検索ワードを裏切っていくしかない。それを可能にするのが身体の移動であり、旅であり、弱いつながりなのだ――。人生に自由と強度を与える「偶然性」と「ノイズ」へ向かう道筋を示す。

はじめに――強いネットと弱いリアル
旅に出る 台湾/インド
観光客になる 福島
モノに触れる アウシュヴィッツ
欲望を作る チェルノブイリ
憐れみを感じる 韓国
コピーを怖れない バンコク
老いに抵抗する 東京
ボーナストラック 観光客の五つの心得
おわりに――旅とイメージ
 
33
 
スマホやPCをいじっていても、自分の興味のある情報だけしか目の前に出てこない。なぜならGoogleが改良されてばされるほど、人生に「意外性のある出くわし」がなくなってしまう。Googleの検索は自分の過去の検索の延長でしか候補を表示しない。グーグルに従っていたら、世界は一歩も広がらない。それを打破するためには、(=Googleの予想を裏切るには)、自分の中に新しい欲望(検索ワード)を作るしかない。そのワードを作る方法が、身体を移動させること=「旅」という主張です。ネットをたまには捨てて、旅に出よう。

もうちょっと補足すると、旅先で出会うべきは新しい「欲望」なのだそうです。海外旅行時に、意図的に自分の環境を変えて、考えること、思い付くこと、人間として欲望することを勧めている。そこから出てくるものは、決して予想されるもの、予定調和的なものではなく、あたらしい場所、あたらしい時間、あたらしい言葉。ネットやSNSの呪縛から離れ、日常の人間関係から自らを解き放ち、そこで見たモノや経験から、やがて新しいものが生まれるてくるかもしれない。

著者の主張は、世界はどんどん均質化・フラット化している。そしてインターネットは飛躍的に進化して世界を覆う。となれば世界が均質化し、Googleで検索されることを前提に、行動すべきではないかとの主張。ネットでは決して得ることのできない「弱い絆」を紡ごう、という難しい言いまわしをしていますが、要は環境が人を変える、だからその環境を意図的・強制的に変えるのが旅だ、と解釈しました。

高松丸亀町のまちづくり戦略 都市をコンパクトに縮めなければ、街の機能を維持出来ないことは歴然

高松丸亀町 まちづくり戦略の資料を精読しました。高松丸亀町商店街振興組合が作成したものです。いわきと酷似した過去の状況、クリアな現状分析は非常に参考になります。

<高松丸亀町まちづくり戦略の報告書は、コチラ>
報告書の主張はきわめてシンプルです。新しい都市を造るには莫大なインフラ整備費用がかかります。したがって郊外開発を進めれば進めるだけ、財政は悪化していきます。中心地の敷地面積あたりの固定資産税は周辺の4.2倍とれるが、維持費は逆に郊外部の方が6倍以上の経費がかかります。今後の総人口減少、とりわけ地方の人口減少、国の財政事情の悪化等を考慮すれば、都市をコンパクトに縮めなければ、街の機能を維持出来ないことは必然といえるでしょう。

2

4

現在の中心市街地の商店街の凋落の原因を、郊外型ショッピングセンターのオーバーストアの主要因を求める見方もあります。しかし、以下のことを考慮すると、諸悪の根源が郊外大型店のみにあるのではなく、中心街活性化を阻害しているのは商店主(地権者)自身ではないか。

1. 郊外規制をしても中心部が再生することはあり得ない
頑張らない中心部商店街は郊外規制に胡座をかくだけで、彼らは何もしない。
 
2. 自由競争(消費者の選択肢)を阻害するだけである
県の住民意識調査で、6割の消費者が郊外大型店に満足している。

3. 現在の商店街店主の問題点
・営業時間が短い
・シャッターが降りた商店が放置されている
・買い物をするための、駐車場代がかかる
・休憩する場所も、トイレもない

郊外型大型店は地域に税金を落とさず、地域の経済循環の貢献度は低い。一方、消費者は大型店を圧倒的に支持している。郊外店が売上を伸ばし、商店街が売り上げを失った最大の理由は、消費者が欲しいと思ってる商品が並んでいないということ。本来商店がその魅力を失ったら単なる集客イベントで一時しのぎするのではなく、本格的な次の一手を打たなければならない。すなわち、①業種転換、②新たな商品開発、③廃業等です。高松丸亀町商店街は、①②③の組み合わせを選択しました。 

高松丸亀町の事例から学べること、5点。
1. 失敗例から学ぶ。
ダメになってしまった街の例は、街がどんどん拡散している役所の郊外開発しているところ。立地変動に敏感な商売人はすぐに街を捨て去る。これは一商売人の判断としては正しい。商売人が逃げ出さなくてもいい街をいかに造るか?失敗例には実に沢山の学ぶべき点がある

2. 中心市街地活性化は、単に商店街再生であってはならない。頑張らない中心部商店街は郊外規制に胡座をかくだけで、彼らは何もしない。

3. 合意形成のノウハウ、全員での議論はしない。丸亀町は「議論」をしなかった。
100名を超える地権者を集めて議論してしまうと100年経ってもまとまらない。町から信任を受けた極少人数と専門家チームで計画を作り、丁寧に説明してきただけ。

4. ローカリズムの克服。触媒(専門家)・接着剤(地元)の必要性
外部人材によるイベントの企画・運営のお手伝いはウエルカムだが、財産権に手を触れる話になると、ハレーションを起こしてしまう。地元(地権者)の中でキーマンを育成することが必須。

5. 自分たちのビジョンありき。まちづくり会社はごれを具現化させる道具に過ぎない。
民間主導。お役所は総花の計画しか作れない。いくら国策とはいえ、集中投資なんて出来ないし、やると市長は選挙に落ちる。だから、まず民がやる。そして頑張る民を、役所が支える構図が最も合理的な「まちづくり」の手法。前例主義にこだわらない。
 

NUS MBA Information Session, Tokyo

NUS MBA Information Sessionが、東京新宿のヒルトンホテルで開催されました。会議室には、MBAコースに興味を持つ社会人が数十人来ていました。2時間近くのセッションでしたが、熱心にNUSの担当者Ms. Chua Nab Szeから話を聞いていました。もちろん、最初から最後まで英語。プレゼンに力が入っているのがわかるのですが、どこまで日本人候補者に伝わったか・・・

私がNUS EMBAに通学していたときは、日本人は私だけでした。現在MBAコース定員100名のうち、日本人は14名在籍し、在籍人数はインドに次ぐ第2グループだそうです。アジアのMBA人気は本当のようです。「アジアでMBA――もっと気軽に、もっと成長できる場所へ」という書籍も出ていて、以前よりももっとMBA留学の裾野が広がっていると実感しました。

12

なつかしのNUSマーク。

47

セミナー終了後の夜は、NUSのOBが集まり、新宿の高層ビルで交流しました。金融・行政・テクノロジー・学者・政治とさまざまな道に進んでいても、ベースが一緒だと会話のペースも早まり、楽しい夜でした。

03



 

cafe & tarts CONNEXION(コネッション) コーヒーハンターのコーヒーが飲める店

内郷にあるCafe&tartes CONNEXION(コネッション)。店の名前の由来は、フランス語で「つながる」の意味で、「美味しさと美味しさ、人と人、様々なつながりを大切にしたい」という想いが込められています。川島良彰氏プロデュースのMiCafeto(ミカフェート)のコーヒーとタルトが味わえるお店です。

川島良彰氏といえば、世界に名をとどろかしているコーヒーハンター。川島氏が最高を追究した、「Grand Cru Cafe」が飲めます。これはJALのファーストクラスで提供されるコーヒー。その他にもJALビジネスクラスで提供される「Premier Cru Cafe」、普及版の「COFFEE HUNTERS」ブランドが飲めます。

<私はコーヒーで世界を変えることにした。 川島良彰著は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/37621588.html

34

広い窓が開放的な店内にはコーヒーの芳醇な香りとタルトの甘く香ばしい香り、悠久の時を重ねた木の香りが広がります。「本物にこだわった空間で美味しいひとときを楽しんでいただきたい」という想いが伝わってきます。

26

バリスタが注文ごとに一杯一杯、ドリップしてくれます。

49

注文ごとに目の前で一杯一杯、丁寧に豆を引きます。

15

コーヒーを淹れる温度は、厳密に84℃とのこと。これはなかなかご家庭ではできない技です。1杯専用のドリップもあり、注いでいるときの光の演出が美しい。

43

3日かけて作るタルトも有名とのこと。

55

タルト、コーヒーはテイクアウトが可能です。店頭のショーケースには沢山の種類のタルトが並んでいました。果物のタルトはどれも載っている具が巨大。ぜいたくに素材を使っています。
 
49

ミカフェートのコーヒー豆は、専用のしゃれたペッボトルに詰められています(グランクリュは、ガラス製のシャンパンボトル)。店で挽いてもらって帰るときも、このボトルに詰められます。コーヒー好きの方へのプレゼント用にもってこいかもしれません。少なくとも私なら、もらって嬉しい。

01


オーロ遊び展 田口安男氏の作品「白いトルソ」

オーロ遊び展を見てきました。場所は、泉町のアートスペース泉です。オーロとはイタリア語で金のことで、金箔の技法を駆使、取り入れた作家らが絵画だけでなく多様なジャンルの作品を展示しています。

49

アートスペース泉様の、開廊7周年記念展だそうです。金地背景テンペラ画の第一人者、田口安男氏の作品「白いトルソ」が展示されています。氏は、日本に磨き上げられた金箔を使った絵、すなわち「黄金背景」の処方を詳細で具体的な図版とともに紹介した初めての画家です。東京芸大名誉教授であるとともに、かつての、いわき市立美術館の館長を務めたこともある方です。

その白いトルソはこちらの作品。
58

田口氏から指導を受けた画家、彫刻家、工芸家、書家と多様なジャンルの42人による作品約50点が展示されています。
 
17

アートスペース泉の屋外には、彫刻展示もあります。ひとつ4.5トンだそうです。画廊としての展示物ですから、販売も可能とのこと。この作品が置ける広いお庭をお持ちの家限定となりそうですが。

28

28



 

築土構木の思想 土木で日本を建てなおす 藤井聡著

「土木」という言葉はいったい何か。これは中国の古典「築土構木」(ちくどこうぼく)が由来です。中国の古典「淮南子(えなんじ)」の中の「劣悪な環境で暮らす困り果てた民を目にした聖人が、彼らを済うために、土を積み(築土)、木を組み(構木)、暮らしの環境を整える事業を行なった。結果、民は安寧の内に暮らすことができるようになった」ところから、土木という言葉が生まれたそうです。

ですから、築土構木=土木という行い自体には、、本来は人々の安寧を慮る人々、すなわち聖人や君子が行なう「利他行」そのものだと暗示されているわけです。土木に対する英語(Civil Engineering)もふるっています。Civilization=「文明」を作る工学という意味で、非常に高邁が産業なんですね。それにもかかわらず、土木業にたいして巷では、自分のことばかり考える利己的な商売人達や、利権に目がくらんだ政治屋達が行なう浅ましき行為が跋扈している業界とみなされている(実際、本当かどうかは別として)のは残念です。

現在の日本は、被災地の復興、老朽化した道路・トンネルなどインフラの補修、台風や大雨の被害対策、2020年東京オリンピック開催等等、予定されている土木・建築工事が目白押し。一方、建設業界はバブル後の公共工事削減により人員を減らし続けたため、若手の参入が激減し人手不足に陥っています。

<NHKスペシャル 調査報告 日本のインフラが危ないは、こちら>
http://www.mikito.biz/archives/30434113.html

10


著者の主張は、「公共事業不要論」は間違っている。 日本には土木事業が足りない。景気に左右されずに国土強靭化(レジリエンス)、すなわち1. 耐ショック性、2. 回復力、3. 致命傷を受けないことを目標に、継続して公共事業としての土木に注力すべきとの考え方、土木による日本再建論者です。

共著者のひとりの言葉。「カネよりも命が大切だ」なんてことまでは申しませんけれども、少なくとも、「カネも大事だけれど、命のほうも大事じゃないのか」と言いたい。なんとか「リスク分散」と「経済効率の追求」の折り合いをつけて、「経済効率の追求」はほどほどにして、安全性、国土強靭化をやってほしい。そういう政策転換を望んでいるところです。なるほど。

 

ブックオフ 蔵書341冊が1万6千円で引取

デスクワークが続いて煮詰まったので、体を動かすことにしました。手始めは、事務所の片付け。なんといってもため込んだ蔵書の整理です。読みおわった本は何かの機会に読み返すかもしれないと思い、取っておくのですが、やはりほとんどの本を読み返す機会などなく、単に積み上がっていって、3年間。段ボールで8箱分です。

これをブックオフへ買取依頼。事務所とブックオフを2回往復、341冊を持ち込んだところ、買取金額が16,505円。1冊当たり50円弱、、、明細を見ると1冊あたり5円の買取も多い。どんな知の塊も、中古マーケットに乗せるとこうなる。逆に言えば中古マーケットでいくらの値がつこうとも、莫大な知的財産価値を持つ本もあるということ、だと思う。
 
11

ふるきゃらMUSICAL ドリーム工場

東日本大震災をテーマにしたミュージカル、「ふるきゃらMUSICAL ドリーム工場」を、ちょっとだけ観てきました。

ミュージカル「ドリーム工場~東北のプレタポルテ~」
会場:いわきアリオス中劇場
主催:フージャースコーポレーション
後援:いわき市・いわき市教育委員会
料金:3,000円
話の内容:
大震災で被害を受けた町工場を復興させていく物語です。東北の縫製工場が舞台です。震災の被害から一歩一歩、希望に向かってのたゆまぬ努力を重ねてゆきます。社長自らがミシンを錆びさせないように洗ったりして工場を復興させようと頑張ります。それをだんだん周りのみんなも助けるようになり、でも経営は厳しい状況を余儀なくされる、という話です。

びっくりしたのが、生オペラさながら(3名だけですが)、生のトロンボーン、ドラムス、キーボードが右手に控えていて、舞台の進行にあわせて生演奏していたこと。これはスゴイ。

https://www.youtube.com/watch?v=UIzHNTjCy2M

CCI20140911_00000

何と言っても不思議なのは、主催がフージャースコーポレーションという、マンション企画・販売会社であることです。これまでいわきで販売実績は、ゼロ。この秋に、「デュオヒルズいわきザ・レジデンス」という、平字堂根町の竹林病院跡地で、はじめてのマンション分譲を予定しています。その会社が、なぜミュージカルを提供?

その答えは、復興交付金を活用した国の「優良建築物等整備事業」の制度を活用し、市復興優良建築物等整備事業の補助を得たことにあるようです。すなわち、いわき市が事業者に一定の(有形無形の)地域貢献を求めていると推測されます。
http://www.city.iwaki.fukushima.jp/machi/seibi/5244/018642.html

CCI20140911_00001


 

福島縣立磐城中学校 校歌 第二章が削除

福島縣立磐城中学校の校歌は、西村岸太郎校長の発案で明治44年、制定されました。作歌は、福島縣師範学校 国漢科担当教諭の西村岸太郎氏。それに西村校長がみずから加筆修正したそうです。校長自ら作るのは珍しいと思います。作曲は福島師範学校の音楽担当教諭の渡邊貞夫氏でした。

<第一章>
峰は秀づ、赤井嶽、水は清し、夏井川 (みねはひいづ、あかいだけ、みずはきよし、なついがわ)
こゝ磐陽の、學び舎に、あゝ樂し、吾等友がら (ここばんようの、まなびやに、ああたのし、われらともがら)

<第二章>
あやに畏し、天皇の、勅捧げつ、山行かば、 (あやにかしこし、すめらぎの、みことささげつ、やまゆかば)
草むす屍、海ゆかば、水つく屍、ゆめ忘れめや (くさむすかばね、うみゆかば、みずつくかばね、ゆめわすれめや)

<第三章>
眞鐵や溶けん、夏の日も、膚や裂けん、冬の夜も (まがねやとけん、なつのひも、はだえやさけん、ふゆのよも)
自覺の眼、生くる時、本職勵みて、吾等撓まじ (じかくのまなこ、いくるとき、つとめはげみて、われらたゆまじ)

<第四章>
鍛へや腕、この山に、濯げや心、この水に (きたえやかいな、このやまに、すすげやこころ、このみずに)
理想の空は、高くとも、北斗は明し、希望の光。 (りそうのそらは、たかくとも、ほくとはあかし、きぼうのひかり)

太平洋戦争後、第二章は削除され、現在の磐城高校の校歌は、第三章、第四章がそれぞれ繰り上がっています。第二章の意味するところは、一旦天皇のお召しがあれば、いつでも戦場に赴いて死のう、という内容でしたので、戦後にそっと削除されたのだと推測します。 
 
49

玄玄天に行ってみました

「玄玄天」=「げんげんてん」と読みます。この言葉は、いわき市出身の蛙の詩人・草野心平の詩集「幻影」の中に掲載されている詩だそうです。いわき平駅周辺、4か所で展示される芸術祭で、全国から28名のアーティストの作品を展示されています。
 
行ったのは、本町通り平二町目にある洋品店、もりたか屋さん。普通に正面入り口からも入れるのですが、ラトブ側からも入れます。その秘密めいた上層階への階段を上ると。。。まさにシュールな空間。駅徒歩3分の場所とは思えない、なんというかいちばん近いのは「昭和のお化け屋敷」のイメージです。何か背後から不思議な声がかかりそうなスペースでした。

そんな場所感覚、時間間隔をなくしそうな不思議なスペースに、アートが展示されていました。これはアンモナイト?をほうふつとさせる布の展示。
 
06

こちらは写真の暗室のモチーフ?かな。印画紙を発色させるためのバットが異常にでかい。ヒラメが養殖できそうな水槽くらい。

28

ピンク街にありそうな電飾も。怪しい部屋になっています。

36

藤城光さんの作品を発見。知り合いの名前を見つけると何かうれしくなる。

24


 

公共工事設計労務単価 急上昇

公共工事設計労務単価が、震災後、急上昇しています。国土交通省の調べによれば、全国全職種平均で、16,190円だそうですが、建設需要がひっ迫している被災三県では17,671円(円/1日8時間当たり)。驚きなのは、平成24年との比較では、全国ベースで23%、被災三県では31.2%!も増加していることです。グラフで見ると、異常なジャンプアップが手に取るようにわかります。人件費の激増ということが、あらためてデータでも裏付けられました。これは平均ですから、局地的には5割とか、それ増加している職種・地域もあるのではないでしょうか。
1
出所:国土交通省「公共工事設計労務単価」
http://www.mlit.go.jp/common/000993051.pdf

震災前は、ほとんど労務単価の動きはなかったわけですから、建設業界のパラダイムシフトといっても良いかもしれません。もともと建設業就業者は、55歳以上が3割以上、その中でも60歳以上が約2割といわれています。29歳以下が1割ちょっと、若年者の割合が低く、建設業界は高齢労働者に支えられてきました。その高齢労働者が老齢化し減少しいっていますので、ますます需要に対して、供給が細っていくわけです。若年入職者の確保が課題ですが、職場環境の改善は一日にしてできるわけではないので、妙案はなさそうです。
 

平成26年9月議会 一般質問しました(防潮堤をサイクリングロード・遊歩道にしたい)

一般質問 
7番 吉田実貴人
3. 防潮堤をサイクリングロードにする提言
http://www.mikito.biz/archives/36255981.html  
Jitensha2
黒字:吉田の発言・質問、青字:執行部からの答弁  動画:http://youtu.be/caaenocK5rU

現在、いわき市の海岸線沿いに防潮堤の建設が進められております。高さは水面から7.2mであり、住宅地からだけでなく、海岸線沿いの道路からも海が見えなくなってしまうという危惧が寄せられております。
 
(1)  これまでの取組みについて
ア    市内のサイクリングロードの整備状況
まずこれまでの市内のサイクリングロードの整備状況を伺います。

(土木部長答弁)市内のサイクリングロード、いわゆる自転車道路網の整備状況につきましては、既存の幹線道路や河川堤防などを有効に活用した自転車整備網の構築を目指して、平成10年度にいわき市自転車道路網整備計画を策定しております。その中で重点路線に位置づけられた新川・夏井川ルートや海岸線ルートなどの8ルートの自転車道路網のうち、新川・夏井川ルートにつきましては主に二級河川新川や夏井川の堤防を利用して、両岸の延長約28kmの整備を平成22年度までに行なったところでございます。
 
イ    サイクリングロードの整備目的
その整備目的を伺います。
 
(土木部長答弁)自転車道路網の整備目的といたしましては、自転車の利用を促進することにより、自動車の利用を促進することにより、自動車交通の減少が図られ、交通渋滞の緩和に寄与するとともに、自然環境への負荷が小さいまちづくり、いわゆる自然共生社会の形成に役立つこと、更には、自転車を活用しながら健康の増進を図ることや、最近増加しているサイクルスポーツ愛好者に活動の場を提供することなどでございます。
 
ウ    現在の維持費用
サイクリングロードに対する現在の維持費用を伺います。
 
(土木部長答弁)自転車道路の維持管理につきましては、新川・夏井川ルートの場合、既存の道路や河川堤防を活用していることなどから、それぞれの施設管理者によって維持管理が行なわれているほか、河川愛護団体等の有志の方々によりましても、除草やゴミ拾い等のボランティア活動を通した維持管理への協力を頂いている状況にあります。
 
サイクリングロードに対して、特段の維持費用がかけられていないということがわかりました。ぜひ現在の夏井川・新川サイクリングロードを実際に歩いてみていただきたい。途中でとぎれている箇所もありますし、路面の陥没や起伏によりつまづきやすくなっている箇所があります。健康の増進やサイクルスポーツ提供等の整備目的の効果が半減しています。きちんとした予算をとり維持整備していただきたく、要望したいと思います。
 
エ    今後の整備計画
ぜひ防潮堤を市民が海を見ながらてくてく散歩できる遊歩道、海をみながらぶらぶら自転車で走れるサイクリングロードとして整備していただきたく、今後の整備計画を伺います。
 
(市長答弁)今後のサイクリングロードの整備計画につきましては、残る7ルートのうち、本市の魅力ある沿岸域を活用した海岸線ルートの実現に向け、新たな防潮堤や防災緑地の整備を進めている、国・県の関係機関と協議を進めて参りたいと考えております。また整備計画の立案に際しましては、歩行者や自転車利用者の安全性を確保した上で、既存道路から防潮堤への円滑な乗り入れが可能となるよう、スロープを設置するなど、沿岸域に立地する観光施設等を結びながらより魅力あるルートとなるよう取り組んで参ります。
 
当初、防潮堤の利活用について通告しておりましたが、ただいまの今後の整備計画の答弁に内容が含まれておりましたので、質問は割愛いたします。
 
自転車が利用できるためには、どうしても既存道路から防潮堤へスロープが必要ですし、できれば複数のトイレや駐車場があると、市内遠方からもしくは市外の方にも使いやすくなり、海を見て楽しむ機会も増えるのではないかと思います。いわき市の防潮堤は30km近くに及び実現すれば全国屈指のサイクリングロードになり、復興の大きな起爆剤になります。美しいいわきの七浜をみながらサイクリングということで、市民のなかにはすでに(仮称)「いわき七浜サイクリングロード」と名付けている方もいらっしゃるそうです。
 
また11月2日にツールドいわきという自転車イベントが開催されます。募集は800名でアクアマリンパークがスタート、ゴール地点で120km 60km 30kmのコースをファンライドします。私も自転車に乗りますが、いわきには自転車好きは相当数いらっしゃると実感しています。そういった市民のためにも、ぜひ意を持って取り組んでいただければと思い、私の質問を終了します。ご静聴、大変ありがとうございました。
 
IMG_7850

平成26年9月議会 一般質問しました(市の人財への研修投資)

一般質問 
いわき市議会議員
7番 吉田実貴人
IMG_7799
黒字:吉田の発言・質問、青字:執行部からの答弁  動画:http://youtu.be/caaenocK5rU
市職員研修は、職員の基礎的能力維持と、さらなる能力開発を行なうため複数の研修メニューが用意されておりますが、震災後、業務が繁忙となり研修が後まわしになってきたということがあります。
 
(1)  過去の研修実施回数について
ア    職員研修実施回数の推移
まず職員研修実施回数の過去5年間の推移を伺います。
 
(総務部長答弁)職員研修につきましては、各職階に必要とされる基本的な知識を習得するために実施する「基本研修」や専門的・実践的な知識を習得するために実施する「特別研修」の他、先進的でより高度な知識や技術等を習得するために研修専門機関や先進自治体等へ派遣する「派遣研修」により構成されております。これら職員研修全体におけます過去5年間の修了者数につきまして、延べ人数で申し上げますと、平成21年度は112課程2,412人、平成22年度は126課程2,762人、平成23年度は23課程1,169人、平成24年度は96課程2,482人、平成25年度は104課程2,723人となっております。
 
やはり、震災直後の平成23年度には研修回数が激減し、その後回復基調にあることがわかりました。
 
イ    派遣研修実施回数の推移
職員研修の多くは市庁舎内での座学ですが、派遣研修は、主に市外に出て、外部講師等から研修を受けるものであります。市内に閉じこもるだけでなく、井の中の蛙とならぬよう、市外からの視点を持つことは極めて重要と考えます。そこで派遣研修実施回数の過去5年間の推移を伺います。
 
(総務部長答弁)「派遣研修」は高度化・複雑化する行財政運営に的確に対応できる職員の育成を図るため、外部の研修専門機関等へ職員を派遣し研修するものであり、過去5年間の派遣者数につきまして、延べ人数で申し上げますと、平成21年度は79課程116人、平成22年度は84課程123人、平成23年度は13課程17人、平成24年度は51課程76人、平成25年度は57課程82人となっております。
 
ウ    国内行政実務調査研修への派遣者数の推移
派遣研修の中でも国内行政実務調査は、他の先進自治体へ派遣され先方の職員として、他自治体の先進業務を学んでくるものです。同じ地方公務員であっても他の自治体との違いを体感することは、いわき市の業務をしていく上で極めて有用だと思います。国内行政実務調査研修への派遣者数の過去5年間の推移を伺います。
 
(総務部長答弁)国内行政実務調査研修は、派遣研修の一環として、本市以外の公共団体等に職員を派遣し、市の行政課題の解決やプロジェクトの推進等に資するため、調査研究を行なわせるもので、過去5年間の派遣者数につきましては、平成21年度は14件26人、平成22年度は15件25人、平成23年度は1件1人、平成24年度は17件25人、平成25年度は15件29人となっております。
 
(2)  今後の研修への取組みについて
ア    今後の人材育成の方針
市職員の離職率は民間企業に比べて極めて低く、多くの職員は定年まで市のために調べ、考え、施策を実行しています。優秀な職員人材を揃えることは、これすなわち、人づくりはまちづくり、いわき市民全体の利益となります。特に離職率が低いということは、研修投資が全くムダになりません。若いときに受けた研修がその後の市役所人生にずっと役立たせることができ、極めて有効です。ぜひ若い市職員ほど、積極的に外部に出し研修していただき、市の財産すべく、今後の人材育成の方針を伺います。
 
(市長答弁)職員研修は、市民全体の奉仕者としてふさわしい品位と識見を備えた有能な職員を養成し、市政の円滑な運営に資することを目的としており、本市では「いわき市人材育成基本方針」に基づき、毎年度、職員研修計画を定め、体系的かつ効果的な実施に努めているところであります。なかでも「国内行政実務調査研修」は、本市以外の先進的な公共団体等に職員を派遣し、特定の政策課題等について調査及び研究を行なわせることにより、これまでも、職員の視野の拡大や能力の開発に資するとともに、併せて、行政施策の推進にも大いに寄与してきたところであり、実効性のある大変重要な研修であると認識しております。このようなことから、現在、震災からの復興期にはありますが、今年度は派遣する職員枠を増やすなど、その充実に努めてきたところであります。
今後につきましても、本市の復興や将来のまちづくりを担える人材の育成に向け、時代の要請に応じた職員の能力開発・向上が可能となるよう、不断に研修体系や研修手法を見直しながら、職員研修全般にわたり、その内容の充実・強化に努めて参りたいと考えております。
 
IMG_7839
 

平成26年9月議会 一般質問しました(地域医療の改善の提案)

一般質問 
7番 吉田実貴人
IMG_7825
黒字:吉田の発言・質問、青字:執行部からの答弁 
動画:http://youtu.be/caaenocK5rU
 
いわき市議会清政会の吉田みきとです。先日2014.8/9.8/10の2日間にわたって「いわきの医療・まちづくり公開シンポジウム」を開催致しました。一般市民だけでなく、市職員、医療関係者の方々にも多数、足をお運びいただき、誠にありがとうございました。そこで、医療関係者の懸命の努力によって、いまのいわきの医療がぎりぎりのところで支えられているということを、あらためて認識しました。市民を代表して、医療関係者各位に対して感謝申し上げたいと思います。また講演者だけでなく市内外から30名もの方に、貴重な提言をいただきご寄稿集としてまとめましたので、ご関心のある方は私までご一報いただければと思います。では以下、通告順にしたがって一般質問を行います。
  
いわき市で経営している磐城共立病院は、現在建物の建替えが検討されております。建替えにあたっては莫大な費用がかかるとともに、多額の税金投入、多額の市債発行という将来世代の負担が発生することから、極めて慎重な判断が求められます。先日の医療シンポジウムにおいても、震災後の浜通りの医療を支援して下さっている東京大学の上昌広教授が、明確に「いわきの医療をよくするためには、人材育成が第一で、300億円もかけて磐城共立病院を建て替えてはならない。極めて反対です」と主張されておられます。
 
(1)  勤務医師数不足の現状について
ア    共立病院の勤務医師数の推移
地域医療は、医師と看護師が主要な役割を担っています。そこで磐城共立病院に所属する常勤医師数の推移をお伺いします。
 
(共立病院事務局長答弁)共立病院における各年度4月1日現在の常勤医師数につきましては、平成17年度141名、18年度141名、19年度130名、20年度121名、21年度119名、22年度112名、23年度111名、24年度110名、25年度114名、26年度114名となっております。
 
10年前には140人以上所属していた勤務医が、30名近く流出していることがわかりました。これはこれまでの医師確保・医師招聘の施策が結果として効果的に機能してこなかったことを示していると思います。
 
イ    医療行為過失時の担当医師の責任免除の仕組み
医師流出の遠因のひとつとなっていると考えられるのが2004年に起きた、福島県立大野病院産科医逮捕事件です。かいつまんでお話しすると、出産時の医療行為により妊婦が死亡し、産婦人科医個人が責任を追及された事件です。注目されたのは警察の取り調べにより、医師に手錠がかけられたことです。医師個人の刑事責任は問われなかったものの、病院・地方自治体が、医師を守る姿勢に欠けたことが、今日まで医療関係者のみならず、医療法務を学ぶ医学生に深く語り継がれております。これが、福島県・産婦人科・勤務医に対するスティグマ、汚名となっているところがあります。私は、地方自治体がそのスティグマを払拭するような姿勢を、医学界・医学生に対して積極的に見せることこそ必要なのではないかと思います。そこで、医療行為過失時に医師個人が刑事責任に問われないよう医師を守る仕組みが共立病院にあるのか伺います。
 
(病院事業管理者答弁)当院では、標準的な診療ガイドラインに基づき、適切な医療行為を提供するとともに、医療安全管理指針等に従って医療事故の防止に努めているところであります。しかしながら、医療行為においては、常に事故の発生する可能性があることから、そのリスクについて、事前に患者及び家族に説明し納得をいただいたうえで、医療行為を実施しているところであります。
また医療事故が発生した場合は、患者及び医療安全管理委員会において事故原因を精査し、情報を共有することで再発防止を図っているところであります。なお、医療行為に関連して患者が予期せず死亡した場合、医療事故の原因究明と再発防止のため、第三者機関への届出と院内調査をすべての医療機関に義務づけた「地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律」が公布され、現在、国において来年10月の運用開始に向けた届出基準等の指針が検討されておりますことから、その内容について注視して参りたいと考えております。
 
医師を守るというポリシーを明確にもって進めて頂きたいと思います。
 
ウ    医療行為過失時の法務対策
医療行為には、患者の体への侵襲、すなわち一定のリスクが必ず伴います。医療事故は確率として必然的に起こりえます。医師を守るため、医療行為過失時に医師個人に対して損害賠償請求された場合など、何か共立病院として対策等に取り組んでいるのか伺います。
 
(病院事業管理者答弁)当院が実施した医療行為に過失が生じたことによっって、患者の身体に障害等を発生させてしまった場合においては、担当医師個人のみの責任とすることなく、病院全体として、その責任を負う必要があるものと考えております。このような場合においては、担当医師はもとより、病院長や上席医師が一体となって患者や家族の皆様に対し、誠意をもって十分な説明や謝罪を行なうほか、与えた損害の賠償についても適切に対応しているところであります。
 
ぜひいわき市は医師や看護師の職業をリスペクトし大事にする自治体だということをアピールできるよう、意を持って取り組んで頂きたいと思います。
 
(2)  建て替えにあたっての課題について
磐城共立病院の建替えは、市議会において全体の予算承認はまだなされていないものの、現在、いわき市と大成建設との間で工事契約の交渉中と伺っております。
 
ア    本体工事費の物価スライド変動の見込み
工事契約には、物価スライド条項が盛り込まれる予定です。これは、契約金額にかかわらず、その後の建設物価が高騰した場合においては、その割合に応じて自動的にオートマチックに契約金額が増加するというものであります。そこで、本体工事費の物価スライド変動の見込みを伺います。
 
(共立病院事務局長答弁)先の震災以降、各地で復旧・復興事業が進められる中、建築資材や労務費が著しく高騰しており、当面は、こうした傾向が続くものと見込まれます。
 
物価スライド条項によって、場合によっては工事費が青天井に膨らむ可能性があります。現在、頂いている資料によれば、現段階での総工費は343億円ですが、さらなる建設物価の高騰は市民負担の増加をもたらします。仮に1割増えれば30億円、2割増えれば60億円です。平成30年度前後には、労災病院の建替えも見込まれており、建設需要の逼迫は明らかであります。
 
イ    病院債の発行見込み金額
次に、病院建設にあたって、物価スライドによる事業費変動を踏まえた病院事業債の発行見込み金額を伺います。
 
(共立病院事務局長答弁)病院事業債の発行見込金額につきましては、物価スライド等による事業費の変更や各種補助金等の状況により、変動することとなります。
 
物価スライド前の段階で、270億円。ざっくりいって市民一人あたま約10万円弱の負担です。あなたもあなたもあなたも、そしてあなたの子どもも、孫もそれぞれ10万円の借金をすることになります。本当に市民は自分のこととして納得しているのでしょうか。
 
ウ    工事期間中の外来用駐車場の数
工事期間中は、現在の駐車場が建設予定地もしくは工事車両向け用地となり、原則として外来用の駐車場がなくなります。そこで工事期間中の外来用駐車場の数を伺います。
 
(共立病院事務局長答弁)事業者からの提案によりますと、工事期間中の各年度末における敷地内駐車可能台数につきましては、今年度末で約90台、平成27年度末及び平成28年度末で約110台、平成29年度末で約270台とされており、工事の進捗にあわせて順次増加し、最終的には約1,120台分が確保できる見通しとなっております。この間、病院利用者には、ご不便をお掛けしますが、近傍地に病院利用者専用の臨時駐車場を確保し、病院との間でシャトルバスによる運行を図るなどの対応を図って参りたいと考えております。
 
ご回答のとおり、現在約540台ある敷地内駐車場が激減し、数分の一の規模になります。現在でも駐車場待ちが発生している外来が、さらに通院が著しく不便になります。
 
エ    近隣の臨時駐車場からピストン輸送による所要時間
駐車場不足解消のために、工事期間中は敷地外の離れた場所に、臨時駐車場を用意し、病院との間にバスで外来患者をピストン輸送する計画と伺っております。そこで臨時駐車場からバスによるピストン輸送による所要時間の見込みを伺います。
 
(共立病院事務局長答弁)現在、臨時駐車場と病院間を結ぶシャトルバスの詳細な運行方針について検討を行なっているところではありますが、現時点におきましては、シャトルバスによる移動時間が片道約5分、乗降時間を含めると、片道約15分程度を見込んでおります。
 
通院には当該所要時間の純粋な増加のみならず、乗り降りに要する体力等も必要になります。雨や雪等の悪天候の際には通院困難となることも想定されます。
 
オ    工事騒音と粉じんの影響
工事期間中は、杭やパイルの打ち込み音、工事車両の出入りによる粉じんが発生します。これらは入院患者にとって、良いはずはなく明らかに入院環境の悪化となります。そこで、入院患者への影響を伺います。
 
(共立病院事務局長答弁)工事に伴い、一定程度の騒音や粉じんが生じますが、その影響を可能な限り低減するため、万全の対策を講じて参る考えであります。事業者からの提案によりますと、工事の実施にあたりましては、騒音対策として国土交通省認定の低騒音・低振動型機械の採用や建設機械稼働時に騒音発生源となる動力装置部分の周辺等への防音シートの設置により、騒音の低減を図るとともに工事中の騒音・震動を常時モニタリングし、一定レベルを超えた騒音等が発生した場合には、直ちに工事を中止し、是正を図るなどの措置を講じるとされております。また、工事車両の粉じん対策につきましても、ハイウォッシャーによるタイヤ洗浄や場内散水などの措置を講じるとされております。
 
入院中の患者は一日中、ベッドで寝ています。敷地内を工事車両が走り回る病院よりも、静かな病院で安静にしたいという患者も多いのではないでしょうか。
 
カ    建替期間中の病院経営の経営見込み
建替え期間中は、外来用駐車場の減少に伴う外来患者の減少、入院環境の悪化に伴う入院患者の減少が起きます。現病院の医業収益から医業費用を差し引いた医業損失は、過去10年間累計で約200億円でありますが、平成26年度から平成28年度までの病院事業会計の収支見通しをお示しください。
 
(共立病院事務局長答弁)当院におきましては、今年度の診療報酬改定を踏まえ、諸般の影響を的確に見極めながら、現行の中期経営計画のローリングにより、今年度中に、平成28年度までを計画期間とする新たな中期経営計画を策定することとしており、その中で収支見通しを予定しているため、現段階で示すことは困難であります。
 
工事契約締結が迫っているこの時期に、市民の代表である議会において、経営の見通しをお示しいただけなかったことは残念です。ただ経営の収支予測がない中でのプロジェクトを進めることについて違和感を感じます。
 
キ    医療機器のリース契約
いただいている資料によれば、基本計画で48億円を予定していた医療機器の金額が、23億円に減額になっています。医療機器の一部をリース契約とした考え方について、伺います。
 
(共立病院事務局長答弁)医療機器をリースすることにより、将来の医療技術の高度化を見据えた経済耐用年数に応じ、リース期間を設定して最新鋭の機器の活用が可能となることから、現時点において、一部の医療機器の調達方法として想定しているところであります。
 
一般的に医療機器の購入にあたっては、複数のメーカーから相見積もりを入手し、一定の値引きを引き出すことができますが、リース契約においてはそのような値引きが期待しにくくなり、結果として総コストの増加を招きます。またイニシャルだけでなくランニングコストも含めた、ライフサイクルコストの観点が必要と考えます。
 
ク    追加的な費用について
追加土地買収費やシステム投資予算が、343億円に含まれておりません。今後さらなる隣地を購入していくときに、さらに青天井で事業費が拡大するおそれがあります。別途対応としている用地取得費やシステム調達について、どの程度の事業費なのか伺います。
 
(共立病院事務局長答弁)用地取得にあたりましては、土地の有効性を吟味すると友に、補償物件について個別に調査し、用地交渉の推移も見極めながら、その都度対応を検討していくこととしておりますことから、現時点において、具体的な事業費を申し上げることは困難であります。また医療情報システムのうち、既に導入済みの電子カルテシステム等については、昨年度に更新したことから、新病院への移設により対応することとしております。
 
その都度対応を検討していくとのことですが、病院完成までいくらかかるかの追加コストが不明というご回答をいただき、大変驚きました。
 
ケ    病院運営スタッフについて
現在の磐城共立病院には、病院事業管理者を筆頭に、市の行政職員、勤務医114名、そして看護師620名他が所属しております。これらのスタッフは、市職員という身分保障も含めて全員新病院に移行するという考えでよいかお示し下さい。
 
(共立病院事務局長答弁)現在当院で採用している医療スタッフにつきましては、基本的に全員、新病院に移行いたします。
 
経営形態・医療スタッフ・職員ともそのまま、横スライドするということは、外側の建物は新しくなっても、中身は一緒ということがわかりました。では新病院開院後の収支見通しの中で、医師数をどのように見込んでいるのか、伺います。
 
(共立病院事務局長答弁)新病院開院後の収支見通しにおける医師数につきましては、10人程度増加したものと仮定し、試算しております
 
医師10名増の仮定とのことですが、その医師の招聘に向け、今後どのような取組みを行なっていくのか、伺います。
 
(共立病院事務局長答弁)医師招聘につきましては、これまで、連携大学院の開設や、寄附講座からの派遣により、常勤医師の確保に努めるとともに、新病院建設に係る情報等を発信しながら関連大学医局等への働きかけを行なったきたところであります。今後におきましても、臨床研修医を含めた常勤医師や診療応援医師の確保に向け、私や病院長が先頭に立つことはもとより、市長とも適切な役割分担を図りながら、さまざまな機会をとらえ、国・県、さらには、東北大学や福島県立医科大学を初めとする関連大学の医局や、関東方面の大学医局等に対する働きかけを行なうほか、臨床研修病院として医学生への情報発信に努めて参ります。
 
ご回答は前の議会での答弁の一緒で、「国・県・関連先と緊密に連携をとって進めていく」という他者依存的で非常にジェネラルな回答です。現実としてそのようなことはこれまでもやってきたことで、その結果が10年間で30名の医師流出を招きました。現在、共立病院においては常勤医が不在の診療科が6科あると伺っております。小手先の対応では解決に至らず、新病院開院時にやはり医師が不足しているという状態を強く危惧するものであります。
 
コ    デザインビルド事業者選定委員会の役割
当初公募は、複数会社の提案により、競争原理が働き、よりよい提案内容を見込んでいましたが、大成建設1社のみの応募となり非常に残念であります。そこでデザインビルド事業者選定委員会の役割が重要になってきますが、あらためて同委員会の役割をお示し下さい。
 
(共立病院事務局長答弁)新病院デザインビルド事業者選定委員会につきましては、新病院建設に係るデザインビルド事業者を公募型プロポーザルにより、厳正かつ公平に選定するため設置したものであります。これまで、同委員会においては、公募型プロポーザルの募集要項の作成をはじめ、参加表明者に係る資格審査を行なう第一次審査及び技術提案内容の審査を行なう第二次審査を通じ、最優秀提案者を選定し、あわせて、審査における講評や附帯意見などを取りまとめた審査結果報告書を作成し、病院事業管理者に報告していただいたところであります。
 
デザインビルド委員会の残念な点は、議論が市民に非公開であったことです。公開プレゼンテーション時においても、市民からの質問の機会は設けられませんでした。
 
サ    将来の用途拡張性
現在の共立病院の敷地は約7haです。いわき市が保有する21世紀の森公園の29haや金成公園の60haから比べると敷地狭小であります。市民が新病院に期待するところは、建物自体が新しくなるだけでなく、将来的な、敷地内の研究機関や、老齢者向け居住施設、介護施設等の併設があります。看護学院の敷地内建設など、将来の用途拡張性についてお示し下さい。
 
(共立病院事務局長答弁)現時点におきましては、新病院本体の拡張スペース以外の新たな用途拡張は想定しておりません。
 
せっかくの数十年に一度の新病院計画において、大規模な国の研究機関の併設等将来の用途拡張性をお考えになっていないことは残念であります。
 
シ    公共事業の景気変動調整機能について
市民から徴収した税金の使い道、すなわち財政には、資源配分機能、所得の再配分機能、経済の安定化機能の3つの役割があります。このうち経済の安定化させるための公共事業の景気変動調整について伺います。
 
(財政部長答弁)公共事業につきましては、市民生活に不可欠な社会資本を整備し、魅力あります地域社会の形成を図ることを目的としておりまして、さらに、不況時においては経済対策の一環として、公共事業を拡大することが景気を刺激する施策の一つと考えられております。
 
地方自治体は、不況時に公共事業を実施することで経済の安定化を図ることができます。市民病院建設も公共事業です。なぜ建設業界が活況を呈しているこのタイミングで、この場所に建替えなのでしょうか。市民に対してこれまで直接、丁寧な説明がなされたことがありません。平成30年を目標にお隣の労災病院の建替えが計画されています。病床数717床の磐城共立病院と、病床数406床の労災病院、すなわち地域1番店と2番店が同時に、工事に入ることで市民にとってのメリットがあるのでしょうか。震災後、建設費が高騰している状況で建替えを決断するのは市民の税金の有効な使い方といえるのでしょうか。数年前の現病院建物の耐震化工事の支出3億円はどのような効果があったのでしょうか。これまでのいわき市による経営は、過去10年間累計で約200億円の医業損失を発生させてきました。新病院の収支見通しにおいても毎年、20億円から30億円の経常的な医業純損失が見込まれています。その経営を今後もずっと何十年も続けるのでしょうか。新病院建設のために市民ひとりひとりに約10万円の借金を背負わせて市民病院を作るという、市民との合意形成は、まだまだなされていないと思います。ぜひ市民への丁寧な説明と合意形成の場を設けて頂くことを要望して、次の質問に移ります。
 
(3)  入札不調時の対応、ここでは契約締結不調時の対応について
現在、優先交渉権者に指定された大成建設との間で、契約内容の交渉中と伺っております。その意味で詳細は予断できない状況にあり、工事金額や工事期間について流動的だという認識であります。
 
ア    県補助金受給のための充足要件(完成期限)
今回建替えにあたって、福島県地域医療復興事業補助金78億円を受給する前提の計画と伺っておりますが、同補助金の期限的な要件について伺います。
 
(病院事業管理者答弁)福島県地域医療復興事業補助金につきましては、福島県浜通り医療復興計画・第2次の位置づけに基づき、交付することとされております。同計画につきましては、当面、平成27年度までを計画期間としておりますが、地域の医療需要の変化が見込まれることから、こうした状況の変化を踏まえ、柔軟に対応を図ることとされておるところであります。
 
イ    充足要件を満たさない場合の対応
同補助金の期限的な要件を満たさない場合の対応について伺います。
 
(共立病院事務局長答弁)福島県地域医療復興事業補助金の前提となります福島県医療復興計画の計画期間の延長に向けましては、これまでも、市長を先頭に、国・県に対し、働きかけを行なってきたところであります。今後におきましても、様々な機会を捉えて、要望活動を行なうなど、同補助金の確実な確保に向け、積極的に取り組んで参りたいと考えております。
 
補助金を受給できなかった場合は、単純に市が単費、すなわち市の負担、ひいては市民の負担となる可能性がないわけではないと理解しました。
 
(4)  医師・看護師不足に対する対策の道筋について
ア    手厚い看護体勢の有用性
東京大学医科学研究所の児玉有子看護師と森田知宏医師の調査によりますと、病院内に教育レベルの高い看護師が多いほど、外科患者の死亡率が低いと報告されています。このような医療スタッフの充実による手厚い看護体勢の有用性について、どのようにお考えか伺います。
 
(保健福祉部長答弁)看護師の配置数を増やすなど、手厚い看護体制を整えることは、きめ細やかな看護や、医療安全管理などの面において看護の質の向上につながり、患者サービスの向上が図られることから、有用性は高いものと考えております。
 
病院の患者満足度が高い筆頭に、東京築地の聖路加国際病院が上げられます。アンケートによれば9割を超える患者が「満足」しているそうです。聖路加国際病院は病床数520に対して、看護師数700名を配置しており、このことが非常に高い患者満足度につながっています。もちろん聖路加国際病院は私立の病院であり、共立病院のように一般会計からの税金投入等はなされておりません。病院の収入の多くは、全国一律の診療報酬単価で定められており、すべての病院経営に公平です。ぜひ経営改善し、市民の医療の質と量の向上につなげていただきたいと思います。
 
イ    既存看護学校の定員増の支援の見込み
現在、医療現場の看護師の数が足りていません。福島労災病院でも数十人単位で、看護師が不足しています。そのせいで医療現場の看護師は多忙となり、その献身的な姿には頭が下がります。その要因のひとつは市内の看護師養成校の入学枠の少なさです。現在、市内には3校の看護師・准看護師養成校がありますが、その入学定員合計は165名です。一方、入学希望者数は過去5年間の平均で約340名です。すなわち170名以上が看護師になりたくても入口でお断りされているわけです。入学定員を増やし、市内医療機関に勤めていただくことが看護師不足解消への一歩となります。そこで既存看護学校の定員増の支援の見込みを伺います。
 
(保健福祉部長答弁)看護学校の定員増につきましては、現時点において、具体的な情報はありませんが、今後、そのような考えが示された場合には、卒業生の就職状況や、地元への定着状況を勘案したうえで、支援の必要性について判断して参りたいと考えております。
 
ウ    看護大学の新設への支援の見込み
実は、市内の看護師・准看護師養成校の卒業生は、必ずしも市内医療機関に就職していません。すなわち一定数が卒業後、さらなる上級資格を目指して市外へ進学しています。その数は、平成23年で31名、平成24年31名、平成25年で39名です。彼ら彼女らの受け皿になるためには、市内に上級の学校、例えば准看護師から看護師になるための学校、もしくは4年制の看護大学・学部の設置があります。いわき市としてそのような上級の学校設置への支援の考えを伺います。
 
(保健福祉部長答弁)看護大学又は看護学部等の新設につきましては、現時点において、具体的な情報はありませんが、今後、そのような考えなどが示された場合には、本市の看護学校から看護大学等への進学の状況や、卒業生の地元への定着状況を勘案したうえで、支援必要性について判断して参りたいと考えております。
 
エ    私立医大への指定校推薦枠確保の活動
前述のシンポジウムでは、医療人材の「借り物競走」をやめ、市内で自らが医療人材を育てる長期的な取組みが、時間はかかるものの地域医療をよくするために必須だという話がでました。教育に対する投資が、市の財産になります。平成25年度の市内高校生の医科大学への進学者数は、15名です。その中では福島県立医大への進学者数は12人で突出しています。多い理由のひとつは、地域枠という県内高校生が有利な入試条件で受験できる制度のためであります。類似の制度として私立医大の指定校推薦枠という、推薦入学の方法の一つがあります。具体的には東京女子医科大学や北里大学等が実施しています。市内から医大への進学者数を増やすための私立医大への指定校、いわき市推薦枠確保する考えはあるか伺います。
 
(保健福祉部長答弁)医師の地元定着を目指して私立の医科大学又は大学医学部に、一定の入学枠を設定していただく指定校推薦枠(自治体枠)の確保につきましては、事業の具体的な内容が明確でないことから、事例の有無等について調査をして参りたいと考えております。
 
オ    私立医大生・看護学生への奨学資金貸与、支払免除の基金創設
平成24年度入試において、実は磐城高校もある私立医大の指定校枠を持っていたそうですが、昨年度は進学者がいませんでした。すなわち入学枠があるにもかかわらず、使わなかったということです。もったいない。理由は、医学部の学費が高額なためです。各高校からの回答によれば、平成25年度の市内高校生の私立医科大学への進学者は、たった2名です。国立医学部の学費が6年間で約350万円に対し、私立医学部の学費は2000万円から3000万円といわれております。その高額の学費に対して二の足を踏んでいるわけです。結果としていわき市から医学部に進学する人材が少ないという事実を生み、医師不足に手をこまねいている現状を引き起こしています。
それでは学費を市が支援して、医療人材育成をしたらいかがでしょうか。実際に埼玉県深谷市や、栃木県・新潟県等の複数の地方自治体が、医学部6年間学費ゼロの奨学金制度を実施しているそうです。東京大学医科学研究所の上昌広教授によれば、福島県の教育に対する投資は最低ランクだそうです。人への投資は必ず、市の財産となります。日本の将来は、人づくりにかかっています。自主的に市へ貢献したくなるような詳細な制度設計は別途するとして、医大生・看護学生への奨学資金貸与、支払免除の基金創設について、お考えを伺います。
 
(保健福祉部長答弁)私立の医科大学又は大学医学部の学生に対する就学支援につきましては、本市においては、市立病院医師修学資金貸与、福島県においては、地域医療医師確保修学資金貸与等を行ない、一定の条件を満たすことにより返還を免除するなど、それぞれ医師の地元定着を図るための施策を講じております。また、看護学生に対する修学支援につきましては、磐城共立看護学院修学資金貸付制度を設けているところであります。このうち、市立病院医師修学資金貸与につきましては、制度を開始した平成19年度以降5名の医師確保につながっており、一定の成果を挙げているところです。
お質しの支払免除を含む学費の貸与のための基金創設につきましては、現行制度との整合性並びに医学生及び看護学生以外の学生に対する支援との公平性の観点から課題が多いものと考えており、当面、これまでの修学資金貸与の実績や福島県立医科大学における地域枠により入学された学生の卒業後の地元への定着状況等を見極めて参りたいと考えております。
 
ご答弁の医学生に対する奨学金は毎月20万円程度のもので、学費2000万円、3000万円から比べると、桁が違います。いわきの医療をよりよくするためには、医療人材の育成が必要です。共立病院の建替えに対して400億円近い金額を出すなら、同時に、人材への投資、すなわち医療系教育機関の拡充や、私立医大生・看護学生への奨学資金貸与、支払免除の基金創設のような、より効果的な施策を検討下さるよう要望します。
 
IMG_7799
 
注)上記記載内容は、当方のメモをもとに作成したものです。正式な議事録は、いわき市議会HPの議事録検索システムから入手下さい。 

医療にたかるな 村上智彦著

北海道の地域医療に注力し、破綻した夕張市の市民病院を再生させた医師による著書です。刺激的なタイトルで、帯には、「過剰医療がこの国を食い物にしている。闘う医師が怒りの告発!」とあります。怒りの対象は行政・市民・マスコミ、さらには身内の医療関係者にも及びます。それらに共通するのは、これまでの仕組みに依存してしまい現実を直視しない、「善意だが無能な人々」です。

善意を持っている人の考え方が正しいとは限らない、むしろ間違っていることが少なくない。「地獄への道は善意で敷き詰められている(The road to hell is paved with good intentions)」、結果として善意によって、誰かをむしろ悪い方向に導いてしまうということわざがあるそうです。「わかりやすい悪」よりも「善意の間違い」のほうがはるかに恐ろしく、危険だ。

08

財政破綻し、医者が大挙逃げ出した夕張にわざわざ赴いてきた奇特な著者。その医療活動を通じてわかったことは、夕張を破綻に導いたのが「たかり体質」だということ。もちろん、夕張を破綻に追い込んだのは、甘い需要予測での「ハコモノ行政」を推進に失敗したこと。だけどその本質は、「その行政に無関心だった」夕張市民にある。破綻に導いた市長や役人を「加害者」として糾弾し、「破綻に追い込まれた夕張市民」を一方的に被害者に仕立てて同情を煽る、産炭地域に蔓延する「たかり体質」だ。そしてそんな小さな正義を応援しようとするマスコミの姿勢は、醜い。

ヴェルニー公園と小栗上野介忠順

横須賀にあるヴェルニー公園は、対岸にフランス人技師ヴェルニーが建設に貢献した横須賀製鉄所跡地が望める、フランス庭園様式を取り入れた公園です。広場を中心にフランス式花壇や噴水、洋風あずまやなどが設けられ、フランスの品種を中心としたバラが植えられています。海沿いにはボードウォークがあり、潮風の中で散歩を楽しめます。

08

横須賀本港を一望でき、係留されている艦船を見ることができます。公園から見て、右手に米海軍基地、左手に海上自衛隊地方総監部が望めます。米軍基地方面には潜水艦2隻が見えました。

49

ヴェルニー胸像のお隣に当時の勘定奉行、小栗上野介忠順の胸像があります。小栗は井伊直弼に才能を見出され,安政7年(1860)に日米修好通商条約の批准交換使節の一員としてアメリカに渡ります。その時にワシントンの海軍造船所を見学し、米国の圧倒的な軍事力を目の当たりにします。そこで小栗は自国での造船事業の必要性を痛感し、日本の軍事力強化のために製鉄所建設の準備をします。自国だけでは、オカネもなければ技術もなく建設実現は到底不可能であるため、フランスをパートナーに選びます。フランスに日本の生糸輸出を独占させる代わりにその利益を担保に金を借り受け、造船・鉄工技術を輸入しました。
 
07

造船所建設のために招聘された技師が、フランソワ・レオンス・ヴェルニーというわけです。ヴェルニーは日本各地を測量し、地形や水深がフランスのツーロン港と似ていることから、建設の場所を横須賀に決めます。小栗はヴェルニーと相談しながら「横須賀製鉄所起立原案」を作成し、漁村に過ぎなかった横須賀が急速な発展を始めます。横須賀製鉄所の完成を待たずに幕府は滅びましたが、製鉄所は新政府に引き継がれて横須賀造船所となりました。

造船や修理のために船を停泊させる設備をドライドックといいます。上野介が計画したドライドックは、2ヘクタールに及びます。これが現在の横須賀米軍基地内で、米海軍ならびに海上自衛隊の艦艇修理に使用されている6基のドライドックの原形で、今なお現役で使われているそうです。最大の6号ドックは大和型戦艦の建造ならびに修理・改造を行うことを目的として、昭和15年(1940年)に完成したドックで、現在は主として米海軍空母の修理などに使用されているそうです。

大政奉還の翌年の慶応4年(1868)、江戸幕府最後の将軍、徳川慶喜は恭順を決めていたにもかかわらず、その意見に真っ向から反対し主戦論を唱えたのが、小栗上野介忠順。結局、危険人物として全ての役職を免ぜられ、領国の上野国権田村に隠遁させられました。その後、新政府になっても危険人物と目され、小栗は捕らえられ、河原で斬首されました。一説によると、明治政府の近代化政策は、所詮、小栗忠順のアイデアのコピー、模倣に過ぎなかった。だからこそそれを知る証人たる小栗は、謀殺されなければなかった。考えてみれば、外国の軍事力に屈しないために、日本軍の近代化をはかり、製鉄所の建設や海軍・陸軍力を強化するアイデアは、既に小栗が先鞭をつけていたものです。明治政府が実行したことは、すでに小栗忠順が手をつけていたもののの再現だけという見方もできます。

実際に、小栗が作った横須賀の造船所によって、自国で造船することができる国力がつきました。「葛城」「高雄」「橋立」など多くの軍艦が横須賀造船所で造られたそうです。これら横須賀で作られた軍艦が日清・日露の両戦争の勝利に大きく貢献しました。先見の明があり、日本の近代化に大きく貢献した上野介は、幕臣のうちでも非常に優れた人物であったがゆえに、明治政府によって意図的に消されたとしか思えません。われわれ現代人の生活は、先人達の歴史や歩みに上に立っていると思います。先人達に感謝するだけでなく、次の将来人材を育成する上でも、小栗上野介忠順のような人物は、もっと評価していかなければならないと思います。
 
02

39


靴磨き@新橋第一ホテル

新橋第一ホテルでセミナーがあったのですが、早く到着してしまい、時間があまったので、靴磨きをしてもらうことにしました。ホテル1Fロビー奥に、手作り靴販売&靴磨きサービスのお店、「靴みがき本舗 Kamioka」があります。

09

基本サービスが1000円~。2000円のコースがスタンダードということらしいので、それを選択。イケメンのお兄さんが、クリーニングとシューシャインを、左右合わせて約15-20分でやってくれます。

04

さすがプロの技。光の輝きが違いました。でも普段は自分でお手入れが基本かなあ、と改めて思いました。

32

 

カロム MADE IN IWAKI 小学生と一緒に遊んでみました。

カロム、というおはじきゲームをはじめてやりました。このゲームは、ビリヤードに似た盤上ゲームで、2人ずつペアになり四角い盤の上に並んだ偏平な円筒形の玉(パック)を特定のエリアからパックと同形の自身の玉(ストライカー)を手の指で弾き、自身のストライカーに記されているのと同色のパックに当て、四隅のコーナーにある穴(ポケット)にパックを全部入れ、最後にジャックを入れるのを競うゲームです。

よくみると、ボードはなんと「MADE IN IWAKI」。いわき産です。おどろき。なんでも東日本大震災で被害を受けたいわき市に、鎌倉市内に絵本カフェを開く絵本作家中川ひろたかさんがカロムを作らないかと呼びかけたことから、いわき市でカロムを作ることになったそうです。その縁で、昨年全国大会が、いわき市で開かれたこともあったそうです。

09

さっそく、小学生と一緒に遊んでみました。要は変形、おはじき。基本ルールは簡単だけれど、試合となれば駆け引きをするため意外に奥が深いです。ビギナーズラックの言葉通り、はじいた玉が良いところにいって初勝利!何だかわからないまま、楽しい時間を過ごしました。乗せられた感もあるのですが、ゲーム時間も数分と手軽で、どこでも子どもでも老人でも遊べるので、小学校や老人ホームなどにあると楽しいかも。カロム MADE IN IWAKI、ささやかなブームの予感があります。
 
33

 

ニューオリンズジャズフェスティバル in いわき

ニューオリンズジャズフェスティバル in いわきが、アリオス中劇場で開催されました。ジャズはあまり詳しくないのですが、知人から誘われて見に行きました。結論は、、、、とても楽しかった!席は最後方だったのですが、最前列に近いほうの観客はノリノリでした。いわきに、ジャズファンって結構いらっしゃるんですね。文化度の幅広さを改めて感じました。このような、イベントが開かれるいわきという地が、精神的に豊かになっていると思います。

44

それにしてもアリオス中劇場は素晴らしい。単に照明や音響設備というハードだけでなく、なんというか醸し出す雰囲気が良い。

<いわき芸術文化交流館アリオス 長期的展望>
http://www.mikito.biz/archives/34463001.html

41

いろいろなステージ、インスツルメントあり、ボーカルの熱唱あり。あまり曲はわからないのですが、いろいろ工夫されたステージでした。

04

今回が第2回目開催とのことですが、ぜひ来年もやってほしいです。

56




 

桜丘会館 登録文化財

桜が丘高校の敷地内に磐女のランドマークともいうべき、図書館兼同窓会館の「桜丘会館」があります。この建物は2013年に国の登録文化財に登録されたそうです。素晴らしい。

桜丘会館は、皇紀2600年並びに創立25周年記念事業として、昭和13年に建られました。丸窓や欠円アーチの縦長窓などが、建設当時を忍ばせます。確かに建築様式は素晴らしいのですが、過去の大規模修繕で外壁の大部分が奇妙なピンク色のペンキが塗られていて、ちょっと威厳がありません。残念。

06

入口近くのプレートには、確かに皇紀2600年事業であることが記されています。近々、登録文化財の登録プレートを設置するそうです。先人達の歴史の上に、現代人の生活があります。高校生がそれを感じられるようなプレートをぜひ設置して欲しいと思います。

30

旧校名福島県立磐城女子高等学校、通称は「磐女(ばんじょ)」が、2001年から県立磐城桜が丘高等学校へ名称変更になり、男女共学高校となりました。もうそれから13年も経っているんですね。磐高が男子校、磐女が
女子校だった時代は、干支がひとまわりも違う昔日のことです。でも高校を男子校で過ごした私にとっては、磐女は何か特別な存在です。いまでも訪問する際に、胸がキュンっとなります。

51


中之作古民家プロジェクト 直してみんか

NPO中之作プロジェクトの建築家、豊田設計事務所 代表の豊田善幸さんを訪ねました。かつてはカツオ、サンマ漁で栄えた漁港のあるまち、いわき市中之作・江名地区。古くは江戸時代に、磐城平藩の貿易港でもありました。そこでは築200年、廻船問屋・つくり酒蔵を営んでいたという古民家の修復作業の音頭を取った方です。自転車が趣味ということもあり、「ぶらチャリ」(ぶらぶら目的なく自転車で散策すること)を提唱されています。

06

こちらが、築200年の廻船問屋・つくり酒蔵。

01

改修後は、清航館と名付けられました。字も素材も、背景もすべて直接の知人から調達できたそうです。字体も素材もデザインも、素晴らしいと思います。

13

古民家入口正面から入ったところのメインダイニング。天井が高い!よく見ると、細部の意匠デザインが凝っているのがわかります。

25

古民家には建物だけでなく、アンティークな小物も並べられています。もともとここに保存されていたモノもあるし、あえて外部調達して揃えたモノもあるとのこと。

04

2階への階段が、カラクリになっています。段それぞれに引き出しがついている。しかも幅が異常に狭い。現在の建築基準法では、階段(避難路)として認められないことは必至。その特異性もまた、この建物の魅力の一つです。

13

2階からメインダイニングを覗きました。今風に言えば吹き抜けのホールになっています。

41

2階の窓からは、中之作港が一望できます。ここから見る日の出はキレイなんだろうなあ。また昔日は、ここから港に帰ってくる漁船や回船を見たりしたのでしょうか。ひがなここで、海風に吹かれながら、のんびり昼寝したら気持ちよさそうです。夜は帳の中で、お酒を飲むのも楽しそうです。

21

実は、この建物の改装はまだ進行中。昔の工法と手作業こだわって、改装を進めており、ゆっくり時間をかけて少しずつ建物が進化していく過程が見れます。

39

細かいところですが、柱に象眼(木材などの表面に模様を彫り、そのくぼみに金・銀・貝など他の材料をはめ込むこと)が施されていました。材料は貝だと思うのですが、柱一面にその加工がなされており、江戸時代に膨大な工数がかけられていた、すなわち、贅沢がなされていたという証です。

16

入口の土間。何の変哲もない土間ですが、ガラス戸がはめられるだけで、いきなり現在風になるんですね。建築家の豊田さんだからこそできる、デザインです。

50

中之作港の様子。中之作港は、震災前はカツオ漁で賑わっていましたが、漁を自粛していました(現在は一部復活)。波が静かな港を見ていると、心が落ち着く。一方、台風の時など、ちょっと怖い気がする。こちらに住んでいる方々にとっては、日常なのでしょうが、高波や波浪などの自然現象と一体になって暮らしているんでしょうね。

06

 

反省しない。樋渡啓祐著

沸騰!図書館に次ぐ、武雄市の樋渡市長の著書です。講演DVD付。2時間くらいで読んでしまいました。7割くらい既知の内容だったのですが、さらに新たなキーワードを考案していらっしゃいました。今回は「すぐやる、攻める、そして組む」です。普段から「スピードが第一」と主張されているキーワードの発展系なのですが、具体的に、
・CCC TSUTAYA書店 × 公共図書館 = 武雄市図書館
・無印良品 × 公共ネット販売 = JAPAN SG
・花まる学習会 × 公教育 = 武雄市教育改革 のようにイメージできるから、このサブタイトルにはなるほど、です。

<沸騰!図書館は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/38410663.html

<世界最先端のリーダーシップ ~沸騰!武雄市図書館の事例から~は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/38410743.html

そして、樋渡市長の定型フレーズ「TTP(徹底的にパクル)」。さらには「完成力より修正力(間違ったら、すぐ軌道修正する)」。成功した武雄市図書館や楼門市場、花まる学習会との提携など、華やかな話題ばかり注目されますが、それまでの死屍累々たる失敗プロジェクトもあえて、公開しています。
・職員が市民を訪問する「動く市役所」は、利用者10人未満で中止
・子育て掲示板も利用者が少なく、中止
・アイスクリーム開発も失敗
・議場の勉強室貸出も利用者少なく、中止
・ベンチャー企業向けの100億円ファンド構想は、議会の反対で中止
・電子図書館MY図書館は、完全に失敗

公務員は無謬性神話がまだあるという人は多い。しかし樋渡市長いわく、「失敗は変革の必要経費」「反省しないし、分析もしない」という。それはうまくいっていない部分を嘆くより、うまくいっている部分を伸ばした方がいいということ。失敗を反省しない=短所を嘆かない=過去は死体。だそうです。

また「自分が欲しいサービスを作る」(これはスティーブ・ジョブズの受け売り)。まだDVDは見ていませんが、楽しめそうです。

45

31


 

本能寺の変 431年目の真実 明智憲三郎著

著者は、明智光秀の子孫です。明智残党狩りの手を逃れた光秀の子・於寉丸(おづるまる)の家系とのこと。その光秀の末裔がついに明かす衝撃の真実?仮説?です。本当の意味の歴史学者でなく、先祖という思い入れがあるからこそ、大胆な仮説を立て、懸命に検証するステップがおもしろい。

54

キーワードは、名門・土岐明智氏とその親族。その家系の行く末に危機感を抱いていた光秀に、家系のルーツというべき長宗我部氏を、信長の四国征伐が追い込んでいく。光秀が絶望していくタイミングで、まさに鬼才・織田信長が、最後の強敵を討ち果たすための策謀が計られる。最も信頼する部下である光秀はすべてを知り、千載一遇のチャンスにかけた。準備に十分な時間をかけ、策謀を練り、各地に手を回した。著者は自ら調べて新事実を積み重ね、日本史最大のクーデターの仮説を立てる。これこそ日本人なら誰でも知っている事件の歴史捜査エンターテイメントでしょう。

考えれてみれば、歴史の定説として教科書に掲載されているのは、いわゆる「勝者の歴史」に過ぎません。勝ったものが自らの正当性を補強するために、史実を脚色するなど、造作もなかったのでしょう。勝者の依頼で作られた歴史本などいくら読んでも真実は見えてきません。考えてみれば、調略にかけて百戦錬磨、生き馬の目を抜く戦国武将達が、単純なロジックで一族の生死をかけて行動したわけもなく、われわれの先人達は言葉通り、命をかけて人生の選択をしつづけた結果、歴史がつくられてきたわけです。その先人達の歴史の上に成り立っている現代人の生活ですから、われわれ現代の日本人はそれら先人達の想いを理解することは責務だと思います。
 
これまで習った知識や色眼鏡を捨てて、歴史の事実がなぜ起きたのかを考えてみたい。
・主君信長のために身を粉にして八面六臂の戦闘を繰り広げてきた光秀が、本能寺での家康討ち計画を利用して信長を討ったのはなぜか?
・自分の家来だった光秀が信長に抜擢されていくのを見て、細川藤孝の心中や如何に?そして下した決断とは?
・光秀との打ち合わせどおりに織田軍切り崩しにかかった家康が、光秀敗死を知ってどう動いたか?
・光秀の信長討ちを事前に知りながらも、秀吉はなぜ信長を見限り、どうやって誰よりも上を行って頂点までのし上がったのか?
・信長が警戒したとおり最終勝利者となった家康が、竹千代の元服を4年も延期して家光と命名した裏には何があるのか?
・なぜ「家」「光」なのか?家の字は家康由来としても、当時、光の字を使っている大名は限られている。
・家光の乳母とされている春日局は、明智光秀の重臣であった斎藤利三の娘。

謎解きをしていく過程が面白い。また、石谷頼辰、松井康之、杉原家次、彌介、島井宗室など、歴史上、重要視されてこなかった人物達が、実は、本能寺の変という歴史を動かしたキーパーソンであったかもしれないなど、いろいろな意味で興味深い本です。

復興庁との勉強会

国会議員のアレンジで、復興庁・総務省との勉強会を参議院会館で持ちました。

<復興庁>
・復興財源フレームでは、復興予算は全体で25兆円
・これまでいわき市には、1300億円の復興交付金が投入されている
・復興事業として、復興庁が基幹事業として5省40事業を指定。補助率8割、地方負担2割だが、1割を国庫補助、残りの1割を別途地方交付税の加算対象とすることで、実質地方負担ゼロが実現
・基幹事業に関連して効果促進事業があり、ソフト・ハード事業に使える
・福島復興再生特別措置法では、集中復興期間を平成27年度までとしているが、法の対象期間は10年間

<総務省>
・新たな広域連携として、自治体間の任意の連携協約を推進
・現在61都市が、地方中枢拠点としての候補
・福島県では、いわき市・郡山市が候補
・先行9団体がモデル都市として先行
・地方自治体が経営する病院の赤字額は桁が大きく、自治体が倒れる主要因
・一般会計から繰入れをしないと、赤字経営がほとんど

07

46


 

鉄道復権 自動車社会からの「大逆流」  宇都宮浄人著

本書は、ヨーロッパを中心に起こっている車偏重への反省としての鉄道復権の動きを紹介し、日本の交通行政に対する提言しています。都市インフラの交通システムとしての鉄道の役割とは何かを徹底的に考えています主にヨーロッパの鉄道復権の潮流を紹介しながら、日本の状況を考察した本です。

特に興味深かったのは、LRTは、単に低床の電車ということではないんですね。それに、バス、パーク&ライド等、他の交通手段との連続性を高めた、路面電車を中心とする市内交通システムのことなんですね。ヨーロッパではLRTの総合システムにより、都市の無秩序なスプロール化を防ぎ、中心市街地の活性化をめざす「まちづくり」の視点から導入されているわけです。ドイツ・スイス・フランス等だけでなく、さらにはトルコ・モロッコ・アルジェリアもLRTを導入したそうです。日本でもLRT計画を立てながら政争の具とされて頓挫した宇都宮市と、成功事例としての富山ライトレールとして知られる富山市が紹介されています。

<富山市のLRT 鉄道むすめは、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/46621859.html
13
 
この本から、初めて知ることが多いです。
・ヨーロッパでは国際的な鉄道網の大規模な再整備(増強)が計画的に進められている
・ベルリンやウイーンのような大都市の中央駅の形式が変わりつつある(終着駅型から通過交通に便利な形式へ)
・鉄道経営の上下分離(鉄道施設の所有と運行の主体が分離されていること)が進み、国際的に多くの企業が競争に参入している
・LRTによって、大都市でも中小都市でも新たな街づくりが進められている
・地方の鉄道の衰退は、黒字化という課題を与えてしまっていることが背景。そもそも公共交通に採算を求めるのは日本くらい

<ドイツ 移動交通手段>
http://www.mikito.biz/archives/33176861.html

 「自動車の台数が増えて道路が混雑するから、新たに自動車道路を作ろう」という考え方は、正しくないかもしれない。なぜなら、自動車中心社会である地方都市の公共交通が衰退し、結果として高齢者やティーンエイジャーの移動の自由を奪われるからです。

いわきにも小名浜に福島臨海鉄道という、常磐線泉駅と小名浜駅を結ぶ貨物専業鉄道があります。小名浜駅周辺には、平成28年春を目指してイオンモールが進出し、県の合同庁舎等の隣接して建設される予定です。この貨物専用線をどうにかして、旅客化し、イオンモールや官庁の勤務者の通勤手段として、またイオンモール客の移動師団として利用できないか。技術的・既存ルール的には容易ではないことは想像がつきますが、できない理由を見つけても意味がない。長期的な全体の利益を考え、まちづくりに必要な機能・インフラという視点で考えれば、鉄道復権はありではないでしょうか。実際、通勤者も買い物・レジャー客も全員、自家用車で移動してくることになれば、道路渋滞だけでなく、人数に対応する駐車場確保ができない。福島臨海鉄道と出資元には、福島県が含まれています(メインは、JR貨物)。ぜひ、大所高所から、まちづくりを考え、鉄道復権を果たしたい。 
 

ふるさといわき元気セミナー・いわき在京・地元各界交流の夕べ 創造的破壊

ふるさといわき元気セミナーが新橋第一ホテルでありました。講師は早稲田大学理事の藁谷友紀先生です。経済発展の過程の説明をシュンペーターの「経済の量的拡大」と「質的変化」を題材に説明いただきました。

藁谷先生はドイツのボン大学ご出身だけあって、ヨーロッパ系の経済学です。簡単にいうとケインズ経済学のように、(金融政策はもちろん)財政政策等で物価をコントロールするよりも、もっと本質的に物価を安定させるべきとのお考えのようです。すなわち国民の社会福祉の向上の第一を国民所得の増加と捉えるならば、Y=C+I+G+(E-M)のとおり、I(投資)の部分を、積極的な社会資本の充実に振り向けるべきという主張です。

55

通常は、過去の延長線上に沿って連続的に経済発展するが、「ある機」には非連続的に経済発展するポイントがある。それこそが東北大震災というわけです。これがシュンペーターのいう「質的変化」です。一方、その質的変化には「創造的破壊」が必要です。すなわち、既存のビジネスでうまくいっている(既得権益をもつ)既存の会社がリスクを冒して創造的破壊を行なうはずもなく、このような行動がとれるのは、起業家精神をもった新規参入者が必要ということです。まさに震災後のいわきにも、あてはまります。

00

例を挙げれば、災害公営住宅は単なる住宅建設で終わってはならない。すなわちこれからの未来につながる投資でなければならない。社会資本の充実という意味では、クラスター(ぶどうの房)の例えもされました。すなわち産業が生まれるためには、一企業で成功するのではなく、関連する企業が集まって集積して、ぶどうの房になることで成功する可能性が高くなり、その例がシリコンバレーです。新産業を起こそうというのなら、単発で企業活動するのではなく、似た企業が集まることで相乗効果がでます。

いわきの復興ビジョンについてはきびしい注文もつきました。すなわち現在のいわきの復興ビジョンは、前市長の時代に作られたモノが、粛々と使われおり、復興の進捗度もこれを用いて説明されています。しかしそれは3年前の震災直後のバタバタしている時期に作られたものであり、いわきの将来のビジョンというにはあまりに稚拙な部分もあるのも事実。ビジョンはいわきの方向性を指し示すものとして非常に重要なものなので、新市長にきちんと見直して欲しいということを、言外に何度もコメントされていました(ように感じました)。

45

セミナー修了後は、「いわき市在京、地元各界交流の夕べ」が開催。在京のいわき出身の財界人が大量に集結しました。いわき応援大使も10名以上参加下さり、大変盛り上がりました。偶然名刺交換した方が、かつての平藩の殿様のご子孫だったりするサプライズもありました。

25

 

片倉磐城製糸 (現 イオンいわき店)

ユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界遺産委員会は、「富岡製糸場と絹産業遺産群」(群馬県)を世界文化遺産に登録しました。国内で近代以降につくられた産業施設の登録は初めてです。この富岡製糸場を経営していた片倉財閥は、東京都中央区に本社を置く現在の片倉工業株式会社であり、ショッピングセンター等の不動産運営・賃貸、自動車部品等の機械製造販売、繊維製品の製造販売を行う企業です。実は、現在いわきイオン・カタクラのある場所には、富岡製糸場と兄弟の関係にある、片倉磐城製糸株式会社がありました現在、カタクラの1Fにこじんまりとしたパネル展示があります。

<朝日新聞 2014.6.21は、コチラ>
http://www.asahi.com/articles/ASG6M5Q0TG6MUCLV00F.html


<片倉磐城製糸株式会社の歴史>
1929年 平三倉で、片倉磐城製糸(株) 操業開始
1972年 ボーリング&ゴルフ場がオープン
1976年 ニューライフカタクラ平店がオープン
1995年 いわきサティ開店。
2011年 イオンいわき店へ店名変更
 
平三倉にあった片倉磐城製糸の工場。撮影時点は昭和3年。生糸を納入する市内組合の代表をしていた江尻庄作氏による全景です。片倉製紙ができる前までのいわきの養蚕業は、家庭内手工業でした。市内各地の庄屋様が自ら私財を投じて、畑を開墾し桑畑を作り、蚕を自宅の2階で育てたそうです。自ら育てた蚕・繭を収穫し、敷地内で糸にまで加工していました。片倉磐城製紙では、非効率性を解消するため、市内各地で生産される生糸を一括して買取り、効率的に一括して加工しました。その結果、会社は巨万の富を得ることになったようです。いわき市内各地から、協同組合を通じて生糸の出荷の取りまとめを行なったのが江尻庄作氏です。江尻庄作氏の子孫の江尻兼次氏によれば、三倉の片倉磐城製糸敷地内には、大きな池がありました。その後のボーリング&ゴルフ練習場には残っていましたが、ニューライフカタクラ平店に業態変更した際に、なくなってしまったようです。

片倉磐城製糸工場の遠景の写真を見ると、富岡製糸工場とまではいかなものの、兄弟工場らくし大規模でしっかりした建物群が立ち並んでいることがわかります。これが保存されていれば、いわきに世界遺産登録の可能性があったかと思うと、忸怩たる想いを持ちます。

58
(出典:養蚕神社収蔵物より)
 
25
 (出典:飯野の歴史より)
 
平三倉にあった片倉磐城製糸の工場の、貴重な内部写真。巨大な紡績機械が、見渡す限り設置されています。当時、人減らしの意味もあって市内各地から女工さんが集められたそうです。いま存命でいらっしゃったら90才もしくはそれよりちょっと上の年齢の方々です。「ああ野麦峠」もしくはNHK連ドラの「アンの花子」の主人公の妹のようですが、実際に片倉磐城製糸の待遇は悪くなかったようです。

24

30

片倉磐城製糸株式会社は,1929年に操業を開始。1930年当時は世界的な経済不況期であり,いわき地方の工業生産額も福島県統計書によれば、停滞していました。1929年当時、いわき市内で従業員100名をこえる工場は、磐城セメント四倉(従業員362)、片倉磐城製糸(同345名)、品川白煉瓦湯本(同161名)、磐陽館製糸場(108名)の4工場だけだったそうです(福島県統計書による)。
 
片倉磐城製糸株式会社の生産には生糸が必要です。その供給源のほとんどを特約店として市内各地から集めていました。その元締めが飯野村の江尻庄作氏です。納入業者の元締めとしてかなり裕福だったようで、私財で「養蚕神社」という神社を建立し、毎年お祭りを開催していたとのこと(現在は、休止中)。

12

02

江尻庄作さんの立像が、養蚕神社の下にありました。市内の生糸の納入を一手に引受けていました。南白土の山裾には、蚕に食べさせるための桑がそこかしこに植えられていたそうです。

36


内部には、協同組合のメンバーが記載された額が2枚ありました。いわき市内全域から、繭を集めていたことがわかる貴重な資料です。養蚕には桑畑が必須です。当時は市内全域に桑畑があり、飯野村も山肌に桑畑がたくさんあったそうです(現在は、放置され山林に戻っている)。

00

04

庄作氏の写真は飯野村の収穫作業の写真が残っています。これも当時の貴重な写真。庄作氏の子孫と話してこの写真からいろいろなことが読み取れました。
・撮影場所は、現在の平南白土の公民館周辺
・新川(当時は古川と呼んでいた)の堤防はなかった。当時は流量も少なかったから必要なかった。
・左手奥が、現在のイオンいわき(三倉)にあった、片倉磐城製糸の工場。巨大な煙突が見えます。
・右手奥が、現在のマルト城東店にあった、平発電所。3本の煙突が見えます。ここは磐城炭砿の所有で撤去されたのは昭和52年ごろ。

12

この写真には田んぼが一面に広がっていますが、現在は私の自宅も含め、完全な街なか住宅地となっています。つい数十年前には、養蚕が盛んな田園地帯であったことなど、現代の生活では想像もできません。このような事実を伝えていくことが、地域に対する愛着の源泉ではないかと思っています。

すき家のうな丼

すき屋で、うな牛丼にトライ。意外にけっこう肉厚で、美味しい。うな牛丼、並盛830円です。場末のうなぎ屋顔負け。ゼンショーでは、養鰻場で生きたうなぎを手作業でさばき、そのまますぐに蒲焼にしてしまい、真空パックで店舗へ配送するらしい。タレは三度付けらしい。焼き食の安全性に関しては、出荷前に11回の検査を行っているとのこと。牛丼同業の中でもキワモノ商品を出す会社と思っていたけれど、見直しました(というか、牛丼と合わせて提供する段階で、すでにキワモノなんですが)。
 
すき屋のうな牛丼の特徴は、四点。 
・生きたうなぎを手作業でさばき、そのまますぐに蒲焼にする
・蒲焼にする際に、焼き→タレつけ→焼き→タレつけという作業を3度繰り返す
・そのようにして焼きあがったうなぎをその場で真空パック
・お米は、国産コシヒカリ(らしい)

45

それにしても、「うなぎの検査は精度を高めて11回!」。養殖を始める前から店舗で販売するまで、各段階で適切な検査を行っているそうです。その数、なんと合計11回。一般的な国内養殖うなぎよりも厳しいかも。どこにも記載はありませんが、おそらく中国産のウナギなんでしょう。中国産は何でも怪しいんではないかという風評被害を未然に防止?するためか、検査精度をアピールしています。これって世界的な海洋資源の枯渇等の課題はあるものの、一企業が生き残るための経営の戦術の一手としては、ありだと思う。
 
52



 

いわきの医療・まちづくり公開シンポジウム 東浩紀氏

いわきの医療・まちづくり公開シンポジウムの開催にあたり、作家であり思想家でもある東浩紀氏にご寄稿いただきました。東氏とスタディツアーもご一緒させていただいたことがあります。「福島第一原発観光地化計画」という刺激的なタイトルの著書を出され、福島の20年後の将来の姿を提言いただいています。

<旧警戒区域に行ってみっぺ ゲンロン・ふたば商工株式会社ジョイント開催は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/39441989.html
55

 福島第一原発観光地化計画は、東京在住の作家のわたし、東浩紀が中心となって進めている一種の「呼びかけ」です。標題のとおり、二〇一一年の三月に深刻な事故を起こした福島第一原子力発電所の跡地と周辺地域を、後世のために「観光地化」するべきだ、という提言を行っています。被災地ほか、チェルノブイリへの取材も行い、昨年『チェルノブイリ・ダークツーリズム・ガイド』『福島第一原発観光地化計画』の二冊を出版いたしました。 原発跡地を「観光地化」する、という表現に驚かれるかたもいると思います。けれどもここでは「観光地化」という言葉を、事故跡地を観光客へ開放し、だれもが見ることができる、見たいと思う場所にするという意味で用いています。
 
 わたしたち日本人は、福島第一原発事故についての情報を、世界に向けて発信し、後世にきちんと残す責務を負っています。そのためには、研究者やジャーナリストだけではなく、一般市民の見学を国内外から積極的に受け入れるべきだと考えます。多くのひとが実際に福島県の浜通り地域を訪れること、それは地元の経済的復興だけではなく、無用な風評被害を阻止するのにも役立ちます。そして一般市民の見学を受け入れるとは、訪問客の誘致を、なんらかの意味での「観光地化」を意味します。ちょうど六九年前、同じように放射能で汚染された広島のようにです。原爆ドームは、いまや世界遺産に登録され、国内外から多くの観光客を集めています。原爆投下は広島市民にとって大きな悲劇でしたが、彼らはその悲劇を忘れるのではなく、記憶のうえに新しい町を築くことを選択しました。
 
 事故跡地の見学などできるわけがない、と反論されるかもしれません。しかし、放射線の危険は被曝時間と関係し、また今後除染も進むので、事故跡地への短時間の滞在は将来的には十分可能だと思われます。実際にわたしたちは、福島第一原発の二五年前、同じように事故を起こしたチェルノブイリ原子力発電所へ視察に行ってまいりました。同原発と周辺地域は、じつはいま観光客を積極的に受け入れており、またその状況は記憶の継承に大きな役割を果たしています。
 
 日本では、観光というと娯楽中心の「物見遊山」の語感が強いと思います。しかし、語源の「ツーリズム」には巡礼という意味もあります。また近年の観光学では、戦争や災害など、悲劇の痕跡を巡る「ダークツーリズム」の現象も注目されています。上記の広島をはじめ、多くの戦争遺構や災害遺構を抱える日本は、じつはダークツーリズムの先進国でもあります。原爆ドームは、広島の重要な観光資源であると同時に、核兵器の残酷さを伝える貴重な遺産にもなっています。観光は娯楽であるとともに、学びのきっかけにもなります。
 
 二〇一一年に大きな苦しみを経験した福島県浜通り地域が、あの事故を「なかった」ことにするのではなく、あの事故の「うえ」にもういちど新しいふるさとのすがたを構築するために、原発事故跡地の「観光地化」という逆転の発想は大きな示唆を与えると確信しています。ぜひ提案をご検討ください。

東浩紀氏
1971年東京生まれ。作家、思想家。株式会社ゲンロン代表。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。『動物化するポストモダン』『一般意志2.0』『弱いつながり』など著書多数。サントリー学芸賞、三島由紀夫賞受賞。

出典:いわきの医療・まちづくり公開シンポジウム ご寄稿集 
140715_シンポジウムチラシ
 

稚拙なる者は去れ 天才心臓外科医・渡邊剛の覚悟 細井勝著

「稚拙なる者は去れ」。傲岸不遜のタイトルです。自分が優れた臨床医師ということを鼻にかけ、そうでない医師を見下したようにも見えます。日本人最年少の心臓移植手術医。以前なら、なす術のなかった患者たちの命を救ってきたことから「天使の手をもつ心臓外科医」といわれる男・渡邊剛医師。国立大学医学部の教授の職を投げ打って、東京・浜田山にある個人・私立病院の設立を行ないました。先日、河内理事長のご案内のもと視察させていたきました。その渡邊医師の足跡を辿る手記が出版されたので早速読んでみました。

<ニューハート・ワタナベ国際病院は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/39233027.html

数々の心臓疾患の難手術を成功させ、以前なら、なす術のなかった患者たちの命を救ってきたことから「現代のブラック・ジャック」「天使の手をもつ心臓外科医」などと称される金沢大学の渡邊剛教授。日本で初めて「オフポンプ手術」(人工心肺を使わず、心臓を拍動させたまま行う手術。天皇陛下の狭心症手術で一躍有名になった)を成功させ、スタンダードな技術として確立すると同時に、わが国では他にできる者がいない「ロボット手術」や「アウェイク手術」も日常的にこなす人物です。血管を吻合するスピードは一般の5倍といわれる手早さ、執刀した手術の成功率は、世界一の99.5%。

若き日は、ドイツで心臓外科の父と呼ばれるハンス・ボルスト教授のもとで修行し、技術だけでなく、「人に頼るな」という教えを叩きこまれました。人に頼るなとは、権威や因習、序列、流行ではなく、自分で判断するということ。この反骨精神が、渡邊医師の生き方を貫いてきました。

「ブラック・ジャックになりたい」と夢見た少年は、世界最高レベルの医者となったいまでも、「とにかく患者と関わりたい」と、多忙をきわめながらも、手術前の患者と、その状態を知るため、直にメールでやりとりをするそうです。著書の中では、心臓疾患で悩む患者が、ネットで渡邊医師の存在を知り、紹介もなしに渡邊医師にメールを出す事例がいくつか紹介されています。渡邊医師のレスは30分-2時間と、異常なくらいレスポンスが早く、理性的かつ、温かい内容に患者は信頼感を持つようです。膨大なメールのやりとりをし信頼関係ができたところ、自らの心臓手術を渡邊医師に任せる気持ちが醸成されていくようです。

08

実際に読んでみると、スーパーマンでもなんでもない一人の医師の姿を見ることができます。
・英語・ドイツ語ができず、苦労したこと
・留学先のドイツで、イジメにあったこと
・帰国後は、金沢大学でやっかみにあったこと
・医局人事で、富山大学に飛ばされたこと
・患者のための治療よりも、保険点数に向いた治療をしている病院が多いこと
・金沢大学の教授戦では、ポジションと臨床能力が関係ないことを思い知ったこと
・手術のために、毎週のように東京・川崎・金沢等を往復する日々

このような逆境を、実力で跳ね返してきたことが、彼の行動の原点になっていると感じました。「若い頃はね、飲んだり、異性とつきあったりすることより、ストイックに働いて仕事がおもしろくならないとね。そうすればまちがいなく、どんな仕事でも成功すると思いますよ」とは、インタビュー時の渡邊医師の言葉です。

教授として金沢大学付属病院第一外科に戻った当時は、医療になれ合いのよどんだ空気が流れていたそう。母校の教室を建て直すには人心から一新しなければならないと決意し、就任直後に17条の憲章を作成しています。これは現在の、ニューハートワタナベ病院にも掲げられていました。
「医師として」
1. 一流外科医をめざし、修練を忘れず道を極める。
2. 循環器、呼吸器、脈管、消化器学の神髄を会得すべし。
3. 専門医で終わるのではなく、広い他疾患領域をあまねく勉強すべし。
4. 基礎研究を含めた他領域の一流人と交流すべし。
5. 人に患者に真摯であれ、常に患者の横にいることから良い臨床医は生まれる。

「医学者として」
6. 新たなるものに挑むとき、Lion Heart, Eagle Eye, Angels handを持って行なうべし。
7. 流行を追わずに流行を作れ。
8. 医学者として研究に勤しみ英論文を書くべし。論文は医学者としての顔である。

「医局員として」
9. 人に投資せよ、人は医局の礎である。
10. 後進にけじめを示せる先輩であれ。怠惰、狡猾、稚拙の輩は去るべし。
11. 第一外科スタッフは、Best & Brightestをもって常とせよ。
12. 良い仕事をすれば、よいPositionを得ることができる
13. 第一外科の外科医であることを誇りとし、何をしてくれるかではなく、第一外科のために何ができるかを考える。
14. 苦しいときも艱難を愛し、よろこびてこの道を前に進め。
15. 時計は逆に回せない。Goal Directに後悔しない人生を生きるべし。
16. 身分の高い人はより大きな義務を負う(Nobless Oblige)
17. 夢を持ち信じて事に当たるべし。信あらば何事も成功する。

このようなワタナベイズムは、若い医師に対しハイレベルな医師、高潔な人間になることを求め、気迫と熱情があふれています。本のタイトルにあるように「稚拙なる者は去れ」、と手厳しく、油断や慢心は許されない。その哲学者のような姿に若い医師は惹かれ、つねに学び続けたいという医師が集まります。

このような方であっても、時間や年齢は誰にも平等です。渡邊医師に執刀してもらい、この世に第2の生を受けた方々は、先生だけでなくこの時代に感謝しなくてはならないかもしれません。一方、このような医師の活動の機会を阻害されるような制度や風潮は、厳に慎まなくてはならないと、改めて感じました。

いわきの医療・まちづくり公開シンポジウム 井出恵伊子様

いわきの医療・まちづくり公開シンポジウムの開催にあたり、看護師の井出恵伊子様にご寄稿いただきました。
140715_シンポジウムチラシ

高齢化に伴い看護師への期待が広がっている。そこで新たな取り組み例として、特定看護師の事例と看護から病院経営を考える意義について報告をさせて頂きたい。
 
【特定看護師の活路】
特定看護師に係る法制度が今回の国会を通過した。この制度は医師の包括的指示の下、研修を受けた看護師が手順書に従いながら一定の判断をしつつ医行為を行うことができるもので、特に医師が不足する地域や部門での活躍が期待されている。当院では平成24年より厚生労働省の試行事業を開始、高度看護実践分野の大学院修了生を診療部に所属させ活路を模索中である。
 
(急性期病院でのニーズ)
手術や外来等で忙しい診療科では医師が日中病棟不在で、夕方に入院患者対応に当たることが少なくない。こうした毎日は医師を疲弊させるだけでなく、看護師側も夜勤帯に指示変更や処置が増加するので疲弊の原因となっている。そこで当院では脳外科に1名の特定看護師を配置、医師が手術や外来で不在の間に、検査結果を確認して患者をラウンドし、状態変化等をいち早く医師にレポートして指示を受けている。病棟看護師にとってもすぐに確認でき、医師としても1本の窓口から情報を集約して報告してくれるため、この動きは大変好評である。中規模病院では潤沢な医師採用は難しく、運営面・経営面からも助かっている。
 
(医師不足地域でのニーズ)
今春より1名を青森県六ヶ所村の有床診療所に派遣し、医師不足地域での活動を始めた。この診療所では僅かな医師で入院・外来診療の他、乳幼児~成人健診、介護施設等の訪問診療、検査読影等全てに対応しており、特定看護師の活躍の場は大きいと考える。最初に取り組んだのは糖尿病患者のフォロー。忙しい診療所では、患者教育を始め、合併症フォロー等、医師が時間をかけて患者と話す時間がない。そこでそれらを可能な範囲で特定看護師が担当し始めている。また訪問看護の立ち上げでは、iPadを持参し、気になる所見や全身状態の判断に必要な写真を送り、医師が遠隔から的確かつ迅速に判断できるよう支援を行っている。将来的にはエコーを当てられるよう訓練し更に幅広い補助が行えるようにしたい。
 
【看護から経営を考える】
現在私は管理者直轄の経営企画室で、臨床経験と経営を融合させ、病院全体の運営に関わる各種業務を行っている。特に病院経営上、収入の最大因子は「病床利用率」であり、費用で最も大きいのは「看護職員人件費」である。病床利用率は看護側の運営要素が大きく、看護職員人件費は「看護配置基準」に基づく。平成26年の診療報酬改定ではこの看護配置基準の見直しが争点となった。つまり看護が重要論点となっている。
このような背景から、昨今大学院にて病院経営と看護の関わりに関する授業を始めている。経営が現場看護と密接に関わっていたことに気付いた看護師学生は、目の色を変えて真剣に討議してくれている。こうした討議の場を広げ、病院運営を主体的に考える現場看護師を増やしていきたい。
 
【最後に】
特定看護師が支援する診療の隙間も経営課題の隙間も、1段階のスキルアップで貢献の場を広げることができる。現在こうした機会を求める看護師も増えている。この機会を各地域に創出して都会への流出を防ぎ、特に男性を中心として看護師のなり手も増やしていきたいと考えている。

井出恵伊子様
大学で医療制度を専攻後、総合病院にて7年看護師として勤務。その後経営学修士を取得、山田ビジネスコンサルティング株式会社を経て、2012年より東京ベイ・浦安市川医療センターの経営企画室にて病院立ち上げ業務に従事中。

出典:いわきの医療・まちづくり公開シンポジウム ご寄稿集 
 

愛谷町ふれあい祭り

愛谷町ふれあい祭りに参加しました。これまで秋開催だったのですが、こどもが夏休みのうちにやったらどうかということで8月に開催となりました。16:00スタートの予定でしたが、大人のほうが準備を楽しんでいるところもあり、早い方は11:00ごろから現地入りしていたとのこと。当方は14:00ごろから、準備のお手伝いに入りました。

子ども会も一緒になって、各種ゲームをやって、時間を過ごしました。
・スタンプラリー
・ヨーヨーの手作り体験
・かき氷の手作り体験
・ビンゴ

食べ物のメインは、焼きそばや焼鳥、フランクフルトの焼き物です。準備も運営もこれが一番大変なのですが、実は一番楽しい。最初の10本くらいはあまり上手に焼けない(焦げたり、落ちたり、バラツキがあったり)のですが、それ以降はかなり上手に焼けるようになり、だんだん楽しくなるのです。目の前で食べてくれた人から、これは美味しいなどの感想が聞かれるとますます、やる気になったりします。

43

個人的に楽しかったのが、こども達による「かき氷の手作り体験」です。ご家庭にある、製氷機のキューブブロックで作るかき氷とは、スケールも味も異次元です。大きな氷塊が、手回しによって削れていき、見る間にかき氷に変身していくのを自分でできるのは、子どもならずも楽しい。

14

このかき氷器の氷で、雪だるまを作ったり、缶ビールを冷やしたり、悪のりしながら子どもも大人も楽しみました。こういった遊びは、商業的な縁日ではできないでしょう。採算などまったく考えなくてよい、地域のお祭りだからできることかも。

 

子ども・子育て支援新制度の混乱

子ども・子育て支援新制度が、ヒドイ。平成27年春から、新制度がはじまりますが、4月入園の受付等はこの秋から開始されます。新制度は日本の子ども・子育てをめぐる様々な課題を解決すべく、平成24年に「子ども・子育て支援法」という法律ができたことに始まります。この法律に基づいて、消費税10%を財源として、毎年7,000億円程度が充てられることになっています。

目指すは、 子育てしやすくなるような制度設計と謳われています。
・既存の施設型給付(認定こども園、幼稚園、保育所)だけでなく、地域型保育給付(無認可保育所等の小規模保育等)へも、補助が出るようになった
・幼保連携型認定こども園の認可が、市レベルとなった
・放課後児童クラブなども支援の対象となった

しかし本当に保育サービスの質・量が向上するのでしょうか?問題は、以下の2点。
1. 現行制度にさらに屋上屋を重ねているので、複雑すぎる
既存の幼稚園・保育園に、認定こども園がさらに加わり、認定こども園の中でも、幼保連携型・幼稚園型・保育所型・地方裁量型が併存し、それだけで6種類の施設が、この世に存在することになります。
さらに地域型保育給付には、家庭的保育事業・小規模保育・居宅訪問型保育事業・事業所内保育事業の4種類が、この世に存在することになります。合わせて、10種類の子ども・子育て支援新制度。とても覚えきれない。

これら制度を作り、運用するための公務員の時間コストは莫大ですし、民間事業者が制度をすべて理解するだけの時間に対する逸失利益もとてつもなく大きい。ご存じのとおり、これらの間接コストは、すべてわれわれの税金が投入されていますが、保育サービスの質・量の向上には直接寄与しません。これらの社会的費用を直接、保育の現場へ流したほうがよい。

2. 制度を作るのと、実際に保育施設が増えて便利になるのとは、話が別。
制度を作っても、実際に保育施設が増えるとは限りません。運用次第では、まったく民間から手があがらず、子育て支援の質・量とも増えないおそれもあります。

為政者が市民をたやすくコントロールするには、「依らしむべし、知らしむべからず 」。制度を複雑にすればするほど、市民は関心がなくなり、為政者にとって都合がよいのです。かつての年金制度がそうでした。国民年金・公務員年金・厚生年金・船員年金らの複数の制度を並列させ、かつ物価スライドや保険料だけでなく、税金投入等、仕組み自体を複雑怪奇にした挙句、専門家でも自分の年金がいくらになるかわからないくらいものになりました。その結果、年金財政がいつ破たんするかも試算できず、社会保険庁の記録改ざん等の事件さえも発生してしまいました。

制度はわかりやすく、目指す理念にシンプルに向えるようにすべきです。今回の子ども・子育て支援新制度は、間違いなく、世の中を混乱させます。そのあとで、もう一度制度の見直しが叫ばれることが、すでに予見できます。
1
 

災害公営住宅への苦言

いわき市内の災害公営住宅の建設が進んでいます。市施工分が1,500戸、県施工分が1,500戸 合計3,000戸が新築されます。原則として、5階建鉄筋コンクリートのエレベータ付の、いわゆるマンションです。自宅を失った市内被災者にとっては、非常にありがたい施設であるし、用意した戸数はほぼ入居が決まったようです。基本的に、市施工分は市営住宅、県施工分が県営住宅の取り扱いですので、これまでの市営住宅・県営住宅と異なるのは、以下の点です。
 
・建設コストのほとんどが国負担
・当面の入居要件は、津波等の被災者等
・収入要件がないこと(高額納税者でも、被災者等であれば入居可)
・家賃減免制度があり、通常の市営住宅の水準よりも家賃が安い
・災害復興期間が終了した時点で、通常の市営住宅・県営住宅に組み入れられる
 
<「いわき市作町東団地」 災害公営住宅は、コチラ>
 
災害公営住宅の有用性は100%認めます。ただ、災害公営住宅の建設のポリシーに関して、苦言があります。

・建設地が市内中心部でなく、周辺部に散っていること
災害公営住宅のほとんどが、市の周辺部に建設されています。一定の規模の土地の取得が困難であったという事情はありますが、本来、人が住みやすい中心部に土地を確保し、建物は高層化して、人口密集度を高めるべきでした。そのことにより、人口減少下であっても、人と人との交流が増大し、新たなアイデアが生まれると思います。また医療や公共機関サービスも効果的に受けることができ、社会費用も少なくて済むことから持続可能な社会に近づきます。副次的ではありますが、人口集積が進めば地価も上がり、市の固定資産税収入に寄与します。地価が上がり、家賃も上がれば、高層の賃貸住宅建設も採算があってくるので、住宅供給も進みます。もちろん、自らの意思で周辺部でのんびり暮らしたいという方の自由意思は尊重しますし、それが周辺部の景観に維持等に大きく貢献することは論を待ちません。ただ周辺部のインフラ維持のための行政コストは中心部の6倍を超えるという試算もあります。ここでいいたいのは、公共がやるべき政策は、人々の自由意思を尊重しつつも、長期的・持続可能な視点を持って誘導していくべきではないかということで、震災復興に伴う公共住宅の建設地はその好機であったにもかかわらず、既存のルールに縛られてしまった。

日本創成会議・人口減少問題検討分科会からも提言されていますが、「若者に魅力のある地域拠点都市」に投資と施策を集中することが重要で、 人口減少に即応した「新たな集積構造」の構築が必要とされています。誤解を恐れずに簡単にいえば、「コンパクトな拠点」+「ネットワーク」形成。中心部に近くに住み、いわゆるコンパクトシティを実現することです。しかし市内中心部でなく、周辺部に散ってしまったら、それと真逆の施策です。
 
<日本創生会議の提言は、コチラ>
http://www.policycouncil.jp/pdf/prop03/prop03_digest.pdf
 
数年後に現入居者の何割かは自宅を建設し退去します。いったいその後に誰が周辺部のマンションに住むのでしょうか。周辺部には濃密な人的コミュニティが形成されていることが多く、ここに縁もゆかりもない他の地域の人が入ってきて溶け込むには、非常にハードルが高い。その結果、退去後にかなりの確率で空室が発生します。その後どうなるかというと、長期間空室が埋まらず、人が住まない部屋は老朽化の進行が早まります。マンションは自主管理が基本ですが、エレベータの保守費用等が住民だけで捻出できなくなり、公費で管理費を支出することが求められるでしょう。空室が一定割合を超えるとスラム化するかもしれない。割れ窓理論というのがありますが、ちょっとでもスラム化が進むと、どんどん管理衛生状態が悪くなる。その時点になってから、対策を考えても遅いのです。
 
中山間部からは、地域活性化のために災害公営住宅を誘致したい、なんて声も聞かれます。あまりに短視眼で、我田引水の主張としか思えない。それこそ数年後どころか、すぐにでも空室ができることがわかっていて建設したりすれば、将来世代から税金の無駄遣いをした戦犯、とのそしりを免れないでしょう。 

・デザイン性がなく、シンボル性がない
災害公営住宅は、誰が見てもあまりにつまらないデザインです。作業員や物資が限られ、工期が短いという点を差し置いても、せっかく大震災という1000年に一度の災害イベントに対応した復興事業なので、それに見合うシンボル性が欲しかった。実は、災害公営住宅のデザイン検討中に、災害公営住宅は高層建物とし優れた景観やデザイン等にすべきと申し入れたことがあります。その際には、既存の公営住宅のルールで作るよう国から指導されてしまい、現在の形になってしまいました。今となっては後の祭り。この建物らはつまらないデザインの存在として、将来50年にわたって我々の生活の景観の一部として存在し続けます。

本当に、「こんなのっぺりとしたモノ」が欲しかったのか?
44
 

新地方公会計実務セミナー@仙台

新地方公会計実務セミナー@仙台に参加しました。講師は、 新日本監査法人パブリックセクターの伊澤パートナーと柴田マネージャーが講師です。伊澤賢司氏は総務省の今後の新地方公会計の推進に関する研究会の委員であるとともに、IPSASB(国際公会計基準審議会)のボードメンバー。

公会計は平成12年に「地方公共団体の総合的な財務分析に関する調査研究会 報告書」が出され、普通会計のバランスシートの作成モデルが公表されてから、はや14年が経過しています。必要性は叫ばれながらも、誰の異ために、何のために会計をするのかという根本が定まらなかったことや、何をもって資産・負債・資本・収入・支出なのかという概念が二転三転してきたというのが実情ではないでしょうか。私からは、神学論争に明け暮れた10数年に感じます。

その公会計がこの1年でぐっと進展しているようです。平成26年に「今後の新地方公会計の推進に関する研究会 報告書」が公表され、基準の統一化・複式簿記・固定資産台帳が規定されました。関係者の膨大なディスカッションがあったことが想像され、頭が下がります。

49

特筆すべきは、目的を明確にしたことだと思います。公会計の目的は二つ。
・説明責任の履行
・財政の効率化・適正化 です。
特に後者は、これまでまったく活用されてこなかった財務情報を用いて、財政運営や政策形成を行うものとし、具体的には資産・債務管理や予算編成、政策評価等に有効に活用されるものとされています。言うは易し、行なうは難し、この目的を達成できるように、自治体の担当者とマネジメントの実務にどう落とし込んでいけるかが、導入にあたって最大のポイントかもしれません。

13

導入準備期間は原則3年とされています。現在が平成26年度ですから、このままいけば、平成29年度までに平成28年度(H28.4.1-H29.3.31)の財務書類を作るイメージです。ちょっと待て。開始貸借対照表を作る必要があるから、それまでに開始時点(H28.4.1)の固定資産税台帳が完成している必要がある。今がH26.8.21だから、あと1年7ヶ月しかない。本当にそれまでに、自治体の全保有資産の洗い出しをして、取得原価を確定することができるのか?目が離せません。
 
公会計は、神学論争に明け暮れた失われた10年(勝手にそう呼んでいます)を取りもどすかのように、この1年余りで進捗著しいですね。システムベンダーだけでなく、システムを使ってどうマネジメントに活かすかというコンサル会社の領域にも及びます。今後、関連するいろいろなセミナーが開かれるでしょうね。

<公会計に管理会計の発想が起きない要因は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/30294005.html 

ゲンロン 東浩紀氏 訪問

ゲンロンの東浩紀氏を訪問しました。東浩紀氏は、東京大学教養学部卒の作家・思想家で、哲学者でもあります。現在は、思想地図を刊行する出版社、ゲンロン代表取締役社長兼編集長を務めています。このゲンロンでは、ゲンロンカフェという、オープンな議論の場を提供しています。

東北地方太平洋沖地震にショックを受け、福島第一原子力発電所跡地付近の復興計画として『福島第一原発観光地化計画』を提唱している方です。実際に「福島第一原発観光地化計画」に関わる例としてチェルノブイリを実地調査し、「チェルノブイリ・ダークツーリズム・ガイド」として発刊しています。『福島第一原発観光地化計画』は、薄っぺらい言葉である「観光」という言葉を、意図的に使って、(意識のそう高くない一般人にとって)、福島にいくことがクールだ、勉強になる、楽しいといった感想を、主として関東居住者が持つようにしたい、とのご意見です。被災地はかわいそう、がんばって!という視点だけでは支援は長く続かない、というのには賛同しました。
 
<福島第一原発観光地化計画は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/34827603.html 
55

驚いたのがオフィスの内装!いったいここは芸術家の家か?と見紛う壁の装飾と内装。普段見慣れないアートも慣れると意外にしっくりくるモノ。楽しいオフィスでした。

15

29

話の流れでひょんなことから、ゲンロン様主催の被災地ツアーに参加することになりました。人のご縁は続くなあと感じました。

<旧警戒区域に行ってみっぺ ゲンロン・ふたば商工株式会社ジョイント開催、はコチラ>
http://www.mikito.biz/archives/39441989.html
 
記事検索
最新記事(画像付)
   吉田みきと Official Website

吉田みきと プロフィール

ふるさとの福島県いわき市で、市議会議員として活動しています。いわき市は、震災後、複層的な問題が山積しています。公認会計士・一般社団法人日本アンガーマネジメント協会 認定 アンガーマネジメントファリシテーターとしてのキャリアを生かし、フレッシュな視点で問題点を洗い出し、解決策を提案していきます。

ギャラリー
  • 任期満了に伴い、市議会議員の職を卒業
  • 令和2年7月議会 一般質問⑤(医師不足解消)
  • 令和2年7月議会 一般質問④(骨髄バンクドナー)
  • 令和2年7月議会 一般質問③(いわきの先人たちの顕彰)
  • 令和2年7月議会 一般質問②(仮称)磐城平城・城跡公園
  • 令和2年7月議会 一般質問①(いわき七浜海道)
  • 医者が教えるサウナの教科書
  • QVBとは
  • QVBとは
  • QVBとは
  • QVBとは
  • 人生が楽になる達人サウナ術
  • 成城学園前駅 空中庭園
  • 成城学園前駅 空中庭園
  • 成城学園前駅 空中庭園
  • 成城学園前駅 空中庭園
  • 人生を変えるサウナ術 なぜ、一流の経営者はサウナに行くのか?
  • いわき平競輪 場外食堂
  • いわき平競輪 場外食堂
  • いわき平競輪 場外食堂
  • 社長が入社式で鉋をかける理由 アキュラホーム宮沢俊哉氏
  • 言ってはいけない中国の真実 橘玲著
  • エクササイズコーチ パーソナルトレーニングジム
  • エクササイズコーチ パーソナルトレーニングジム
  • エクササイズコーチ パーソナルトレーニングジム
  • エクササイズコーチ パーソナルトレーニングジム
  • エクササイズコーチ パーソナルトレーニングジム
  • ジム・ロジャーズ 大予測 激変する世界の見方
  • 女帝 小池百合子
  • 小名浜駅跡 福島臨海鉄道
  • 小名浜駅跡 福島臨海鉄道
  • 小名浜駅跡 福島臨海鉄道
  • 小名浜駅跡 福島臨海鉄道
  • French Pound House 日本一のショートケーキ
  • French Pound House 日本一のショートケーキ
  • French Pound House 日本一のショートケーキ
  • French Pound House 日本一のショートケーキ
  • French Pound House 日本一のショートケーキ
  • French Pound House 日本一のショートケーキ
  • IKEAのスウェーデンミートボール
楽天市場
  • ライブドアブログ