著者の福田稔氏は、経営戦略コンサルティング会社の共同経営者のひとり。アパレルをはじめとする小売業のアドバイザーとして活躍されている方です。業界慣行やビジネスモデルを熟知しながらも、取引のしがらみがないので、極めてオープンに業界分析と将来を予測しています。
グローバル全体ではアパレル業界は成長しています。ただ市場の構造変化で勝ち組と負け組の格差が広がっている。海外進出ができていない国内には負け組が多い。今後、国内では服の単価も数量も減少していく。その中で生き残っていくためには、①インバウンド需要の取り込み、②越境ECの取組み、③海外出店。
アパレル業界にデジタル化の波は、いろいろな変化を起こしています。
グローバル全体ではアパレル業界は成長しています。ただ市場の構造変化で勝ち組と負け組の格差が広がっている。海外進出ができていない国内には負け組が多い。今後、国内では服の単価も数量も減少していく。その中で生き残っていくためには、①インバウンド需要の取り込み、②越境ECの取組み、③海外出店。
アパレル業界にデジタル化の波は、いろいろな変化を起こしています。
・2割の「能動的な消費者」はインフルエンサー化、プロシューマー化する
ファッションに関心が高い消費者は、影響力の大きい人物、生産活動を行う消費者となり、かつて流行を作っていった編集者やスタイリスト、販売員の役割を担う。その例が、リアルなファッション情報がある、インスタグラム。
・8割の「受動的な消費者」にはレコメンデーション機能の影響力が増す
どうやって服を選んでいいかわからない層は、EC上でのサポートやサブスクによる似合う服のレコメンデーション機能により、パーソナライズされた提示で、合理的に選ぶことができる。その例が、衣服のレンタルサービス、エアークローゼット。
ファッションに関心が高い消費者は、影響力の大きい人物、生産活動を行う消費者となり、かつて流行を作っていった編集者やスタイリスト、販売員の役割を担う。その例が、リアルなファッション情報がある、インスタグラム。
・8割の「受動的な消費者」にはレコメンデーション機能の影響力が増す
どうやって服を選んでいいかわからない層は、EC上でのサポートやサブスクによる似合う服のレコメンデーション機能により、パーソナライズされた提示で、合理的に選ぶことができる。その例が、衣服のレンタルサービス、エアークローゼット。
・お気に入りのブランドを「直販サイト」で購入する「DtoC」ビジネスモデルが増える
コアなファンを作り、自社ECサイトから直接買ってもらう、Derect to Consumer。その例が、インスタグラムで口コミを誘発したり、リアルのイベントでブランド価値観を消費者に伝える。例として、誰でも参加できるファッションコーディネイトサイト、WEARアプリ。人気のユーザーをフォローしたり、同じ服をzozo経由で購入可能。
コアなファンを作り、自社ECサイトから直接買ってもらう、Derect to Consumer。その例が、インスタグラムで口コミを誘発したり、リアルのイベントでブランド価値観を消費者に伝える。例として、誰でも参加できるファッションコーディネイトサイト、WEARアプリ。人気のユーザーをフォローしたり、同じ服をzozo経由で購入可能。
・「売り手と買い手の情報格差」がなくなり、業界人の地位と仕事が奪われる
インスタグラムやWEARアプリが、かつての流行の仕掛け人であった業界人から、優れた個人へ変化し、双方向化しつつある。インスタグラムは、ファッションに特化したものではないが、人のライフスタイル全体の価値観や流行の最先端が、スマホの中にある。
インスタグラムやWEARアプリが、かつての流行の仕掛け人であった業界人から、優れた個人へ変化し、双方向化しつつある。インスタグラムは、ファッションに特化したものではないが、人のライフスタイル全体の価値観や流行の最先端が、スマホの中にある。
・「無駄な在庫」を抱えるリスクがなくなる
ECとAIの組み合わせで、需要予測の難しさが一定レベルまで解決される。具体的には、ヒット率の向上と生産量決定の精度向上が見込める。その前提として、ブランドとしての独自性がさらに重要となる。例として、ファッションビッグデータを提供する、英エディテッド社がある。
・服づくりのデザインプロセスもデジタル化する
ECとAIの組み合わせで、需要予測の難しさが一定レベルまで解決される。具体的には、ヒット率の向上と生産量決定の精度向上が見込める。その前提として、ブランドとしての独自性がさらに重要となる。例として、ファッションビッグデータを提供する、英エディテッド社がある。
・服づくりのデザインプロセスもデジタル化する
これまでの2次元スケッチをデザイナーが行い、パタンナーが3次元化して立体化するというプロセスが、3DCAD導入により、リードタイムを短縮可能、これが競争力の源泉になっていく。すでにCLOVirtual Fashion社が3Dバーチャルソフトを提供始めている。
・「マス・カスタマイゼーション」で、「受注生産」と「大量生産」の両立が可能になる
パーソナライズされた受注生産と、低コストの大量生産が両立できるようになる。すでにZOZOスーツの登場により、自動計測されたオーダーシャツを安価に提供できる仕組みはできている。
国内アパレル業界に関する書籍は、2017年に出版された「誰がアパレルを殺すのか」等、数多くあれど、これだけの海外アパレル社に精通し、また10年先、20年先を見通す眼力は、さすが経営コンサルティング会社のパートナー。本当に、書かれていることの多くが現実化されると思いました。
<誰がアパレルを殺すのか 杉原淳一・染原睦美著は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/54456164.html
<アパレル・サバイバル 齊藤孝浩著は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/54455358.html