吉田みきと ほぼ毎日ブログ

「死して不朽の見込みあらばいつでも死ぬべし。 生きて大業の見込みあらばいつでも生くべし。」 吉田松陰・高杉晋作語録   「金もいらぬ、名誉もいらぬ、命もいらぬ人は始末に困るが、そのような人でなければ天下の偉業は成し遂げられない。」 西郷隆盛・山岡鉄舟語録

任期満了に伴い、市議会議員の職を卒業

任期満了に伴い、市議会議員の職を卒業させていただくにあたって

⚫ 市議となった理由
大学卒業後、東京の金融業界で公認会計士・ビジネスマンとして勤務していた。2011 年の東日本大震災で、与えられた命が有限かつ貴重なものであることに気づかされた。東日本大震災からの復興に何らか貢献したい気持ちで、それまでの職を辞し、2012年秋に市議に立候補した。ふるさといわきから離れて 20 年以上経っており、ほとんど無名だったにもかかわらず 2000 名を超える方々に信頼いただき、活動してこれたことに感謝申し上げたい。

活動の原点は、日本国民の税金である復興予算は、将来世代に役に立つ資産を残すために使うべきということ。スローガンは「こどもにツケを回さない」。連綿と続いてきた先人たちの活動に感謝し、次世代へバトンを渡していくこと。まちづくりには、一定数のよそ者・若者・バカ者の関与が必要。それは、東京からいわきに U ターンしてきた私の役割であり、その外部視点で市政に大胆な提案をしてきた。

⚫ 卒業する理由
数字が読める地方議員として活動し、今年 9 月に 2 回目の任期満了を迎える。復興創生期間も終わり、立候補当初の目的である経済的な復興事業は達成されつつあり、ひとつの区切りと考えている。一方、私自身この 8 年間の間に、いわきの環境に慣れてきたこともあり、よそ者でなくなってきた。40 才代から 50 才代になり、若者ともいえなくなってきた。いろいろな経験をさせていただき、必ずしも猪突猛進なバカ者ともいえなくなってきた。

市議の職務は、自らの自治体の役割や限界を知る上で得がたい職だと肌身で感じているので、いろいろな立場の方に経験してほしいと思う。議会は「男性・中年・多選」でない人でやったほうが良い。今回の市議選には、複数の若者・女性の立候補が見込まれており、多様なバックグラウンドを持った方々が議員になることで議会、そして行政が活性化する。ぜひ彼らの活動を応援したいと、心から思う。

⚫ 私が提案し、任期中に実現してきたこと
1. いわきの医師を応援するお姉さんの会
私が 2013 年 10 月議会において市で初めて、厚生労働省の医師・歯科医師・薬剤師調査データを引用し、いわき市の医師不足の実態を公表した。以降、この客観的な医師不足データが一般的に用いられるようになった。2016 年に医師不足を解消すべく、市民活動として医師に感謝の意を伝える場として、いわきの医師を応援するお姉さんの会(代表:宮野由美子氏)を立ち上げ。多忙なドクターを手料理でもてなし、これまで市内医師との交流や勉強会を 20 回開催し、医師招聘に貢献。

2. いわき七浜海道
防潮堤を活用したサイクリングロードを、私が 2014 年 9 月議会で提言した。実施主体がいわき市・福島県・国にまたがり、折衝が難航した。何度も県に足を運び、市に連絡調整会議を設置してもらい、協議を進めてもらった。2020 年度中に、全長 53kmの「いわき七浜海道」として完成予定。

3. 磐城平城本丸跡地の城跡公園
いわきに戻ってきてまず感じたのは郷土愛の不足だった。昭和 40 年代の 14 市町村の合併によって生まれたいわき市なので、旧自治体への愛着に比べていわき市全体へのものが低かった。そこで市民の心の支柱としての、いわき市の玄関口であるいわき駅前にあり、築城時にはほぼいわき市全域を版図としていた磐城平城に目を付けた。私が 2013 年 10 月議会で磐城平城の城跡公園構想の提案をし、2014 年に所有者の案内で、封鎖されていた本丸跡地を現地調査した。

かつて昭和 40 年代に同地にお城再建の機運があり、失敗に終わっていたことから、関係者の同意を得るのは容易ではなかった。しかしその観光面での活用に目をつけた JR ディスティネーションキャンペーンに賛同していただき、JR いわき駅長・市土木部長・都市建設部長らを現地案内し、その立地の希少性・有用性を知ってもらった。その後地権者との交渉が進み、2018 年からは市の公有地となり、2020 年度に都市公園整備事業として実施設計。2021 年度には城跡公園として一般公開予定。

4. いわきの先人顕彰するための副読本
いわきの郷土愛不足の一因が先人を顕彰する機会が少なかったこと。2015 年 9 月議会で郷土の偉人教育副読本の制作を提言した。郷土の先人顕彰をしている金沢市を自ら視察・調査し、その協力を得て関連資料を、市教育委員会に提供した。

2019 年に市教育委員会は、郷土の偉人である沢村勘兵衛・片寄平蔵・安藤信正・星一・国府田敬三郎・吉野せい・中村豊・草野心平・大河内一郎らの生き様を伝える副読本「いわきの先人」を制作し、市内の小学 5・6 年生全員に配布。

5. 骨髄バンクドナー支援助成制度
いわき市にはそれまで、白血病治療のための、骨髄バンクドナー支援助成制度がなかった。2016 年 2 月議会で、新規制定を提案。3 月に市長あてに要望書を提出。2017 年からいわき市でドナー支援助成制度が開始された。

6. ブログでの情報発信
議会や委員会、さらには地域行事等への参加を通じて、一般市民が持ち得ない市議会議員の立場からの情報を得ることができた。それを一般に情報共有するために、市議着任と同時にブログを開設。これまで硬軟織り交ぜて、8 年間で 3000 件を超える投稿で情報発信に努めた。

⚫ 今後
これからは特定の立場にとらわれず、将来世代のため、これまでの知見を社会に還元し、伝えていくことに没頭していく。限りある命を完全燃焼させたい。

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令和2年7月議会 一般質問⑤(医師不足解消)

医師不足解消について

黒字:吉田の発言・質問、青字:執行部からの答弁
動画リンク:https://youtu.be/g8fGrbp9V0c

いわき市の医師不足について、震災前から噂はされていました。私が当選後、 2013 年 10 月議会において市で初めて、厚生労働省の医師・歯科医師・薬剤師調査データを引用した上で、いわき市の医師不足の実態を公表しました。

<平成25年12月議会 医師・歯科医師・薬剤師調査データから医師不足を公表>
http://www.mikito.biz/archives/34605520.html

以降、この客観的な医師不足データが一般的に用いられるようになりました。2016 年には医師不足を解消すべく、市民活動として医師に感謝の意を伝える場として、いわきの医師を応援するお姉さんの会(代表:宮野由美子氏)を立ち上げました。多忙なドクターを手料理でもてなし、市民がドクターに感謝の意を伝える場です。これまで市内医師との交流や勉強会を 20数回開催し、医師招聘に貢献してまいりました。

<いわきの医師を応援するお姉さんの会は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/52971110.html

(1) これまでの経緯について
いわき医療ふるさと便の実績について
私は、いわきに戻ってきて医師不足解消に貢献したいと考えたとき、まずそれにはいわき出身のドクターで、現在、市外で勤務されているドクターに声をかけ、戻ってきてもらおうと考えました。しかし当時、市では市外で勤務する市出身ドクターと継続的にコンタクトをとっておらず、声がけしたくてもできない状態でした。そこで、保健福祉部にお願いし、手探りでコンタクト先を調べてもらい、継続的に関わり合いをもっていただくこととなりました。こうしていわき市保健福祉部の多大な尽力ではじまったいわき医療ふるさと便は、いわき市との関わりのある市外在住の医師等に対し、いわき市の医療関係のトピックス等の情報提供を行い、いわき市への理解・関心を深め、将来的な市内病院への勤務につなげようとするものです。この事業の実績を伺います。

<医療ふるさと便は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/44459905.html

(市長)
「いわき医療ふるさと便」は、本市との関わりのある医師等に対し、本市の医療情報を提供し、本市への理解や関心を高めていただくことを目的に発送しているもので、過去5年間の発行回数につきましては、平成27年度が1回、28年度が2回、29年度から令和元年度までが各1回となっており、また、発送人数につきましては、平成27年度が新規14人で、合計112人、28年度が新規58人で、2回の合計274人、29年度が新規54人で、合計211人、30年度が新規50人で、合計231人、令和元年度が新規31人で、合計253人となっております。

地域医療ガイダンスの実績について
いわきに戻ってきて医師不足解消に貢献したいと考え、まずそれにはいわきの高校から何人がどこの医大に進学しているのかを調べました。なぜならいわき出身の彼らが卒業する際にいわきの病院に勤務してもらうよう声がけしたかったからです。しかし意外にも公式に過去から継続して進学先を把握し公表している高校はなく、事実確認のデータ収集に難儀しました。それ以上に困ったのは、それぞれの進学者へのコンタクトが取れないことでした。すなわち、進学と同時に市外へ引越してしまうため、コンタクトが取れなくなってしまったということです。それをつなぎとめるために、保健福祉部に知恵を出しもらい尽力してもらって平成27年度からはじまったのが、地域医療ガイダンスです。これは、医学部合格発表直後の医学部進学予定者を対象として開催され、修学資金貸与制度等を紹介し、いわき市との将来的な関係構築を築こうとするものです。この肝は、医大合格発表直後に実施することで、まだいわき在住の18歳の高校生のうちにコンタクト先を入手できることです。では、これまで地域医療ガイダンスの実績を伺います。

<いわき市高校生の医学部合格者数は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/53512195.html

(市長)
「地域医療ガイダンス」は、医学部進学予定者とその保護者に対し、市内病院の修学資金貸与制度の紹介など、医学部進学に当たっての有益な情報を提供する事業であり、その参加者数は、初年度の平成27年度が学生5人、保護者6人、28年度が学生2人、保護者1人、29年度が学生15人、保護者11人、30年度が学生12人、保護者9人となっております。

なお、令和元年度につきましては、令和2年3月に開催を予定しておりましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から延期しており、本年8月の開催を予定しております。

(2) 今後の進め方について
令和2年度の医師確保に関する予算について
いわき市では医師招聘にさまざまな施策を展開しています。その成果として、少しずつではありますが、市内勤務医師数も増加傾向にあります。今後の進め方として、令和2年度の医師確保に関する予算について伺います。

(市長)
医師確保に向けた令和2年度の予算といたしましては、大学医学部寄附講座開設事業として1億5,492万円、共創型・地域医療寄附講座開設事業として4,200万円、病院医師修学資金貸与事業として4,512万円、診療所開設支援事業として3,000万円、医療提供体制支援事業として250万円のほか、地域医療セミナー開催経費、地域医療ガイダンス開催経費、医療ふるさと便郵送経費など、1,314万円で、合計2億8,768万円となっております。

私の好きなことばの一つに、Go beyond your comfort zone and stretch the limits.というのがあります。私が、市議会議員となった理由は、ふるさといわきの東日本大震災からの復興に何らか貢献したいという思いからであります。この8年間でいわきにはさまざまなことがありましたが、総括して言えば執行部の方々の尽力により、一歩一歩着実に前進していると感じております。今後ともいわき市のますますの発展を祈念して私の一般質問を終わります。8年間、本当にお世話になりました。

<私の思いは、コチラ>
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 注)記載内容は、当方の手許メモを元に作成したものですので、正確にはいわき市議会公式記録をご確認下さるようお願いいたします。 
 

令和2年7月議会 一般質問④(骨髄バンクドナー)

骨髄バンクドナーについて

黒字:吉田の発言・質問、青字:執行部からの答弁
動画リンク:https://youtu.be/NUzbfu5m_uU

(1) これまでの経緯について
白血病は、現在骨髄移植で治療が可能となっています。そしてその骨髄を提供するドナー候補者が経済的な心配なくドナーになっていただけるよう支援するのがドナー支援助成制度です。しかし、いわき市には2016年まで、白血病治療のための骨髄バンクドナー支援助成制度がありませんでした。そこで私は2016 年 2 月議会で、骨髄バンクドナー支援助成制度を提案させていただきました。

<平成28年2月議会 骨髄バンクドナー支援助成制度の提案は、コチラ>

同年3 月には、当時所属させていただいた清政会として市長あてに要望書を提出させていただきました。そして早速2017 年からいわき市でドナー支援助成制度を開始していただけました。迅速な対応いただいた清水市長と保健福祉部を含め関係者に感謝申し上げます。

<骨髄バンクのドナー支援制度導入 要望書提出は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/47121887.html

これまでの奨励金交付実績について
そこで、これまでの奨励金交付実績について伺います。

(保健福祉部長)
本市においては、骨髄・末梢血幹細胞移植の推進及びドナー登録の増加を図るため、平成29年4月に骨髄移植ドナー支援事業奨励金を創設し、ドナーの提供者に奨励金を交付しているところであります。

この交付実績につきましては、平成29年度が3人で42万円、平成30年度が2人で28万円、令和元年度が2人で28万円であり、令和2年度は、6月現在で1人が申請しているところであります。
 
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(2) 今後の進め方について
令和2年度以降の事業継続について
骨髄移植を受ける白血病患者にとって、極めて有用な制度と思いますが、今後の取組みとして令和2年度以降の事業継続について伺います。

(保健福祉部長)
本事業につきましては、今後とも、奨励金を継続するほか、普及・啓発事業として、市内各公共機関にポスター、リーフレット、パンフレット等の配布や掲示を行うとともに、市ホームページや「保険のしおり」において、骨髄バンクドナー登録への協力を呼びかけるなど、事業の周知に努めて参りたいと考えております。

また、周知以外の普及への取組みといたしましては、街頭献血キャンペーン等に併せ、登録窓口である血液センターいわき出張所や福島県骨髄バンク連絡協議会いわき支部と連携し、骨髄バンクドナー登録会の開催も支援して参りたいと考えております。


 注)記載内容は、当方の手許メモを元に作成したものですので、正確にはいわき市議会公式記録をご確認下さるようお願いいたします。

令和2年7月議会 一般質問③(いわきの先人たちの顕彰)

いわきの先人たちの顕彰について

黒字:吉田の発言・質問、青字:執行部からの答弁
動画リンク:https://youtu.be/-hWxHGvv5uo

 (1) これまでの経緯について
小冊子「いわきの先人」配布実績について
私は2015 年 9 月議会の一般質問で郷土の偉人教育副読本の制作を提言いたしました。

<平成27年9月議会 偉人教育は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/45363329.html

以前、行政視察で石川県金沢市を訪問する機会があったからです。そこで感じたことのひとつは、市の規模の差はともかく、市出身の先人たちを顕彰する文化・習慣です。そこで私は、旧知の金沢市の市議会議員と、学芸員でもあり金沢ふるさと偉人館の館長の協力を得て、関連資料を提供して頂くことができました。その後、いわき市文化・スポーツ課さんには趣旨を理解していただき、それを参考に平成28年度に文化センターで「いわきの先人」の展示を行っていただいたことに感謝申し上げたいと思います。

<金沢ふるさと偉人館は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/44727752.html

その後、いわき市教育委員会にも資料提供をさせていただき、昨年度に「いわきの先人」という小冊子を、作成いただくことができました。学校教育課の先生方の多大なる尽力で、一から原稿を書き、まとめあげたことに感謝申し上げます。そこで、小冊子「いわきの先人」配布実績について伺います。

(教育部長)
小冊子「いわきの先人」配布実施につきましては、市立小学校5、6年生が、いわきが輩出した偉人を学ぶことができる副教材として、令和元年度に市教育委員会が作成したものであり、本年2月に市立小学校5、6年生5,684人に配布し、併せて、いわき総合図書館へも配備しております。

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私はこの冊子を数回精読させていただきましたが、文章の質・量ともに絶妙のバランスだと感じています。すなわちこれまでの先人の歩みを調査研究した文献は多々ありましたが、分量が多すぎたし、難しすぎました。もしくは平易にしすぎて、先人の志がいまいち伝わらないものでした。

活用の方法について
副読本「いわきの先人」は、郷土の偉人である沢村勘兵衛・片寄平蔵・安藤信正・星一・国府田敬三郎・吉野せい・中村豊・草野心平・大河内一郎(敬称略)9人らの志や生き様を伝えるもので、これから自分の人生を切り開いていくこどもたちの生き方のお手本ともなりうるものです。そこで活用の方法について伺います。

<沢村勘兵衛 沢村神社は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/48631539.html
<片寄平蔵 燃えたぎる石は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/37005491.html
<安藤信正の功績は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/44025315.html
<星一 歴史資料館は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/38382203.html
<国府田敬三郎 ライスキングは、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/44546753.html
<吉野せいは、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/47105817.html
<中村豊 常磐興産の中興の祖は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/44502980.html
<草野心平記念文学館は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/38629636.html

(教育部長)
活用の方法につきましては、学校における読書活動のほか、国語や社会など、教科での学習資料としての活用を促しているところであります。

小学生のみならず、大人が読んでも十分感じるところがあります。過去の先人の歴史を学んで将来に役立てる。をぜひ図書館だけでなく、予算の許す範囲で広く市民に配布していただきたい。特に、先ほど質問した、磐城平城の城主であった安藤信正公は、ここで取り上げられている先人のひとりですので、磐城平城城跡公園の体験学習施設において、ぜひ来訪者に配布していただきたいと思います。

(2) 今後の進め方について
令和2年度以降の事業継続について13
いま残っている在庫は、今年度でほぼなくなってしまうと伺っております。来年以降も継続して、小学四年生へ配布していただきたいと思います。それには来年の事業費の予算確保が必要となります。そこで令和2年度以降の事業継続について伺います。

(教育部長)
本資料につきましては、小学校における学習教材として使用することを前提に、関係各位のご理解を賜りながら作成したものであります。

今年度以降につきましても、その趣旨を踏まえ、市立小学校において学習活動に利用することを基本として、活用を図って参りたいと考えております。

先人顕彰事業は、単発・短期間で目的が成し遂げられるものではなく、中長期的な視点で取り組んで行くべきものです。ぜひ今後も積極的な予算付けをお願いします。


 注)記載内容は、当方の手許メモを元に作成したものですので、正確にはいわき市議会公式記録をご確認下さるようお願いいたします。 

令和2年7月議会 一般質問②(仮称)磐城平城・城跡公園

(仮称)磐城平城・城跡公園について
黒字:吉田の発言・質問、青字:執行部からの答弁
動画リンク:https://youtu.be/RqToDI-ZsLk

私は市議になることで、高校卒業以来、20数年ぶりにいわきに帰ってきたわけですが、戻ってきて驚いたことのひとつが、市民のいわき市に対する郷土愛の薄さでした。これまで上京以来10以上の地域・自治体に住んでみた経験から思うのは、少なくともかつてのいわき市誕生前の5市9町村に対する市民の郷土愛に比べると、いわき市全体に対するものはとても薄いと感じました。いわき市人口ビジョン・いわき創生総合戦略でも述べられていますが、20才前半の若者がいわき市から流出する割合は4000人と、郡山市・福島市の約2倍の水準であります。

<いわき市の若者が転出する理由は、コチラ>

これにはさまざまな要因があるのでしょうが、その一つがいわき市に対する郷土愛、いわきの先人に対する感謝、いわき市への帰属意識の低さではないかと推察しています。そこで私が目をつけたのが、そこで市民の心の支柱としての、いわき市のターミナル駅であり玄関口でもあるいわき駅前にあり、築城時には、現在のいわき市全域とほぼ同じ範囲を版図としていた磐城平城本丸跡地であります。

私が 2013 年12月議会で磐城平城の城跡公園構想の提案をし、2014 年2月に所有者の案内で、封鎖されていた本丸跡地を現地調査しました。それまで長期にわたって封鎖されていた本丸跡地でしたが、雪が降りしきる中、かつて三階櫓があったあたりから、平の市街地を見下ろしたとき、かつての城主、安藤信正公も同じ場所からまちなかを見ていたかと思うと、心が震えました。

<三階櫓は、コチラ>
実際に寒かったということもありますが、とんでもないお宝を掘り当てたという心境でした。

<2013 年12月議会 磐城平城城趾公園の提案は、コチラ>
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ここはかつて昭和 40 年代に同地にお城再建の機運があり、結果的に失敗に終わっていたことから、関係者の同意を得るのは容易ではありませんでした。しかしその観光面での活用に目をつけた JR ディスティネーションキャンペーンに賛同していただきました。その理由は、実際にお城の攻防戦があり、先人が本当に義のために血を流したその地ということ、そしてその場所がJR駅北口に隣接しているという立地が、全国的に見ても希有なことだったからです。その後、同じく所有者の案内で、JR いわき駅長・市土木部長・都市建設部長らを現地案内し、その立地の希少性・有用性を知っていただきました。その後地権者との交渉が進み、2018 年からは市の公有地となり、今年度には都市公園整備事業として実施設計をしていただいています。近い将来、城跡公園として一般公開予定です。そして実現のための財源についても、有効なものを確保していただいたと伺っております。これまで関係者の同意や調整を図るのには、大変な努力があったものと推察します。市の都市建設部を中心に、これまで尽力いただいた関係各位に衷心から感謝申し上げます。 

<磐城平城 物見が岡 稲荷神社は、コチラ>
<磐城平城 白蛇堀(はくじゃぼり)は、コチラ>
(1) これまでの経緯について
体験学習施設の常設展示について
せっかく来訪された方の期待に沿えるような、ここでだけ学べるコンテンツを用意しておかなければなりません。ネットや教科書に載っているような薄っぺらな情報だけでは、わざわざ来訪する意味がありませんし、すぐに飽きられてしまいます。先人たちの生き様が感じられるような、そしていわきの立場・歴史観に立った解説が必要だと思います。ここでしか手に入らない貴重な情報を得られること、それが訪問者の心に刺さります。肝は常設展示の充実であります。市では体験学習施設を新築し、展示ができるよう整備すると伺っておりますが、その体験学習施設の常設展示について伺います。

<磐城戊辰戦争150年記念展示会は、コチラ>

(都市建設部長)
常設展示につきましては、多目的な利用を図る休憩所など、限られたスペースでの展示となりますが、その展示内容につきましては、磐城平城に関する既存資料をはじめ、現在、「磐城平城文献等調査会議」で進めております調査・研究の成果の活用などについて、今後検討して参りたいと考えております。

総事業費について
市では、公園整備にあわせて、体験学習施設の新築・いわき駅北口からのアプローチ階段の新設・風格を感じられるような門、そして緑あふれる植栽等を予定しています。その総事業費を伺います。

(都市建設部長)
本公園整備の総事業費につきましては、測量・設計費が約1億2千万円、用地・補償費が約5億7千万円、体験学習施設に関する工事費が約1億5千万円、公園整備に関する工事費が約6億6千万円となっており、総事業費は合計約15億円を予定しております。

この城跡公園もハード整備するだけでは市民に利用されません。ソフト面の充実が大事であります。市民にどうやって利用してもらうかの視点で整備を進めていただければと思います。2017年のいわき市長選挙では、磐城平城が○か×かが争点のひとつになりました。それはそれで思い出深い出来事のひとつでありますが、城郭そのものでなく、先人の志や生き様が感じられ、市民から愛される城趾公園になることを祈念して、次の質問に移ります。

<磐城平城の長橋門は、コチラ>
<磐城平城の掻槌門は、コチラ>

(2) 今後の進め方について
今後の予定について
これまで公有地化終了、現在計画中で、近い将来、一般開放予定と伺っておりますが、今後の予定について伺います。

(都市建設部長)
今後の予定でありますが、本年6月には既存家屋等の解体撤去工事が終了したことから、引き続き埋蔵文化財の発掘調査に着手したところであり、今後は、体験学習施設や園路広場の工事を進めながら、令和3年度末の完成を目指して参りたいと考えております。

各学校の遠足等での活用について
この磐城平城城跡公園は、小中学生の郷土愛を育み、自分たちのルーツ、先人の足跡を知り、自らの生き方を考える上で大きな参考ともなりうるものと考えております。磐城平城は、後で紹介する「いわきの先人」のひとり安藤信正公の居城でした。いわきの先人、安藤信正公の足跡を地域学習の時間で学ぶことは、後々役立つと思います。そのきっかけとして、学校遠足の行き先として活用していただくのがよいかと思います。特に、近隣の平一中、平一小だけでなく、徒歩圏でない学校への周知そして、実行にあたっての移動方法の確保が必要となります。そこで、各学校の遠足等での活用について伺います。

<安藤信正展の功績は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/25913168.html

(教育部長)
遠足等につきましては、目的や実態に応じて、各学校が見学地を決定しているところであります。
このことから、今後、公園整備事業の進捗に応じて、体験学習施設等の供用開始時期やその内容等について、各学校に対し、適宜、必要な情報の提供に努めて参りたいと考えております。

文化との連携について
こどもたちにいわきに誇りを持ってもらうことは重要ですが、それには大人の理解が必要です。子どもは大人の背を見て育つと申します。われわれ大人が、文化や歴史を大事にする姿が、子どもたちに反映されてきます。そこで、歴史・市民の誇りのための文化との連携について伺います。

<安藤家御家流は、コチラ>

(特定政策推進監)
市といたしましては、現在(仮称)磐城平城・城跡公園の整備と並行して、磐城平城に関する歴史的な検証等を行う「磐城平城の歴史を後世に伝える事業」を実施しているところであります。

今後、当該事業における検証の成果を踏まえながら、市民の皆様が本市の歴史や文化の魅力に触れ、学ぶことができる機会を創出するため、当該公園における歴史講座やまち歩きなど、様々なソフト事業を展開し、地域の誇りや郷土愛を育んで参りたいと考えております。

観光ボランティアの活用について
これまでこの磐城平城本丸跡地では、民間が主体となって開催した、美味しいビールを飲む催しである「ビア博」、地元の城山自治会が主体となって開催した、たくさんの灯籠を眺める催し「龍が城 月見の宴」、屋外でお茶を楽しむ野点等のイベントが開催されてきました。

<第10回龍が城 月見の宴@磐城平城本丸跡地は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/53855455.html

それはそれでよいのですが、今後市の公園として、効果的に市民に利用していただくために民間に力を貸していただくのがよいかと思っています。個人的に大事だと思うのは、地元愛に満ちた観光ボランティアさんの存在です。いわきラブの観光ボランティアによる、愛情あふれる丁寧な解説と楽しいパフォーマンス、そして「いまだけ、ここだけ、あなただけ」のサービスこそが、自分の足でここに来て、いま、ここで聞かなければ得られない貴重な情報であり、来訪者の満足度に直結します。公園の来訪者に対し、愛情を持って「いわき」の歴史を伝えられる人財の活用が必要と考えます。そこで、観光ボランティアの活用について、どのように考えているのか、伺います。

<小田原城の観光ボランティア>
<金沢城の観光ボランティア>
<広島城の観光ボランティア>
<福岡市の観光ボランティア>
<伊勢神宮の観光案内人は、コチラ>
<長崎の観光ボランティア>
(都市建設部長)
観光ボランティアの活用につきましては、これまでに実施した関係者との意見交換においても、将来にわたり、いわきの歴史を伝承させる仕組みづくりとして、その実現を要望されたところであります。

市といたしましても、地域への理解を深め、地域の魅力向上につながるものであると認識しておりますことから、今後、庁内関係各課や要望を頂いた関係者等と連携して、検討して参りたいと考えております。

いわきで観光や少子化対策、自治体間競争等を議論するとき、いわきの良い点としてあげられるのは「いわきには海も山もある。食べ物は美味しいし、気候は穏やか。自然にあふれ、暮らしやすい」等です。しかし議員となり、いわきと東京の両方で暮らす私としては、違和感がありました。すなわちそういう地域は、日本全国にいくつもあるからです。これだけではいわきの強みとはいえません。そこで必要となるのが、地域のオリジナリティや地域のストーリーです。この城跡公園が地域オリジナリティやストーリーづくりのきっかけのひとつになればと祈念して、次の質問に移ります。
 

注)記載内容は、当方の手許メモを元に作成したものですので、正確にはいわき市議会公式記録をご確認下さるようお願いいたします。 

令和2年7月議会 一般質問①(いわき七浜海道)

いわき七浜海道について

黒字:吉田の発言・質問、青字:執行部からの答弁
動画リンク:https://youtu.be/R16N-1uBwOk

いわき市議会 無所属の会 吉田実貴人です。さて、私こと、2012年の初当選以来、ふるさといわきの東日本大震災からの復興に何らか貢献したいという思いで、いわき市議会議員として活動して参りました。これまで8年もの間、活動させていただいたことに、市民、市執行部、また先輩同僚議員の方々に感謝申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。今回の登壇が、私の市議としての最後の一般質問となります。どうぞ真摯な答弁をお願いいたします。

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(1) 総事業費について
私は防潮堤サイクリングロードについて発案し、平成26年9月議会で、一般質問させていただきました。その趣旨は、せっかく多額の税金を投じて作った防潮堤を、平常時に景観を損ねるただのコンクリートの塊とせず、市民に愛されるインフラとなってほしいという思いでありました。

<平成26年9月議会 防潮堤をサイクリングロード・遊歩道にしたいは、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/40131729.html

いわきは年間を通じて晴天率が高く、アウトドアのサイクリングに適しています。また平地区を流れる夏井川周辺や海岸沿いを中心に平坦な地もあり、初心者向けの楽なサイクリングも楽しめますし、また逆に湯の岳や小玉ダムルートなど、上り坂いわゆるヒルクライムというディープなサイクリストも楽しめる場所であります。

<小玉ダムは、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/23782355.html

一方、防潮堤サイクリングロードは、防潮堤建設事業の母体の主体が、いわき市でなく福島県であり、道路管理者も国・福島県・いわき市の三者であることから、提案の実現は難航しました。また通行における安全面を心配する声もありました。私自身、何度も福島県の合同庁舎に足を運び、担当者に趣旨を説明しご理解をいただきました。しかし県の年度の人事異動で担当者が変わる度に、また一から趣旨説明しなければならず、案件が県の新任者に引き継がれないことで大変な時間を要したことを記憶しています。しかしいわき市都市建設部を中心に趣旨を理解していただき、いわき市主導で福島県らと定期的に連絡調整会議を持って頂くことができました。その調整会議の中で、国・県・市の役割を丁寧に話し合って頂き、防潮堤サイクリングロードの道筋がつきました。すでに小名浜以南については一部完成していますが、残りの区間も今年度中に完成し、全面供用が開始されます。名称についても、市民公募により「いわき七浜海道」と決定いたしました。市都市建設部を中心として、各関連者の御労苦に衷心から感謝申し上げたいと思います。さて、いわき市においては、防潮堤サイクリングロード建設の役割として、路面整備や安全確保、案内板の表示、またサイクルステーションの設置等関連事業もあるかと思います。そこで、いわき七浜海道関連のさまざまな事業の総事業費を伺います。

(土木部長)
 いわき七浜海道につきましては、復旧・復興事業により整備された防潮堤や既存の国県道や市道を活用した、総延長約53kmの自転車ルートとして、平成30年度に、起点である勿来の関公園から北に向けて整備に着手し、今年度末には、終点である久之浜防災緑地までの全線供用を目指し、鋭意整備を進めているところであり、安全で快適な自転車走行空間の形成を目的に、路面標示や案内板、転落防止柵及び駐輪ラックなどを整備することとしており、これらの整備に要する費用として、約9億4,000万円を見込んでおります。

(2) 今後の進め方について
産業・企業との連携について
いわき七浜海道は、物理的には完成しても、市民に利用されなければ投資はムダになってしまいます。市では小名浜三角倉庫や湯本駅前にレンタサイクルステーションを設置したり、新舞子ハイツをサイクリングの拠点とすべく整備を行っています。サイクリングルートの設置の成功事例としては、瀬戸内、尾道と今治を結ぶ「しまなみ海道」があります。私も現地で宿泊し、しまなみ海道を完走して感じたのですが、尾道と今治市両自治体の連携だけでなく、地元自転車店、飲食店、そして自転車メーカーと、自転車道を事業として成功させよう、他から来るお客に喜んでもらおうという思いの共有と、そのコラボレーションが必要だと思います。そこで、産業・企業との連携について伺います。

<しまなみ海道は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/48970430.html

(総合政策部長)
いわき七浜海道をはじめとする地域資源を最大限に活用し、市民や観光客等が魅力を感じ、安心して楽しめるサイクリング環境を創出していくためには、地域の事業者と連携した取組みが不可欠であることから、本年2月に策定した「市自転車活用推進計画」に、「共創による取組みの推進」を位置付けたところであります。

その具体的な取組みといたしましては、地域事業者との連携のもと、これまで市内6か所にサイクルステーションを開設し、運営事業者に対してレンタル用車両の貸与やサイクルスタンドの設置、運営費補助などの支援を行っているところであります。

また、市内には、サイクリストに対し、飲料水の提供やトイレの貸出しなど、独自の支援を行っている商業者や飲食店等もあることから、今後、これらの事業者と連携を深めるとともに、取組みの輪を広げ、サイクリストをおもてなしするための環境整備を進めて参りたいと考えております。

さらには、今般のコロナ禍において、全国的にサイクリング人気が高まりつつあることから、この機を捉え、市内のホテルや旅館など観光関係事業者と連携し、海岸線の景観や温泉など、本市ならではの豊富な地域資源を活かしたサイクルツーリズムを推進することで、観光交流人口の拡大に繋げて参りたいと考えております。

スポーツとの連携について
いわきの自転車イベントとしては、市内外から1,000人あまりの参加がある「ツールドいわき」が上げられます。小名浜三角倉庫をスタート地点に、遠野・湯本・平・四倉・久之浜といわき市全体を回るコースであります。私自身、ボランティアスタッフとしてツールドいわきに参加して感じたのは、自転車からの視点は、自動車にはない新たないわきの魅力の発見があったということです。また、震災前にはいわきでトライアスロンが定期開催されていたこともあり、私自身トライアスロンをやる人間としては、こういったサイクルイベントのコースにいわき七浜海道が組み込まれるといいなと考えております。そこでスポーツとの連携についてについて伺います。

<ツールドいわき2015は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/45881002.html
<太平洋トライアスロン2019 in いわきは、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/53593294.html

(特定政策推進監)
いわき七浜海道は、本市特有のすぐれた景観を有する海岸線に沿って整備が進められており、サイクルスポーツとしての活用に当たっても、非常に魅力的なルートであると認識しております。

このような中、去る6月19日から22日まで七浜海道のほぼ中間点にオープンした新舞子サイクルステーションを拠点として、日本パラサイクリング連盟による合宿が行われたところであり、併せて実施した市民との交流事業の参加者からは、「景色がよい」、「走りやすい」などの高い評価をいただいたところであります。

今後におきましても、いわき七浜海道を含めた市内の自転車関連施設を活用しながら、合宿の誘致や、イベントなどを実施し、交流人口の拡大を図るとともに、市民の皆様がサイクルスポーツに親しめる環境や、機会を提供して参りたいと考えております。

市民との連携について
いわき七浜海道は、サイクリストだけのためのものではありません。近隣の方々が日常的に楽しむ散歩コースでもあります。ウォーキングは高齢者の健康に良いと言われています。なんといっても、ジムやプールと違って、月額会費がかかりませんし、ランニングと違って足腰への負担が少ないです。一般市民の健康維持にも役立つと思われるいわき七浜海道ですが、健康面での市民との連携について伺います。

(保健福祉部長)
いわき七浜海道について、市民との連携により健康づくりを進める方策といたしましては、主に、サイクリングやウォーキングがあり、その効果としては、有酸素運動で心肺機能が高まると共に、肥満防止に繋がるなど、生活習慣病の予防・改善が期待されることが挙げられます。

また、白砂(はくしゃ)青松(せいしょう)が広がる本市特有の美しい海岸線の景色を楽しみながら運動することでストレスの解消に繋がり、心身の健康増進に有効であると認識しております。

さらには、新型コロナウイルス感染症の状況下において、外出機会の減少や、運動不足が懸念される中、屋外で気軽に運動を楽しめる場の確保が重要になっております。

このようなことから、今後におきましては、サイクリングマップ等の活用により、市民や団体への皆様への情報発信を行いながら、市民の健康増進に向けて、日ごろから「自然に」「楽しみながら」をキーワードに、身体活動や運動に親しめる本市の代表的な資源として七浜海道の活用に努めて参りたいと考えております。


 注)記載内容は、当方の手許メモを元に作成したものですので、正確にはいわき市議会公式記録をご確認下さるようお願いいたします。 

医者が教えるサウナの教科書

著者の加藤容崇氏は、慶應義塾大学医学部腫瘍センター特任助教という、れっきとした医師です。専門はすい臓がんだそうですが、病理学、生理学にも詳しく、人間が健康で幸せに生きるためには、健康習慣による「予防」が最高の手段だと言うことに気づき、サウナをはじめとする世界中の健康習慣を最新の科学で解析することに注力するサウナドクター。サウナを科学し発信していく団体「日本サウナ学会」の代表理事。

サブタイトルは「ビジネスエリートはなぜ脳と体をサウナで整えるのか?」です。サウナには「ととのう」効果があるといわれていますが、それに医学的根拠をつけようという趣旨です。実証研究の数もまだまだ少ないので、科学的に証明された、というレベルには至っていないのでしょうが、巻末の膨大な英語の論文を読み込んだ上で、自分の体でデータを取ったりしてエビデンスベースでの著者の結論なのでしょうから、説得力あります。

意外だったこと、
・サウナに入る長さは時間ではなく、自分の身体の変化(心拍数)を目安にする
・サウナの後はより深い睡眠が促されること、お肌の調子が良くなること、瞑想と同じような効果
・あぐらの方がいい、テレビを見ないほうが整いやすい
・外気浴は、なるだけ横になる

ととのうメカニズムを理屈で理解することにより、サウナ中に雑念にとらわれず、より自分の身体に意識を集中できるような感じがします。

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QVBとは

QVBとは、シドニーの中心部にあるクイーン・ビクトリア・ビルディング。シドニーを代表する歴史的建造物で、横幅は30メートル、長さは190メートルあり、世界一?長い百貨店といわれています。確かにクラシカルな建物で、1898年に完成したロマネスク・リヴァイヴァル様式の建築物だそうです。オーストラリアは、自国オリジナルの歴史が短いので、こうした建物をより大事に使い、顕彰するムードがありますね。

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当時の英国国王ビクトリア女王の即位50年を記念して建てられだそうです、以前はコンサートホールでしたが、現在は、完全なショッピングアーケードにリニューアルされています。

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年代物の調度品が良い雰囲気を出しています。昨今の建築コストを抑えたショッピングモールでは、とてもだせない雰囲気ですね。

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縦に細長く、大通りに面していることもあり、ウィンドウショッピングしながら通行していく地元民が多いようです。ブランド品ばかりではなく、地元のお店やカフェもあって、地元に愛されているアーケードだなあと感じました。

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人生が楽になる達人サウナ術

2020年はサウナブームが来る!筋トレブームが来る!と予言していましたが、コロナ渦でトーンダウンですね。サウナもジムも、3密にあたるということで、しばらく敬遠(というか施設がクローズしていた)している方も多いと思います。

一方、サウナ関連書籍の発刊は続いています。基本的なサウナの入り方は、「マンガ サ道」でおおまかな流れが定着したのではないでしょうか。もちろん作者のタナカカツキ氏は、サウナの入り方には個人差があるし、それぞれが心地良く感じるやり方でよいと言っています。
1. 体を洗う
2. 水分を拭き取る
3. サウナ室に入って座る
4. サウナ室で6-12分ほど座る
5. サウナ室を出て水風呂に入る
6. 身体を休める
7. 2-6を3回ほど繰り返す

<マンガ サ道 タナカカツキ作は、コチラ>
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この本では、サウナ好きの7人の方に、それぞれのサウナの楽しみ方、入り方等をインタビュー。サウナ室でのポーズが、それぞれ違うのが面白かった。
・まんしゅうきつこさん(マンガ家)
・宮本和知さん(元野球選手)
・原田郁子さん(ミュージシャン)
・久志尚太郎さん(TABI LABO代表)
・笹野美紀恵さん(サウナしきじの跡取り)
・池田昌紀さん(写真家)
・サウナーヨモギダさん(プロサウナー)
 

成城学園前駅 空中庭園

先日、テレビ東京の「THE名門校 日本全国すごい学校名鑑」で成城学園が紹介されていました。サブタイトルは、芸能人に愛される成城学園。確かに番組に出演していた石黒賢をはじめ、たくさんの芸能人がOB/OGなんですね。創立者の澤柳政太郎氏が、当時ではありえない「個性重視」の理念を打ち出し、当時は小田急線の駅もなく、雑木林が延々を連なっていたこの地に学校を創設。それに共感した東宝の社長が、撮影スタジオ(東宝・砧撮影所)や自宅を世田谷砧に移転し、孫娘を通学させたのだとか。

その後、学校ができたことと、撮影所ができたこと、駅が開設されたことで、駅前は、一気に住宅地開発が進み、いまでは東京の高級住宅地の代表のひとつとなっています。学校関係のお金持ちや、役者・スターらが移り住んできたのが、大きな要因のようです。

駅ビルは、2006年に建替となり、「成城コルティ」と命名。その天井はガラス張りで、大きな吹き抜け空間で、空中庭園と一体となっていました。

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周辺には高い建物が少ないので、空が広い。比較的ちいさなお庭ですが、開放感があります。

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線路のちょうどど真ん中に立つことができ、新宿方向を見ています。(地平線まで?)一直線上に電車が、頻繁に行き交うのを見ていると、東京の経済活動を実感します。

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最上階から見た吹き抜け空間です。台風や大風のときも大丈夫かな?と感じるくらいの大空間です。こういう施設がひとつ、自分の街にあることで、街を誇りに思い、住民意識が高まるのだと思います。

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人生を変えるサウナ術 なぜ、一流の経営者はサウナに行くのか?

著者のひとり、本田直之氏は、ハワイ、東京に拠点を構え、年の5ヶ月をハワイ、3ヶ月を東京、2ヶ月を日本の地域、2ヶ月をヨーロッパを中心に旅しながら、仕事と遊びの垣根のないライフスタイルを送る方で、ビジネス関連本の著作も多い方。もうひとりの松尾大氏は、「ととのえ親方」の異名を持つサウナー専門ブランド「TTNE」代表。お二人ともサウナ歴20年のベテラン。サウナがビジネスに、どれだけ役に立つかを熱く語った本です。
・フィジカル効用
心臓や血管を鍛える、気分がリフレッシュ、爽快感、睡眠の質が向上、免疫力が上がる等
・メンタル効用
自立神経が鍛えられる、幸福感が感じやすくなる、マインドフルネス効果等
・ソーシャル効用
仲良くなれる、サードプレイス機能等

実際、サウナ好きの経営者は多く、久志尚太郎氏もその一人。新しい価値観やライフスタイルに触れることができる世界中のトピックを発信している「TABI LABO」の創設者です。いわく、
・サウナがアイデアを生み出す場として機能している
・サウナで考え、水風呂で決断する
・現代人の心と身体の疲れを癒し、救済をもたらす唯一の光が、サウナ
・重要なのは、ストレスの発散ではなく、内省

TABI LABOさんが手がけたYAMAHAのCM動画は、相当、面白い!コクヨのサウナ部長?川田直樹氏の提案で、実際にスカイスパYOKOHAMAに、コワーキングサウナ・KOOWORK(クーワーク)というのも完成したそうです。日本初! 会社の垣根を超えて様々な人が協働できるコワーキングスペースとサウナが融合した、まったく新しいコンセプトの施設だそうなので、一度行ってみたい。テレワークが一般化した、アフターコロナの時代にマッチしているかもしれません。

<YAMAHAトリシティとサウナ動画は、コチラ>
https://www.youtube.com/watch?v=m4WxeIQoR94
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いわき平競輪 場外食堂

いわき平競輪は1951年開設で、平市の戦後復興の予算に大きく貢献してきました。2009年に大規模改修をし、ガラス張りの観覧スタンド等、近代的な施設となりました。一方、改修以前は、バクチ打ちが集まり、昼から呑んだり食べたりするような、飲食店が立ち並んでいて、通称「オケラ街道」と呼ばれていました。

場内の飲食店はすっかりきれいになり、場外の飲食店のほとんどはその閉店してしまい、かつてのオケラ街道の雰囲気は、もうありません。しかし数少ない、昼から呑める食堂がまだ残っています。看板もない、平屋建てのバラック?ですが、しっかり営業しています!外には、生ビールの立て看板があり、アルコールOKであることがわかります。

<いわき平競輪 ロイヤルルームからの眺めが美しいは、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/53654595.html
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呑めるだけでなく、しっかり食事もできます!考えてみれば、競輪は1レースから10レース程度まで、半日ずっとやっているわけですから、バクチ打ちだってお腹はすく。

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お刺身やサラダ単品を注文すれば、立派な酒のあてです。平日午後に訪れましたが、お客はまばら。ビールを飲みながらテレビ中継を観戦していました。こんな昭和な雰囲気のお店がどんどん閉店しています。味わい深いので、生き残って欲しいと思います。

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社長が入社式で鉋をかける理由 アキュラホーム宮沢俊哉氏

アキュラホームは、木造軸組工法の中堅住宅メーカーです。その創業社長の宮沢俊哉氏は、中学卒業と同時に大工修行をした元、大工。なので、現場職人や下請けを大事にする会社ということを売りにしています。創業の理由は、日本の住宅コストが高すぎること、その理由のひとつが見積もりのやり方がドンブリ勘定だったことを改善したいという思い。社名のアキュラは、Accurate(正確な)とQuality(品質)の造語だそうです。

実際、大工の工数は広範囲・多数に及ぶので、すべてを事前に見積もることは困難だからこそ、これまでは、大工の労務費を建築面積ベースでの「坪請け方式」し、内装工事等は、材料費と工賃を一緒にした「材工一式方式」が使われてきました。しかしこれだと、どこにどういうムダがあるのか、コスパの悪い材料があるのか、分析することができません。それを宮沢氏は、独自に作業項目と作業量を2万点にも及ぶ項目だしをして、エクセルで入力していったそうです。これが家一軒あたりの工賃を大きく下げることに役立ったのと、材料単価を市場価格への反映がタイムリーにできることにつながりました。いまでは、これが進化し「アキュラシステム」として、他の工務店へシステムそのものを販売しているそうです。

もうひとつの特徴が、全国の工務店と一緒に建築資材や住宅部品を一括購入する「JAHBnet」ジャーブネットという共同仕入です。これにより仕入価格スケールメリットがあります。

1959年生まれの宮沢氏は、40年以上も会社を引っ張り、今でも社長として入社式では、カンナがけを披露するそうです。その思いや姿勢は、従業員にも伝わるでしょうし、顧客にも伝わると思います。

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言ってはいけない中国の真実 橘玲著

『マネーロンダリング』『永遠の旅行者』をはじめたくさんの経済小説を出されている、橘玲氏。徹底したリアリスト、資本主義論者です。オカネをベースにした小説や、ハウツー本を出されている方が、中国という国を分析したのは珍しいと思います。20年前から、(当時発展途上だった)中国への訪問を続け、観光地という観光地は、すべて踏破したそうです。そこで感じるようになったのは、地方においてゴーストタウンが発生し、それはある地方限定ではなく、中国全土で同じような事象が起きていること。それが写真付で紹介されています。

著者の特徴は、それをオカネの面から解き明かしていることです。なぜそんなことが起きているのか、簡単な流れは、こんな感じ。
①地方政府は、農民から廉価で土地の使用権を買収
②大規模なマンション開発・販売
③大規模な開発利益で、高速道路・高速鉄道等のインフラ整備に投資
④不動産価格の高騰
⑤設定家賃が高くなりすぎ、誰も入居しないマンションが林立したまま残る

ポイントは、土地の所有権は国にありますが、その管理・処分は地方政府に任されていることです。①~④までなら、都市住民にとってはインフラ整備が進み便利になる。開発業者は仕事が増える。地方政府にはオカネが入ってくると、良いことづくめ。だからこそ、中国全土でこのような開発が行われました。不動産価格が上昇を続ける限り、このような投資に群がるのは当然のこと。実際には住まなくても投資目的での高騰価格でのマンション購入が続くわけです。

問題は、マンションを買った個人の借金です。これまでは、高騰するマンション価格に支えられて担保価値があったわけですが、価格が下落に転じると、返済ができなくなり、金融機関からみると貸し倒れが発生してしまう。いまのところそれが顕在化していないのは、中国の4大銀行が実質的に国有であり、貸倒れとして分類していないだけでしょう。銀行への資金が続く限り、このような不良債権は隠蔽され続けるでしょう。しかし、どこかで資金が止まったり、不良債権の額の開示がリークされるようなことになれば、一気に、資金供給が止まり、経済が収縮する可能性があります。果たしてこのようなチキンレースがどこまで続くのでしょうか。

著者は、すべての原因は、中国の人口があまりに大きいからだと結論づけています。それゆえに、民主化も困難だと予想しています。そうして「平等な独裁国家」が作られていくとしていますが、実際、この1年でそれが現実化しています。著者の慧眼には驚くばかりです。

<幸福の「資本」論 橘玲著は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/50430112.html
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エクササイズコーチ パーソナルトレーニングジム

エクササイズコーチ(The Exercize Coach)は、アメリカ発のパーソナルトレーニングジム。パーソナルトレーニングでは、ライザップが圧倒的に先行していますが、こちらの特徴は、低料金。月8回(週2回)通って、月額会費が32,000円。月4回なら16,000円と、業界平均の1/4の水準だそうです。

その秘密は、最先端トレーニングマシンです。個人の最大筋量・重量を事前に測定し、その人に合った重さ・回数・時間を、AIで計算し、それをマシンが自動的に負荷をかけてくれるという仕組みなんです。別の言い方をすれば、付いてくれるパーソナルトレーナーは、トレーニングの指導をするというよりも、マシンのセッティングをしてくれ、トレーニング中に励ましの声をかけるというのがメインの仕事。これならば、ライザップのパーソナルトレーナーのように、数ヶ月に及ぶ社内研修の必要もなく、人件費が抑えられるはず。

もうひとつの特徴が、たった20分のトレーニングで1回が終了するということ。一般的に筋トレの時間は、準備運動やストレッチの時間を除けば、1時間程度ではないでしょうか。その理由は、筋トレ1種目につき最大重量で10RM×3セット、それぞれの間にインターバルが必要だから。1種目10分強として、5種目やれば、約1時間になってしまうんです。それがエクササイズコーチでは、1種目をインターバルなしで5分間、ぶっつづけで筋肉が悲鳴を上げ続ける重量にコンピュータが加減しつつやるわけです。6分間×3種目で、約20分。本当にこれだけで1回が終了。格安料金の秘密はコレだ!普通のジムが60分かかるところを、20分で終了、1/3で効率良く回すから、低料金が実現できるんですね。

エクササイズコーチの名誉のために、申し上げると、たった20分の筋トレにもかかわらず、翌朝にはしっかりと、筋肉痛が来ます。やはり、筋トレ効果はしっかり、あるようです。

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グレーとオレンジ2色の内装は、シンプルです。シンプルというか、オカネをかけていないというか・・・フィットネスクラブに必須のシャワルームさえも設置されていません。パウダールームやトイレやその他設備の豪華さ、アロマや音楽にもこだわっている、ライザップとは、対極ですね。

<ライザップのパーソナルトレーナーは、コチラ>
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マシンは普通の筋トレマシンのように見えますが、すべてコンピュータによる重量コントロールがなされているマシンです。パーソナルデータが、本部のデータベースに登録されていて、それをトレーナーが呼び出して、マシンに設定することで、筋肥大に最適な重量・回数・時間が自動調整され、それにしたがって、持ち上げる・押す・引くの動作をしていきます。

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たまたまこちらの店舗は、それなりの面積がありましが、店舗によっては、とても狭く、着替えスペースさえも極小化されている店舗もあるようです。

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これまで、いろんな場所で、筋トレしてきましたが、エクササイズコーチは、どのタイプのジムとも違っていて、とても面白い体験でした。

<ルネサンスいわき 筋トレは、コチラ>
<ゴールドジム 世界で最初にできたジムは、コチラ>
<ライザップのパーソナルトレーナーは、コチラ>
<エニタイムフィットネス 24時間無休のフィットネスジムは、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/52918178.html
<カーブス 女性専用フィットネスは、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/53363664.html
<いわきFCパークジムは、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/54391944.html
<スポーツクラブJOYFITは、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/53826025.html
<SIX PAD STATIONは、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/53783446.html

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ジム・ロジャーズ 大予測 激変する世界の見方

ジム・ロジャーズさんといえば、ウォーレン・バフェット、ジョージ・ソロスと並ぶ世界三大投資家。現在は、ファンドマネージャーを卒業し、シンガポールに移り住み、自己資金で投資事業をやっているそうです。その自宅で、2020年春にインタビューをし、その内容を翻訳したものが、この本です。前著、「お金の流れで読む日本と世界の未来」でも、中国を今後も成長が見込める国に上げ、自分でも投資していると公言していました。シンガポールに家族で移住した理由は、今後中国語がビジネスにおいて重要になると見込み、娘2人に中国語を上達させるためです。

<お金の流れで読む日本と世界の未来 ジム・ロジャーズ著は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/53407906.html

全世界がコロナ渦に直面していますが、2020年春の段階で、全世界的な影響を予測していたのは、さすがですね。特に、航空会社・シェールガス関連企業の破綻を、この段階ではっきりと断言しています。コロナ渦は、トランプ再選に逆風との予測も。その後、全世界的な経済の停滞の先に何が起こるか。投資家はどう動くべきかについても、言及。

最後にジム・ロジャーズの投資哲学が語られています。これまでもさまざまな著書で明らかにされていますが、その集大成とも言えます。
成功法則①賢明に働いて資産を作る
成功法則②一つの分野のプロになり、知識を高める
成功法則③慎重に投資し、その後は何もしないこと

人生と投資で成功したければ、世界を知り、歴史と哲学を学ぶこと。

<バビロン大富豪の教え 「お金」と「幸せ」を生み出す五つの黄金法則は、コチラ>
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女帝 小池百合子

表紙の帯のサブタイトルが、「救世主か?怪物か?彼女の真実の姿」とあります。著者は、ノンフィクション作家の石井妙子氏。これまでひとりの女性に焦点をあてて、その半生記を書いてこられた方です。そして3年以上の月日をかけて、100名以上の方に取材をして、完成したのがこの本です。東京都知事選挙の直前に発売されたというタイミングもあって、発売と同時に大変な話題になっています。

重層的な取材を重ねて書かれているだけに、説得力があります。ネット上では、「面白かった」「怖かった」だけなく、「小池さんという人がどういう人物なのか初めてわかった」「今まで疑問に思っていたことが腑に落ちた」「肯定する気にはなれないけれど、がむしゃらに男社会をのし上がっていった小池さんに喝采を送りたい気持ちもある」「憎めない、かわいそうだ」「絶対に政治家にしておいてはならない」等の意見が、著者に寄せられているそうです。

私の感想は、これだけよく取材を重ねたなあ、というもの。上記のような見方は、どれも正解だと思います。当然、取材先の意図が反映されてしまうため、事実と異なることもあるでしょう。しかし重層的にされた取材から浮かび上がってくる、小池氏像は、良くも悪くも、驚くべきものでした。本のトーンは、小池氏に批判的なスタンスで書かれていましたが、私の印象としては小池氏は自らいろんな手を使って、現在のポジションまでのし上がったなあというもので、あまり否定的には捉えませんでした。逆に、都知事選直前に販売するところなど、著者の販売部数を増やしたいという明らかな意図を感じました。いずれにせよ、都知事の意外な側面がわかるこの本は、東京都民必見です!!!

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小名浜駅跡 福島臨海鉄道

2018年7月に、イオンモールいわき小名浜 売上が上がらない原因をブログに書きましたが、フードコート・映画館を中心に、週末賑わっています。地元事業のテナントが少なく、いわき経済内でオカネが循環せず、売上・仕入ともに市外へ流出してしまっているので経済的には-ですが、消費者の選択肢が増え、楽しみができたことは市民生活にプラスです。

自家用車で、鹿島街道からダイレクトに駐車場にアクセスでき、そのまま雨に濡れずモールの店内に入れることができるので、あらためてその立地を考えることは少ないと思います。しかしイオンモールない数年前までは、鹿島街道はアクアマリンまで抜けられず、自動車修理会社が立ちふさがっていてT字路になっていました。またイオンモールが立っている場所は、福島臨海鉄道会社の小名浜駅でした。

<イオンモールいわき小名浜 売上が上がらない原因は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/52162418.html
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その跡地であることが確認できるのは、モール南西側に設置された線路と踏切です。かつてはここは、日本水素・日本化成を中心とした臨海工業地帯で、港から積み上げた原材料を工場で加工し、製品として貨物列車でその引込線から、工場からダイレクトに列車で臨海鉄道・常磐線経由で、関東圏へ出荷していました。

さらに臨海工業地帯になる前の昭和の前半は、小名浜港は海水浴場でした。江戸時代は前浜と呼ばれ、捕鯨していたという磐城七浜の絵図も残されています。

<近世いわきの藩展 磐城平藩ー鳥居・内藤時代ー>
http://www.mikito.biz/archives/44507517.html
<地名の変化にみる、いわきの近代化は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/24091954.html
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小名浜の歴史が銘板に記されていました。以下引用です。
小名浜駅の歴史は、明治40年12月に開業した小名浜軽便馬車軌道に始まります。当時は小名浜・泉間を、旅客と塩・鮮魚などの物資を馬車で運んでおりました。昭和14年には、泉駅から常磐線への直通運転を図るため、地方鉄道の免許を取得し、小名浜臨港鉄道となりました。
小名浜駅の役割が大きく変わったのは、昭和39年の磐城・郡山地区の新産業都市の指定です。小名浜港の整備も進み、石炭火力発電所も設立され、小名浜は一大臨海工業地帯として飛躍的発展を迎えることになります。
急増する原料・製品などの貨物輸送に対応するため、公共交通機関としての整備の必要性から、福島県・国鉄及び地元企業が資本参加し、昭和42年に現在の福島臨海鉄道となりました。当時の駅構内は、2号埠頭・3号埠頭まで線路が敷設されており、港と直結していました。
平成23年東日本大震災による津波で、小名浜駅は壊滅的被害を受けました。
全国ネットの貨物輸送網の復旧は地域経済の復興上、急務であり、約1年を要し運転再開させました。
同時に進行していた震災復興土地区画整理・津波復興拠点整備の都市計画上の要請を受け、平成27年1月、小名浜駅は西方へ600m移転致しました。
100年余り鉄道駅として歴史を刻んだこの地に、昭和40年代に活躍した機関車の動輪を寄贈し、王子の記念といたします。
平成30年6月
福島臨海鉄道株式会社

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2011年の東日本大震災なかりせば、イオンモールいわき小名浜の実現はなかったし、そもそもこの地にあった、福島臨海鉄道株式会社の小名浜駅の新築移転もなかったでしょう。痛ましい津波犠牲者を出した天災ですが、それもまちづくりには大きなインパクトとなったことは間違いありません。

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French Pound House 日本一のショートケーキ

フレンチパウンドハウス(French Pound House)は、東京巣鴨にある「日本一のショートケーキ(嵐にしやがれで紹介された)」のお店です。大和郷という、上皇后美智子さまが通園された大和郷幼稚園がある、高級住宅街にあります。岩崎弥太郎邸だった六義園もすぐ近くにあります。

ひと切れ600円は、なかなかのお値段ですが、生クリーム、スポンジ、果汁、メレンゲを紙一重の匙加減で最も美味しくなるように作っているそうです。

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外観は、白タイルに青のオーニングが、ギリシャ・サントリーニのイメージでしょうか。シンプルだし、上品です。

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いちごのショートケーキが、一躍有名になりましたが、それ以外の商品もたくさん陳列されていました。個人的には、ここのメロンショート(丸くくりぬかれたメロンが、いくつもショートケーキに乗っている)こそが、日本一ではないか。

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女性が好みそうな、ライトカラー・ウッディー・白基調の店内です。

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クリームブリュレ。

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屋内でも飲食できますが、テラス席も季節によっては、すごくいいかも。

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IKEAのスウェーデンミートボール

スウェーデン発祥の家具、イケア(IKEA)のお店に行くときは、必ずランチを食堂で取ることにしています。もちろお目当ては、スウェーデンミートボール。イケアによると、リンゴンベリージャムとクリームソースを添えて、ポテトと一緒に食べるのが伝統的なスタイルだそう。

ステーキ等の生肉でなく、副菜もマッシュポテトという、高給でもなくフレッシュでもない材料を使うあたりが、倹約気質な北欧文化だなあと思う。またお肉料理に、甘いジャムを付けて食べるってのは、西欧文化だなあと思う。そしてジャムの中身も、山に生えているようなベリーというのも、フィンランド・スウェーデンらしい。

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カフェテリアは、いまどきの学食風。高級感はありませんが、清潔で明るい雰囲気です。客層も、家具を買いに来ているファミリーが多いので、穏やかなものですね。

<東京大学 安田講堂地下の生協食堂が大改装は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/52918187.html
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大テーブル席も良いのですが、太陽光が入るテラス?席も、眺めが良かった。

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ソファ席で、お茶・お食事も可能。この大空間は非日常ですね。インテリアもイケアそのままですね。

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イケア進出当時は、10畳以上の広い部屋がモデルルームになっていて、日本の住宅事情にそぐわないという指摘がありました。今では、もうちょっと狭い部屋が想定されているようですが、まだまだ6畳の子ども部屋には対応しきれていないかも・・・空間に余裕がないと、イケアの家具はその良さが発揮しにくいと思います。

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イケアの真骨頂である、商品倉庫。お客はサンプルルームに展示されている家具の商品番号を書き取り、その番号の指示に従って、この商品倉庫から、フラットパッケージされた商品を引っ張り出して、カートにのせ、隣の部屋のレジで会計する。このフラットパッケージ(シンプルかつコンパクトに梱包することで体積が小さい)と、組み立ての容易さ(特殊な工具は不要)が、イケア家具の強みです。

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天然温泉 極楽湯 いわき店

極楽湯は、スーパー銭湯というカテゴリで、店舗数日本一。2002年ジャスダック上場会社で、国内約40店舗、中国でも数店舗展開しているという攻め?の会社です。いわきの葉山にも、2008年オープンのフランチャイズ店舗があり、入館料金750円という割安なこともあり、平日休日関わりなくとても賑わっています。

スーパー銭湯としては、いわき小浜にいわき健康センターがありますが、あちらは敷地や建物が大規模で、食事や休憩を楽しむ滞在時間が長い滞在型(入浴料金1000円~)。一方こちらは、いろんな種類のお風呂をコンパクトにぎゅっと詰め込んだ、短時間で楽しめるリーズナブルな施設です。逆に言えば、平日でもちょっと混みすぎで、人口密度が高めなので、静かなゆったりとした環境を求める人には向かないかも。

<温楽@いわき健康センターは、コチラ>
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こちらは、天然温泉を掘り当て、ナトリウム・カルシウム-塩化物泉「葉山の湯」を使っています。風呂の種類としては、露店岩風呂・檜風呂・壺風呂・温鉱石うたた寝湯・ジェットバス・電気風呂等があり、充実しています。

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ここのサウナは、ロウリュこそありませんが、ベンチが5段もあり、かなり広い。高さもあるので、高温から低温まで、自分で選べます。全体的には、温度も低めで長時間楽しめます。水風呂もサウナ室出口隣にあり、よく考えられています。一番は、露天風呂がひとつだけでなくいくつもあって広く、休憩椅子が5つくらいあるので、椅子の取り合いにならないこと。また目隠しの塀越しに、山あいの木々の緑が目に入り、自然の中にいるような気持ちになれます。主要道路沿いからの騒音が、水滝の音とバックミュージックでうまく相殺されているんです。

平のまちなかにも、カプセルホテルリフレという便利なサウナ施設がありますが、こういった自然の木々の緑が感じられる外気浴は、ここが一番かも。

<カプセルホテルリフレ 熱波師のロウリュでととのった>
http://www.mikito.biz/archives/54381284.html

 

ユナイテッドアローズ 日本一お客様に喜ばれる販売員の話

著者の富島公彦氏は、大手アパレルワールドから、ユナイテッドアローズに転職し、人事部副部長などを経て、独立された方です。セレクトショップの御三家である、ユナイテッドアローズの歴史については、「UAの信念」に詳しいです。一方、従業員の立場から、ファッション販売員の地位を向上させ、誇らしい仕事にしたいという思いで書かれた著書は、UA愛に満ちあふれるものでした。

ユナイテッドアローズの名前の由来である、ひとつの目標に向かって直進する矢(Arrows)を束ねた(United)もの。それは、共通の理念・志を持って突き進む従業員が集まった集合体でもあります。そこには、理念のみならず、試行錯誤しながらやってきた取組みの積み上げでした。

・サンキューノート:販売員に寄せられる感謝の言葉を、社内イントラネットに載せ、好事例として紹介
・クレームノート:同じく情報共有し、同じ失敗を繰り返さない
・UAE事件簿:実際に起こったクレームの再現ビデオを、役者を使って忠実に再現したDVDを作成
・ビギナーズハンドブック:販売員としての最低限必要な知識やスキル
・束矢グランプリ:接客ロールプレイング大会
・束矢大学:プロ販売員養成講座
・新卒者は原則として全員、販売員として採用
・販売員ひとりひとりが「商品・販売・宣伝」連携ができる洋服オタク
・創業の志:店はお客様のためにある
・カッコいい店舗で、カッコいい販売員が、腰を低く、親切丁寧に、専門知識を持って親身に接客
・3代目の理念ブック①VISION(理念)、②VOICE(全社員からの18問の国勢調査)、③VISUAL(UAらしい写真集)


<UAの信念 すべてはお客様のためには、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/54669003.html
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理念ブックの②VOICEに掲載されている、全従業員への18の質問は、以下のようなものだそうです。こんな正直な質問と回答を、集約して全社員に印刷物として配布するのは、コストもかかりますが、それ以上に、会社が従業員からどのように見られているか、まるで丸裸になってしまいます。こんなところに、経営者のオープンマインドが現れていると思います。
Q1 あなたなUAに入社した理由は?
Q2 あなたが働いていて、一番成長したと思うことは?
Q3 あなたが働いているなかで、一番の喜びは?
Q4 あなたが働いている中で、一番の悩みは?
Q5 あなたが好きななUA社の社員は誰ですか?その理由は?
Q6 あなたのUAでの目標、夢は?
Q7 あなたが買ったUAの商品で一番好きなモノは?
Q8 自分だけの仕事のノウハウを教えてください
Q9 あなたにとってUAが好きな点は?
Q10 あなたにとってUAの嫌いな点は?
Q11 あなたが好きなUAらしい具体的な場所は?
Q12 あなたが最近、UAが行った試みで良かったと思うモノは?
Q13 同業他社と比べて、UAが優れている部分は?
Q14 あなたが思うUAらしさは、具体的に何?
Q15 創業以来UAに受け継がれているものがあるとすれば、それは何?
Q16 創業以来UAが変わったことがあるとすれば、それは何?
Q17 あなたにとって創業者は、どういう存在ですか?
Q18 今後、UAはどのようになっていけばいいと思いますか?

珈琲サイフォン 初代河野彬社長がサイフォンを世界初開発

東京の巣鴨駅からほど近い、住宅商業の混在した地区に、そのコーヒー焙煎の町工場がありました。特徴のある7本の金属製煙突は、普通の店舗ではないことを主張しています。しばしば、地域のまちあるき雑誌に取り上げられることのあるこの建物は、地域の誇りでもあります。

なんとこの会社、世界3大ペーパードリップ法である「カリタ式」「メリタ式」「ハリオ式」についで、有名な「KONO式(コーノ式)」ペーパドリップを世に送り出した会社なんです。日本人として、なんと誇らしいことでしょう!一説によると、2代目の河野敏夫氏が、ハリオに先んじて、この円錐型ドリッパーを開発したそうです。

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コーヒー袋の裏面に記載された「河野コーヒーサイフォンの歴史」創業1925年によれば、「大正8年(1919年)九州帝国大学医学部助手であった弊社初代社長 河野彬は外務省嘱託の大使館付医務官としてシンガポールに赴任中、英国人が工夫していたコーヒー器具にヒントを得て、コーヒーが美味しくできるコーヒー器具の研究を始め、大正14年(1925年)世界で始めてのガラス製コーヒー器具を商品化し、商品名を「コーヒーサイフォン」と名付け、販売を始め、その後、コーヒー焙煎加工をしていくようになったそうです。

珈琲工場直販店ですが、明らかに工場然としていて、「小売りしています お気軽にどうぞ」とは書いてあるものの、一般人にはちょっと敷居が高い入り口です。

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店内には、複数の大型焙煎器が置かれており、やはり店舗よりも焙煎機が主役なのだと思いました。

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狭い店舗部分には、20種類くらいのコーヒー豆が販売されています。もちろん「コーノ式名門K」のドリッパーや、コーノ式ペーパーフィルターも購入可能。現在の3代目社長、河野雅信氏による、珈琲のプロを目指す方向けの、コーノ式珈琲塾という教室も定期的に開催されています。

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推薦ブレンドが200g800円、謹製ブレンドが900円です。後者が個人的には好きです。専門店としては、かなりお求めやすい価格だと思います。高級豆を扱っていないというわけではなく、パナマゲイシャを50g3000円で販売していたこともあります。

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指定のグラム数を、豆そのままか挽いた状態で、パッキング。このパッキングも、空気を通さない特殊なものだとか。

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「河野コーヒーサイフォンの歴史」によれば写真は、昭和3年(1928年)河野邸にて初期のサイフォンを使用しコーヒーパーティを催している様子だそうです。右側2番目が、初代社長 河野彬氏とのこと。

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オプティミストはなぜ成功するか

ペンシルベニア大学で、ポジティブ心理学を研究テーマにしているマーティン・セリグマン氏。ポジティブ心理学という学問は、心理学の世界ではかなりマイナーな部類なんだそうです。しかし、氏が実証したのは、悲観主義者(ペシミスト)よりも楽観主義者(オプティミスト)のほうが、さまざまな点でよい結果を出しやすいということ。

もちろん、生まれながらのものや、育ってきた環境で、すでに性格は形作られてしまっているので、悲観主義者(ペシミスト)も、楽観主義者(オプティミスト)になろう!といわれても、そう簡単には変えられません。著書は、かなりページ数があり難解な解説はあるものの、いわんとしていることをざっくりいえば、現在ペシミストであっても、後天的な学習でオプティミスト的な考え方を身につけることができるということ。ちょっとしたモノの見方を変えることで、性格は(ちょっとだけ)変えられる。

さらにいえば、必ずしもどんな場面で、オプティミストが絶対的な良い結果を出すとは限らない。よく考えればわかることですが、ペシミストはオプティミストよりも現実を把握するのが得意。したがって、安全管理や設計、契約交渉などにはペシミスト的な視点のほうが有利にコトを進めることができます。ペシミストは、その性格に加えて、意図的に楽観主義を身につければ、ペシミストならではの有利な視点をもちながら、オプティミスト的な大胆な行動を取ることができるわけです。これは多くの人にも当てはめることができると思います。

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いま知っておきたい「みらいのお金」の話 松田学著

先日、著者の松田学氏の講演を、直接聴く機会がありました。氏は、東京大学経済学部卒業後、大蔵省入省し、約20年間奉職し、財務省大臣官房付までやった方です。その後、衆議院議員を経て、現在はブロックチェーンなどの情報技術や暗号通貨を活用した新しい日本の社会を構想し、フリーな立場で、情報発信や政策提言活動を展開しておられます。

電子マネー・仮想通貨・暗号資産との違い
ブロックチェーンの技術とは
法定通貨への信用と、仮想通貨との違い
中央集権型と非中央集権型
お金の本質的機能は、①保存、②交換、③尺度
現在流通している紙幣は、裏付けのないフィクション
仮に新しい価値観で、小さい経済圏が作れれば、それがみらいのお金になりうる

興味深かったのが、氏が提唱する「松田プラン」です。現在、日本政府の国債発行残高の多さが問題になっていますが、それを画期的にコントロールしようという試み。
①日銀が保有している国債450兆円は、日本政府に対する債権である。
②日銀と日本政府を一体とみれば、債権債務の相殺が可能
③国債の満期到来時には、日銀は永久国債を発行し、日銀は永遠にこれを売却しない
④政府は、独自に暗号通貨を発行し、スマートコントラクト等で民間で流通
⑤政府は、通貨発行差益を原資として、将来的に国債(永久国債を含む)を返済していく

元財務官僚ということで、学者風の通り一遍の講義だと予想していましたが、さにあらず。深い知識を、実際の経済に落とし込んで、わかりやすく解説していただきました。松田プランは、とても斬新だと思います。日銀の永久国債発行は、私も案として知っていましたが、その後の、政府独自の暗号資産発行により、通貨発行差益を得るという発想は、目から鱗でした。こういう方に、政治の要職につき、活動してもらいたい。

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専業主婦は2億円損をする 橘玲著

『マネーロンダリング』『永遠の旅行者』をはじめたくさんの経済小説を出されている、橘玲氏。徹底したリアリスト、資本主義論者です。最近は、もっと軽いノリの人生の生き方を出していますね。「幸福の資本論」がその典型ですが、この本「専業主婦は2億円損をする」はそのベースとなったと思われる本です。

確実に、各界各層から反発・反論の出そうなタイトル名です。氏の立場、あくまで個人の嗜好や感覚的な幸せの視点ではなく、全体的・経済的・客観的な視点からの分析です。その意味で、幸せってのは個人的な感覚なものだろう!という方からは、絶対に受け入れられないだろうな。なんせ日本の中年女性のマジョリティを占めている専業主婦が否定されているんですから。

幸福は、しっかりとした土台の上に築かれるべき。そのためには、①金融資産、②人的資本、③社会資本という3つの資本を蓄積し、「幸福に生きるための土台(インフラストラクチャー)」を、各個人が設計することの提案は、幸福の資本論と同じ。

プア充:田舎のマイドルヤンキーは、オカネ(金融資本)がなく、稼ぐ力も弱い(人的資本)。しかしいつも一緒にいる仲良しメンバー(社会資本)と充実した田舎ライフを送れるかもしれない。一方、その友だちネットワークから外れると、3つの資本すべてを持たないこととなり、そのまま即「貧困」である。
リア充:若くして高収入を得られる職業につき(人的資本)、友だちや恋人がいれば(社会資本)、預金ゼロでも(金融資産)、充実できる。
金持ち:稼げる能力を持ち(人的資本)、一財産稼いだ(金融資産)が、その過程で友人や家族を犠牲にしている。

著者のいわんとしていることは、3つの資本をすべてそろえた「超充」を達成することは難しいが、せめて2つをそろえれば「幸福」といえる状態になるのではないか、ということ。年収400万円の人でも、同じく年収400万円の人と結婚して、働きながら人生を送れば、①はともかく②と③は達成でき、人生の勝ち組?にカテゴライズされるでしょう。自分はその資本が充実しているのか、どのカテゴリーに当てはまるのか、そう考えると、ちょっとは気楽に生きられるかもしれない、という元気ができてきました。

では、ここで専業主婦はどうかという視点で考えてみましょう。③社会資本は、ママ友をはじめとする人的ネットワークで満たされています。一方、①金融資産(貯金)はほぼないし、②人的資本(稼ぐ力)は、とうの昔に置いてきて忘れてしまった・・・すなわち、仮に①をも失ってしまうと、目も当てられない状況になってしまうわけです。

著者がいいたかったことのひとつは、結婚&出産&子育ての人生と、結婚&仕事&子育ての人生が、それぞれの女性にとって、実質的に自由に選択できる世の中が日本に到来して欲しいということだと思います。老若男女すべてが社会に参加し、やりがいを持って働き、それぞれの幸せを感じながら、人生を送れるような社会になって欲しいと思います。

<幸福の「資本」論 橘玲著は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/50430112.html
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日本4.0 国家戦略の新しいリアル エドワード ルトワック著

著者のエドワード・ルトワック氏はユダヤ出身で、英、仏、イスラエルの軍隊を経験した後、ジョンズ・ホプキンス大学で学び、現在は、フリーの軍事アドバイザー・戦略家という肩書きです。そして何といっても、知日家・親日家です。著書に、「ルトワックの日本改造論」や「中国4.0 暴発する中華帝国」があり、中国封じ込めのさまざまな提案がなされています。その氏がこれまでの日本を分析して得た結論は、日本が大きく進化=バージョンアップしてきた時期を4つに分け、今「日本4.0」にあるという。日本は、あるタイミングでそれまでのシステムを完全に捨て去ることで、現実に対応してきたわけです。

日本1.0:内戦を完璧に封じ込めた江戸→ガンコントロールと同盟
日本2.0:包括的な近代化を達成した→侍が特権を棄てて近代的な軍隊への転換を主導
日本3.0:弱点を強みに変えた戦後→禁じられた軍事を経済に集中投資
日本4.0:自ら戦える国に進化・アップグレード→ヒューミントや先制攻撃能力の獲得

いま日本は、4.0になるかどうかの瀬戸際。そのカギは少子高齢化の若返りとイノベーションです。国を愛する者がもっとも大切にするのは、国旗でなく子どもたちだからです。

一例として、近隣の大国からいつ侵攻されてもおかしくない危機感を持った国として、フィンランド(貧弱な装備でロシア軍を撃退)とイスラエル(効率的な攻撃でイランと対抗)が上げられています。小国ではあるものの、彼らの軍事力はリアリティを追求したもの。その戦略性・効率性は、見習うべき点が多いのではないでしょうか。

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いわき震災伝承みらい館 整備に3.7億円

いわき震災伝承みらい館は、地震、津波に加え、原発事故が重なるという未曾有の複合災害に見舞われた、いわき市の震災経験をあらためて捉え直し、震災の記憶や教訓を風化させずに確実に後世へ伝えていくことを目的とした「震災メモリアル事業」を推進するための総合拠点施設です。9:00-17:00会館、月曜休館、入館料無料。場所は、いわき市薄磯3丁目11(震災土地区画整理事業により、住居表示が変更になっています。以前は、いわき市平薄磯だったのが、「平」が取れて、「いわき市薄磯」になりました)。

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整備に要する総工費は3.7億円(施設整備のハードに2.3億円、展示などソフトに1.3億円)。いったんは市が全額支出しますが、最終的には国の負担率が100%なので、いわき市の財政負担はありません。一見、有用な施設ができ、かつその工事も市内業者が請け負っているので、市内経済にはプラスのインパクトなのかもしれません。しかし、本当に国民負担で、このような施設が億円単位の支出をして有用なのかを、きちんと考えなければならないと思います。また運営には、5名の常駐職員が見込まれており、その運営費は人件費を中心に年間34百万円を見込んでいます。これはいわき市の負担ですから、将来、負の遺産となるおそれあり。

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そもそも、震災メモリアル事業としての総合拠点施設を、新規に作ること自体、異論がありました。仙台市の荒浜では、津波により浸水した荒浜小学校の現状保存を決め、メモリアルパークにおける記念館という位置づけで後生に残すそうです。

<荒浜小学校の視察は、コチラ>
この薄磯地区も100名を超える津波による死亡者を出した薄磯海岸にあり、東日本大震災の教訓を残すために、震災遺構として(新規に建物を作るのではなく)この地にあった豊間中学校の保存し、後生に残すべきではなかったか。

<震災遺構 豊間中学校は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/43262589.html
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展示内容として、見るべきはガイダンス映像とメイン映像です。どちらも、かつての住民や被災された方・避難所にいた方、給水活動に従事された方、避難所運営に従事された方等のインタビューと、当時の動画映像が、上手に5分程度にまとめて編集されており、一度は見る価値があると思います。YouTube等で、東日本大震災時の津波動画等はたくさん見ることができますが、この各当事者へのインタビューは、よくできています。改めて見る価値があると感じました。またパネル展示やハンズオン展示、タッチパネル展示、被災現物展示、VR体験(コロナ対策のため、一部停止しているものあり)もあります。

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土日には、「震災語り部」としてリアルに震災を被災した語り部が、有料で解説してくださるそうです。1時間あたり5,000円だそうですが、団体で聞けば、参加者ひとりあたりの負担は小さくなるので、教育旅行等には良いかも知れません。

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それにしても、立地場所については、かなり疑問が残ります。確かに薄磯地区は、津波被害が最も甚大だった場所ですが、訪問者にとって利便性が高いとは言えません。公共交通機関もなく、市中心部から車で20分近くかかります。教育旅行を念頭においた、市外からの訪問者はもちろん、市内の小中学校生徒が、自ら訪れることは難しいでしょう。

震災メモリアル事業ですが、目的は、①震災の記憶・将来への伝承、②被災された方への哀悼・鎮魂、③市内外の方が教育旅行として訪問することによる、市への認識度定着・経済効果、だと思います。薄磯の施設は、①がメインで、②③に重きが置かれていないように感じました。利便性が低い場所に、このような施設を作ることは、負の遺産になるおそれがある。それを見越して、仙台市では、「せんだい3.11メモリアル交流館」という①②③いずれにも配慮した震災メモリアル施設を、市営下鉄駅直結のビル内に整備して、訪問者の利便性に最大限、はかっています。薄磯の施設もオープン当初は、物珍しさも含めて、訪問者は多いでしょう。しかしそれが一巡したら、訪問者がおらず、毎日ガラガラな建物となってしまい、運営コストを切り詰めるために運営を外部委託し、運営スタッフ数を減らし、定期的な展示コンテンツの更新がなされない、という将来が見えてきます。震災関連メモリアル施設は、福島県も、さらには双葉8町村それぞれが類似のコンテンツ施設を作っています。整備費に億円単位を使って、さらには将来毎年数千万円の運営費もかかる事業は、国民の税金を使って新規に作る必要はあるのか。もはや作ってしまった以上、もうどうにもならないというあきらめ感はあるものの、そういった痛い公共施設とならないことを、切に祈る思いです。

<せんだい3.11メモリアル交流館は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/48908530.html 
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東京改造計画 堀江貴文著

今年7月の東京都知事選挙を前にして、潜在的な立候補者と目されている堀江貴文氏の新著です。東京都への緊急提言として、さまざまな分野で都政について37の東京改造計画を提案しています。選挙情勢は、コロナ渦の真っ最中ということもあり、現職の小池百合子氏が圧倒的優位と噂されていますが、このタイミングでこのような本を出し、話題をさらうことができれば、まだまだ一般都民の投票行動は、予見できません。

東京都の予算規模は7兆円を超えていて、一つの国家に並ぶ規模です(インドやスウェーデンと同程度らしい)。そのトップは、ある意味、国家元首のようなもの。日本の総理大臣は、衆議院議員から選出される間接選挙ですが、都知事は直接、都民から選ばれるので、都議会議員とつるむ必要がなく、絶大なパワーを持っています。

一方、東京都職員も優秀です。日本一の自治体であり、上級職であるⅠ類A採用試験(事務職)の任期は高く、平成30年度・令和元年度採用ともに、競争倍率は8倍を超えています。人数は、一般行政職だけで2万人近く、消防・学校教職員・警察等を含めると総計16万人を超える職員がいます。優秀な職員がいて、潤沢な財源があり、組織がおおきくなればなるほと、硬直化し、停滞を招くのは必至。かつて、石原慎太郎元知事が、都庁を指して「伏魔殿」と呼んだほど、複雑怪奇な職場なのです。

それを「外圧」で大胆に改革しようというのが、堀江貴文氏の提言です。なぜなら氏は、批判や炎上を恐れないから(既存の政治屋は、得票目的のため、大衆からの批判や炎上は避ける行動・施策を取る)。いわく、「東京は政治屋たちの私物じゃない」。

東京のポテンシャルを最大限に活かし、それを最大限に活用することによって、明るい未来があるはず。氏は、組織を軽くし、スピードを上げ、効率的に進める。民間の力を最大限利用し、得た利益や便益を、支援すべき層に回していく。それには経済・オカネの循環をうまく回すこと。

37の提案には、荒唐無稽なものも含まれているし、良いけれども既存勢力のものすごい強い抵抗が予想されるものもあります。しかし既存の政治家にないメンタルをもっている堀江氏の行動に注目していきたいと思います。

なお表紙の写真は、写真家の蜷川実花氏に撮影してもらったそうですが、コロナ渦で外出制限されているので、リモートで蜷川氏からアドバイスもらいながら、スマホでセルフ撮影したものだそうです。いろいろ修正は入っているのでしょうが、クオリティはとても高い。書籍の表紙にこんな撮影方法の写真を使うなんて、ちょっと驚きでした。

<蜷川実花展 ビビッドでポップ調は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/53387601.html
2020-06-01 08.26.09-1


 

マンガ ビジネスモデル全史 創世記編

著者の三谷宏治氏は、ボストンコンサルティンググループ・アクセンチュアという超一流戦略コンサル会社で、バリバリやっていたビジネスマン。今は、金融業界から解脱して、次世代向けの教育事業をされているそうです。しかし、そのコンサル会社時代の膨大な知識と経験から、著作も多数です。

このマンガ ビジネスモデル全史 創世記編も、絵やキャラはおちゃらけてますが、そのベースとなるケーススタディとビジネスモデルの本質的な考察は、書籍からの知識だけでなく実務経験なくしては、実現できないと感じました。特にストーリーの間にはさまれている、当事者のこぼれ話やユーモアは、オタクレベルに調べていなければ、知らないことだし、書けない。絶対に、純粋な経営学者・研究者にはできない著作です。

それにしても、この30年余りの技術革新とビジネスモデルの栄枯盛衰は、激しい。数々の偉大な企業・経営者たちの山ほどの挑戦と失敗。これを踏まえれば、今ここにある商売やビジネスは、将来そのままあると考えるほうがおかしいと腹落ちしました。こういうことこそが、いまビジネスをしているもしくはしようとしている人向けだと思います。

堀江貴文さんもいっていますが、新たなビジネスモデルは既存のモデルと新たな情報の組み合わせです。新たなことにチャレンジする勇気を与えてくれる一冊です。

<スマホ人生戦略 堀江貴文著は、コチラ>
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UAの信念 すべてはお客様のために

ユナイテッドアローズ編著の、同社の足跡をたどった社史とべきいうもの。編著がユナイテッドアローズそのものなので、業界の慣行や、会社の生い立ちから上場までの秘話、不祥事事件への対応等、とても詳しいです。BEAMS、SHIPSとともにセレクトショップの御三家と呼ばれますが、前2社は株式非公開であるにもかかわらず、ユナイテッドアローズは1999年に株式公開し、売上も1300億円と、3社のなかで唯一1000億円を超えています。

創業者の重松理氏は、1976年に設楽悦三氏の出資を得てBEAMSを作り、その店長・バイヤーに就任。独自の目利きで海外の一流品を買い付けてきて紹介・販売するというセレクトショップという業態を日本に創りました(今では仕入商品が50%、自社開発商品が約50%)。順調に売上げを伸ばし、1989年にワールドから出資を受けて独立、ユナイテッドアローズを立ち上げます。トレンドに敏感でハイテイストなドレスウェアを販売するも、バブル崩壊に直面し、設立以来4期連続赤字を計上。プライスゾーンを中低価格帯へ広げたことや、自社生産でコストを下げたこと、ファッション雑誌にデザイン性の優れた本店社屋が頻繁に取り上げられたこともあり、やっと黒字化。1999年に店頭公開を果たします。しかし、原宿本社のそばにユニクロの基幹店が出店し、そのあまりの低価格路線に「ユニクロショック」となり、業績が急降下。さらには産地偽装で公正取引委員会から景品表示法違反で排除命令が出されたりで、コンプライアンス対応に四苦八苦することになります。

ここですごいなあと感じるのは、会社の理念、社是、ルール、スピリッツ等を「理念ブック」等を作成することでテキスト化・ビジュアル化し、全社員と共有を図ったこと、そしてそれを数年毎に見直して、継続していることです。その効果か、利益率は日本の伝統的アパレルから一歩、抜きんでています。そして、ユナイテッドアローズのアニュアルレポート・決算発表資料・データブックの内容は非常に充実しています。正直、これだけの規模の会社で、この高いレベルのレポートを外部に公表しているのは、非常に珍しいと思います。

現在の代表取締役の竹田光弘氏は、2009年に就任された4代目の社長ですが、初のプロパー出身者でない社長です。業界全体としては将来的なパイの縮小が見込まれているアパレル業界ですが、「進化する老舗」「店はお客様のためにある」「私たちは新しい日本の生活・文化の規範The Standards of Japanese Styleとなる価値観を創造し続ける会社です」というUAの信念を貫いて、素晴らしい商品を世に出していってほしいと思います。

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アメリカン・プリズン 潜入記者の見た知られざる刑務所ビジネス

全米150万人の受刑者のうち、民営刑務所が約13万人を収容するという事実は衝撃的でした。刑務所運営の民営化により行政コストが削減できます。受刑者1人あたり、1日39ドルが民間運営会社に支払われる約束になっていて、行政が直接運営するよりも20ドル程度コスト削減なのだそうです。一方、民間委託により、さまざまな問題があり、それは塀の中のことなので、誰も知らなかったし、知りようがありませんでした。そこで、自らもイランで受刑歴のある米フリージャーナリストが、身分を隠して小型カメラとレコーダーを隠し持って、刑務官として2014年に4ヶ月間も潜入取材したのがこの本です。潜入取材は、ユニクロのものを読んだことがありますが、実体験だけに説得力があります。2016年の出版で、まさに知られざる実態が明らかになり、実際に当時のオバマ政権の下、連邦刑務所の民間委託が中止になりました(トランプ政権下で、民間委託が再開された)。

刑務所の運営を受託しているのは、コレクションズ・コーポレーション・オブ・アメリカ(CCA)という会社で、なんとニューヨーク証券取引所に上場している、売上高1000億円を超えるピカピカの会社です。しかし、記者の目には、利益追求し運営コストを極限し、慢性的な人手不足になったいたようにみえます。

・なんと刑務官の時給は、たった9ドル
・地元からの応募は少なく、必要な人数を配置に割り当てていない(しかし州政府には合法と報告)
・慢性的な人手不足で、刑務官1人あたり176人の囚人を担当
・受刑者とのトラブルは人数不足で解決できないので、トラブルには誰も手を出さない
・受刑者の医療費は運営会社が負担するので、なるたけ外部の医者に診察させない
・スタッフが足りないので、囚人の大運動場でのレクや図書館・売店サービスが休止となっている
・全米では男性受刑者の9%が性的被害に遭っている
・刑務所内で多数のハンドメイドのナイフが見つかる

利益第一主義がもたらす歪みや非人間性が刑務所内で起きているのは、歴史的経緯があると著者はいいます。すなわちアメリカ南北戦争までの奴隷制度が、奴隷を利用して権力者が富を得ていく仕組みができていたということ。その奴隷制度が、刑務所の囚人を利用して権力者が富を得ていく仕組みに変わっただけだというのです。もっといえば、奴隷は主人の所有物だったため、資産として健康管理をはじめ大事にされた面があるのですが、囚人は州政府から預かっているだけなので、当初はまったく健康を顧みられることなく、補充が効く使い捨てだったそうです(毎年の死亡率20%超)。また囚人の血液を売って血漿を作るビジネスや、新薬の臨床試験に囚人を使うビジネスもあったそうです。やはり、有色人種を人間とは捉えておらず動物の一種と捉えていた実態があります。今のアメリカでは考えられませんが、たった100年前はそんな状況だった。現在では改善はなされているのでしょうが、根本的な思想の底流がこれでは、刑務所ビジネスに、まともな倫理感がないことは明らかでしょう。
 
CCAの共同創業者トーマス・ビーズリーの言葉が紹介されています。
「車や不動産やハンバーガーを売るように売るだけ」。

<ユニクロ潜入一年 横田増生著は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/51050825.html
2020-05-25 17.41.30-1

ゴーンショック 日産カルロス・ゴーン事件の真相

2018年の逮捕と、2019年のプライベートジェットを使ってのレバノンへの逃亡と、連続で驚かせているカルロス・ゴーン氏の逮捕から逃亡に至るまでのいきさつ一連の報道をまとめた書籍です。朝日新聞取材班が著書となっていて、400ページもあり圧倒される情報量です。事件の流れが時系列で整理されていて、事件の真相にかなり近いと感じました。もっともスタンスは朝日新聞社寄りになっていて、記者のスクープ自慢や独占インタビュー掲載があるのは、ご愛敬ですかね。

ニッサン(当時は、日本産業)の創業者、鮎川義介氏の経歴からはじまり、歴代の経営者の光と影、ニッサンの従業員の体質等がよくわかります。トヨタやホンダとは全く異なる社風なんですね。だからこそ、1999年にニッサンは、借入金1兆円を超え、民事再生法適用の一歩手前まで凋落してしまった。そこで、ダイムラーやフォード等との提携話があり、最終的にルノーの出資を受け、ゴーン氏がCOOとしてニッサンに着任。クロスファンクショナルチームの編成や、社員の意識と行動の変革、大胆なコストカット、日産リバイバルプランの発表と達成。そして翌年からの業績のV字回復やリーダーシップは、マスコミや経営本が大絶賛することになります。またルノーの代理人として送り込まれたにもかかわらず、株式の30%超を持つルノーからの経営支配に対して、日産の一定の独立性を保てたのもゴーン氏があったから。

不正のきっかけは、2008年のリーマンショック。ゴーン氏が新生銀行とのスワップ取引で個人的に13億円もの損失を出し、追加担保を要求されたこと。これを契機に、不正に手を染めていってしまいます。起訴されている容疑は4つ。
1. 役員報酬の虚偽記載(金融商品取引法違反)
2. 日産に損失を付け替えた特別背任(会社法違反)
3. サウジアラビアルートの特別背任(会社法違反)
4. オマーンルートの特別背任(会社法違反)

ゴーン氏は逃亡の理由として、日本の人質司法制度を上げています。起訴されると有罪率99%というのは、刑事訴追の原則である推定無罪が日本の司法制度では働いていないのではないか。確かに記事を読む限り、可及的速やかに司法制度を改善しなくてはならないでしょう。

・拘留期間が長すぎる
逮捕からはじまる拘留期間が数ヶ月に及び拘置所にとどめ置かれるのは、長すぎる。確かに尋問するだけなら、数日ですんで、すぐ起訴すれば良いし、それ以上に続くならば、毎日自宅から来てもらって尋問すれば良いわけで、拘置所に24時間×数週間もとどめ置く必要はないでしょう。

・保釈の条件
保釈の条件に、証拠隠滅の可能性を理由に妻のキャロルさんとの面会が許可されなかった。確かに結婚関係にある妻と、保釈中に会えないってのは、保釈を認めておいて裁判所の判断は尋常ではなかったと思います。

・保釈が認められない
証拠隠滅の可能性を理由に、数ヶ月も拘置所にとどめ置かれるのは、意味がない。検察は証拠固めをするのに、そんなに長い期間は不要でしょう。保釈したら、GPS端末の装着義務や携帯通話記録のチェック、監視カメラ等で、行動制限すれば良いはず。その間に被疑者に自由にモノが食べさせず、友人に会わせず、経済活動もさせず、インターネットも断絶させるような拘置所にとどめ置くのは、ナンセンスだと思います。

・裁判期間が長すぎる
日本の裁判制度では、1審から最高裁の3審まで数年、もっとかかるのが一般的。それまで不自由な拘置所にとどめ置かれ、人生を費消してしまう。確かにこれはいかんともしがたい・・・

・操作情報の意図的リーク
本来は、検察側は、捜査状況をリークするのは法的に禁止されているはず。しかし現実には、検察は自由に操作状況をマスコミに流し、新聞雑誌がこぞってその情報をもとに世論をリードしています。反対側の被告は、拘置所に勾留されていて全く外部との連絡が禁止されているので、全く意思や意見を外部に公表・アピールすることができません。そういう間に、国内の世論を、事実上、検察側有利に運べる仕組みになっています。こんな立場の被疑者側になったら、絶望するしかないかもしれないですね。

逃亡劇について、関西空港のプライベートジェットの出国手続のいい加減さが報道されていますが、そもそも、入国管理の目的は、不正な人や不正なモノを水際で入れないこと。すなわち出て行く人やモノに関しては、入ることより緩くなるのは、ある意味仕方ない。さらに手荷物検査の目的は、危険物・爆発物を確認し、フライトの安全を確保すること。プライベートジェットの場合、顧客と機長との信頼関係があれば、省略しても問題がないという実務は、なるほどです。

2020-05-23 15.16.54-1

 

スマホ人生戦略 堀江貴文著

「ゼロ なにもない自分に小さなイチを足していく」や「多動力」や「お金や人脈、学歴はいらない! 情報だけ武器にしろ。」等多数の著書を出されている、ホリエモンこと、堀江貴文氏。いつも刺激的なタイトルですが、今回も目を引くものでした。サブタイトルは、「貯金はするな、スマホで稼げ! 金・教養・フォロワー35の行動スキル」です。

堀江氏がスマホを自らの手足のように使いこなし、どのように情報収集し、アウトプットにつなげているかのスマホ活用術が、書かれています。しかし単なるスマホ活用術にとどまらず、情報収集のクオリティや選別、物事の考え方、掛け合わせを考え続けることでキャッシュを生み出すか、そしてどうやってその生活スキルを身につければいいのかを、自らチェックしている情報リソース等を開示して、指南してくれています。

・スマホを思考と行動を加速するためのツールとして、自らの手足のように活用し倒す
・自分がフォローしている信用筋(ソーシャルフィルタリング)の発信情報を集約する
・ビジネスで稼ぐために、既存の価値+手持ちの価値を掛け合わせて革新的なアイディアを生み出す
・「直接会って話したい」という人とは付き合わなくていい
・影響力のある人と化学反応を起こすためには、自らが努力を重ねて相手にメリットを与えられる確かな実力をつけるしかない
・スマホを使って情報の扉を開ける有効な方法は「自らがアウトプットを重ねる」こと

確かにスマホが有れば大体のことはできる、というのは理解できました。しかし、スマホさえあれば稼げて、PCやタブレット等必要ないという断言には、私にはまだ違和感がありました。

2020-05-20 09.49.38-1

 

精読 学問のすゝめ 橋本治著

著者の橋本治氏は、膨大な著作を残している小説家・文筆家です。惜しくも昨年亡くなってしまいましたが、そのジャンルは、小説・エッセイ・恋愛・古典文学と幅広く、また軽やかな独特の文体も特徴的でした。興味の範囲はとどまるところを知らず、編み物に凝り、セーターは、製図を作ってから編み込んだそうです。さらには「男の編み物」という本まで出版するほど。以前、「性タブーのない日本」という著作を読み、日本史に造詣が深いことと、性に対して極めてドライかつ愛情込めた分析にうなりました。

そして今回のテーマは「学問のすゝめ」。いわずとしれた「天は人の上に人を造らず」の有名な書き出しではじまる、明治初期に刊行された、20万部のベストセラーです。それを一行一行、精読していこうというもの。実際には全17編のうち、前半半分で終わってしまうのですが、それはご愛敬。まず、福沢諭吉が学問のすすめを書いたころの時代状況を丁寧に解説。実は、ここが一番大切なんです。

出版時の明治6年の一般大衆には、「お上」としての幕府と明治政府の違いが理解できる環境ではなかった。当時、お上によって大枠が作られつつあった政府・議会・憲法だったが、一般大衆はそれを無知なまま受け入れていた。形だけ導入しても、本来の民主主義は根付かない。だからこそ、(時間はかかるけれど)個人それぞれが学習をして、民主主義を理解し自らが自立した上で、日本国を自立した国家にしようという壮大な啓蒙本なのです。

橋本治の解釈でもっとも慧眼なのは、「福沢諭吉は政府という言葉を何度も使っているが、ここでいう政府は明治政府のことではなく、福沢が思い描く理想のあるべき政府のことだった」という指摘です。
福沢諭吉は政府や政治活動に関わろうとしなかったけれど、その理由は、彼からすると明治政府の人間はバカばかりで、関わるに値しないと判断していなかったから。とはいえ、当時の言論統制や風潮として明治政府をあからさまに批判することはできないので、回りくどい難解な言い回しになったようです。

時代は違えども、共通の認識としては「自分を確立しろ。そして政治と向き合え」ということ。

巻末に学問のススメの第1編が収録されていますが、福沢諭吉の愛国心があらわれています。「国の恥辱とありては日本国中の人民一人も残らず命を棄てて国の威光を落とさざるこそ、一国の自由独立と申しべきなり。」日本国民が全員玉砕してまでも、国の独立を守ることのほうが重要とは、、、福沢諭吉が考える国のあり方というものをダイレクトに感じます。

<性タブーのない日本 橋本治著は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/53846185.html
2020-05-18 17.42.03-1

 

なまけもの時間術 ひろゆき著

著者のひろゆき氏は、匿名掲示板・2ちゃんねるの開設者で有名。2チャンネルの運営のほか、多数の著作も出されています。2チャンネル書き込み関連で、さまざまな企業・個人から損害賠償請求の訴訟を提起され敗訴しても賠償金を支払わないなど、話題に事欠かない方ですが、著作を読んだのは初めて。サブタイトルは「管理社会を生き抜く無敵のセオリー23」「最後に勝つのは自分に甘い人!」となかなか刺激的。

これからの世の中は、成果主義社会。ただ会社に行くだけでは給料は上がらない。大事なのは時間の使い方。だから???「なまけもの」になろう!!!???意味不明です。なお、あとがきに書いてありましたが、ひろゆきさんのこれまでの著書は、すべて本人自らが書いている部分は、あとがき部分だけだそうです。すなわち、本文はすべてゴーストライターが書いていることを自ら暴露しています。まあ、これは堀江貴文さんにも共通することですが。

<まったく共感できなかった部分?
・そもそも遅刻は悪なのか?
・明日できることは、今日やるな
・仕事は、〆切りギリギリがいい

<共感できた部分>
・与えられた時間で、最大の価値を作る
・収入が多い仕事は、実際楽しい
・「好きだから延々できる」が価値になる
・時間を切り売りするな
・仕事に使う時間は少なくて良い
・労働=美徳という呪縛から解放されよう
・幸せの時間を確保するために、仕事を選ぶ
・自分がいなくても、世の中は回っている
・堂々と休む勇気を身につける
・間違った努力という時間のムダ
・他人の心配より、自分の心配
・SNSというメンタル破壊ツール
・とりあえず、やってもん勝ち
・人間はヒマだと不幸になる
・貧乏だけど幸せな人は、無敵
・嫌いなやつは、記憶ごと抹消する

結局、住む場所と食べ物があって、人とコミュニケーションがとれる状況であれば、人は幸せを感じることができるんですねえ。

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PRESIDENT FACT FULNESS ネット記事ねつ造がビジネスに

2020.5.8号のプレジデントの特集が、FACT FULNESSです。事実に基づいた物事の見方を説く「ファクトフルネス」。著者のハンス・ロスリングさん(故人)いわく「自分の内なる本能をできるだけコントロールし、ファクトに基づいて判断を下すということ。それが、政治家や医師のように決断を下す立場の人々はもちろん、国民にも今、求められていると思います」。

今回のコロナ禍に関するニュース、報道においても、ファクトフルネスに書かれている「思い込みがちな10の視点(10のバイアスといってもいいかもしれません)」が再現されているといいます。
1. 分断本能:世界は分断されている
2. ネガティブ本能:世界がどんどん悪くなっている
3. 直線本能:世界の人口はひたすら増える
4. 恐怖本能:危険でないことを恐ろしいと考えてしまう
5. 過大視本能:目の前の数字がいちばん重要
6. パターン化本能:ひとつの例にすべてがあてはまる
7. 宿命本能:すべてはあらかじめ決まっている
8. 単純化本能:世界はひとつの切り口で理解できる
9. 犯人捜し本能:だれかを責めれば物事は解決する
10. 焦り本能:いますぐ手を打たないと大変なことになる

いくつかのクイズが面白かったです。
Q 外国人が増えたら、日本は犯罪の巣窟になってしまう?
A 在留外国人の増加と犯罪件数は比例せず

Q ネットで大炎上!日本中を敵に回してしまったのか?
A 書き込んで大騒ぎする人は、ごく一部

Q 地方自治体は選挙で首長を決めているので、民主主義的だ
A 中央に財政依存し、自治を失っている

Q 新聞記事は事実しかない?
A 誤報は日常的にある

フェイクニュースを量産して儲けている村が、マケドニアに実在していることに驚愕でした。一市民や学生がこぞって、まともな記事を改ざんした上で、実際の人物の映像を加工して、キャッチーなタイトルをつければできあがり。記事がたくさんweb上でヒットし閲覧されれば、記事1本で親の年収分を稼ぐこともあるそうです。自分のウェブサイトに広告配信サービスを埋め込んで、広告を見たりクリックしたりすれば、広告料が入る仕組みです。キャッチーなねつ造記事の作り方を指導する「先生」も実在。なんとも、恐ろしい。

<世界で200万部のベストセラー、FACTFULNESSは、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/53286629.html 
2020-05-14 16.42.03-1


優位戦思考で世界に勝つ 日下公人著

著者の日下公人氏は、日本長期信用銀行取締役、ソフト化経済センター理事長、東京財団会長等を歴任された経済人です。その一方、常に日本の国益を冷静に最優先に考え、その思考のもとを過去の歴史と対比しながら考える保守の論客でもあり、多数の著書を出されている方です。

「優位戦」とは、こちらが主導権を握って「戦場」を選び、時を決め、目的も手段も決められる戦いのこと。そうした優位戦の思考を持てば、「劣位戦」に追い込まれることなく自分の利益を確保できるというもの。以前から欧米は、そうしたかけひきに長けていて、日本は彼らに決められたルールの下、不利な条件で戦ってきました。それは政家・外交・経済いずれの分野でもあてはまります。特に、劣位思考に陥ったままの政治家、学者、マスコミに顕著。それを変えていこうという著者の提案です。

「日本には力があり、選択肢がある」国際親善に力を尽くして海外と好き合わなければ経済が成り立たないというのは思い込みに過ぎません。日本人が決意して優位戦思考を持てば、日本は自由に戦えるはず。核兵器を保有していなくても、日米安保条約が日本を制約するビンの蓋だとしても、優位戦思考で戦い方を選んで行けば、道は開ける。

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この趣旨のことは野中郁次郎著の「失敗の本質」でも、書かれていますね。

<失敗の本質は、コチラ>

日本書紀入門 2000年以上続いてきた国家の秘密に迫る 竹田恒泰著

著者のひとり竹田恒泰氏は、旧皇族・竹田家出身。誕生前に竹田家が臣籍降下してしまっていたため、皇族に列せられたことはありませんが、明治天皇の玄孫にあたる方です。今でも、皇族の方々と定期的な交流があるそうです。その生まれもあって、皇族・日本の歴史に詳しく、多数の著作を書かれています。もうひとりの著者、久野潤氏は軍事史・艦内神社等を研究している歴史学者の方。そのお二人の対談をまとめたものです。

日本書紀入門とのタイトルは、ともかく歴史トリビアが、たくさん詰まっています。お二人の研究成果があふれ出ていました。

・天皇陛下の地位は、日本書紀の「天壌無窮の神勅」に由来
・「八紘一宇」ではなく「八紘為宇」(あめのしたをおおいて、いえと為すこと、またよからずや)
・神武天皇の存在は、日本書紀に記されていて、神話が歴史上の存在として認められている
・大御宝である国民の幸せは、天皇の幸せであり、日本国の幸せ。どちらに主権があるかの2項対立はない。
・日本書紀の「一書曰(あるふみいわく)」は、いろんな説の紹介
・日本の祝日の多くが、皇室の祭儀がベースだった
1/1元旦=四方節、2/11紀元節=建国記念の日、春季皇霊祭=春分の日、4/29天長節・昭和天皇誕生日=みどりの日、7/20明治天皇の横浜入港=海の日、秋期皇霊祭=秋分の日、11/3明治節・明治天皇誕生日=文化の日、11/23新嘗祭=勤労感謝の日、12/23上皇陛下誕生日=天皇誕生日(来年から名称変更か?)
・靖国神社の源流は、神武東征の際に犠牲となった「五瀬命」の御霊を弔うために建立された、和歌山にある竈山(かまやま)神社
・熊野詣が重要なのは、熊野から出陣して大和を攻略できたため
・それを案内したのが、黒い八咫烏
・そのときに金鵄(きんし:金色のトビ)が光って、神武天皇を助けた(なるほど、だから国民歌 紀元2600年の最初に出てくる言葉なんですね!)

<国民歌 紀元2600年は、コチラ>
https://www.youtube.com/watch?v=zYgKAzOoNsQ

・戦後の人間宣言というのはなく、「新日本建設に関する詔書」

これらが、私も含めて深く学ばれてこなかった原因の多くは、GHQによるWGIP(ウォーギルトインフォメーションプログラム)や、30項目にわたる日本マスコミへのプレスコードによるところが大きい。検定教科書に書いてあることはすべて正しい、とテストや受験で刷り込まれているので、これを乗り越えるのはかなりハードルが高いです。しかし、われわれ大人の意識を変え、こどもたちに誇りある日本の先人の足跡を伝えていくためにも、しっかり学んで行動していくことが大事ですね。

<GHQのプレスコードは、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/44861400.html
<ひと目でわかる「GHQの日本人洗脳計画」の真実 水間政憲著は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/45508784.html
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スポーツ立国論―日本人だけが知らない「経済、人材、健康」すべてを強くする戦略 安田秀一著

著者の安田秀一氏は、ブランド名「アンダーアーマー」で知られる、株式会社ドームのCEO。快進撃を続けるサッカーチーム、「いわきFC」のオーナーです。ドームの国内最大の物流拠点「ドームいわきベース」は、いわきFCパークの敷地内にあります。

<ドームいわきベースと安田秀一社長は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/47614912.html
<いわきFCパークは、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/50282102.html

氏自身も、大学でフットボール選手として活躍し、日米のスポーツ選手を囲む環境の大きな違いに直面したそうです。多忙極める現在でも母校法政大学のフットボール部の監督を務めたり、筑波大学体育会改革のアドバイザーを務めているそうです。現在でも、自らの体を鍛えていて、ドーム本社建物内に併設されている「ドームアスリートハウス」というトレーニングジムで、筋トレしているとのこと。

<ドームアスリートハウスは、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/54391944.html

氏いわく、スポーツには、国を強くする3つの力がある。
1.「経済」巨額を稼ぎ出し、地方と国を豊かにする
2.「人材」教育の質を高め、優れた人材を輩出する
3.「健康」人々を健康にし、社会保障費が削減される

それが日本においてうまくいっていないのは、スポーツビジネス業界にオカネがうまくまわる仕組みがないからです。うまくいっているのは、野球の巨人等、極めて少数。高校野球や大学スポーツ全般を含め、選手は一生懸命なのに、関連ビジネスがうまくまわっていないため、選手の待遇向上や、環境整備にオカネが投資されていない。

日本のスポーツの問題点をいろいろ指摘されていますが、目からウロコだったのは、国内の各大学内に設置されている「体育会」は、大学内の正式な組織ではなく、運営はもちろん、そこで発生する費用や収益は、大学とは無関係だということ。これでは、大学本体が、長期的に大学のブランド強化を目的に、スポーツに本腰を入れて施設や広報活動に投資していこうとは思わないですね。アメリカの大学スポーツ(大学対抗アメフトやバスケットボール)が異常に盛り上がるのは、体育会が大学本体の下部組織になっていて本気で選手育成、環境整備、大学のブランド力向上に力を入れている。この違いがあまりに大きい。

また日本で毎年開催されている、国体・高校総体・中体連等の競技の位置づけもあいまいと指摘しています。すなわち、開催目的が、競技なのか教育なのか地域興しなのか?が、あいまいなのです。開催すること自体は、いろいろな意味で良いことだと思います。しかし開催目的がはっきりしなくては、ムダなオカネが毎年、全国でばらまかれることになってしまう。競技が目的なら、人口規模が違う自治体ごとの競争は機会の平等ではないし、毎年各自治体の持ち回りで開催する意味もないでしょう。教育目的ならば、これほど大規模に開催することもないし、順位を過度に気にするあまりハード過ぎる練習する必要もない。地域興し目的なら、学生スポーツをダシにすることはないでしょう。これらのために、毎年、競技設備を公金で整備し、莫大なメンテナンス料も公金で負担することにどれだけのリターンが望めるのか。

最終章で、著者の大胆な各種提言がなされています。なるほど!と膝を打つのもありますし、直感的に各方面から反対されそうだなというものもあります。いずれにせよ、スポーツには「経済」「人材」「健康」に役立つ力があり、それは個人のみならず、国力を高める強い力なので、うまく回る仕組みを作っていきましょう、という著者の思いに賛同しました。

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これからの投資の思考法 柴山和久著

株式投資・運用の基本は、「長期・積立・分散」。これを低い運用コストで実現しているのが、グローバルETF投資信託です。さまざまな投資指南本で、アクティブ運用よりもパッシブ運用の方が、長期的に見て運用成績が良いということが指摘されています。パッシブ運用の代表的なものが、ETF。なぜなら上場している株式全体に運用成績が決まるETF銘柄に投資するため、企業分析して投資意思決定するファンドマネージャーが不要になり、運用のためのコストがほとんどかからないからです。その投資意思決定プロセスをロボットAIにさせることで、運用コストの引き下げをしましょうと提案しているのが、著者が起こした会社です。

ただ著者の本当にいいたかったことは、投資をする上で真剣に考えるべきは「何のために資産運用をするべきか」ということだと思います。お金は、自分が自由になるために必要なもの。衣食住、さらには勉強や子育てや事業を起こすための道具なのです。お金という道具を介して、真面目に働き、周りの人々や社会に役立つこと、経済的に豊かになる社会の実現です。これは、漫画 バビロン大富豪の教え 「お金」と「幸せ」を生み出す五つの黄金法則にも、書かれていたことと同じです。

<バビロン大富豪の教え 「お金」と「幸せ」を生み出す五つの黄金法則は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/54288308.html
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お金の不安から解放されれば、自分にとって本当に大切なこと、本当にやりたいことを追求していけるようになるわけですね。「お金の減らし方 森博嗣著」にもありましたが、自分が本当に欲しいもの、自分が本当にやりたいことにお金をつぎ込もうということ。それがさらなるチャンスにつながるし、自己実現になるわけです。

<お金の減らし方は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/54521302.html

アパレルは死んだのか たかぎこういち著

著者のたかぎこういち氏は、服好きの68才。若くして服飾雑貨卸業を大阪で起業するも、うまくいきませんでした。その後、ヨーロッパ・香港等で、長らく服飾ブランドに携わって来られた方です。文化服装学院、東京モード学園という学校でも講師を務められたそうです。50年近くに及ぶ服飾ビジネスの実務経験から、今のアパレルの業界の現状と今後の課題を問うたビジネス書です。

「アマゾンvsZOZO」「ユニクロvsGAP」の章が、それぞれの特徴をつまびらかにしてわかりやすかった。まずZOZOが成功した要因として、最大なのがまず「トライ」して創造的なサービスを開始するスピードの早さ。その一方、過去に終了したサービスも数多いです。またECサイトに出品者を引きつけたのが、出品者が最も悩む、写真撮影・商品紹介ページ作成・梱包・発送を、すべてやってくれること。ほぼ丸投げ可能なので、ZOZOの手数料30%と高い水準を維持できています。そして上記作業をすべて、自社で上記を行っているため、サイト運営を含めサービス全般のクオリティが高いこと。それもアパレルには少ないIT人材に強みがあり、他のECサイトと差別化できたことです。

一方、ZOZOの凋落の例としては、前評判が高すぎたZOZOスーツ。採寸のクオリティが低く、サイズ違いが頻発し、生地や縫製のクオリティが高かったものの、すぐに生産中止に追い込まれました。また独自の値引きをするZOZO ARIGATOは、独断で進めたこと他のアパレルの信用を失い、中止に。いったん離れた出品者を呼び戻すのは難しい。またプライベートブランドを始めたがこれは、別のビジネススキルが必要でしょう。

Amazonの現状に対する考察も鋭い。AmazonがECコマースの巨人であることはもちろんだが、ファッション業界に多額の投資を始めている。日本ではアマゾンファッションウィーク東京を開催し、デザイナーをサポートしている。近い将来には、顧客の好みにぴったりのリコメンド商品を推奨するシステムができるのではないか。

GAPの凋落。GAPは中間マージンを廃したSPA業態という形で、大成功を収めた。しかしショッピングモールへの大量出店が、大量閉店を招いた。

ユニクロの躍進。東レをはじめとする素材メーカーとのコラボによる、素材からの差別化。上質な縫製工場との協力関係。グローバル旗艦店の出店による知名度向上。マーチャンダイジング(商品・時期・場所・量・価格)の適正化。SKUが少ないので、1SKUあたりの生産量を多くできる、結果、コストダウンが図れる。誰に何を売りたいかを一目でわかりやすく見せる、ビジュアルマーチャンダイジングに力を入れている。

これからのアパレルは、ますますパーソナル化していきます。突き詰めれば、すべての商品が適正な価格でオートクチュール化していくのも夢ではありません。そこでは「ホンモノ」が求められます。その条件は、
1.模倣品でなく、ブランドが生み出すオリジナル
2.クラフトマンシップを持ち、匠の技や優れた技術の美があること
3.誠実・正直であり、透明性があること
4.実質の価値を持ち、実用性があること
5.一貫性を持った価値観・哲学で事業が行われていること

日本の服飾機関のレベルは、高いそうです。しかしアパレル人材への教育・処遇が不足しているように感じます。まず、彼ら(彼女ら)を業界に引きつける待遇面を改善すること。また実店舗では販売スキルとともに、ファッション業界に通じたITスキルを持つこと。ビジネススキル、財務やお金の知識を持つことが、大事でしょう。

<ユニクロ対ZARAは、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/54456041.html
2020-04-27 10.59.20-1



 

新・失敗の本質 失われた30年の教訓 山岡鉄秀著

著者の山岡鉄秀氏は、自称、情報戦略アナリストの55才。保守派の論客で、ツイッターをはじめとして愛国心も基づいた発信を継続しています。これまでの著書には、「日本よ、もう謝るな!」や「日本よ、情報戦はこう戦え!」等、刺激的なタイトルが並びます。一方、今回の「新・失敗の本質 失われた30年の教訓」では、名著「失敗の本質」をさまざまな点で引用し、そこから学ばねばならないと指摘しています。

<失敗の本質は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/20737667.html

著者が、冷静・客観的な思考が持つようになったのは、オーストラリア留学し、その後も20年以上住み、あるきっかけで日本に帰国したときに受けた衝撃です。それは、もはや日本は経済大国ではなくなっていて、オーストラリアをはじめとする諸国に所得水準の点で、大きく水をあけられてしまったいること。また平和ぼけしていて、中国がしかける超限戦(情報戦・経済戦)で負け続けていることを認識していないことでした。

<China 2049 秘密裏に遂行される世界覇権100年戦略は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/54274181.html

日本人は、PDCAサイクルなど目標が与えられているシングルループ・ラーニングは得意だが、その目的や前提そのものを疑い、必要であれば学習棄却(アンラーニング)をするダブルループ・ラーニングは苦手である。前例を踏襲することで、逸脱を忌避し、成功体験を捨てることができずにに失敗に至ってしまう。一例として、制定当時と社会状況が大きく変化しているにもかかわらず、憲法改正にさえ着手できないこと。自発的に枠を打ち破れず、「黒船」という外圧があって初めて考え決断に至るというところが、民族としての日本人の最大の弱点である、ということは、「失敗の本質」でも、日露戦争の際の日本海海戦の勝利の成功体験が、大東亜戦争時にいろいろな面で引きずり、敗戦につながったことが指摘されています。「モノづくりと商売のことだけに専念するのが正しい生き方」という成功体験を捨て去り(学習棄却・アンラーニング)、新たなラーニングをしながら、行動することが肝要。

情報戦の軽視も、旧日本陸軍参謀本部と同じ。真珠湾攻撃のアメリカ国民に与えるインパクトを、深く考えていなかった。当時のアメリカ国民は、第一次世界大戦の厭戦ムードから、参戦に反対だったといいます。いわゆるモンロー主義ですね。日本はそれを理解した上で、戦争を避けるためにアメリカに対し、情報戦を仕掛けるべきだった。「我々は戦争をしたくない。しかし資源がない日本は供給がストップされたら戦争になってしまう。なぜルーズベルト大統領は、日本をそんなに追い込むのでしょうか」と、米国民と世界に強力に訴えるべきだった。いまの、韓国の従軍慰安婦・自衛隊への火器管制レーダー照射事件や、中国の南京大虐殺ねつ造にもいえることです。いますぐにでも、国も企業も強力なインテリジェンス能力を持つべきでしょう。

大東亜戦争で甚大な損害を出してしまったのは、リーダーの作り方に失敗したから。当時の陸軍士官学校は、いまの東京大学より、もっともっと狭き門だった。学力的・体力的に優れていたにもかかわらず、他の優秀な部下を認め、耳が痛いような進言を取り入り入れるトップを据えてこなかった。過酷な国際政治のかけひきの舞台に伍していけるリーダーを、国民自ら選んでいく目と覚悟が要るでしょう。

そして日本をやり直すには、ゼロベースで愛国グローバル人材を育成していくこと。国益を考え、健全な愛国心をもつ国民。そして外国人から見ても、尊敬できる日本人であること。これは、北野幸伯氏が書かれた、新日本人道でも同様の主張です。

<新日本人道 北野幸伯著は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/54352438.html
2020-04-27 10.59.12-1


 

アパレル興亡 黒木亮著

著者の黒木亮氏は、「トップレフト」「巨大投資銀行」等の小説家です。自らの三和銀行・三菱商事での勤務経験を元にした小説は、現実の金融・投資業界のリアルを描いています。小説というスタイルを取ることで、ほぼ実会社・実名で書ける。そんな著者が、日本のアパレル業界の歴史を、あるアパレル会社の起業から消滅まで(正確には買収され、経営陣が総退陣するまで)を書いています。金融の世界だけでなく、アパレルにも詳しいんですね。私も、ラルフローレンの企画・製造をしていたアパレル会社の会計監査を数年やっていたので、業界には詳しいつもりでしたが、新たな視点をいただきました。

中心となるのは、日本の伝統的なアパレルメーカー、東京スタイルです。1977年に東京証券取引所1部上場となった、無借金経営で有名な会社でした。2002年から村上ファンドが株式を買い集め、株主提案で、内部留保を使って自社株買いを行うことを提案し、プロキシーファイトとなった「東京スタイル事件」の経緯も、もちろん詳細に記載されていました。村上世彰氏が、仲裁に入ったイトーヨーカドーの伊藤雅俊氏を激怒させてしまったんですね。

・昭和の時代の百貨店は、夢のようにモノがあふれ、消費者吸引力は強大だった
・百貨店の職員食堂は、幼稚園のお遊戯会のように他職種のコスプレであふれている
・繊維業界は、糸を作る「川上」、生地を作る「川中」、縫製・アパレル・小売りなどの「川下」
・百貨店が消費者に売る価格が「上代」、アパレルが百貨店に卸す価格が「下代」の下代÷上代が掛け値。その率は百貨店とアパレルの力関係や商品によって異なるが、一般的に60-70%。
・従来のアパレルメーカーの原価率は、20-30%。
・中国への生地や縫製の生産移管が、国内業者(特に川中)の激減につながった
・百貨店とアパレルメーカーの「消化仕入」という特殊な取引形態が、長期的に両者のパワーを弱める遠因となってしまった

当時の東京スタイルは、日本全国の生地生産地や親機を知り尽くし、その時点でベストな先に発注、売れ筋を見ながらすぐに追加発注し、売れ筋を逃しませんでした。そして丁寧な縫製と仕上げから、安定した顧客基盤を作りました。支払条件等の金払いが良かったので、受託先とWIN-WINの関係性も作れた。
一方、現代のSPAの代表であるユニクロも、詳細が違えど、かなり似ていると思います。全世界で最適な生産地を探し(結果として中国メインですが)、売れ筋を見ながら追加発注し、大量の在庫を抱え込まないようにしました。ベーシックな定番商品を基本とし、機能性と品質の向上を追求しています。低価格にもかかわらず、大量発注するので、受託先とWIN-WINの関係性も作れています。
時代が違うので、日本国内/国外生産、企画製造アパレル/SPA、規模の大小という違いはあるものの、商売のスタイルはかなり似ているのではないか。東京スタイルは、創業者社長の死去、2代目社長の専横、3代目社長の迷走で、事実上、消滅してしまいました。さて、ユニクロはどうなっていくのか。事業承継が最大のキーポイントであることは、間違い有りません。

<ユニクロ ニューヨーク 5番街店は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/25612167.html
2020-04-23 12.27.27-1

 

フィンランドの幸せメソッド SISU(シス) カトヤ・パンツァル著

著者のカトヤ・パンツァルさん(女性)は、フィンランド生まれのカナダ人です。バンクーバー・トロントといった大都会で、編集者としてバリバリ働いていましたが、ストレスで体に変調をきたし、ふとしたきっかけで両親の故郷であるフィンランドに戻ったところ、心の落ち着きを取り戻しました。なぜ落ち着きを取り戻せたのか、自問し、いろいろな専門家やフィンランドの知人に聞いてまわってただりついたのが、フィンランド語のシスSee-Su。意味は、勇気・忍耐・シンプル・自然体です。レジリエンス、グリッド、あきらめない力といっても良い。フィンランドにルーツを持ちつつも、大学教育やキャリアのほとんどをカナダで過ごした著者にとって、フィンランドで生活してみての働き方や教育は、客観的な分析だと思います。

フィンランドといえば、世界一の幸せ大国、かつ教育先進国として有名です。2019年の経済協力開発機構(OECD)が発表した国際学習到達度調査(PISA)で、フィンランドは参加国のなかで唯一、読解力と生活満足度の両方が高い国です。国連の「世界幸福度ランキング」で2年連続トップに輝いているフィンランドですが、未来を担う子ども世代も幸せな日常生活を送っているわけです。一方、フィンランド人は「無口で物静かで、世界でもっとも笑わず、最もしゃべらない国民」ともいわれています。フィンランド人と話したかったら、裸でサウナに入り、隣に座ること。その背景は何か?

いろいろな歴史的背景があるものの、その根底にあるのがフィンランド人それぞれが持っている「シス」だと著者は結論づけています。それによってウェルビーイング(心身の充足感)が得られるといいます。

・北欧のシンプルなライフスタイル・ミニマリスト、レス・イズ・モア
・週末には、自然と交わるアクティビティ
・夏には、ほぼ全員が1週間以上、郊外のコテージで過ごす
・ひとりになって静けさにひたる時間を重視
・自動車よりも自転車通勤という、社会的責任
・マイナス20℃でも、スパイクタイヤの自転車で通勤
・レイングッズ・帽子・手袋・フェイスマスク・着替え・リフレッシュキットさえあれば自転車ライフは快適
・この世に悪天候は存在しない。ただ不適切な衣服があるだけ
・シスはメンタル面だが、フィジカルを鍛えることでプラスに働く
・就学前教育(生まれる前から学校に入るまで)を重視。「遊び」「信頼」「健康」
/」フィンランド教育の強みは、全員が成功することをゴールに定め、国家的アプローチを取っていること
・すべての小学校教師が、修士号以上の学位を持っている
・統一テストや政府の検閲・検定はなく、プロフェッショナリズムに基づく教育現場を信頼
・何事にもスマートにモノゴトを進める

著者が、毎日続けているアイススイミングとは、冷たいエクスタシー、冷水治療のひとつです。冷たい海の中で30秒~1分間くらい、平泳ぎするというもの。冬期は厚い氷が張るので、穴を開けて入る。装備は、水着と毛糸の帽子・手足にネオプレンの手袋・サンダルのみ。著者自身、やってみるまでは、とても信じられない所業だったとのこと。しかしいまでは、その虜になっているそうです。ちょっとずつ、試してみたいですね。

<フィンランド人はなぜ午後4時に仕事が終わるのかは、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/54505214.html
2020-04-25 12.33.03-1

<マンガ サ道 タナカカツキ作は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/54433819.html

太平洋戦争の大嘘 藤井厳喜著

著者の藤井厳喜氏は、ハーバード大学政治学部大学院卒の政治学者、評論家です。かつては大学で教えていたこともあるようですが、現在は、YouTubeや、有料記事配信等で活動されておられる方。保守の立場ですが、必ずしも政権寄りは発言をされているわけではありません。

本書は、太平洋戦争(大東亜戦争)を望んだ者は誰なのか、第31代アメリカ大統領ハーバート・フーバー(任期1929~33)の著作をもとに、藤井厳喜氏オリジナルな見立てを展開しています。まずフーバー大統領の回顧録とは、第二次世界大戦の過程を詳細に検証した「裏切られた自由(Freedom Betrayd)」です。

まず、フーバー大統領ですが、一般的な歴史観は、1929年の世界大恐慌時に有効な経済政策を打ち出せなかった無能な大統領というもの。しかし実際は、第28代大統領ウッドロウ・ウィルソンの下で食糧庁長官、第29代大統領ウォレン・ハーディングと第30代大統領カルビン・クーリッジの下で商務長官を務めた、極めて有能な方だったようです。

結論からいうと、大東亜戦争はルーズベルトによって日本が巻き込まれた戦争だったというもの。昭和初期に日本が軍国主義国家になったことは事実でしょうが、軍国主義だからアメリカに戦争を仕掛けたというわけではないんですね。戦後、マッカーサーも「日本の戦争は自衛戦争であった」と認めているし、フーバーがマッカーサーに「太平洋戦争は日本が始めた戦争ではない。ルーズベルトが始めた戦争であり、ルーズベルトが日本を追い詰めてやった戦争である」とマッカーサーに言うと、「その通りだ。」と認めたそうです。

あの戦争は、「ファシズム・軍国主義 対 デモクラシーの戦い」ではなく「後進資本主義国家である日独伊が、先進資本主義国家である英米の覇権に挑んだ戦い」だった。ヤルタ協定で、ルーズベルト(とチャーチル)がスターリンを連合軍側に引き入れたことが、ソ連が共産主義を世界中に広める手助けになってしまった。スターリンとヒトラー同士を戦わせておけばよかった。

第二次世界大戦の本当の勝者はソ連でありスターリンであり、次に儲かったのは毛沢東の共産党だった。イギリスは戦勝国にはなっても植民地など失ったものが大きい。アメリカは中国本土へ侵入し領土獲得を望んでいたようだが、それもスターリンや毛沢東に阻まれ、実現しなかった。この戦争が無かったら世界地図は全く異なっていた。

それにしても、もととなったフーバー大統領の著作「Freedom Betrayd」が、2011年まで出版されなかったのが不思議です。その邦訳「裏切られた自由」は2017年です。それは本の内容が、ルーズベルト批判、アメリカの第二次世界大戦への参戦への批判だったから。都合が悪かったので、これまで戦後50年以上の放置されてきました。ここにきていろいろな外交文書・秘密文書等が公開されてきていて、出版できる状況になったのでしょうか。

2020-04-08 12.01.55-1

 

「イノベーター」で読む アパレル全史 中野香織著

著者の中野香織氏は、服飾史家。東京大学文学部卒、英国ケンブリッジ大学客員研究員などを経て、ライターとなり、アパレル関連の著作多数です。その氏が、1858年以降のアパレル業界に革新をもたらしたイノベーター達の足跡を紹介するという、斬新なものです。50人もの方を紹介しているのですが、特に印象に残ったのは、以下の14人です。

・モードのサイクルを作った、クリスチャン・ディオール
・女性の社会進出を後押しした高級既製服の始祖、イヴ・サンローラン
・時代にふさわしい男性像、女性像を作ったジョルジオ・アルマーニ
・アメリカの上流階級という幻想を創出した、ラルフ・ローレン
・遊び心と親近感ある英国紳士像を体現する、ポール・スミス
・デザイナーズ・アンダーウェアを発明した、カルバンクライン
・ミニマリストの女王、ジル・サンダー
・アジア人初のパリ・オートクチュール組合会員、森英恵
・実用エレガンスの巨匠、芦田淳
・テクノロジーを駆使したファッションデザイン、三宅一生
・モードの哲学者、山本耀司
・コムデギャルソン、川久保玲
・ファストファッションを生み出した、アマンシオ・オルテガ
・コモディティファッションの価値を変えた、柳井正

多くのブランド名が、創始者・イノベーターたちの名前ということが改めてわかりました。すでに鬼籍に入られた方も多く、ブランドのテイストを受け継ぎながら、後継者がブランドを維持していくことに成功しているところもあれば、後継者がいなかったり、会社自体が倒産してしまっているところもあります。本の中で著者は、「人の見え方を変えることは、あり方を変えること」、「ファッション史を学ぶことは、時代と人のあり方の関わりを学ぶことにつながる」といっていますが、先人たちの足跡の先に、今のアパレル業界があることを改めて、体感しました。

2020-04-18 16.15.26-1


お金の減らし方 森博嗣著

お金を増やすためのノウハウ本があふれている今日、なんという刺激的なタイトルでしょう。そのタイトルだけで購入しました。著者の森博嗣氏は、専門が航空物理学の研究者で工学博士、かつ小説家という異色の方です。ヒットメーカーらしく、氏によると印税収入だけで累計20億円を超えているとのこと。また、私はあまり小説は読まないのですが、「スカイ・クロラ」という小説は、アニメ化されています(著者によれば、小説自体はあまり売れなかったとのこと)。

著者の主張をつきつめれば、自分にとって欲しいものを知ろう、そして買おうということ。現実社会では、多くのひとは自分のためにお金を使っていないように見える。誰かに見せるためにお金を使っている、のではないか。「お金の減らし方」とは、自分が本当に欲しいもの、自分が本当にやりたいことにお金をつぎ込もうということ。それがさらなるチャンスにつながる。

実際、著者の食生活や他人との関わりは、薄給だった国立大学教員だったころとあまり変わらないそうです。逆に小さい頃からやりたかったこと、それは自宅の庭にSL列車を走らせること、ラジコン飛行機を組み立てることに、印税収入をつぎ込む。それ以外の洋服や人付き合い関連支出は、ほとんどしないそうです。

もうちょっと踏み込むと、「お金を減らす方法」が、自分が欲しいもの、やりたいことを実現することとはいっても、単なる消費でなく、その先の探求・研究レベルになると、より楽しくなり、知識が増え、自分の価値が高まる。なるほど、タイトルは「お金を減らす方法」ですが、実は、こういったアプローチでお金を減らすことで、自己実現を達成しようという、著者の実践報告なんですね。新鮮でした。

2020-04-14 11.48.53-1

 

21世紀の「男の子」の親たちへ 男子校の先生たちからのアドバイス

著者のおおたとしまさ氏は、教育関連の書籍を多数、書かれている教育・育児ジャーナリストさんです。著者のいくつかの本を読んで感じたことは、実際に取材している、塾の現状等のレポートは、教育学者にはない視点があるということ。今回の本は、男子校(麻布、栄光、海城、開成、芝、修道、巣鴨、東大寺、桐朋、灘、武蔵)のベテラン先生たちのいっていることを、聞いてきてまとめたもの。客観的なエビデンスやデータに欠けるということはありますが、それもそういうスタイルなのだからしょうがないと思います。

21世紀の~とのタイトルはあるものの、これからの教育に求められることは、これまでの教育とそう変わらない。必要とされるのは「そこそこの知力と体力」「やり抜く力」「他人とチームになるコミュニケーション能力」です。日本においては、中学受験のプロセスが非認知能力を高める上で、役立つこともあるとのこと。これは、幼児教育の経済学でも明らかにされています。

面白かったのが、思春期にできることに集中しろ!ということ。これは部活動であったり、恋愛だったりします。恋愛でいえば、これまで両親から全身の愛を受ける側だったのが、愛を他人(女性)に向ける側に立つということ。さらにいえば一人の女性を愛するということを通じて、全世界の人がその営みをしていて、誰かを愛し愛されていることに気づけば、他人を誹謗したり傷つけるような思考や行動にならなくなるだろうと。

<幼児教育の経済学は、コチラ>
2020-04-12 11.02.54-1

 「あの人はちゃんと見てくれている、わかってくれてる。そう思える大人がいれば、子供は決してねじ曲がらない」。だまって子どもを抱きしめてあげたくなりました。

告発 フェイスブックを揺るがした巨大スキャンダル

フェイスブックは、GAFAのひとつであり、全世界のSNSインフラといっても良い存在だと思います。そのFBは、2019年末に個人情報流出事件を起こしています。2億6700万人以上のフェイスブックユーザーの名前や電話番号を含んだデータベースがオンライン上に公開されていたというもの。

実は、それ以前からフェイスブックの個人情報が、市場で販売・流通していました。個人が知らないうちに、個人の行動・好み・性格等が、第三者に販売され、収益化されていたことが明らかになりました。どういう収益化かというと、例えば選挙行動の誘導です。投票者の性格を分析し、特定に候補者に有利になるような政治広告を出すことによって、当選確率を上げるというもの。そのコンサルティングと実行をしていたのが、イギリスの選挙コンサルティング会社ケンブリッジ・アナリティカ社(現在は、閉鎖済み)です。著者は、そのCA社で、創立初期の段階から関わり、顧客開拓等の生生しい場面を経験してきた女史です。

有名な事象は、CA社が5000万人以上の個人情報を利用し、2016年のアメリカ大統領選挙でドナルド・トランプを支援し、実際に当選に導いたことです。CA社がやっていたことは、「行動マイクロマーケティング」というもの。流れとしては、CAは、自分のデータだけでなく全ての友達のデータをアプリ開発者にアクセスさせる「友達API」アプリ(無料の性格判断アプリ等)によって、収集したFBのユーザーのデータを収集。そして、個人ユーザーに関する数千ものデータポイントから算出されるデータを、行動心理学と社会心理学で分析。その人が、どの程度に「開放的」「誠実」「外向的」「協調的」「神経質」なのかを特定。これらの性格タイプをモデル化することで、ひとりひとりをグループ分け。あとは、マイクロデータターゲティングです。共通する性格と共通する問題意識をもつ個人に的を絞って、望みどおりの結果を得られるまで微調整と改良を加えたメッセージを何度も送る。選挙の場合には、人々に呼びかけて、献金し、候補者と選挙戦の争点について学び、実際に投票所へ出かけ、自陣の候補者へ投票することを求める。

まさに、データ=資産、です。FBが、個人データを外部に販売していることにも驚きましたが、それを活用して、大きくビジネスにしている会社があることにも驚きです。CA社がやっていることは違法性が強いものの、これに近いビジネスが現実の世界で同時多発していると考えると、空恐ろしくなります。

2020-04-08 12.01.45-1


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吉田みきと プロフィール

ふるさとの福島県いわき市で、市議会議員として活動しています。いわき市は、震災後、複層的な問題が山積しています。公認会計士・一般社団法人日本アンガーマネジメント協会 認定 アンガーマネジメントファリシテーターとしてのキャリアを生かし、フレッシュな視点で問題点を洗い出し、解決策を提案していきます。



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